ベンツGLCは2代目へ進化し、次世代はEV専用モデルへ デザインやパワートレインの特徴
メルセデス・ベンツGLCは、かつて「GLKクラス」と呼ばれていたSUVの後継車種です。「セダンのCクラスに位置するSUV」として車名がGLCに改められ、日本では2016年にGLC、2017年にGLCクーペがデビューしました。
GLCと派生モデルのGLCクーペは、輸入SUVのなかでも屈指の人気を誇ります。ハイパフォーマンスモデルのAMGも日本国内ラインアップに加えられています。
現行モデルは2023年3月16日に登場した2代目(X254型)で、2026年7月時点も販売が続いています。そして次世代GLCは、2025年9月に世界初公開されたEV専用の「GLC with EQ Technology」へと大きく舵を切りました。日本導入は2026年内が予定されています。
2代目のグレード展開、次世代モデルの中身、そして初代から積み重ねてきた進化の流れを順に見ていきます。
GLCの現在 2代目が販売中、エントリーは819万円から
2026年7月時点で、日本のメルセデス・ベンツ正規ラインアップにはGLCとGLCクーペがそろっています。中心になるのは2.0L直列4気筒クリーンディーゼル「OM654M」にISG(ベルト駆動式スタータージェネレーター)を組み合わせたマイルドハイブリッドで、最高出力197ps/最大トルク440Nmを発揮し、ISGが最大23ps/205Nmのブーストを加えます。
価格の入口は「GLC 220 d 4MATIC Core(ISG)」の819万円、クーペのCoreが866万円。上には220 d 4MATIC、PHEVの350 e 4MATIC Sports Edition Star、そしてAMGモデルが並びます。
販売面での存在感は数字にも表れています。2024年の外国メーカー車の年間登録台数でGLCは2位、ミドルサイズSUVとしては首位を獲得しました(日本自動車輸入組合の統計による)。日本でもっとも選ばれているメルセデスがGLCである、という状況が続いています。
一方、次世代のEV専用GLCは2026年7月30日時点で日本の価格表に載っておらず、日本仕様の価格・発売日は発表されていません。エンジン車のGLCを検討している方は、当面は現行の2代目が選択肢になります。
次世代GLCはEV専用モデルへ 2025年9月7日世界初公開、日本導入は2026年内予定
2025年9月7日、ドイツ・ミュンヘンで開催されたIAAモビリティ2025で、次世代GLCにあたる「The all-new GLC with EQ Technology」が世界初公開されました。GLCの名を受け継ぎながら、中身はまったく別物です。
最大の変化はプラットフォームで、EV専用に新開発された「MB.EA」を量産車として初めて採用しました。800Vの電気アーキテクチャに対応し、バッテリー容量は94.5kWh、仕様によっては最大700kmの航続距離を実現するとされています。パワートレインはシングルモーターとデュアルモーターの2種類で、後者は最大490psを発生します。
ホイールベースはエンジン仕様のGLCより84mm長く、荷室容量は後席使用時570L、後席を格納すると1,740L。エンジンがないフロント側にも128Lの収納が設けられました。インテリアには99.3インチ(39.1インチ)というメルセデス最大のシームレスMBUXハイパースクリーンが備わり、グリルには942個のLEDが仕込まれています。
欧州では2025年11月に受注が始まり、価格は約1,260万円から。2026年1月にはCES 2026で米国初公開も行われました。日本では2025年10月から11月にかけて開催されたジャパンモビリティショー2025で初公開され、2026年内の導入が予定されています。ただし2026年7月時点で日本仕様の価格・発売日は未発表です。現行のエンジン仕様GLCが819万円からという価格帯であることを踏まえると、1,000万円前後からの設定が有力とみられます。
なおAMGモデルでは、449psの直列6気筒ターボに電動スーパーチャージャーを組み合わせた「メルセデスAMG GLC 53 4MATIC+」が欧州で発表されています。日本導入は2026年7月時点で発表されていません。
メルセデスAMG GLC 43に限定車「Edition Night Carbon」 2026年3月16日
2026年3月16日、メルセデス・ベンツ日本は特別仕様車「メルセデスAMG GLC 43 4MATIC Edition Night Carbon」と「メルセデスAMG GLC 43 4MATIC Coupé Edition Night Carbon」を発表しました。合計150台の限定で、価格は1,510万円から。納車は2026年3月下旬以降とされ、正規販売店ネットワークとオンラインショールームで注文を受け付けました。
外装色は通常モデルでは有償オプションのMANUFAKTURオパリスホワイト(メタリック)と、本モデル限定色のMANUFAKTURアルペングレー(ソリッド)の2色。限定装備の「AMGエクステリアナイトパッケージ」により縦型ルーバー、フロントウイングとリアのバッジをダークローム仕上げとし、通常はGLC 63にのみ設定される「AMGカーボンエクステリアパッケージ」を標準装備することで、フロントスプリッター、サイドシル、リアエプロンのトリムストリップがカーボンファイバー製になっています。
足元には標準より1インチ大きい専用の21インチAMGアルミホイールを装着し、ブレーキキャリパーはGLC 63用の「AMGレッドブレーキ・キャリパー」を標準装備。2026年7月30日時点の公式プライスリストでは、すでに販売終了と案内されています。
メルセデスベンツThe all-new electric GLCの電動モデルがジャパンモビリティショー2025に出展
伝統的なグリルと最新装備を融合したThe all-new electric GLC
メルセデスベンツGLCのフル電動モデル(BEV)The all-new electric GLCが、ジャパンモビリティショー2025に出展されました。
日本初披露となった電気モデルで、メルセデスの最新技術と伝統的なグリルを継承し、新しいメルセデスを表現するモデルと位置づけられています。
メルセデスAMG GLC 43に限定車「Edition Dynamic+」 2025年3月25日
2025年3月25日、特別仕様車「メルセデスAMG GLC 43 4MATIC Edition Dynamic+」と「メルセデスAMG GLC 43 4MATIC Coupé Edition Dynamic+」が発売されました。
GLCが150台限定で1,481万円(MANUFAKTURグラファイトグレーマグノ110台、MANUFAKTURハイテックシルバーマグノ40台)、クーペが100台限定で1,528万円(同グラファイトグレーマグノ70台、ハイテックシルバーマグノ30台)という構成です。マットの特別塗装とRACEモードを備え、AMGの走りをより前面に出した仕立てになっています。
GLC/GLCクーペにエントリーグレード「Core」を追加 2025年3月6日
2025年3月6日、メルセデス・ベンツ日本はGLCとGLCクーペにエントリーグレード「GLC 220 d 4MATIC Core(ISG)」「GLC 220 d 4MATIC Coupé Core(ISG)」を追加しました。価格はそれぞれ819万円と866万円です。
ベースとなる「220 d 4MATIC」から標準装備を見直し、オプション構成をシンプルにすることで57万円安い価格を実現したグレードです。ディーゼルエンジンと4MATICという、GLCの核となる部分はそのまま残されています。エクステリアはベース車から変更がなく、ボディカラーは定番のポーラーホワイトなどが用意されました。ラゲッジ容量は560〜1,680Lです。
この追加に合わせて既存グレードの価格も改定されました。GLCでは220 d 4MATICが876万円、350 e 4MATIC Sports Edition Starが1,013万円、メルセデスAMG GLC 43 4MATICが1,194万円、メルセデスAMG GLC 63 S E PERFORMANCEが1,804万円という設定です。輸入SUVの価格が軒並み上昇するなかで、あえて入口を800万円台前半に引き戻した点に、GLCを主力として売り続けたいという意思がうかがえます。
特別仕様車「Edition Black Stars」を300台限定で設定 2024年10月2日
2024年10月2日、メルセデス・ベンツ日本は特別仕様車「GLC 220 d 4MATIC Edition Black Stars(ISG搭載モデル)」と「GLC 220 d 4MATIC Coupé Edition Black Stars(ISG搭載モデル)」を発表しました。
販売台数と価格は、GLCが200台・1,133万円(オブシディアンブラック120台、オパリスホワイト80台)、クーペが100台・1,182万円(同60台、40台)で、合計300台限定です。2024年10月2日から24日まではオンラインショールームでの先行販売とされ、それ以降は在庫がある場合に販売店でも申し込みを受け付ける方式が採られました。
ベースは197ps/440Nmの2.0Lクリーンディーゼル「OM654M」を積む「GLC 220 d 4MATIC(ISG搭載モデル)」。AMGラインパッケージを標準装備したうえで、通常モデルには設定のない「ナイトパッケージ」と専用の20インチAMGアルミホイールを組み合わせ、インテリアにはナッパレザーとブラックのウッドトリムを採用しています。ボディサイズは全長4,725mm×全幅1,890mm×全高1,635mm、ホイールベース2,890mm、車両重量2,020kg、WLTCモード燃費18.0km/Lです。
メルセデスAMG GLC 43 4MATIC クーペを追加 2024年3月29日
2024年3月29日、GLCクーペに「メルセデスAMG GLC 43 4MATIC クーペ(BSG搭載モデル)」が追加されました。価格は1,271万円です。
搭載されるのは、マイスターが手作業で組み立てる直列4気筒エンジン「M139」。最高出力421ps、最大トルク500Nmを発揮します。F1由来の電動ターボチャージャーを採用することで、アイドリングから全回転域までレスポンスを高めているのが特徴です。48Vの電気システムを使うBSG(ベルトスタータージェネレーター)はマイルドハイブリッドとしても機能し、ブーストやセーリングモード、回生ブレーキを通じて効率と快適性の両立に貢献します。あわせて「メルセデスAMG GLC 63 S E PERFORMANCE クーペ」も1,811万円で設定されました。
メルセデスAMG GLC 63 S E PERFORMANCEとGLC 43 4MATICを追加 2024年2月15日
2024年2月15日、2代目GLCにAMGモデルが投入されました。追加されたのは「メルセデスAMG GLC 63 S E PERFORMANCE」と「メルセデスAMG GLC 43 4MATIC(BSG搭載モデル)」の2種類です。
GLC 63 S E PERFORMANCEは、476ps/55.6kgmを発揮する直列4気筒2.0Lターボに、2速ギヤボックスを介して後輪を駆動する204psのプラグインハイブリッドシステムを組み合わせます。システム合計出力は680ps/104kgmに達し、0-100km/h加速3.5秒、最高速度275km/hというパフォーマンスを実現しました。V8を積んでいた先代のGLC 63から一転、2.0L直4+電動という構成へ切り替わったことが、この世代の大きな転換点です。
GLC 43 4MATIC(BSG搭載モデル)は、421ps/51.0kgmの直列4気筒2.0Lターボに48VのBSGを組み合わせ、0-100km/h加速4.8秒、最高速度250km/hをマーク。日本での価格は1,170万円でした。インテリアにはレザーARTICO/MICROCUTスポーツシートが標準装備され、AMGレザーエクステリアパッケージを選べばナッパレザーのスポーツシートに変更できます。64色から選べるアンビエントライトも備わります。
ベンツGLCが2023年3月16日にモデルチェンジ発表 縦型11.9インチディスプレイなどで先進化
リアルウッドトリムや本革を採用するプレミアムインテリアが所有欲を満たす2代目メルセデスベンツGLC
メルセデスベンツの人気SUVであるGLCがフルモデルチェンジしました。SUVで初めてARナビゲーションシステムを導入し、指紋や声を使った生体認証にも対応することで、メルセデスブランドでも屈指の先進性を手に入れています。
2代目GLCの発表は2023年3月16日で、同日から予約注文の受付が始まりました。
インテリアにはリアルウッドトリムを採用し、縦型11.9インチの大型マルチメディアディスプレイを配置するなど、プレミアムブランドらしい進化を遂げています。
片側130万画素の高機能ヘッドライトは、遠くからでもメルセデスとわかる迫力あるデザインに刷新されました。
ボディサイズは全長4,716mm、全幅1,890mm、全高1,640mm、ホイールベース2,888mm。
先代モデル比で全長が50mm延び、伸びやかなプロポーションになりました。燃費性能はWLTCモードで約19%改善しており、堂々としたボディサイズながら環境性能も高いのが特徴です。
2023年新型GLCの特徴
- リアルウッドインテリアトリム+本革インテリア
- トランスペアレントボンネットなど採用したオフロード性能の向上
- 補助駆動装置(ISG)による電動化
- 縦型11.9インチ大型メディアディスプレイ
- ARナビゲーション
- 生体認証のシートポジション等の設定
- 片側130万画素の高機能ヘッドライト
- リア・アクスルステアリング
2代目メルセデスベンツGLCは、登場時点では2.0L直列4気筒ディーゼルターボのみを設定するワングレード展開で、販売価格は8,200,000円でした。
その後、2023年11月にGLCクーペのフルモデルチェンジとPHEVの「GLC 350 e 4MATIC Sports Edition Star」が加わり、2024年にはAMGモデル、2025年にはエントリーグレードのCoreが設定されて、ラインアップは大きく広がっています。
メルセデスベンツGLCに「GLC 350 e 4MATIC クーペ」がラインナップ
GLC 350 e 4MATIC クーペのエクステリア
2020年4月3日、メルセデスベンツ日本が初代GLCの新モデルとして「GLC 350 e 4MATIC クーペ」を追加しました。価格は9,220,000円です。
GLC 350 e 4MATIC クーペには新開発のプラグインハイブリッドシステム「EQ POWER」を採用。直列4気筒DOHC 2.0L直噴ターボエンジンと9速ATを組み合わせ、「EM0012」型モーターと容量13.5kWhリチウムイオンバッテリーを搭載します。モーター走行では最高速130km/h、航続距離は45.2kmに到達。モーター走行の限界をドライバーに伝える「プレッシャポイント機能」を装備します。
システム全体での最高出力は235kW(320PS)、最大トルクは700Nmを達成しています。
GLC 350 e 4MATIC クーペのインテリア
車内には音声操作が可能なAIインフォテインメント機能「MBUX(Mercedes Benz User Experience)」を用意。先進運転支援技術には右折時対向車検知機能付きのアクティブブレーキアシストが追加されています。
東京モーターショー2019で「GLC F-CELL」の日本導入が発表
2019年10月開催の東京モーターショー2019で、メルセデスベンツはGLCの燃料電池車「GLC F-CELL」の日本導入を公表しました。GLC F-CELLの価格は1050万円で、2020年中ごろからの納車を予定。発売は欧州と日本に限られるとされていました。
GLC F-CELLでは燃料電池システムにリチウムイオン電池を組み合わせます。バッテリー走行では約41km、燃料電池モードを合わせた場合は336km以上の航続を可能としました。
GLC・GLCクーペが受注予約スタート 納車は2019年11月より順次
GLCがついに発売 2019年11月から納車開始
メルセデスベンツは2019年10月3日、ミドルサイズSUVの新型GLC・GLCクーペを発表し、予約受付をスタートしました。AMGモデルは2019年12月頃から、その他モデルについては11月頃に納車されています。
改良を受けたGLCとGLCクーペのエクステリア
エクステリア・インテリアともにデザインを刷新したGLC・GLCクーペ。外装デザインは「Sensual Purity(官能的純粋)」というコンセプトをもとに開発され、エネルギッシュで存在感のある一台となりました。
改良後GLCのインテリア
キャビンもスポーティな雰囲気が漂うデザインで、10.25インチのワイドディスプレイやインフォテインメントシステム「MBUX」、車内環境やオーディオを調整するエナジャイジング コンフォート(オプション)など、先進装備が充実しています。
GLCのパワートレインは、GLC 220 d 4MATICに2.0リッター直4直噴ディーゼルターボ、GLC 300 4MATICに2.0リッター直4直噴ガソリンターボ、メルセデス AMG GLC 43 4MATICに3.0リッターV6直噴ツインターボ、メルセデス AMG GLC 63 4MATIC+・メルセデス AMG GLC 63 S 4MATIC+に4.0リッターV8直噴ツインターボを搭載。トランスミッションは全モデル電子制御9速A/Tのみです。
| モデル | GLC 220 d 4MATIC | GLC 300 4MATIC |
|---|---|---|
| エンジン | 2.0L直 4 直噴 ディーゼルターボ | 2.0L直 4 直噴 ガソリンターボ |
| 価格 | 6,900,000円 | 7,750,000円 |
| ステアリング | 右 | 右 |
| モデル | メルセデス AMG GLC 43 4MATIC | メルセデス AMG GLC 63 4MATIC+ | メルセデス AMG GLC 63 S 4MATIC+ |
|---|---|---|---|
| エンジン | 3.0LV6 直噴 ツインターボ | 4.0LV8 直噴 ツインターボ | 4.0LV8 直噴 ツインターボ |
| 価格 | 9,480,000円 | 13,130,000円 | 14,870,000円 |
| ステアリング | 右 | 左 | 左 |
| モデル | GLC 220 d 4MATIC クーペ | GLC 300 4MATIC クーペ |
|---|---|---|
| エンジン | 2.0L直 4 直噴 ディーゼルターボ | 2.0L直 4 直噴 ガソリンターボ |
| 価格 | 7,210,000円 | 8,070,000円 |
| ステアリング | 右 | 右 |
| モデル | メルセデス AMG GLC 43 4MATIC クーペ | メルセデス AMG GLC 63 4MATIC+ クーペ | メルセデス AMG GLC 63 S 4MATIC+ クーペ |
|---|---|---|---|
| エンジン | 3.0L V6 直噴 ツインターボ | 4.0L V8 直噴 ツインターボ | 4.0L V8 直噴 ツインターボ |
| 価格 | 9,800,000円 | 13,440,000 円 | 15,190,000円 |
| ステアリング | 右 | 左 | 左 |
メルセデスベンツGLCのPHVモデル「GLC 300 e 4MATIC」が世界初公開
GLC 300 e 4MATICのエクステリア
フランクフルトモーターショー2019で、メルセデスベンツはGLCのプラグインハイブリッドモデル「GLC 300 e 4MATIC」を世界初公開しました。GLC 300 e 4MATICは「GLC 350 e 4MATIC」に次ぐ後継モデルで、メルセデスベンツ新世代PHVシリーズとしてラインナップされます。
GLC 300 e 4MATICは新世代のPHVパワートレインを採用し、直噴2.0L直列4気筒ガソリンターボ+モーターにトランスミッションは9速AT「9G-トロニック」を組み合わせます。リチウムイオンバッテリーは13.5kWh、EVモードでは航続距離最大49kmを実現しています。
GLC 300 e 4MATICはLEDハイパフォーマンスヘッドランプ(デイタイムランニングライト付き)を標準装備。リアにもフルLEDのテールランプを搭載します。
GLC 300 e 4MATICのインテリア
コックピットには最新のマルチファンクションステアリングホイールを用意。タッチコントロールボタンを搭載します。センターコンソールには多機能タッチパッドを装備し、手書き入力なども可能としています。
また、インフォテインメントシステムMBUXにも対応し、「ハイ、メルセデス」の一声でシステムを起動します。インフォテインメントサービスのほか、車内の照明や空調コントロールなども可能です。
AMG GLC 43シリーズが更に進化 最高出力が390hpまで向上
初代GLCの商品改良に合わせて、高性能AMGモデル「AMG GLC43 4MATIC」「AMG GLC43 4MATICクーペ」の改良モデルが欧州で発表されました。
スポーティーな魅力が増した改良型AMG GLC43 4MATIC
エクステリアは、AMG専用の「パナメリカーナグリル」によって更にスポーティーな印象に。新デザインのLEDヘッドライトとLEDテールランプも採用されます。
純正アルミホイールは19インチが標準で、20インチと21インチをオプションで選択できます。
初代GLCのAMG 43シリーズは3.0LのV型6気筒ツインターボを搭載
43シリーズは3.0LのV型6気筒ツインターボを搭載し、トランスミッションは「AMGスピードシフトTCT 9G」を装備。
従来モデルでも367hpの高出力でしたが、改良モデルは390hp/5500〜6000rpmと23馬力向上しました。最大トルクは変わらず53kgm/2500〜4500rpm、0〜100km/h加速は4.9秒、最高速度は250km/hです。なお2代目GLCではAMG 43も直列4気筒2.0Lターボへ移行し、421psまで出力を高めています。
サスペンションも改良され、快適性と俊敏性を両立するAMGモデル専用のAIR BODY CONTROLエアサスペンションをベースにした「AMG RIDE CONTROL +」を採用しています。
「ハイ、メルセデス!」の呼びかけで起動するMBUXを搭載したAMG GLC43 4MATIC
インテリアには、GLCの商品改良で搭載可能になった対話型インフォテインメントシステム「MBUX」を採用。スポーツシートはAMGラインのレザーARTICOとDINAMICAマイクロファイバーを使用し、ステアリングホイールのデザインも新しくなりました。
「AMGダイナミクス」が搭載されており、コックピットから自分の望む走りを選ぶことも可能です。「スポーツ」「スポーツ+」「スリップ」「コンフォート」「インディビジュアル」など5つのモードが選択でき、エンジン、トランスミッション、サスペンション、ステアリングの特性をモードによって変化させます。
GLCの商品改良モデルが2019年冬に発売 フルモデルチェンジは2023年3月
2019年3月に開催されたジュネーブモーターショーで、メルセデス・ベンツは初の商品改良を施したGLCクラスを公開しました。欧州では先行して発売が始まり、日本導入は2019年10月の発表を経て同年11月から順次納車されています。
この改良ではヘッドライトやフロントグリルなどのエクステリアが変更され、パワートレインも一新。AIによる音声インフォメーションサービス「MBUX」も搭載できるようになりました。
そしてフルモデルチェンジは2023年3月16日に実施され、2代目(X254型)へと切り替わりました。生産はドイツ・ブレーメン工場が担い、後述する次世代のEV専用モデルも同じ工場で従来型と柔軟に作り分ける計画とされています。
初代GLCのボディサイズと商品改良によるエクステリア変更点
ベンツGLCのエクステリア
GLCクラスのボディサイズは全幅が1.9m前後あるため、日本の都市部で運転するにはやや気を使いますが、SUVらしいスタイルは見晴らしがよく、存在感も抜群です。
GLCはホイールデザインも新しくなった
商品改良を受けたGLCは、ヘッドライトやフロントグリルにも小変更が施され、17〜19インチのホイールも新デザインのものが採用されました。
改良後のGLCはヘッドライトのLEDの位置に変更が見られる
リアランプのデザインも大きく変更
もっともわかりやすい変更点は、ヘッドライトのLEDが上部だけでなく下部にも入った点です。
リアランプもヘッドランプと同様にデザイン変更が行われ、フルLEDテールランプを採用。はっきりとした枠がLEDによって形作られています。
| グレード | GLC 300 d 4MATIC | GLC 300 4MATIC クーペ | AMG GLC 63 S 4MATIC+ |
|---|---|---|---|
| 全長 | 4,669mm | 4,742mm | 4,682mm |
| 全幅 | 1,890mm | 1,890mm | 1,931mm |
| 全高 | 1,644mm | 1,602mm | 1,625mm |
| ホイールベース | 2,873mm | 2,873mm | 2,873mm |
| 車両重量 | 1,805kg | 1,825kg | – |
| 駆動方式 | 4WD | 4WD | 4WD |
参考までに、2代目GLCは全長4,716〜4,750mm、全幅1,890〜1,920mm、全高1,635〜1,640mm、ホイールベース2,888〜2,890mmで、ひとまわり大きくなっています。
初代GLCのパワートレインはディーゼル・ガソリンともに商品改良で大幅変更
GLCのパワートレイン
初の商品改良を受けたGLCは、パワートレインに大きな変更が加えられました。
人気の高いディーゼルエンジンは、パーツの98%を刷新した2.0L直列4気筒ターボの「OM654」を導入。振動が低減し、静粛性も向上して、エンジンの回転が非常にスムーズに感じられます。
この「OM654」は「GLC 300 d」(日本導入は見送り)と、出力を抑えた「GLC 220 d 4MATIC」に採用されました。
ガソリンエンジンも新開発のM264型2.0L直列4気筒ターボと48Vのマイルドハイブリッドの組み合わせへと大きく刷新。
最大トルクではディーゼルに及ばないものの、蓄電容量1kWhのリチウムイオンバッテリーを備え、モーターのアシストによって中低回転域での加速もスムーズです。静粛性の高さはディーゼル以上といえます。
AMGモデルのエンジンに変更はありませんが、サスペンションやESP、電子制御デフなどの統合制御システム「AMGダイナミクス」を搭載し、ハンドリングの一体感が高められています。
| グレード | GLC 300 d 4MATIC | GLC 300 4MATICクーペ |
AMG GLC63 S 4MATIC+ |
|---|---|---|---|
| エンジン | 2.0L直4DOHC16バルブディーゼルターボ | 2.0L直4 DOHC 16バルブガソリンターボ | 4L V8 DOHC 32バルブツインターボ |
| 最高出力 | 245ps(180kW)/4200rpm | 258ps(190kW)/5800-6100rpm | 510ps(375kW)/5500-6250rpm |
| 最大トルク | 500Nm(51.0kgm)/1600-2400rpm | 370Nm(37.7kgm)/1800-4000rpm | 700Nm(71.4kgm)/1750-4500rpm |
また、GLCのエアサスペンション装着モデルは乗り心地が非常によく、高い評価を得ていました。2代目ではリア・アクスルステアリングも加わり、取り回しと安定性の両立がさらに進んでいます。
GLCインテリアは「MBUX」によりハイテク化され、より快適に
GLCには「MBUX」を搭載
商品改良が施された初代GLCから、メルセデス・ベンツの対話型インフォテインメントシステム「MBUX」が搭載可能になりました。2代目では縦型11.9インチの大型ディスプレイと組み合わされ、全車に標準で備わっています。
「ハイ、メルセデス!」と呼びかけるとシステムが起動。「室内温度を下げて」など明確な命令がなくても「暑い」「寒い」といった言葉の意味を理解し、ユーザーの意図をくんで室内温度を調整してくれます。
「音楽をかけて」「レストランへ行きたい」「駐車場を探して」「家に電話したい」などの要望にも応えてくれるので、ほぼスマホと同じような使い方が可能です。
もちろん音声ではなくタッチでのコントロールも可能なので、状況に応じて使い分けるのが良いでしょう。
GLCのグレードと価格をチェック
参考として、初代GLC(X253型)の日本での価格を掲載します。
| グレード | 価格 |
|---|---|
| GLC200 | 6,210,000円 |
| GLC 200 Sports | 6,620,000円 |
| GLC 220 d 4MATIC | 6,530,000円 |
| GLC 220 d 4MATIC Sports | 7,100,000円 |
| GLC 220 d 4MATIC Sports(本革仕様) | 7,730,000円 |
| GLC 250 4MATIC Sports | 7,290,000円 |
| GLC 250 4MATIC Sports(本革仕様) | 7,990,000円 |
| GLC 350 e 4MATIC Sports | 9,060,000円 |
| Mercedes-AMG GLC 43 4MATIC | 8,960,000円 |
| Mercedes-AMG GLC 63 4MATIC+ | 12,720,000円 |
| Mercedes-AMG GLC 63 S 4MATIC+ | 14,620,000円 |
初代GLCの価格は621万円〜906万円、AMGモデルは896万円〜1,462万円でした。
これに対し、2代目GLCの2026年7月時点の価格は819万円(GLC 220 d 4MATIC Core)から1,804万円(メルセデスAMG GLC 63 S E PERFORMANCE)まで。クーペはCoreの866万円から1,811万円までとなっています。8年ほどでエントリー価格が約200万円上がった計算で、装備と安全性能の底上げがそのまま価格に反映された形です。
高級SUV メルセデス・ベンツ・GLCクラスのモデルチェンジ遍歴
ベンツ・GLCクラスはドイツのメルセデス・ベンツが販売する高級SUVで、GLKの事実上の後継車にあたります。日本では「GLC」と呼ばれ、PHEVを除いてすべて右ハンドル仕様です。対抗車種はBMWのX3、アウディのQ5、ポルシェのマカン、レクサスのNXとされています。
ベンツ・GLCクラス 初代 X253/C253:2016年~2023年
2015年6月にCクラスのSUV版としてGLCクラスが発表されました。ドイツ本国では「GLC250 4MATIC」「GLC300 4MATIC」「GLC220d 4MATIC」「GLC250d 4MATIC」「GLC350e 4MATIC」「メルセデスAMG GLC43 4MATIC」が、米国仕様では「GLC300」がラインナップされました。派生モデルとして、クーペ仕様の「GLCクーペ」も設定されています。
日本では2016年2月に発売開始。すべて四輪駆動の「GLC250 4MATIC」「GLC250 4MATIC Sports」「GLC250 4MATIC Sports(本革仕様)」の3グレードが用意されました。また、日本発売を記念して250台限定で「GLC250 4MATIC Edition 1」を発売しています。
2017年2月、後輪駆動の「GLC200」「GLC200 Sports」と、クリーンディーゼルの「GLC220d 4MATIC」「GLC220d 4MATIC Sports」を追加発売。7月に一部改良。
2018年1月、「Mercedes-AMG GLC63 4MATIC+」「Mercedes-AMG GLC63 S 4MATIC+」「Mercedes-AMG GLC63 4MATIC+ クーペ」「Mercedes-AMG GLC63 S 4MATIC+ クーペ」を追加設定。あわせて限定30台の特別仕様車「Mercedes-AMG GLC63 S 4MATIC+ Edition1」「Mercedes-AMG GLC63 S 4MATIC+ クーペ Edition1」を発売しました。
2019年5月、特別仕様車「GLC220d 4MATIC Laureus Edition」を360台限定で発売。同年10月、内外装を一新する商品改良を発表し、グレードも整理されました。同月、世界初となる燃料電池PHEV「GLC F-CELL」を発表。
2020年4月、新仕様のPHEVモデル「GLC350e 4MATICクーペ」を発売。同年8月、SUVモデルは200台、クーペモデルは100台限定で特別仕様車「GLC220d Night Edition」を発売。
2021年1月、新仕様のPHEV「GLC350e 4MATIC」を発表。4月には限定100台の特別仕様車「GLC220d 4MATIC Coupe Magno Night Edition」を発売。翌5月にも特別仕様車「GLC220d 4MATIC Sport Line Edition」を発表。12月には仕様変更が施されました。
ベンツ・GLCクラス 2代目 X254/C254:2023年~
2023年3月16日、日本仕様がフルモデルチェンジ。ディーゼルエンジンの「GLC 220 d 4MATIC」のみの販売で、新型エンジンとISGによるマイルドハイブリッド仕様となりました。11月には日本仕様のGLCクーペもフルモデルチェンジし、「GLC 220 d 4MATIC クーペ」のみの設定に。同月、PHEVの「GLC 350 e 4MATIC Sports Edition Star」を発売しました。
2024年2月15日、AMGモデルとして「メルセデスAMG GLC 63 S E PERFORMANCE」(システム合計680ps)と「メルセデスAMG GLC 43 4MATIC(BSG搭載モデル、421ps・1,170万円)」を追加。3月29日には「メルセデスAMG GLC 43 4MATIC クーペ」(1,271万円)と「メルセデスAMG GLC 63 S E PERFORMANCE クーペ」(1,811万円)を追加しました。
2024年10月2日、特別仕様車「GLC 220 d 4MATIC Edition Black Stars」(200台・1,133万円)と「同クーペ」(100台・1,182万円)を計300台限定で発表。
2025年3月6日、エントリーグレード「GLC 220 d 4MATIC Core(ISG)」(819万円)と「GLC 220 d 4MATIC Coupé Core(ISG)」(866万円)を追加し、既存グレードの価格も改定。3月25日には限定車「メルセデスAMG GLC 43 4MATIC Edition Dynamic+」(150台・1,481万円)と「同クーペ」(100台・1,528万円)を発売しました。
2026年3月16日、特別仕様車「メルセデスAMG GLC 43 4MATIC Edition Night Carbon」と「同クーペ」を合計150台限定・1,510万円から発表(2026年7月時点で販売終了)。
次世代GLC(EV専用モデル):2025年世界初公開
2025年9月7日、IAAモビリティ2025で「The all-new GLC with EQ Technology」を世界初公開。EV専用プラットフォーム「MB.EA」を初採用し、800Vシステム、94.5kWhバッテリー、最大700kmの航続距離を実現しました。2025年10〜11月のジャパンモビリティショー2025で日本初公開、2025年11月に欧州で受注開始(約1,260万円から)、2026年1月にCES 2026で米国初公開。日本導入は2026年内が予定されていますが、2026年7月時点で日本仕様の価格・発売日は発表されていません。
| ベンツ・GLCクラス | 販売年表 |
|---|---|
| 初代 X253/C253 | 2016年~2023年 |
| 2代目 X254/C254 | 2023年~ |
| 次世代(EV専用モデル) | 2025年世界初公開/日本導入は2026年内予定 |
GLCは「快適性が高いSUV」としての進化を続ける

GLCはエクステリアが洗練されていて走行性能も高水準ですが、なにより特筆すべきは乗り心地の良さです。「ストレスなく乗れる」レベルをはるかに超えて、いつどこで乗っても静かで快適、そして非常に運転しやすく、「この車でなくては」という気持ちを抱かせてくれます。
初代の商品改良で搭載可能となった「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザーエクスペリエンス)」は、2代目では縦型11.9インチディスプレイとともに標準装備となり、他車との差別化に大きく貢献しています。
1ランク上のGLEはボディサイズが日本の道路事情に必ずしも合うとは言えず、価格帯も一段高くなります。日本のユーザーにとっては「メルセデス・ベンツらしさ」を思いきり堪能できる現実的なサイズのSUVとして、今後もGLCの人気は続くでしょう。
そして次の一手は、EV専用プラットフォームをまとった新世代GLCです。2024年に輸入ミドルサイズSUVの首位に立ったモデルが、電動化の波にどう答えを出すのか。2026年内とされる日本導入は、輸入SUV市場全体の勢力図を左右する出来事になりそうです。






























