GクラスにAMG G 63の限定車「MANUFAKTUR Edition (ISG)」が登場 2024年のW465型移行後も進化は継続中
メルセデス・ベンツのGクラスは、誕生から39年目にあたる2018年にW463A型へ刷新され、日本でも同年6月6日に受注が始まりました。それから6年を経た2024年、GクラスはW465型へ移行(公式には「新型Gクラス」として発表。内容としてはビッグマイナーチェンジに相当)し、日本では2024年7月26日に発売。同年10月にはモーター4基を積むEV「G 580 with EQ Technology」も加わっています。
そして2026年10月9日、メルセデス・ベンツ日本はメルセデスAMG G 63 (ISG) の特別仕様車「Mercedes-AMG G 63 MANUFAKTUR Edition (ISG)」を全国限定200台で発売しました。価格は3,468万円です。これはモデルチェンジや一部改良ではなく、あくまで限定の特別仕様車という位置づけになります。
唯一無二の無骨なエクステリアと、オフロード専用の「Gモード」というキャラクターはそのままに、Gクラスは電動化とデジタル化を取り込みながら現役を続けています。ここでは最新の限定車から順に、カブリオレや小型「リトルG」といった拡張計画、W465型への進化、EVモデルを整理し、後半ではW460型までさかのぼってモデルチェンジ遍歴を振り返ります。
メルセデスAMG G 63の特別仕様車「MANUFAKTUR Edition (ISG)」が2026年10月9日に限定発売 価格は3,468万円
Mercedes-AMG G 63 MANUFAKTUR Edition (ISG)
メルセデス・ベンツ日本は2026年10月9日、メルセデスAMG G 63 (ISG) をベースとした特別仕様車「Mercedes-AMG G 63 MANUFAKTUR Edition (ISG)」を発表し、同日から全国のメルセデス・ベンツ正規販売店ネットワークで注文受付を開始しました。価格は3,468万円(消費税抜き3,152万7,273円)、販売台数は全国限定で合計200台です。
注意しておきたいのは、これがモデルチェンジでも一部改良でもなく、既存のG 63をベースにした限定の特別仕様車だという点。基本骨格やパワートレインは通常のG 63と共通で、違いは装備と仕立てに集中しています。同日には東京・六本木のグランドハイアット東京で実車が報道陣に公開されました。
G 63として初採用の「MANUFAKTURダーククロームパッケージ」
5色の特別外装色が並ぶ。加飾はすべてダーククローム仕上げ
最大のトピックは、G 63では初めて装備される「MANUFAKTURダーククロームパッケージ」です。これまでのナイトパッケージが黒で引き締める方向だったのに対し、ダーククロームは艶を抑えた渋い金属感で、スポーティさを損なわずに落ち着きを足す狙いがあります。
仕上げが及ぶ範囲は広く、前後のスリーポインテッドスター、ボンネットバッジ、各部のレタリング、サイドストリップライン、バンパートリム、アンダーガード、スペアタイヤリングまでを統一。さらにAMG専用のダーククロームラジエーターグリルが組み合わされ、クルマ全体でトーンがそろえられています。
足まわりは22インチAMGアルミホイール<鍛造>で、AMG専用ブラックエグゾーストシステム、AMGブラックブレーキ・キャリパー、MANUFAKTURブラックランニングボード(ブラックスモーク)を組み合わせ。黒一色でもクローム一色でもない中間を狙った配色で、派手さより練度を取った構成といえます。
通常モデルでは選べないMANUFAKTUR特別外装色を5色設定
サイドストリップラインの“G 63 Limited”レタリングと22インチAMGアルミホイール<鍛造>
外装色は、通常のG 63では注文できない5色を専用に用意。ソリッド2色とマット(マグノ)3色という内訳で、カラーごとに台数とステアリング位置の割り当てが決まっています。
| 外装色 | 仕上げ | 左ハンドル | 右ハンドル | 合計 | 外装色オプション価格 |
|---|---|---|---|---|---|
| MANUFAKTURクラシックグレー | ソリッド | 40台 | 20台 | 60台 | ― |
| MANUFAKTURデザートサンド | ソリッド | 30台 | 20台 | 50台 | ― |
| MANUFAKTURモンツァグレーマグノ | マット | 25台 | 5台 | 30台 | 40万円(税込) |
| MANUFAKTURシトリンブラウンマグノ | マット | 25台 | 5台 | 30台 | 40万円(税込) |
| MANUFAKTURマンガナイトグレーマグノ | マット | 25台 | 5台 | 30台 | 40万円(税込) |
| 合計 | ― | 145台 | 55台 | 200台 | ― |
表を見てすぐ気づくのが、左ハンドルが145台、右ハンドルが55台という配分です。日本市場のGクラスは右ハンドルの引き合いも強いはずですが、特にマット3色は右がわずか5台ずつ。希少色ほど左ハンドル前提という割り切りで、実質的に「選べる人は限られる」構成になっています。黄味の強いシトリンブラウンマグノやデザートサンドは、黒やグレーに寄りがちなG 63の中では相当に目立つ選択肢でしょう。
“G 63 Limited”レタリングとカーボン主体のインテリア
カーボンファイバーで統一された内装。助手席側グラブハンドルに“G 63 Limited”が入る
この特別仕様車を外から見分ける手がかりが、サイドストリップラインに入る“G 63 Limited”のレタリングです。同じ表記は助手席側のグラブハンドルにも配置され、インテリアからも限定車であることがわかる仕立てになっています。メルセデス・ベンツによれば、この刻字はMANUFAKTUR Made to Measureプログラムによる特注扱いの仕様とのことで、通常のオプション表からは選べません。
シートは本革(ナッパレザー)のブラックにダイヤモンドステッチを組み合わせたもの。ステアリングには通常モデルでは指定できない「AMGパフォーマンスステアリング(カーボンファイバー/MICROCUT)」を採用し、インテリアトリムも「AMGカーボンファイバーインテリアトリム」で統一されます。ダッシュボードとルーフハンドルにもナッパレザーが張られ、素材の格は一段上です。
さらにラゲッジスペースには「MANUFAKTURチェリーウッドラゲッジフロア」を装備。床面がリアルウッド張りになるもので、これも通常モデルでは選択不可です。本格オフローダーの荷室に木目という取り合わせは実用性より情緒寄りですが、ボート的な質感がGクラスの直線基調によく合っています。
タイトリスト製の特注ゴルフバッグが車両価格に含まれる
非売品のタイトリスト製スタンドバッグ。車両本体価格に含まれる
今回のもうひとつの目玉が、Titleist(タイトリスト)製の特注ゴルフバッグ。同社の上位シリーズ「LINKSLEGEND」をベースに、「G 63」と「AMG」のロゴを入れた非売品のスタンドバッグで、車両本体価格に含まれます。素材は合成皮革、8.5型・4分割で、47インチのクラブに対応します。
クルマ本体の話題性からすればおまけに見えますが、Gクラスの顧客層とゴルフの親和性を考えると、この手の付属品は実際の商談で効きます。純正アクセサリーではなく車両価格込みの「付属品」としている点も、限定車の体裁として理にかなっています。
パワートレインと足まわりは標準のG 63と共通
エンジンは、アファルターバッハで「One Man, One Engine」に則って組み上げられる4.0リッターV型8気筒直噴ツインターボ「M177」。最高出力585PS(430kW)、最大トルク850N・mを発生し、ISG+48V電気システムによって20PS(15kW)/200N・mの電動ブーストが加わります。0-100km/h加速は4.4秒(欧州参考値)です。
サスペンションはAMG ACTIVE RIDE CONTROLを標準装備。各輪のダンパーを油圧ラインで結ぶ方式で、舗装路ではロールとピッチを抑え、悪路では必要なホイールストロークを確保します。AMGダイナミックセレクトにより走行シーンに応じたドライブモード選択も可能です。
つまり走りの仕様そのものは通常のG 63と同じで、この限定車の価値は色と加飾と刻字に集約されていると言い切れます。性能を上乗せした2026年3月の「Edition Performance」とは、性格がはっきり分かれる一台です。
「MANUFAKTUR Edition (ISG)」の主要諸元
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| モデル識別コード(MP) | 202602 |
| エンジン | AMG 4.0L V型8気筒直噴ツインターボ「M177」 |
| 最高出力 | 585PS(430kW) |
| 最大トルク | 850N・m |
| 電動ブースト | 20PS(15kW)/200N・m(ISG+48V電気システム) |
| 0-100km/h加速 | 4.4秒(欧州参考値) |
| トランスミッション | 9速AT |
| 駆動方式 | 4WD |
| ホイールベース | 2,890mm |
| サスペンション | AMG ACTIVE RIDE CONTROLサスペンション |
| ホイール | 22インチAMGアルミホイール<鍛造> |
| 内装色 | ブラック|本革(ナッパレザー) |
| インテリアトリム | AMGカーボンファイバーインテリアトリム |
| ステアリング位置 | 左/右 |
| 販売台数 | 全国限定 合計200台 |
| メーカー希望小売価格 | 3,468万円(消費税抜き3,152万7,273円) ※マット外装色は別途40万円(税込) |
なお本モデルにも、新車購入から3年間の一般保証修理・定期メンテナンス・24時間ツーリングサポート・地図データ更新が無償となる走行距離無制限の保証プログラム「メルセデス・ケア」が適用されます。終了後は有償の「保証プラス」で一般保証と24時間ツーリングサポートを2年間延長できます。
W465型のAMG G 63は限定車ラッシュ 2025年以降だけで4本の特別仕様車を設定
今回のMANUFAKTUR Editionを含め、W465型になってからのAMG G 63は、日本市場で立て続けに特別仕様車が設定されています。いずれもモデルチェンジや一部改良ではなく、カラー・加飾・装備を組み替えた限定販売という形です。
| モデル名 | 発売 | 台数 | 価格 | 主な内容 |
|---|---|---|---|---|
| Gクラス Past II Future | 2025年4月4日 (予約受付開始) |
世界限定20台 (日本4台) |
3,000万円 | MONCLER×NIGO氏のアート作品に着想。マットのツートンペイント |
| G 450 d Edition STRONGER THAN THE 1980s (ISG) | 2025年7月11日 | 世界限定460台 (日本100台) |
約2,591万円 | 初代W460をモチーフにしたヴィンテージカラーとチェック柄ファブリック |
| Mercedes-AMG G 63 Black Accent Edition (ISG) | 2025年9月8日 | 200台 | 3,535万円 | マット外装色4色とブラックアクセントの組み合わせ |
| Mercedes-AMG G 63 Offroad Pro Edition (ISG) | 2025年12月4日 | 150台 | 3,445万円 | AMG Offroad Package PRO、PROFESSIONAL仕様ルーフラゲッジ、20インチAMGホイール |
| Mercedes-AMG G 63 Edition Performance (ISG) | 2026年3月6日 | 150台 | 3,440万円~3,500万円 | AMGパフォーマンスパッケージを日本初採用し最高速240km/hへ |
| Mercedes-AMG G 63 MANUFAKTUR Edition (ISG) | 2026年10月9日 | 200台 | 3,468万円 | G 63初のMANUFAKTURダーククロームパッケージ、特別外装色5色、特注ゴルフバッグ |
約1年半で6本という設定ペースは、通常の輸入車ではまず見ない頻度です。背景にはGクラスの需要の強さがあり、メルセデス・ベンツは2025年に顧客向け納車台数で過去最高となる約4万9,700台を記録したとしています。累計生産も2025年に60万台を超えたと伝えられており、基本設計を変えずに限定車で鮮度を保つという、Gクラスならではの売り方が成立している格好です。
一方で、限定車が連続すると「通常モデルを買う理由」が薄れるという副作用もあります。MANUFAKTUR Editionのように性能は共通で装飾のみを特別化したモデルが増えれば、価格差の説得力は仕立ての好み次第。今回の5色のように、通常カタログでは絶対に手に入らない色を用意する手法は、その点を補う現実的な答えでもあります。
小型の「リトルG(g-Class)」は2027年に登場へ EVとハイブリッドの両建てに
Gクラスをダウンサイジングした小型モデル、いわゆる「リトルG」は、2023年9月のミュンヘンモーターショーでオラ・ケレニウスCEOが「ビッグGの息子か娘」と表現して以来、長く続報が待たれてきました。その後の報道を追うと、計画は着実に前進しています。
2026年2月には、英Autocarなどがこの小型Gを2027年に投入すると報じました。当初はEV専用として構想されていましたが、EV需要の鈍化や各国の規制変更、とりわけ北米ディーラーからの要望を受け、電気自動車と内燃機関(ハイブリッド)の両方を用意する方針へ転換したとされています。ハイブリッドにはCLAと同系の1.5リッター直4ターボを使い、生産はジーリーとルノーの合弁であるHorse Powertrainが担うという見方も出ています。
ボディサイズは全長4,400mm前後、全高は現行Gクラス(約1,970mm)より明確に低い値になるとみられ、ジープ・ラングラーやJLRの「ディフェンダー・スポーツ」に近いポジションです。プラットフォームについては報道が割れており、専用ラダーフレームとする説と、ユニボディの新世代「MB.EA」を使うという説の両方が流れています。いずれにせよ「本物のG」としてのオフロード性能を確保するため、常時4WDになるとされます。米国での想定価格は7万ドル前後という観測があり、実現すれば現行Gクラス(米国でG 550が15万ドル近辺)の半分という、まったく新しい入口になります。
生産地についても観測が飛び交っています。伝統的なマグナ・シュタイヤー(オーストリア・グラーツ)ではなく、10億ユーロを投じた拡張が2026年7月に完了したハンガリーのケチケメート工場が有力という見方がある一方、確定情報はありません。本稿の時点でメルセデス・ベンツからリトルGの正式発表は確認できておらず、車名・スペック・価格・生産地はいずれも未確定です。なお車名は、大きなGと区別するため小文字の「g」を使うという情報も出ています。
Gクラス カブリオレはAMG G 63ベースに確定 2026年内の公開、2027年の発売へ
メルセデス・ベンツは2025年9月、Gクラスにカブリオレを追加することをティザー画像で公表しました。続く2025年12月には迷彩を纏った開発車両の公式画像を公開し、オーストリアでの走行テストに着手、その後スウェーデンでの寒冷地テストへ進むことを明かしています。
そして2026年7月、メルセデス・ベンツは迷彩の多くを剥がした画像と、ソフトトップの開閉を見せる動画を公式SNSで公開しました。ここで決定的だったのが、サイド出しのエグゾーストパイプ、AMGロゴ入りのナンバープレート、G 63でおなじみの22インチホイール、そして「ハイパーブルーマグノ」の外装色。市販版がメルセデスAMG G 63をベースとすることが、事実上確定した形です。
歴代のGクラス カブリオレはAMGパッケージがオプション設定されるにとどまり、純粋なAMGモデルとして売られたことはありませんでした(マイバッハG 650 ランドレーは99台の特別な例外)。今回はW465世代として初めて、AMG名義のカブリオレが生まれることになります。ボディは歴代の3ドアショートではなく現行と同じ5ドアで、ソフトトップは後席後方で閉じるランドレー風の構造。生産はマグナ・シュタイヤー(グラーツ)で行われるとされています。
正式公開は2026年中、市場投入は2027年という見方が一般的ですが、メルセデス・ベンツは発売時期も価格も公表していません。日本導入についても未定です。パワートレインはG 63と同じ4.0L V8ツインターボ+ISGが濃厚で、標準のG 63(欧州で27万ユーロ前後)を大きく上回る価格になることはほぼ確実とみられます。
Gクラス初のEV「G 580 with EQ Technology」が2024年10月に日本発売 価格は2,635万円
Concept EQG
Concept EQG
Concept EQG
Concept EQG
Concept EQG
ジャパンモビリティショー2023で公開された「Concept EQG」は、コンセプトのまま終わりませんでした。2024年4月24日、メルセデス・ベンツはロサンゼルスと北京で市販版を発表。車名は「G 580 with EQ Technology」となり、EQを名乗らず「Gクラスの一員」として位置づけられています。
日本では2024年10月23日に「G 580 with EQ Technology Edition 1」が発表され、同日から受注を開始、配車は同年11月からとなりました。価格は2,635万円です。
最大の特徴は、各輪に1基ずつ、計4基のモーターを独立制御する駆動系。システム出力432kW、最大トルク1,164N・mを発生し、116kWhのバッテリーを積んでWLTCモードで530kmを走ります。その場で車体を回転させる「G-TURN」、旋回半径を切り詰める「G-STEERING」、オフロード用クルーズコントロールといった、電動化だからこそ実現した機能を備え、渡河水深は内燃機関モデルの700mmを上回る850mmに達します。車両重量は3,120kgとヘビー級ですが、ラダーフレームとリジッドリアアクスルというGクラスの骨格は維持されました。
販売面では、この価格帯のEVとしては世界的に健闘しているとメルセデス・ベンツ自身が説明しています。とはいえ、2025年以降に日本で設定された特別仕様車はすべて内燃機関モデル(G 450 dとAMG G 63)がベースで、Gクラスの主力があくまでエンジン車である構図は変わっていません。リトルGがEV専用から両建てに方針転換したことも、同じ市場環境を反映した判断といえます。
GクラスがW465型へ移行 日本発売は2024年7月26日でISGによる電動化とMBUXを採用
2024年、Gクラスは型式をW463AからW465へ改める大規模な改良を受けました。メルセデス・ベンツ日本は「新型Gクラス」として発表しており、一般にはビッグマイナーチェンジに相当する内容です。日本での発売は2024年7月26日でした。
変更の柱は3つあります。第一に、全モデルにISG(インテグレーテッド スターター ジェネレーター)を組み合わせたマイルドハイブリッド化。第二に、対話型インフォテインメント「MBUX」の採用によるデジタル化。第三に、Aピラー形状の見直しやルーフ前後のスポイラー追加、ラジエーターグリルのルーバーを3本から4本へ変更するといった空力と静粛性の改善です。ワイヤレスチャージング、キーレスゴー、MBUX ARナビゲーション、トランスペアレントボンネットなど装備面も一新されました。
日本仕様はまず「G 450 d ローンチエディション」(2,110万円)と「メルセデスAMG G 63 ローンチエディション」(3,080万円)の2グレードで導入。W465型では、かつてのG 550が積んでいた4.0L V8に代わり、3.0L直6ディーゼルターボ+ISGのG 450 dが基幹モデルとなりました。ボディサイズは全長4,680〜4,690mm、全幅1,985mm、全高1,980〜1,985mm、ホイールベース2,890mm、車両重量2,560〜2,570kgです。
ローンチエディションは期間限定の設定で、2025年6月には通常カタログモデルの「G 450 d (ISG)」が設定され、その後も年次でモデル識別コード(MP)を更新しながら継続販売されています。G 450 dには最高出力367PS(270kW)、最大トルク750N・mの直6ディーゼル「656M」が積まれます。
つまり「Gクラスにディーゼルは導入されないのでは」という当時の懸念は完全に外れ、いまや日本のGクラスの中心はディーゼルです。一方で「2019年にV6ハイブリッドが搭載される」という見立ては実現せず、電動化は直6+ISGという別の形で到来しました。
ベンツ・Gクラスのモデルチェンジ遍歴

メルセデス・ベンツGクラスは、ドイツのメルセデス・ベンツが展開する高級SUVです。軍用車両のゲレンデヴァーゲンを市販向けにアレンジしたのがGクラスの原点にあたります。軍用モデルもラインアップされていますが、ここでは割愛します。
ベンツ・Gクラス W460型/1979年~1990年
軍用車両として企画されたゲレンデヴァーゲンは、フランス市場では「プジョー・P4」として生産されていました。ドイツでは1981年からGクラスの販売が始まっています。
日本では1983年に「300GD」のショート、ステーションワゴン、キャンバストップが少数輸入制度を利用して導入されました。
1985年に「300GD」が輸入され、1987年1月には「230GE」が導入されます。
1988年モデルでは、右ハンドルで4ATの廉価版「230GEアンファング」と最上級グレードの「230GEロング」が追加設定されました。
1990年、「230GEプレディカート ショート/ロング」の4ATが輸入。左ハンドル、右ハンドルの双方が用意されました。
1991年にはマイナーチェンジを実施。ヘッドライト周辺をボディ同色化し、フェンダーアーチモールを標準装備。大型化されたバンパーにフォグランプが埋め込まれ、アルミホイールも新設定されました。
ベンツ・Gクラス W463型/1990年~2018年
1989年にフルモデルチェンジが発表され、フルタイム4WD化。オーバーフェンダーとサイドステップが装備されました。1995年からの3年間は「G36 AMG」が販売され、日本への輸入は90台程度でした。
1993年には世界限定446台の「500GE」が発売され、日本への割り当ては50台。正規輸入で、AMGがボアアップした「500GE-6.0」も数台導入されています。
2006年、メルセデス・ベンツの最上級クロスオーバーとして「GLクラス」が登場しましたが、Gクラスと入れ替わるモデルではなかったため生産は継続。2011年5月の「BA3ファイナルエディション」を最後に、ショートボディの生産が終了しました。
ベンツ・Gクラス W463A型/2018年~2024年
2018年、Gクラスは28年ぶりとなるフルモデルチェンジを実施。誕生から数えれば39年目で初の全面刷新であり、新設計ラダーフレームの採用とエクステリア/インテリアの一新によって、機能性と居住性が大幅に向上しました。エンジンはメルセデスAMG社が完全自社開発した最高出力585PS(430kW)、最大トルク850N・mの4.0リッターV型8気筒直噴ツインターボ「M177」を搭載し、AMG強化ブレーキやAMG RIDE CONTROLスポーツサスペンションも採用されています。
2018年6月、日本仕様が発表され「G 550」「メルセデスAMG G 63」が用意されました。
2019年4月には、ディーゼルの「G 350 d」と、5月までの期間限定の特別仕様車「Mercedes-AMG G 63 Edition Matt Black」を発表。
2020年3月、特別仕様車「Mercedes-AMG G 63 STRONGER THAN TIME Edition」を、ダイヤモンドホワイト150台、マグノナイトブラック100台の計250台限定で発売。7月には特別仕様車「manufaktur Edition」を発売しました。
2021年5月、新モデルとして「G 400 d」を追加設定。
2022年3月、イギリスのスケートボード&ストリートウェアブランド「PALACE SKATEBOARDS」とのコラボによる特別仕様車「AMG G 63 PALACE Edition」を世界限定1台で発表。購入権はオークションにかけられ、売上金の一部がローレウス・スポーツ・フォー・グッド財団へ寄付されました。7月にはAMG創業55周年記念の「AMG G 63 Edition 55」と「AMG G 63 Magno Hero Edition」が発売されています。
2024年2月、限定車「メルセデスAMG G 63 グランドエディション」を発表。左ハンドル95台、右ハンドル140台の計235台限定で、専用の22インチAMGアルミホイールや専用デカールを装着しました。これがW463A型の締めくくりとなります。
ベンツ・Gクラス W465型/2024年~
2024年、大幅改良を機に型式がW465へ改められました。ISGによるパワートレインの電動化、細部の最適化による空力・静粛性の向上、MBUX(NTG7.0)によるデジタル化が柱です。ワイヤレスチャージングやキーレスゴー、ステアリングアシスト、MBUX ARナビゲーション、トランスペアレントボンネットなども採用されました。
日本では2024年7月26日に発売され、当初は「G 450 d ローンチエディション」「メルセデスAMG G 63 ローンチエディション」の2グレードを設定。
2024年4月24日には、EVの「G 580 with EQ Technology」が世界初公開され、日本では2024年10月23日に「Edition 1」(2,635万円)が発表、11月から配車が開始されました。
2025年4月、MONCLERとのコラボから生まれた「Gクラス Past II Future」(世界限定20台、日本4台、3,000万円)の予約受付を開始。
2025年6月、通常カタログモデルの「G 450 d (ISG)」を設定。
2025年7月、初代W460をモチーフにした「G 450 d Edition STRONGER THAN THE 1980s (ISG)」(世界限定460台、日本100台)を発表。
2025年9月、「Mercedes-AMG G 63 Black Accent Edition (ISG)」(200台、3,535万円)を限定発売。
2025年12月、「Mercedes-AMG G 63 Offroad Pro Edition (ISG)」(150台、3,445万円)を限定発売。
2026年3月、AMGパフォーマンスパッケージを日本初採用した「Mercedes-AMG G 63 Edition Performance (ISG)」(150台、3,440万円~3,500万円)を限定発売。
2026年10月9日、「Mercedes-AMG G 63 MANUFAKTUR Edition (ISG)」(200台、3,468万円)を限定発売。
さらにAMG G 63ベースのGクラス カブリオレが2027年に、小型の「リトルG」も2027年に加わる見通しです。Gクラスは1車種から、複数のモデルを擁するサブブランドへと拡大しつつあります。
| 日本でのGクラス | 販売年 |
|---|---|
| 300GE/300GEロング | 1991年 |
| 500GEロング | 1993年 |
| G36AMGロング/G36AMG | 1995年 |
| G320カブリオ | 1997年 |
| G500/G500ロング/G500クラシック/G500カブリオ/G55AMGロング | 1998年 |
| 特別仕様車G550ロングエディションセレクト | 2011年 |
| 特別仕様車G550ロング“mastermind Limited”/G63AMGロング/G65AMGロング | 2012年 |
| 特別仕様車G500ナイトエディション G350BlueTEC |
2013年 |
| G63AMG 6×6 35周年特別仕様車 |
2014年 |
| 特別仕様車G350 BlueTEC Edition ZEBRA/特別仕様車G500 エメラルドブラックリミテッド | 2015年 |
| 特別仕様車G500 4×4 2/特別仕様車Mercedes-AMG G 63 Edition 463/Mercedes-AMG G 65 Edition 463 | 2016年 |
| 特別仕様車Mercedes-AMG G 63 50th Anniversary Edition/特別仕様車G 350 d designo manufaktur Edition/Mercedes-AMG G 63 Exclusive Edition | 2017年 |
| 特別仕様車G 350 d Heritage Edition/G 550 designo Magno Edition | 2018年 |
| G 350 d/Mercedes-AMG G 63 Edition Matt Black | 2019年 |
| Mercedes-AMG G 63 STRONGER THAN TIME Edition/manufaktur Edition | 2020年 |
| G 400 d | 2021年 |
| Mercedes-AMG G 63 Edition 55/Mercedes-AMG G 63 Magno Hero Edition | 2022年 |
| Mercedes-AMG G 63 Grand Edition/W465型(G 450 d/AMG G 63)/G 580 with EQ Technology Edition 1 | 2024年 |
| Gクラス Past II Future/G 450 d (ISG)/G 450 d Edition STRONGER THAN THE 1980s (ISG)/Mercedes-AMG G 63 Black Accent Edition (ISG)/Mercedes-AMG G 63 Offroad Pro Edition (ISG) | 2025年 |
| Mercedes-AMG G 63 Edition Performance (ISG)/Mercedes-AMG G 63 MANUFAKTUR Edition (ISG) | 2026年 |
| ベンツ・Gクラスのモデル | 販売年表 |
|---|---|
| W460型 | 1979年~1990年 |
| W463型 | 1990年~2018年 |
| W463A型 | 2018年~2024年 |
| W465型 | 2024年~ |






























