メルセデス・ベンツ CLAに初のEV「with EQ Technology」が登場:最大771kmの航続距離で価格は668万円から
メルセデス・ベンツ日本は2026年7月29日、CLAにとって初の電気自動車となる「CLA with EQ Technology」および「CLA Shooting Brake with EQ Technology」を発表し、同日から全国の正規販売店ネットワークで予約注文の受け付けを開始しました。価格は668万円から798万円(税込)で、クリーンエネルギー自動車導入促進補助金98万円が適用されます。電気自動車を主軸に開発された新プラットフォーム「MMA」を土台に、後輪駆動化と2速EVトランスミッションを採用し、一充電走行距離はWLTPで最大771kmを実現。7月9日に先行して発売された48Vハイブリッドの内燃機関モデル(598万円から)とあわせて、新型CLAのラインアップがようやく出そろいました。本記事では、このEVモデルの詳細を中心に、内燃機関モデルの価格やグレード構成、歴代CLAの歩みまでを整理して解説します。
CLA初の電気自動車「CLA with EQ Technology」を発表―2026年7月29日から予約注文を受付開始
CLA 250+ with EQ Technology。一充電走行距離はWLTPで最大771kmを実現する(画像は欧州仕様車)
メルセデス・ベンツ日本合同会社は2026年7月29日、「CLA with EQ Technology」と「CLA Shooting Brake with EQ Technology」を発表しました。同日より、全国の正規販売店ネットワークを通じて予約注文の受け付けが始まっています。CLAとしては初となる電気自動車で、7月9日に発売された48Vハイブリッドの内燃機関モデルに続く、新型CLA第2の柱という位置づけです。
メルセデス・ベンツはこのモデルを、140年におよぶ技術革新を現代の技術で読み解き直した新世代モデルと表現しています。ドライブトレイン、トランスミッション、プラットフォーム、サスペンション、そして車内のデジタル体験に至るまでを一新した点は内燃機関モデルと共通ですが、EVでは後輪駆動化という決定的な違いが加わりました。
- CLA初の電気自動車:4ドアクーペとシューティングブレークの2ボディに、それぞれ「200」「250+」の2グレードを設定
- 後輪駆動:永久磁石同期モーター1基をリアアクスルに搭載し、後輪を駆動
- 一充電走行距離は最大771km(WLTP):メルセデス・ベンツが日本に導入する電気自動車として最長
- MB.OSと第4世代MBUX:日本市場では新型Sクラスに次ぐ搭載で、車両全体を1つのエコシステムとして統合
- クリーンエネルギー自動車導入促進補助金:補助額98万円が適用対象
価格は668万円から798万円、補助金を差し引くと内燃機関モデルより安くなる
メーカー希望小売価格は下表のとおりです。クーペとシューティングブレークの価格差は23万円で、これは内燃機関モデルと同じ設定になっています。
| モデル | MP | ステアリング | パワートレイン | メーカー希望小売価格(税込/カッコ内は税抜) |
|---|---|---|---|---|
| CLA 200 with EQ Technology | 202701 | 右 | 永久磁石同期モーター1基(リア) | 6,680,000円(6,072,728円) |
| CLA 250+ with EQ Technology | 202701 | 右 | 永久磁石同期モーター1基(リア) | 7,750,000円(7,045,455円) |
| CLA 200 Shooting Brake with EQ Technology | 202701 | 右 | 永久磁石同期モーター1基(リア) | 6,910,000円(6,281,819円) |
| CLA 250+ Shooting Brake with EQ Technology | 202701 | 右 | 永久磁石同期モーター1基(リア) | 7,980,000円(7,254,546円) |
上記は付属品価格、税金(消費税を除く)、保険料、登録に伴う諸費用を含まない車両本体価格です。別途リサイクル料金が必要となります。
興味深いのは補助金を織り込んだときの並びです。CEV補助金98万円を差し引くと、CLA 200 with EQ Technologyは実質570万円相当となり、内燃機関のCLA 180(598万円)を28万円ほど下回ります。CLA 250+ with EQ Technologyも677万円相当となり、CLA 220(687万円)より安い計算です。シューティングブレーク同士でも同じ関係が成立します。補助金を前提にすれば、EVのほうがカタログ価格の上位モデルより手が届きやすいという逆転が起きているわけで、これは購入検討時に見落としたくないポイントでしょう。
記念の特別仕様車「Launch Edition」は9月以降に導入予定
CLA with EQ TechnologyおよびCLA Shooting Brake with EQ Technologyの登場を記念した特別仕様車「Launch Edition」についても、2026年9月以降の導入が予定されています(予定のため変更の可能性あり)。内燃機関モデルでは限定350台の「CLA 180 Launch Edition」が用意されましたが、EV版の内容や台数、価格は本稿執筆時点で明らかにされていません。
CLA with EQ Technologyのパワートレイン―後輪駆動+2速EVトランスミッションで最大771km
新型CLAのEVモデルが積むのは、新世代の電動パワートレインです。永久磁石同期モーター1基をリアアクスルに搭載し、後輪を駆動します。前輪駆動をベースとしてきたCLAにとって、これは世代交代以上に大きな転換点です。
CLA 250+は200kW、リアに2速EVトランスミッションを採用
CLA 250+ with EQ TechnologyおよびCLA 250+ Shooting Brake with EQ Technologyのモーター最高出力は200kW。この電動ドライブユニットはメルセデス・ベンツの自社開発で、コンセプトカーVISION EQXXで磨かれた高効率技術を受け継いでいます。主駆動を後輪に置いたことでトラクション性能と直進安定性を確保し、長距離走行時にはバッテリーからホイールまでの効率93%(欧州参考値)に達するとされます。
さらに珍しいのが、リアアクスルに組み合わされる2速EVトランスミッションです。1速は発進や市街地走行での扱いやすさと力強い加速に、2速は高速走行での効率と快適性に効きます。モーターは低回転から最大トルクを出せるため多段変速は不要とされがちですが、高速巡航時のモーター回転数を落として損失を減らせる利点は確かにあり、これが長い航続距離を支える一因になっているとみられます。
バッテリーは58kWhと85.5kWhの2種類、航続距離は最大771km
高電圧リチウムイオンバッテリーの容量は、CLA 200系が58kWh、CLA 250+系が85.5kWhという2本立てです。セルにはニッケル・マンガン・コバルト系の化学組成を採用し、負極にグラファイトとシリコンオキサイドを組み合わせることで、重量あたりのエネルギー密度を従来型比で最大20%高め、体積エネルギー密度680Wh/Lを達成しています。
一充電走行距離(WLTP)はグレードとボディで異なります。
| モデル | バッテリー容量 | 一充電走行距離(WLTP) |
|---|---|---|
| CLA 200 with EQ Technology | 58kWh | 最大525km |
| CLA 200 Shooting Brake with EQ Technology | 58kWh | 最大513km |
| CLA 250+ with EQ Technology | 85.5kWh | 最大771km |
| CLA 250+ Shooting Brake with EQ Technology | 85.5kWh | 最大755km |
CLA 250+ with EQ Technologyの771kmは、メルセデス・ベンツが日本に導入する電気自動車として最長の数値です。EQSのような大型モデルではなく、コンパクトセグメントのCLAがこの記録を持つという点に、MMAプラットフォームと空力性能の効き方がよく表れています。
充電は普通6.0kW、急速はCHAdeMO最大100kWに対応
充電性能は、普通充電が6.0kWまで(日本で想定される200V・30A充電の場合)、急速充電はCHAdeMO規格で最大100kWに対応します。150kWタイプの急速充電器を用いた自社検証では、電池残量10%から80%までの所要時間がCLA 250+ with EQ Technologyで約46分、CLA 200 Shooting Brake with EQ Technologyで約34分という結果でした。
欧州で語られるような超急速充電の数字と比べると、日本仕様はCHAdeMO規格の制約を受けます。ただし85.5kWhという大容量を46分で10→80%まで戻せるなら実用上は十分な水準ですし、そもそも771kmという航続距離があれば急速充電に頼る場面自体が減ります。充電の速さより、充電しなくて済む距離で勝負するという設計思想と読めます。
メルセデス初のマルチソースヒートポンプと最大200kWの回生
電費を支える技術も新しくなりました。メルセデス・ベンツとして初採用となるマルチソースヒートポンプは、水回路を経由しないダイレクトな空気式構造を採り、パワートレインの排熱・バッテリーの熱・外気という3つの熱源を同時に活用します。一般的な補助ヒーターと同等の暖房性能を、およそ3分の1の消費電力で得られるとされ、寒冷地での航続距離低下を抑える意味は小さくありません。急速充電の前にバッテリーを適温へ近づける役割も担います。
減速側では、ブレーキブースター・マスターシリンダー・ESP制御をひとつにまとめたワンボックスブレーキシステムを新採用。日常の減速のほぼすべてを回生だけでまかなえるようになり、回生電力は最大200kWに達します。ブレーキ・バイ・ワイヤ化により回生と摩擦ブレーキの切り替わりも意識させず、パドル操作で回生レベルを選ぶこともできます。
CLA with EQ Technologyのデザインと装備―Cd値0.21と約90年ぶりのフロントトランク
CLA 200 Shooting Brake with EQ Technology。流麗なフォルムに広い荷室を融合させた(画像は欧州仕様車)
エクステリアは「Sensual Purity(官能的純粋)」のデザイン思想を、電動化とデジタルの時代に合わせて進化させたものです。伸びやかなホイールベース、低く流れるルーフライン、切り詰めたショートオーバーハングという構成は内燃機関モデルと共通ですが、空力への作り込みはEVでより意味を持ちます。
CLA with EQ TechnologyのCd値は0.21(欧州参考値)。空力最適化されたホイール、前後アクスル前方のホイールスポイラー、グリルやヘッドライト周辺のジョイント設計とシール処理、そしてEQEやEQSで培われたコンセプトを発展させた、ほぼ全面を覆うアンダーボディなどが効いています。Cd値を0.01下げるだけで長距離走行時の航続距離が約2.5%伸びるとされるだけに、この数字が771kmを支えていることになります。
142個のLEDが描くスターパターンのイルミネーテッドパネル
フロントは、メルセデス・ベンツを象徴するAシェイプのグリルを電動化時代向けに再解釈したもの。CLA with EQ Technologyでは142個のLEDでスターパターンを表現したイルミネーテッドメルセデス・ベンツパターンパネルとなり、ひと目でブランドが伝わる表情をつくります。ヘッドライトとリアコンビネーションランプにはスリーポインテッドスターをモチーフとしたライトシグネチャーを採用。フレームレスドアやシームレスドアハンドル、空力に配慮したリアディフューザー形状も、造形美と機能を両立させるための要素です。
ホイールは18インチが標準、AMGラインパッケージで19インチAMGへ
左:18インチアルミホイール(標準装備)/右:19インチAMGアルミホイール(有償オプションのAMGラインパッケージ選択時)
アルミホイールは新デザインです。標準仕様が18インチ、有償オプションのAMGラインパッケージを選ぶと19インチAMGアルミホイールが組み合わされます。いずれも空力性能に配慮した造形とされており、EVでは見た目のスポーティさと電費が同じ方向を向いているのが面白いところです。
外装色は、CLAに初めて設定されるアクアミント(ソリッド)、ジェットブラック(ソリッド)、クリアブルー(メタリック)、MANUFAKTUR アルペングレー(ソリッド)の4色を含む、合計8色から選択できます。
MBUXスーパースクリーンと第4世代MBUX
MBUXスーパースクリーン。装着には有償オプションの「アドバンスドパッケージ」が必要(画像は欧州仕様車)
インテリアは「日本庭園」に着想を得た、本質的なものだけを残すという思想のもとでミニマルにまとめられました。インテリア全幅に広がるMBUXスーパースクリーン、立体的に造形されたドアセンターパネル、前方へ伸びるセンターコンソールはいずれもフローティングデザインとされ、室内に軽やかさと奥行きを与えています。なおMBUXスーパースクリーンの装着には、有償オプションの「アドバンスドパッケージ」が必要です。
ソフトウェアの中核は、自社開発OS「MB.OS」とその上で動く第4世代MBUXです。自動運転・運転支援を担うコンピューターは最大254兆回/秒の演算処理が可能で、複数のAIを統合したMBUXバーチャルアシスタントはChatGPTやMicrosoft Bing、Google Geminiと連携します。ナビゲーションはGoogleマップの地図・交通情報とメルセデス独自のUI/UXを組み合わせた専用設計で、充電関連のサービスも統合されています。
大型パノラミックルーフを全車に標準装備
全車に標準装備される大型パノラミックルーフ。ローラーブラインドを持たない設計とした(画像は欧州仕様車)
全モデルに標準装備される大型パノラミックルーフは、フロントウインドウフレームから後方までシームレスに広がる、センターブレースのない一体型固定式ガラスルーフです。熱線を遮る合わせガラスに加え、外側に赤外線フィルム、内側にLowEコーティングを施すことで日射と熱の影響を抑え、ローラーブラインドそのものを不要としました。先代よりゆとりのあるヘッドルームにも寄与しています。
約90年ぶりのフロントトランクとシューティングブレークの実用性
収納面のトピックはフロントトランクです。容量は101Lで、メルセデス・ベンツとしては1930年代の130(W 23)以来、およそ90年ぶりの搭載となります。充電ケーブルの置き場に困りがちなEVにとって、これは地味ながら効く装備でしょう。
CLA Shooting Brake with EQ Technologyの荷室容量は455Lから最大1,290L。後席には40:20:40分割可倒式シートを、テールゲートにはEASY-PACKテールゲートを標準採用しています。加えて車外へ電力を供給できる外部給電機能(V2L)にも対応し、給電の下限はMBUXの設定画面からバッテリー残量10%〜50%の範囲で10%単位に指定できます(利用には別途充放電器が必要)。
CLA with EQ Technologyの安全性能・保証と主要諸元
安全面は「このクラスで最も安全な自動車」を目標にゼロから開発された、という点が内燃機関モデルと共通です。メルセデスの同セグメントで初めてセンターエアバッグを標準装備し、重度の側面衝突時には運転席と助手席のあいだに展開して前席乗員を保護します。
Euro NCAPで5つ星、2025年テストのBest Performerにも選出
第三者機関からの評価も明確です。新型CLAは欧州の自動車ジャーナリストによる投票で「Car of the Year 2026」を受賞(メルセデス・ベンツとしては1974年以来52年ぶり2度目)。さらにEuro NCAPで最高評価の5つ星を獲得し、2025年にテストされた全ブランド・全モデルのなかで最高評価となるBest Performerに選ばれています。乗員保護、子ども乗員保護、交通弱者保護、安全支援のいずれの分野でも高評価でした。
電気自動車ならではの高電圧バッテリー保護コンセプト
EVモデルでは、高電圧バッテリーのハウジングを車体構造の一部としてクラッシュコンセプトに組み込み、衝突時の保護性能を高めています。セル間の間隔配置やセルモジュール構造の最適化により、予期せぬ熱反応への予防策も講じられました。
さらに8つの要素からなる多段階の高電圧保護コンセプトを導入し、事故後に乗員・通報者・救助作業者が電気コンポーネントに起因する危険にさらされないよう設計されています。進化したバッテリー早期警告システムは、警告を出すだけでなく側面ウインドウや換気フラップを自動的に閉じるといった保護動作まで実行。高電圧バッテリー中央の新しいセンサーは、駐車中であっても状態を監視し続けます。
保証は5年10万km、高電圧バッテリーは8年16万km
EVモデルには保証プログラム「EQケア」が適用されます。新車購入から5年間または10万kmのいずれか早い方まで、一般保証修理/定期メンテナンス(点検整備の作業工賃・交換部品)/24時間ツーリングサポートが無償で提供されます。内燃機関モデルの「メルセデス・ケア」が3年間であることを考えると、EVの保証期間の長さは判断材料になりそうです。
高電圧バッテリーについては8年間または16万km以内で、サービス工場の診断機によって残容量が70%に満たないと診断された場合の保証が付帯します。
充電サービス「MB.CHARGE Public」は1年間無料
納車時に車載される専用の充電カードを使うことで、全国約27,100口の提携充電器を利用できます。申し込みから1年間は月額基本料金と充電料金が無料となる設定です(所定の手続きが必要。サービス内容の変更により無料期間が短縮される可能性あり)。
CLA with EQ Technologyの主要諸元
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 駆動方式 | 後輪駆動(永久磁石同期モーター1基をリアアクスルに搭載) |
| モーター最高出力 | 200kW(CLA 250+ with EQ Technology/CLA 250+ Shooting Brake with EQ Technology) |
| トランスミッション | 2速EVトランスミッション(リアアクスル) |
| バッテリー容量 | 58kWh(CLA 200系)/85.5kWh(CLA 250+系) |
| 一充電走行距離(WLTP) | 最大525km(CLA 200)/最大513km(CLA 200 Shooting Brake)/最大771km(CLA 250+)/最大755km(CLA 250+ Shooting Brake) |
| 普通充電 | 最大6.0kW(200V・30Aでの使用を想定) |
| 急速充電 | 最大100kW(CHAdeMO規格) |
| 急速充電時間(10%→80%) | 約46分(CLA 250+)/約34分(CLA 200 Shooting Brake)※150kWタイプでの自社検証値 |
| 回生電力 | 最大200kW |
| Cd値 | 0.21(CLA with EQ Technology/欧州参考値) |
| 全幅 | 1,835mm |
| 車両重量 | 2,040kg(AMGラインパッケージ装着時は2,050kg) |
| ホイールサイズ | 18インチアルミホイール(標準)/19インチAMGアルミホイール(AMGラインパッケージ選択時) |
| 荷室容量(シューティングブレーク) | 455L〜最大1,290L |
| フロントトランク容量 | 101L |
| 外部給電機能 | V2L対応(バッテリー残量10%〜50%まで10%単位で設定可能) |
なお、生産はドイツのラシュタット工場で行われ、同工場は100%グリーン電力による生産体制を整えています。先代比でバリューチェーン全体のカーボンフットプリントを40%削減し、熱可塑性樹脂における再生材の使用量はCLA 250+ with EQ Technologyで42kgに達するなど、素材面での取り組みも進められています。
メルセデス・ベンツ、新型「CLA」「CLAシューティングブレーク」を発売―価格は598万円から
メルセデス・ベンツ日本合同会社は2026年7月9日、新型「CLA」および新型「CLAシューティングブレーク」を発表し、同日より全国の正規販売店ネットワークを通じて販売を開始しました。2026年6月30日にオンラインショールームで特別先行予約が始まってからおよそ10日、いよいよ正式デビューとなります。
今回投入されたのは、48Vの高効率ハイブリッドシステムを組み合わせた内燃機関モデルです。ドライブトレイン、トランスミッション、プラットフォーム、サスペンション、そして車内のデジタル体験に至るまでを一新した、文字どおり「新しい世代」のCLA。メルセデス・ベンツはこの一台を、自動車誕生から140年にわたる技術革新を現代の技術で読み解き直したモデルと位置づけています。
新型CLA/CLAシューティングブレークの価格とグレード
ラインアップは4ドアクーペとステーションワゴン型のシューティングブレークの2ボディ、それぞれに「180」と「220」の2グレードという構成です。全車右ハンドルで、パワートレインは共通の1.5リッター直列4気筒エンジン+48V高効率ハイブリッドシステムとなります。
| モデル | パワートレイン | メーカー希望小売価格(税込) |
|---|---|---|
| CLA 180 | 1.5L直4+48Vハイブリッド | 5,980,000円 |
| CLA 220 | 1.5L直4+48Vハイブリッド | 6,870,000円 |
| CLA 180 Shooting Brake | 1.5L直4+48Vハイブリッド | 6,210,000円 |
| CLA 220 Shooting Brake | 1.5L直4+48Vハイブリッド | 7,100,000円 |
クーペとシューティングブレークの価格差はいずれも23万円。荷室と後席の使い勝手を考えれば、この差額をどう見るかが最初の悩みどころになりそうです。
限定350台の記念モデル「CLA 180 Launch Edition」
発売にあわせ、導入を記念した日本限定の特別仕様車「Launch Edition」も設定されました。第一弾となる「CLA 180 Launch Edition」は総台数350台で、価格は699万円(税込)。標準の180に対して約101万円高という設定です。
内容はかなり濃く、通常モデルには用意されないゴールドアクセント入りの専用19インチAMGアルミホイールを筆頭に、AMGラインプラス、ナイトパッケージを採用。通常はオプション扱いとなるMBUXスーパースクリーンやマルチビームLEDヘッドライトまで標準で備わります。ボディカラーはポーラーホワイト(ソリッド)、MANUFAKTUR アルペングレー(ソリッド)、コスモスブラック(メタリック)の3色展開です。
納車時期は7月以降、シューティングブレークの限定車は後日
納車開始の目安は、CLA 180 Launch Editionが2026年7月以降、CLA 180 Shooting Brake Launch Editionが2026年9月以降とアナウンスされています(いずれも予定のため変更の可能性あり)。なお、シューティングブレークのLaunch Editionは後日発売予定とされており、狙っている人は続報を待つ形になります。
BEVモデル「with EQ Technology」は2026年7月29日に発表
メルセデス・ベンツ新型CLA
7月9日に発売されたのは内燃機関モデルのみで、電気自動車(BEV)モデルの「CLA with EQ Technology」は導入が予定されている段階でした。6月30日に始まった特別先行予約の時点では、BEVを含めた予定価格として663万8,000円から841万6,000円(税込)というレンジが示されていましたが、約3週間後の7月29日に正式発表され、668万円から798万円(税込)という価格で予約注文の受け付けが始まっています。詳細は本記事の冒頭で解説したとおりです。
BEVの中核となるのは、電気自動車を主軸に設計されたMMAプラットフォームの実力です。後輪駆動の「CLA 250+ with EQ Technology」は日本仕様でWLTP最大771km(欧州仕様では最大792kmという値が公表されています)という航続距離を掲げ、BEVとしては珍しい2速トランスミッションによって街中での加速と高速巡航時の効率を両立させています。急速充電については、欧州で高出力対応がアナウンスされている一方、日本仕様はCHAdeMO規格に対応し最大100kWという設定で、10%から80%までの所要時間は約46分(CLA 250+、150kWタイプでの自社検証値)です。なお、海外で設定される上位の「CLA 350 4MATIC」は日本のラインアップには含まれず、日本市場は後輪駆動の「200」「250+」の2本立てとなります。
オンラインショールームと「車両お取り置き」の仕組み
メルセデス・ベンツのオンラインショールームには、全国の正規販売店とメルセデス・ベンツ日本が持つ新車在庫の一部が掲載されており、場所や時間を問わず車両を探せます。特徴的なのが「車両お取り置き」で、クレジットカードで3万円のお取り置き料を支払うと、希望の車両を一定期間確保した状態で商談を進められる仕組みです。お取り置き料は購入・キャンセルのいずれの場合も返金されます。
車両確保後は、予約時に選んだ販売店から連絡が入り、そのまま商談・購入という流れになります。Launch Editionには、ポーラーホワイト(ソリッド)の外装にブラックのレザーARTICO/MICROCUT内装を組み合わせたオンラインショールーム限定モデルも設定されており、この仕組みを使わなければ選べない仕様も存在します。
新型CLAの注目ポイントを3つに整理
新型が「新世代」を名乗る根拠は、大きく次の3点に集約できます。
- 新プラットフォーム「MMA」:電気自動車を主軸に開発しながら、高効率な内燃機関モデルにも対応する柔軟性を持たせた新世代アーキテクチャ。市場ごとのニーズに応じたパワートレイン展開を可能にしました。
- 自社開発OS「MB.OS」+第4世代MBUX:日本市場では新型Sクラスに次ぐ搭載。インフォテインメント、運転支援、ボディ&コンフォートを統合制御し、車両全体を一つのインテリジェントなエコシステムとして機能させます。主要ソフトウェアはOTAで更新可能です。
- 新開発の48Vハイブリッド:新エンジン「M252」に、電気モーターとインバーターを統合した8速デュアルクラッチ(8F-eDCT)を組み合わせ、滑らかな発進と効率的な加速を両立しました。
「Car of the Year 2026」受賞という後ろ盾
新型CLAは、欧州の自動車ジャーナリストによる投票で「Car of the Year 2026」に選出されています。メルセデス・ベンツにとっては史上2度目の受賞であり、前回の1974年から実に52年ぶりの快挙。知能性、効率性、デザイン、安全性、走行性能といった多面的な評価がその理由に挙げられています。日本での発売は、この受賞の熱がまだ冷めやらぬタイミングで実現した格好です。
メルセデス・ベンツ「CLA」の軌跡:コンパクトセグメントに革命を起こした4ドアクーペの歩み
メルセデス・ベンツのラインアップにおいて、「CLA」は洗練されたデザインとスポーティな個性を両立させた独自の地位を確立しています。コンパクトセグメントでありながら上位モデルの美学を継承し、モデルチェンジを重ねてきた「CLA」は、登場以来、世界中の若い層を中心に新しいメルセデス・ファンの獲得に大きく貢献してきました。
「CLA」とは:コンパクト・クラスにおけるスタイルの先駆者
CLAは、メルセデス・ベンツのハッチバックモデルである「Aクラス」をベースとした派生モデルです。その立ち位置は、大型4ドアクーペの先駆けとなった「CLS」のコンパクト版とも言えるもので、メルセデス・ベンツではこのモデルを「4ドアクーペ」と定義しています。
また、4ドアクーペに加えて、後席の居住性と実用的なラゲッジスペースを確保したステーションワゴン型の「シューティングブレーク」もラインアップされています。CLAは、単なる移動手段を超えて、所有者の感性を映し出すスタイリッシュな選択肢として市場に受け入れられました。
初代(2013年-2019年):新しい感性の提示
初代CLAは、2013年の北米国際オートショーで世界初公開されました。2012年に発表されたコンセプトカー「コンセプトスタイルクーペ」のデザインをほぼそのまま市販化したその姿は、当時のメルセデス・デザインに大きな衝撃を与えました。
日本市場では2013年7月に発売され、「躍動する新しい感性」というキャッチコピーとともにデビューしました。2015年には、流麗なルーフラインと高い実用性を融合させた「CLAシューティングブレーク」が追加され、ラインアップが拡充されました。初代は、FF(前輪駆動)ベースのエントリーモデルでありながら、メルセデスらしい上質さを備えた新世代のコンパクトカーとしての基盤を築きました。
2代目(2019年-2026年):デジタルとインテリジェンスの融合
2019年、CLAは初めてのフルモデルチェンジを受け、2代目へと進化しました。この世代では、メルセデス・ベンツの新しい対話型インフォテインメントシステム「MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)」を搭載したことが最大のトピックとなりました。
「Hi, Mercedes」と話しかけるだけで車両のさまざまな機能をコントロールできるAI音声認識システムや、Sクラスと同等の高度な運転支援システムを採用したことで、CLAは「最もインテリジェントなコンパクトカー」のひとつとしての評価を確立しました。2代目CLAは、デザインの純粋さをさらに突き詰めると同時に、デジタル体験という新たな価値をユーザーに提供しました。
3代目(2025年-):メルセデスの新基準を打ち立てる次世代へ
2025年3月、CLAは3代目となる新型モデルへとフルモデルチェンジを果たしました。先代から約6年ぶりの刷新となる新型は、プラットフォームやデジタル体験に至るまでをゼロから構築した「メルセデスの新基準」を提示するモデルとなっています。
新たに採用された「MMA(メルセデス・ベンツ・モジュラー・アーキテクチャ)」プラットフォームは、電気自動車(BEV)を主軸に設計されており、メルセデス・ベンツが自社開発した新しいオペレーティングシステム「MB.OS」を搭載するなど、将来のモビリティを見据えた革新が行われています。日本では2026年7月9日、48Vハイブリッドを積む内燃機関モデルから導入がスタートし、同年7月29日にはBEVモデル「with EQ Technology」が発表されて予約注文の受け付けが始まりました。
メルセデス・ベンツ新型「CLA」のエクステリア:Sensual Purityが導く流麗な佇まい
メルセデス・ベンツ新型CLA
新型「CLA」のエクステリアは、メルセデス・ベンツのデザイン思想「Sensual Purity(官能的純粋)」を電動化とデジタルの時代にふさわしく進化させたものです。ラインやエッジを大幅に削減した輪郭は、シンプルでありながら流麗さと力強さを併せ持ちます。伸びやかなホイールベース、低く流れるルーフライン、切り詰められたショートオーバーハング。この3つが織りなすプロポーションが、CLAならではの美しさをさらに研ぎ澄ませました。
シューティングブレークは、この流麗なフォルムをベースに、後方へ長く伸びるルーフラインと広いラゲッジスペースを融合させたモデルです。エモーショナルな造形を保ちながら、日常使いからレジャーまで対応する実用性を確保しています。
ブランドの象徴「スターパターン」が輝くフロントフェイス
メルセデス・ベンツ新型CLA
フロントに据えられたのは、クローム仕上げのスターパターンを配したイルミネーテッドラジエターグリルです。夜間に浮かび上がる星の意匠が、洗練されたフロントフェイスを演出します。
ヘッドライトとリアコンビネーションランプにも、スリーポインテッドスターをモチーフとしたライトシグネチャーを採用。昼夜を問わず新型CLAだと一目でわかる、強い個性を持たせています。
機能性と造形美を両立させたディテール
ボディの細部には、見た目の美しさと機能を両立させる工夫が施されています。窓枠を持たないフレームレスドア、そしてCLAとして初採用となるシームレスドアハンドル。走行時にボディと一体化するハンドルは、サイドビューの流れるような表情を際立たせます。
リアディフューザーの形状も空力性能に配慮して設計されており、エネルギー効率と静粛性の向上に寄与しています。ルーフには大型のパノラミックガラスルーフが標準装備され、外観の洗練度をさらに高めています。
アルミホイールは18インチ標準、AMGラインで19インチへ
アルミホイールは新デザインを採用しました。標準仕様では18インチアルミホイールを装着し、有償オプションのAMGラインパッケージを選択すると19インチAMGアルミホイールが組み合わされます。いずれも空力性能に配慮したデザインとされ、先進的でスポーティな印象を強めています。
なお、Launch Editionにはゴールドアクセントをあしらった専用の19インチAMGアルミホイールが与えられ、通常モデルとは異なる特別感を演出します。
ボディカラーは全8色、新色アクアミントとMANUFAKTUR アルペングレーに注目
外装色は、いずれもCLAに初めて設定されるアクアミント(ソリッド)、ジェットブラック(ソリッド)、クリアブルー(メタリック)、MANUFAKTUR アルペングレー(ソリッド)の4色を含む、合計8色から選択できます。
とりわけ淡いグリーンがかったグレーのMANUFAKTUR アルペングレーは、新世代CLAの佇まいをよく表す一色として注目されそうです。オンラインショールームでは各モデル・仕様ごとの内外装の組み合わせを360°画像で確認でき、実車を見る前に自分好みの1台を絞り込めます。
CLA 180のボディカラー
CLA 180のボディカラー
CLA 180のボディカラー
CLA 180のボディカラー
CLA 180のボディカラー
CLA 180のボディカラー
CLA180 Shooting Brakeのボディカラー
CLA180 Shooting Brakeのボディカラー
CLA180 Shooting Brakeのボディカラー
CLA180 Shooting Brakeのボディカラー
CLA180 Shooting Brakeのボディカラー
CLA180 Shooting Brakeのボディカラー
CLA180 Shooting Brakeのボディカラー
新型「CLA」のインテリア:ミニマルで先進的、フローティングデザインが生む軽やかさ
メルセデス・ベンツ新型CLA
新型CLAのインテリアは、これまでの造形的な表現から一歩進み、ミニマルで先進的な空間へと進化しました。要素を絞り込み、印象的なパーツだけを際立たせることで、コンパクトセグメントに新しいラグジュアリー体験を持ち込んでいます。
インテリア全幅に広がるMBUXスーパースクリーン、立体的に造形されたドアセンターパネル、前方へ伸びるセンターコンソール。この3つはいずれも浮遊感のあるフローティングデザインとされ、室内全体に軽やかさと奥行きを与えています。
「MBUXスーパースクリーン」は有償オプション扱い
メルセデス・ベンツ新型CLA
室内で最も目を引くMBUXスーパースクリーンは、大きなガラス面の下にディスプレイを一体的に配置したもの。両端にはジェットエンジンを想起させる丸型エアアウトレットが備わり、機能性と造形美を融合させています。
ただし、これは有償オプションの「アドバンスドパッケージ」を装着した場合の装備です。高性能チップとUnity Game Engineによるリアルタイムグラフィックスを採用し、滑らかで先進的な表示を実現しています。Launch Editionでは、このスーパースクリーンが標準で備わる点も見逃せません。
センターコンソールは2層構造とされ、上段には立体感のあるトリム面に加えてカップホルダーとワイヤレスチャージング機能を配置。日常的な使い勝手にも配慮されています。
ChatGPTやGoogle Geminiと連携する第4世代MBUX
ソフトウェアの中核をなすのが、自社開発のOS「MB.OS」と、その上で作動する第4世代MBUXです。MB.OSは車両に深く統合されたチップ・トゥ・クラウドアーキテクチャにより、インフォテインメント、運転支援、ボディ&コンフォートの各領域を統合的に制御します。
複数のAIを1つに束ねたMBUXバーチャルアシスタントは、友人と話すようなコミュニケーションを可能にし、会話の文脈を保持する短期記憶機能も備えます。ChatGPTやMicrosoft Bingの検索に基づく情報検索に対応するほか、Google Geminiとの連携により、ナビゲーションや目的地の詳細を音声操作で引き出せます。
ナビゲーションも刷新されました。新しいMBUXナビゲーションは、Googleマップの地図データ・交通情報とメルセデス・ベンツ独自のUI/UXを組み合わせた専用設計です。
タッチと物理操作を共存させた新マルチファンクションステアリング
ステアリングホイールは新設計です。左右のスイッチパネルを静電容量式とし、ステアリング表面にシームレスに統合することで、最新世代のメルセデスらしいデジタルな操作感を実現しました。
一方で、リミッターやディスタンスアシスト・ディストロニックの操作にはロッカースイッチを、音量調整にはローラーを残しています。操作頻度の高い機能には触覚的な確かさを、というバランス感覚です。右側にはドライバーディスプレイ内を操作するフィンガーナビゲーションパッドが配置されました。
ローラーブラインドを廃した大型パノラミックルーフ
新型CLAで初採用となり、全車に標準装備されるのが大型パノラミックルーフです。フロントウインドウフレームから後方までシームレスに広がる、センターブレースのない一体型固定式ガラスルーフとなっています。
上方への視界が大きく開けることで室内に開放感と明るさをもたらし、先代よりゆとりのあるヘッドルームにも寄与しました。熱線を遮る合わせガラスに加え、外側に赤外線フィルム、内側にLowEコーティングを採用して日射や熱の影響を低減。この設計によってローラーブラインドそのものを不要としています。
内装色とインテリアトリムの組み合わせ
内装色はブラック(レザーARTICO/ファブリック)が基本。AMGラインパッケージを選択すると、ブラック(レザーARTICO/MICROCUT)と、ブラック/クリーンホワイトパール(レザーARTICO/MICROCUT)も選べるようになります。
インテリアトリムは標準仕様がアンスラサイトアノダイズドルック、AMGラインパッケージ選択時にはライトブラッシュドアルミニウムが組み合わされます。
Launch Edition専用のインテリアトリム
限定車のCLA 180 Launch Editionには、通常モデルにはないライトカーボングレインアルミニウムインテリアトリム、およびマットホワイトナチュラルファイバーインテリアトリムが設定されます。外装色との組み合わせで内装色も決まり、コスモスブラックとMANUFAKTUR アルペングレーにはレザーARTICO/MICROCUT[ブラック]、ポーラーホワイトには明るい印象のレザーARTICO/MICROCUT[ブラック/クリーンホワイトパール]が合わせられます。
シューティングブレークの荷室は455Lから最大1,295Lへ
実用性でシューティングブレークを選ぶ理由は明確です。荷室容量は455Lから最大1,295L(いずれも欧州参考値)と余裕あるスペースを確保し、後席には40:20:40分割可倒式シートを標準採用しています。
さらにEASY-PACKテールゲートを標準装備し、荷物の積み降ろしも快適です。日常の買い物や通勤から、旅行、アウトドア、レジャーまで幅広く対応します。
新型「CLA」の走行性能:新開発1.5Lエンジン「M252」と48Vハイブリッドの実力
メルセデス・ベンツ新型CLA
新型CLAの走りを支えるのは、電気自動車を主軸に開発されながら高効率な内燃機関モデルにも対応する新世代プラットフォーム「MMA」です。ボディスタイルとパワートレインの選択肢を広げながら、メルセデス・ベンツらしい安全性、快適性、質感を一貫して提供することを狙って設計されました。
ミラーサイクル+高圧縮比、新エンジン「M252」の中身
今回発売されたモデルに積まれるのは、新開発の1.5リッター直列4気筒ガソリンエンジン「M252」と48Vハイブリッドシステムの組み合わせです。
燃焼方式にはミラーサイクルを採用しました。吸気バルブを早めに閉じることでスロットル損失を低減し、12:1という高圧縮比を実現。日常走行で使用頻度の高い部分負荷領域の効率を高め、燃費性能の向上に貢献します。
ハードウェアも凝っています。オールアルミ製クランクケース、シリンダー内壁の摩擦を抑えるNANOSLIDE®技術、排気マニホールドを部分的に統合したシリンダーヘッド、セグメント化タービンを備えたターボチャージャー。さらに48V技術を用いた電動冷媒コンプレッサーの採用により、摩擦低減に加えて停車中の空調作動も可能としました。
CLA 180は100kW、CLA 220は140kW+モーター22kW
グレードによる違いはエンジン出力にあります。「CLA 180」および「CLA 180 Shooting Brake」は最高出力100kWのエンジンに22kWの電気モーターを組み合わせ、「CLA 220」および「CLA 220 Shooting Brake」は最高出力140kWのエンジンに同じく22kWの電気モーターを組み合わせて、より力強い走行性能を提供します。
電気モーターを統合した新開発8速DCT「8F-eDCT」
トランスミッションには、電気モーターとインバーターを統合した新しい8速デュアルクラッチトランスミッション(8F-eDCT)を採用しています。3者を一体化することで、コンパクトかつ高密度なパッケージングを実現しました。
これに最大1.3kWhのエネルギー容量を持つ新開発の48Vリチウムイオンバッテリーを組み合わせ、滑らかな走りと優れたエネルギーマネジメントを両立。バッテリーはセルとDC/DCコンバーターをフラットパック構造に統合し、省スペース化にも配慮されています。
ピニオンスターターを持たない自然なエンジン始動
電気モーターは全速度域で駆動をサポートし、とくに低回転域の加速を高めます。エンジンとモーターのトルクが重なり合うことで、幅広い回転域で力強く滑らかな加速が得られる仕組みです。
面白いのはエンジン始動の方法で、電気モーターとディスコネクトクラッチによって行われるため、従来型のピニオンスターターを必要としません。結果として、スタート・ストップ機能やエンジンとモーターの切り替えをほとんど意識させない自然な制御が実現しています。
フロントに新開発3リンク式、リアにマルチリンク式アクスル
プラットフォームの刷新にあわせ、シャーシも大きく進化しました。コイルスプリング式コンフォートサスペンションを基本に、フロントには新開発の3リンク式アクスルを採用しています。
ロアコントロールアームは鍛造アルミニウム製の横方向アームとスラストアームで構成され、マクファーソン式と同様にストラットがホイールをガイドします。第3のリンクとなるタイロッドはラック&ピニオン式ステアリングの一部として機能し、ステアリングギアをホイールセンター前方に配置することで、狙いどおりのセルフステア特性と正確なステアリング応答性を追求しました。ステアリングナックルには鋳造アルミニウムを採用しています。
リアには、中・上級クラスのメルセデス・ベンツ車で培われてきたマルチリンク式アクスルを採用。このセグメントでも快適な乗り心地と安定感のある走行フィールを支えます。
ダブルバルクヘッド構造による静粛性
NVH(騒音・振動・ハーシュネス)性能への配慮も行き届いています。遮音材やカバーによる音放射低減に加え、上位クラスで採用されてきたダブルバルクヘッド構造、さらにAピラー側面からフロアまで拡張された遮音対策により、日常域から高速走行まで洗練された乗り味に貢献しています。
BEVモデルは後輪駆動と2速EVトランスミッションを採用
2026年7月29日に発表されたBEVモデル「CLA with EQ Technology」は、永久磁石同期モーター1基をリアアクスルに搭載した後輪駆動です。CLA 250+ with EQ Technologyのモーター最高出力は200kWで、一充電走行距離は日本仕様でWLTP最大771km(欧州仕様では最大792kmという値が公表されています)。BEVとしては珍しい2速トランスミッションを備え、街中での加速と高速巡航時の効率を両立させる設計です。
急速充電は日本仕様がCHAdeMO規格に対応し、最大出力は100kW。10%から80%までの所要時間はCLA 250+ with EQ Technologyで約46分(150kWタイプでの自社検証値)です。詳細は本記事冒頭のセクションで解説しています。
新型「CLA」の安全性能:「このクラスで最も安全な自動車」を目標にゼロから開発
新型CLAは「このクラスで最も安全な自動車」を目標に掲げ、最新の安全思想に基づいてゼロから開発されました。標準装備の安全運転支援システムに加え、衝突時の衝撃を効果的に分散するクラッシャブルゾーン、高剛性の車体構造、シートベルトやエアバッグなどの乗員保護システムを組み合わせることで、万一の際の重大な傷害リスク低減を図っています。
同セグメント初、センターエアバッグを標準装備
注目すべきは、メルセデスの同セグメントで初めてセンターエアバッグを標準装備した点です。重度の側面衝突時に、事故の深刻度や乗員の有無に応じて運転席と助手席の間に展開し、側面衝突時の前席乗員保護を強化します。
その実力は第三者評価にも表れており、新型CLAはEuro NCAPで最高評価の5つ星を獲得。さらに2025年にテストされた全ブランド・全モデルのなかで最高評価となるBest Performerにも選ばれています。
新世代の安全運転支援システム「MB.DRIVE」
新型CLAが搭載するのは、MB.DRIVEという名称の新世代の安全運転支援機能群です。MB.DRIVEは運転支援に加えて駐車支援も含む支援システムの総称で、運転時・駐車時のドライバー負担を軽減します。
センサー構成は充実しています。8つのカメラ、5基のレーダー、12個の超音波センサーに加え、高性能なコンピューターを採用。これらのセンサーと高度な演算能力により、車両周囲の状況を把握して先進的な支援機能を成立させています。
- MB.DRIVE ASSIST(標準装備):ディスタンスアシスト・ディストロニックにステアリングアシストを補完し、高速道路や渋滞時の快適性を高めます。
- レーンチェンジアシスト:新型CLAで採用。ウインカーレバーの操作により、高速道路での車線変更を支援します。
- MB.DRIVE PARKING ASSIST:車両の両側の駐車スペースを早い段階から検知し、パーキングアシストによるスムーズな駐車をサポートします。
- MB.DRIVE PARKING ASSIST 360:360°カメラシステムによる、新しく改良されたサラウンドビューを提供します。
OTAアップデートで進化し続ける安全性
メルセデス・ベンツ インテリジェントクラウドに接続された車両システムにより、運転支援機能を含む主要な車両ソフトウェアをOTA(Over-the-Air)で継続的にアップデートできます。納車後も最新の技術が届き続ける、という新しい価値です。
ただし先進安全装備は、あくまでドライバーの安全運転を前提としたシステムです。走行状況によって認識性能・制御性能には限界があるため、システムだけに頼らない運転を心がける必要があります。
新型「CLA」の価格・主要諸元・保証プログラム
メルセデス・ベンツ新型CLA
2026年7月9日に発売された新型CLA/CLAシューティングブレークは、いずれも48V高効率ハイブリッドシステムを搭載した内燃機関モデルです。ここでは確定した価格と主要諸元、そして購入後の保証プログラムまでを整理します(電気自動車モデルの価格と諸元は本記事冒頭のセクションをご覧ください)。
グレード別の価格一覧
| モデル | MP | ステアリング | パワートレイン | メーカー希望小売価格(税込/カッコ内は税抜) |
|---|---|---|---|---|
| CLA 180 | 202701 | 右 | 1.5L直列4気筒+48V高効率ハイブリッド | 5,980,000円(5,436,364円) |
| CLA 220 | 202701 | 右 | 1.5L直列4気筒+48V高効率ハイブリッド | 6,870,000円(6,245,455円) |
| CLA 180 Shooting Brake | 202701 | 右 | 1.5L直列4気筒+48V高効率ハイブリッド | 6,210,000円(5,645,455円) |
| CLA 220 Shooting Brake | 202701 | 右 | 1.5L直列4気筒+48V高効率ハイブリッド | 7,100,000円(6,454,546円) |
上記は付属品価格、税金(消費税を除く)、保険料、登録に伴う諸費用を含まない車両本体価格です。別途リサイクル料金が必要となります。
限定車「CLA 180 Launch Edition」の価格と内容
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| モデル名 | CLA 180 Launch Edition |
| 販売台数 | 合計350台(20台/50台/120台/160台の配分) |
| 外装色 | ポーラーホワイト(ソリッド)/コスモスブラック(メタリック・オプション価格140,000円)/MANUFAKTUR アルペングレー(ソリッド・オプション価格270,000円) |
| 限定装備 | AMGラインプラス、ナイトパッケージ、19インチAMGアルミホイール、AMGスポイラーリップ ほか |
| 追加装備 | マルチビームLEDヘッドライト、アダプティブハイビームアシスト・プラス、ローワードコンフォートサスペンション、スポーツシート、プライバシーガラス ほか |
| メーカー希望小売価格 | 6,990,000円(税抜6,354,546円) |
CLA 180 Shooting Brake Launch Editionは後日発売予定です。なお、電気自動車モデルの「Launch Edition」については2026年9月以降の導入が予定されています。
主要諸元
| 項目 | CLA 180 / CLA 220(48Vハイブリッド) |
|---|---|
| エンジン | 1.5L直列4気筒ガソリン「M252」(ミラーサイクル、圧縮比12:1) |
| エンジン最高出力 | 100kW(CLA 180)/140kW(CLA 220) |
| 電気モーター最高出力 | 22kW |
| トランスミッション | 8速デュアルクラッチ(8F-eDCT、電気モーター統合型) |
| バッテリー | 48Vリチウムイオン(最大1.3kWh) |
| サスペンション | フロント:3リンク式/リア:マルチリンク式(コイルスプリング式コンフォートサスペンション) |
| 荷室容量(シューティングブレーク) | 455L〜最大1,295L(欧州参考値) |
| ボディサイズ(参考) | 全長4,723mm×全幅1,855mm×全高1,450〜1,469mm(欧州値) |
ホイールサイズの設定
| 仕様 | ホイールサイズ |
|---|---|
| 標準装備 | 18インチアルミホイール |
| AMGラインパッケージ(有償オプション) | 19インチAMGアルミホイール |
| CLA 180 Launch Edition | 19インチAMGアルミホイール(ゴールドアクセント入り専用デザイン) |
保証プログラム「メルセデス・ケア」
新型CLA/CLAシューティングブレークの内燃機関モデルには、新車購入から3年間、一般保証修理/定期メンテナンス(点検整備の作業工賃・交換部品)/24時間ツーリングサポートが無償で提供される走行距離無制限の保証プログラム「メルセデス・ケア」が適用されます。
その終了後には、有償の延長プログラムも用意されています。一般保証と24時間ツーリングサポートを2年間延長する「保証プラス」、4・5年目のメンテナンスサービスをパッケージ化した「メンテナンス プラス」の2種類です。なお電気自動車モデルには、5年間または10万kmまでをカバーする「EQケア」が適用されます。
自動車誕生140周年「140 Years of Innovation」
カール・ベンツが世界初の自動車の特許を取得してから140年。2026年はメルセデス・ベンツにとってアニバーサリーイヤーにあたります。2026年1月29日のドイツ本社における新型Sクラス発表を皮切りに、同社は史上最大規模の製品投入を進めており、新型CLAもその流れに連なる一台です。
記念企画として、3台の新型Sクラスが世界140カ所を巡る旅に出ています。新型CLAが掲げる「140年の技術革新を、現代の技術で再解釈した新世代モデル」というキーワードは、この文脈の中で読むとより輪郭がはっきりします。
ベンツCLAのモデルチェンジ遍歴

メルセデス・ベンツ・CLAクラスは、ドイツのメルセデス・ベンツグループがメルセデス・ベンツブランドとして展開している高級乗用車です。Aクラスをベースとした派生モデルで、4ドアクーペ「CLS」のコンパクトタイプにあたります。ここでは、2013年の初代から2025年に登場した3代目までのモデルチェンジ遍歴を振り返ります。
ベンツCLA 初代 C117/X117(2013年~2019年)
2013年7月、ベンツCLAの日本仕様が発表されました。グレード体系は「CLA180」「CLA250」「CLA250 4MATIC」「CLA45 AMG 4MATIC」の4グレードで、キャッチコピーは「躍動する新しい感性」です。日本発売記念特別モデル「CLA250 Edition 1」が限定300台で販売されました。
2015年6月、限定250台の特別仕様車「CLA180 Edition Black」を発売するとともに、ステーションワゴンモデルの「CLAシューティングブレーク」も発表されました。グレードは「CLA180 Shooting Brake」「CLA250 Shooting Brake」「CLA180 Shooting Brake Sports」「CLA250 SPORT 4MATIC Shooting Brake」のラインナップです。同時に特別仕様車「OrangeArt Edition」を発表し、「Mercedes-AMG CLA45 4MATIC Shooting Brake OrangeArt Edition」も併せて設定されました。同年11月には「Mercedes-AMG CLA45 4MATIC Shooting Brake」を新たに設定しています。
2016年8月、マイナーチェンジを実施。外観の変更とボディカラーの追加、快適装備の充実などが行われ、「CLA250」を廃止して「CLA180 Sports」を追加、「CLA250 4MATIC」を「CLA250 SPORT 4MATIC」に変更し、「CLA250 Shooting Brake」を廃止しました。
2017年3月、特別仕様車「Mercedes-AMG CLA45 4MATIC Racing Edition」を90台限定で発売。同年5月には120台限定の特別仕様車「CLA180 STAR WARS Edition」を発表しました。同年7月の一部改良では「CLA180」と「CLA180 Sports」を廃止し、「CLA180 AMG Style」と「CLA220 4MATIC」を追加しています。
ベンツCLA 2代目 C118/X118(2019年~2026年)
2019年8月、日本仕様車のフルモデルチェンジを発表。「CLA 200 d」と「CLA 250 4MATIC」を設定し、キャッチコピーは「それは、他の誰とも違う、あなたを証明するメルセデス。」です。新世代インフォテインメントシステム「MBUX」を搭載し、AIによる音声認識を可能にした点が大きなトピックとなりました。同年11月には「メルセデスAMG CLA 45 S 4MATIC+」の追加が発表されました。
2020年2月、「CLA180」と「メルセデスAMG CLA 35 4MATIC」の追加が発表されました。同年9月の一部改良では、全モデルに「レーダーセーフティパッケージ」が標準装備となっています。
2021年9月、一部仕様変更を実施。AMGモデルを除く全車にアンビエントライトを標準装備するなど、装備内容が見直されました。
2022年10月、AMG創業55周年特別仕様車「Mercedes-AMG CLA 45 S 4MATIC+ Edition 55」が限定55台で発売されました。
2023年9月、マイナーチェンジを実施して外観デザインを刷新し、「スターパターンフロントグリル」を採用するとともに「CLA250」を廃止。10月には「Mercedes-AMG CLA 45 S 4MATIC+」もマイナーチェンジで外観を刷新し、11月には日本国内限定100台の特別仕様車「Mercedes-AMG CLA 45 S 4MATIC+ Street Style Edition」を発売しました。
2024年9月には、クーペをベースにオールブラックでまとめた特別仕様車「CLA 180 Night Edition」を全国限定200台で発売しています。
ベンツCLA 3代目 C174/X174(2025年~)
2025年3月、イタリア・ローマで3代目となる新型CLAが発表されました。先代から約6年ぶりのフルモデルチェンジで、プラットフォームからパワートレイン、デジタル体験までがゼロから刷新されています。クーペ(C174)が3月に欧州で、シューティングブレーク(X174)が7月にそれぞれ発表され、電気自動車(BEV)モデルと48Vハイブリッドの内燃機関(ICE)モデルが並行して展開されます。
最大の特徴は、新開発のプラットフォーム「MMA(メルセデス・ベンツ・モジュラー・アーキテクチャ)」を初採用した点と、メルセデス・ベンツが自社開発したOS「MB.OS」を初搭載した点です。BEVモデルは欧州仕様で最大792km(欧州値)という航続距離を実現しました。その完成度は高く評価され、欧州の自動車ジャーナリストによる投票で「Car of the Year 2026」を受賞しています。メルセデス・ベンツにとっては1974年以来、52年ぶり2度目の受賞となりました。
日本では、2025年10月30日に「ジャパンモビリティショー2025」で初公開されました。2026年6月30日からオンラインショールームでの特別先行予約が始まり、2026年7月9日に48Vハイブリッド搭載の内燃機関モデルが発売。価格は598万円から710万円(税込)で、同時に限定350台の「CLA 180 Launch Edition」(699万円)も設定されました。続いて2026年7月29日にはBEVモデル「CLA with EQ Technology」「CLA Shooting Brake with EQ Technology」が発表され、668万円から798万円(税込)で予約注文の受け付けが開始されています。
| ベンツCLAモデル | 販売年表 |
|---|---|
| 初代 C117/X117 | 2013年~2019年 |
| 2代目 C118/X118 | 2019年~2026年 |
| 3代目 C174/X174 | 2025年~ |
撮影したメルセデス・ベンツCLAの写真
ジャパンモビリティショー2025に出展したThe all-new electric CLAはMB.OSを完全搭載した初めてのモデル






























