ツインターボ車一覧

ツインターボとは?仕組みと搭載車をスペック付きで旧車から現行まで解説

2基のタービンでターボラグを抑えるツインターボの仕組みを整理し、旧車から現行モデルまでの搭載車を一覧化。405psのフェアレディZや18年の歴史を終えたGT-R、電動ターボへ進化した911ターボSまで取り上げます。

ツインターボ車一覧 特徴・仕組みと国産・外国車の旧車から現行車種まで徹底比較

ツインターボとは、コンパクト化した過給機を2基搭載することで、シングルターボで問題となっていたターボラグを改善し、アクセルレスポンスの向上とハイパワーを両立させたシステムです。フェラーリ「F40」やマツダ「RX-7」などの名旧車から、BMW「M4」・ポルシェ「911 TURBO」などの現行モデルまで、半世紀近くにわたって高性能車の象徴であり続けてきました。

ツインターボとは何か。仕組み・種類・デメリット・ツインスクロールターボとの違い

ターボラグの解消を目的に開発されたツインターボの基本的な仕組みから、2つのタイプの違い、デメリット、混同されやすいツインスクロールターボとの違いまでを解説します。

ツインターボはターボラグ解消のために開発された。2基の小型タービンで排気干渉を抑える

「ツインターボエンジン」はシングルタイプの過給機で起きていたターボラグを改善するために開発された

ターボチャージャーは、排気ガスのエネルギーでタービンを回転させ、連結されたコンプレッサーが吸入空気を圧縮してエンジンに送り込むことで高出力を実現する過給機です。しかしシングルタイプでは、低回転域で排気ガス量が少ないためタービンが十分に回らず、アクセルを踏んでも加速が遅れる「ターボラグ(ドッカンターボ現象)」が発生していました。

ツインターボはこの問題を解決するために開発されました。コンパクト化した過給機を2基搭載することで排気干渉を抑え、タービンへの排気ガス流量を効率的にコントロールすることで、低回転域からでも安定した過給を実現します。

体感としての違いは、アクセルを踏んでから背中が押されるまでの「間」です。大径タービン1基のシングルターボは、回転が上がった瞬間に一気にパワーが立ち上がる独特の爽快感がある反面、交差点から踏み出した直後などはもたつきます。小径タービン2基のツインターボは立ち上がりが早く、街乗りの速度域でも扱いやすい特性になります。

ツインターボには「ノーマルタイプ(パラレル)」と「シーケンシャル・ツインターボ」の2種類がある

A80系スープラは高回転域のみで2基の過給機を稼働させる「シーケンシャル・ツインターボ」を搭載していた

ツインターボには主に2種類あります。

  • ノーマルタイプ(パラレル・ツインターボ):同じ容量の過給機2基を常時並行して稼働させ、常に酸素濃度の高い空気を供給する方式。V型エンジンではバンクごとに1基ずつ配置する例が多く、構造が比較的シンプル
  • シーケンシャル・ツインターボ:低回転域では1基のみを稼働させ、高回転域になると2基目も稼働させる方式。A80系スープラやRX-7が採用。タービンの慣性モーメントを低減しレスポンスを改善できるが、各ターボを管理するユニットが必要なためシステムが複雑になりコスト高になりやすい

シーケンシャルは、2基目が立ち上がる瞬間に加速の段差が生じるという癖も持ちます。切り替えの制御が緻密でないと「もう一段パワーが乗る」というより「一拍おいて蹴り出される」挙動になり、当時のエンジニアがこの継ぎ目を滑らかにすることに腐心した領域です。近年はツインスクロールターボの費用対効果が高いと判断されるようになり、シーケンシャルの採用例はほとんど見られません。

ツインターボのデメリットはコスト高と車両重量の増加

ツインターボはシングルターボより構成パーツが多くなるため、製造コストが高くなり、車両重量も増加します。エンジンルームに2基のタービンと配管、インタークーラーを収める必要があるため、整備性も犠牲になります。タービン周辺は作業スペースが狭く、交換となれば部品代に加えて脱着の工賃がかさみます。

現在はターボチャージャー技術が進化して、シングルターボでも低回転域から効率よく過給できるようになったため、乗用量産車でのツインターボ搭載はハイパフォーマンス志向の高級スポーツカーや超高級車が中心となっています。

ツインスクロールターボはシングルターボの一種。ツインターボとは異なる

名称が似ているため混同されやすいですが、「ツインスクロールターボ」は過給機本体が1基のシングルターボの一種です。タービンへの排気ガス流路を内部で2分割することでターボラグを抑える仕組みで、過給機本体を2基搭載するツインターボとは根本的に異なります。現在の「スープラ(DB型)」などが採用しています。

見分け方としては、カタログの「過給機」欄にタービンの基数が書かれているかを確認するのが確実です。BMWの「ツインパワー・ターボ」のように、名称からは基数が読み取れない商標もあります。M4に積まれるS58型は実際に2基のタービンを持ちますが、同じツインパワー・ターボを名乗る4気筒モデルはシングルターボです。

ツインターボ車一覧 旧車から現行車まで国産・外国産の代表モデルとスペックを紹介

ターボラグを解消してハイパフォーマンスを実現したツインターボ搭載車を、歴史的な名旧車から現在も新車購入できる車種まで幅広く紹介します。

マセラティ「ビトゥルボ」世界初のツインターボ量産車として登場したヘリテージカー

マセラティ「ビトゥルボ」にはIHI(石川島播磨重工業)製の2基のターボチャージャーが設置されていた

1981年にリリースされた「Biturbo(ビトゥルボ)」は、ツインターボシステムを世界で初めて量産車に搭載したモデルです。スーパーカーメーカーとして認知されていたマセラティが初めてリリースした量産車でもあり、発売当時から注目を集めました。「Biturbo」はイタリア語でツインターボを意味する車名です。V型6気筒エンジンにIHI(石川島播磨重工業)製の2基のターボチャージャーを組み込み、インタークーラーも装備してパワフルな走りを実現。1981年から1994年にかけてクーペ・オープン・セダンの3ボディタイプを展開しました。

2.5Lで200PSという数値は現代の目には控えめですが、当時のメルセデス・ベンツやBMWの同クラスが150PS前後だったことを踏まえると、小排気量で高出力を得るという発想の先進性が際立ちます。一方で電装系やボディの弱さから維持に手がかかる個体が多く、程度の良い車両は限られます。

マセラティ ビトゥルボ スパイダーのスペック
エンジン V型6気筒SOHC3バルブ ツインターボ
最高出力 200PS / 5,500rpm
最大トルク 302Nm / 3,000rpm
総排気量 2,490cc

フェラーリ「F40」エンツォ最後の作品。320km/h超えを実現した希少なツインターボスーパーカー

フェラーリ創業40周年を記念して製作された「F40」は希少性が高くオークションなどでは高値で取引されている

1987年に発表された「F40」はフェラーリ創業40周年を記念した特別限定車で、創業者エンツォ・フェラーリが最後に開発に関わったモデルです。国際オークションでは億単位の値がつくほど希少性が高く、ストーリー性も相まって世界中で珍重されています。

「F40」は高速走行時の揚力を抑えるために大型リアスポイラーを設置している

「F40」に装備されたツインターボチャージャーは改良を経てアクセルレスポンスが向上した

2.9L V型8気筒DOHCエンジンにIHI製のツインターボを搭載。初期モデルでは低回転域でのブースト圧が不十分でターボラグが生じていましたが、後期モデルで改良が加えられアクセルレスポンスが大幅に向上しました。高速走行時の車体安定化のため大型リアスポイラーなどのエアロパーツを装備し、市販車として初めて最高速320km/h超えを実現しています。

車重は1,100kg台と軽く、478psを受け止めるのはパワーステアリングもABSもトラクションコントロールもない車体です。カーボンケブラーのボディパネル、紐を引いて開けるドアハンドル、スライド式の小窓といった装備からも、快適性を切り捨ててでも速さを求めた設計思想が伝わってきます。

フェラーリF40(1988年式)のスペック
エンジン 2.9L V型8気筒DOHC ツインターボ
最高出力 478ps / 7,000rpm
最大トルク 577Nm / 4,000rpm
総排気量 2,936cc
最高速 324km/h

BMW「3シリーズ」第5世代が直列6気筒パラレル・ツインターボを搭載

世界市場で評価されるBMW「3シリーズ」は、セダン・クーペ・カブリオレ・ステーションワゴンなど多様なボディタイプを展開するDセグメントの代表車です。1975年の初代E21型以来の長い歴史を持ち、第5世代(2005〜2013年)には直噴のN54型直列6気筒パラレル・ツインターボを積む335iをラインナップしました。

N54型は、BMWが自然吸気の直列6気筒にこだわってきた時代から過給へ舵を切った転換点にあたるエンジンです。306PS・400Nmという数値以上に評価されたのは、1,300rpm付近から最大トルクが立ち上がる扱いやすさでした。ただし高圧燃料ポンプやインジェクターのトラブルが指摘されやすいユニットでもあり、中古で選ぶなら整備履歴の確認が欠かせません。

3シリーズ カブリオレ(2007年式)のスペック
エンジン 3L 直噴 ツインターボ
最高出力 306PS
最大トルク 400Nm
総排気量 2,979cc

トヨタ「マーク2・チェイサー・クレスタ」国産初のツインターボ搭載車。ハイソカーブームの中心を担った

マーク2は1968年〜2004年まで開発・製造・販売が行われていたトヨタの高級セダン。画像は80型

「マーク2」は警察車両や社用車としても活躍したトヨタの高級セダンです。1985年に5代目へのマイナーチェンジにあわせて、兄弟車のチェイサー・クレスタとともに国産車として初めて1G-GTEU型ツインターボエンジンを搭載し、当時流行したハイソカーブームの中心的役割を担いました。

1989年リリースの6代目(X80型)では1JZ-GTE型6気筒ツインターボエンジンを搭載し、「2.5 GTツインターボ」などのグレードで当時の車好きを満足させるハイレスポンスを実現していました。1JZ-GTEは丈夫な鋳鉄ブロックと余裕のある設計からチューニングベースとして重宝され、現在も部品供給と情報の蓄積が多い点が、旧車として選ぶ際の安心材料になります。

マーク2 GTツインターボ(1990年発売モデル)のスペック
エンジン 1JZ-GTE 直列6気筒DOHC ツインターボ
最高出力 280PS(206kW)/ 6,200rpm
最大トルク 363Nm / 4,800rpm
総排気量 2,491cc

トヨタ「アリスト」3Lツインターボで国産最速セダンの異名を誇ったハイパフォーマンスセダン

1991年に誕生したアリストはレクサスGSへと移行する形で2004年12月に生産終了となった

1991年にリリースされた「アリスト(JZS14#型)」は、スープラよりも先に3リッター直列6気筒ツインターボエンジンを搭載した国産ハイパフォーマンスセダンです。ロー&ワイドボディによる低重心走行とツインターボによる圧倒的なスポーティ性能が評価され、当時「国産最速セダン」と呼ばれていました。

2代目(JZS16#型)では改良したツインターボエンジンにVVT-iを組み合わせ、高級車にふさわしい安定した走りを実現。コックピット中央の3眼スピードメーターなど、運転時の臨場感にもこだわったモデルです。国内外でレクサスGSへと車名を変更する形で車歴を終えました。

最高出力は自主規制の280psで頭打ちでしたが、最大トルク451Nmという数値がこの車の性格を物語ります。高速道路の合流で半分もアクセルを踏めば必要な速度に達する余裕は、4ドアセダンの外観からは想像しにくいものでした。

アリスト V300ベルテックスエディション(2000年モデル)のスペック
エンジン 2JZ-GTE型 直列6気筒DOHC ツインターボ
最高出力 280ps(206kW)/ 5,600rpm
最大トルク 451Nm / 3,600rpm
総排気量 2,997cc

日産「フェアレディZ(Z32型)」国産初の280PS超えを達成したV6ツインターボスポーツカー

4代目「フェアレディZ」はツインターボエンジンを搭載することで国産車初の最大出力280PSをクリアした

生誕20周年の1989年にフルモデルチェンジを実施した4代目「フェアレディZ(Z32型)」は、新開発のVG30DETT型3リッターV6ツインターボエンジンを搭載するモデルをラインナップ。国産車として初めて最大馬力280PSを達成しました。2シーターと4人乗りの2by2を展開し、ショートオーバーハングのボディで街中での機動性も確保していました。

この280PSという数値が、以降およそ15年にわたって国産車の自主規制値として機能することになります。V型エンジンのバンクごとにタービンを配置するパラレル構成は整備の手が入りにくく、タービンやエンジン補機類の交換では作業工数が大きくなる点が、長く乗る際の現実的な課題です。

フェアレディZ GCZ32型(1989年)Z 2by2 300ZXツインターボのスペック
エンジン VG30DETT型 V6・4バルブDOHC・ツインターボ
最高出力 206kW(280ps)/ 6,400rpm
最大トルク 388Nm / 3,600rpm
総排気量 2,960cc

日産「フェアレディZ(RZ34型)」405psのV6ツインターボを積む現行型。MTも選べる貴重な一台

2022年に登場した7代目「フェアレディZ(RZ34型)」は、先代の3.7L自然吸気から3.0L V型6気筒ツインターボ「VR30DDTT」へ切り替わりました。スカイライン400Rにも積まれるこのユニットにリサーキュレーションバルブを追加してレスポンスを高め、最大トルクの発生域も高回転側へ広げています。

405ps・475Nmという出力はZ32型の1.4倍を超えますが、トルクが1,600rpmから5,600rpmまでフラットに続くため、数値ほど扱いにくさはありません。6速MTとパドルシフト付き9速ATを全グレードで選べる点も、ツインターボ車が希少になった現在では貴重な構成です。

フェアレディZ(RZ34型)のスペック
エンジン VR30DDTT型 V型6気筒DOHC ツインターボ
最高出力 298kW(405ps)/ 6,400rpm
最大トルク 475Nm / 1,600〜5,600rpm
総排気量 2,997cc

日産「スカイラインGT-R(R32型)」全日本ツーリングカー選手権29戦全勝を果たした伝説のツインターボ

8代目「スカイライン(R32型)」をベースとするGT-Rは全日本ツーリングカー選手権などで圧倒的な成績を収めた

1989年8月に復活した8代目スカイライン(R32型)のGT-Rは、RB26DETT型2.6Lツインターボエンジンと電子制御トルクスプリット4WDシステムを搭載し、セダンタイプスポーツカーとして世界トップレベルの走行性能を誇りました。全日本ツーリングカー選手権では1990〜1993年の4シーズンで参戦した29戦全勝という圧倒的な成績を残した伝説のモデルです。

RB26DETTはレース用ベースとして開発されたため、カタログ値の280psに対して実際には300ps前後を発生していたという見方が定着しています。鍛造ピストンやオイルポンプの強化など、素の状態でチューニング耐性を織り込んだ設計が、その後の中古車相場を押し上げる要因にもなりました。

スカイラインGT-R(BNR32型・1989年モデル)のスペック
エンジン RB26DETT型 直列6気筒4バルブDOHC ツインターボ
最高出力 206kW(280ps)/ 6,800rpm
最大トルク 353Nm / 4,400rpm
総排気量 2,568cc

日産「GT-R(R35型)」18年間作り続けられたVR38DETT搭載のスーパースポーツ

2007年12月にスカイラインの名を外して登場した「GT-R(R35型)」は、3.8L V型6気筒ツインターボ「VR38DETT」を搭載し、デビュー時点で480psを発生しました。前後重量配分を最適化する独立型トランスアクスル方式と電子制御4WDを組み合わせ、天候や路面を問わず性能を引き出せる点が持ち味です。

エンジンは「匠」と呼ばれる専任職人が1基ずつ組み上げ、カムカバーにその名を刻むプレートが付く仕様で、量産車としては異例の生産体制が取られました。度重なる改良で最終的に570ps級まで引き上げられましたが、2025年8月26日に最後の1台がラインオフし、18年間で約4万8,000台をもって生産を終了しています。

GT-R(R35型)のスペック
エンジン VR38DETT型 V型6気筒DOHC ツインターボ
最高出力 353kW(480ps)/デビュー時
駆動方式 電子制御トルクスプリット4WD
総排気量 3,799cc

三菱「GTO」北米市場でも支持された4WD・280PSのツインターボGTカー

GTOはクライスラーにOEM供給され、海外市場ではダッジブランドから「ステルス」の名で展開されていた

1990年にスタリオンの後継として誕生した「GTO」は、3.0L V型6気筒ツインターボエンジンにゲトラーグ製5MTを組み合わせ最高出力280PSを達成。全グレードにフルタイム4WDを採用し、アクティブエアロシステムなど機能性の高さも魅力でした。クライスラーへのOEM供給で「ダッジ・ステルス」として北米でも展開され、4WDのGTカーとして高い人気を得ています。2000年に生産を終了しました。

4WDに4WS、電子制御サスペンション、可変排気と当時の先進装備を満載した結果、車重は1.7トンを超えました。軽量なスポーツカーとは性格が異なり、高速巡航で真価を発揮するグランドツアラーとして評価が定まっています。

GTOツインターボのスペック
エンジン V6 3.0L ツインターボ
最高出力 280PS
最大トルク 427Nm
総排気量 2,972cc

スバル「レガシィ」2代目・3代目が搭載した「2ステージ・ツインターボ」でロングツーリング性能を引き上げた

  • 2代目レガシィ ツーリングワゴン。フルモデルチェンジによって走行性能・積載力などが全方向で引き上げられた
  • 2代目レガシィ ツーリングワゴン

2代目レガシィ ツーリングワゴンは2ステージツインターボエンジンを搭載していた

ロングツーリングを得意としたスバル「レガシィ」は、1993年にフルモデルチェンジした2代目(BD/BG系)でEJ20G型2.0L水平対向4気筒DOHCエンジンにシーケンシャル・ツインターボを組み合わせ、走行性能と燃費性能を向上。スバルが「2ステージ・ツインターボ」と呼んだこのシステムは3代目(BE/BH系)にも引き継がれました。

1998年に誕生した3代目では、ターボの各ユニット性能を引き上げてより機敏でパワフルな走りを実現。ポルシェデザインのエアロパーツを装着した限定モデル「BLITZEN(ブリッツェン)」や、スバルワークスチーム開発の最高出力293馬力・限定400台の「レガシィS401 STiバージョン(2002年)」なども話題を集めました。

2リッターのワゴンで280psに到達した3代目GT-B E-tuneは、ステーションワゴンという実用的な器にスポーツカー並みの動力性能を収めた点が画期的でした。一方でシーケンシャル機構は制御系の配管やバルブが複雑で、年数が経った個体では切り替え不良が起きやすくなります。中古で狙う場合は、2基目が立ち上がる3,000rpm付近で加速が途切れないかを試乗で確認しておきたいところです。

2代目レガシィ ツーリングワゴン GT-Bのスペック
エンジン EJ20 水平対向4気筒DOHC ツインターボ
最高出力 260ps / 6,500rpm
最大トルク 319Nm / 5,000rpm
総排気量 1,994cc

マツダ「RX-7(FD3S型)」ロータリー×ツインターボという唯一無二の構成を持つ中古車市場でプレミア価格の名車

ロータリーエンジンとシーケンシャル・ツインターボを組み合わせた3代目RX-7(FD3S型)

「RX-7」は1978年の初代から2003年の生産終了まで、三角形のローターを回転させて動力を生み出すロータリーエンジンを搭載し続けたマツダのライトウェイトスポーツカーです。

1991年に登場した最終3代目「RX-7(FD3S型)」は、均整のとれた美しいボディフォルムを採用。13B型ロータリーエンジンに日立が開発したシーケンシャル・ツインターボを組み合わせて最高出力265馬力を達成しました。ロータリーエンジンにツインターボを組み合わせるという世界でも類をみない構成の希少性から、現在の中古車市場ではプレミア価格が付いています。

排気量1,308ccで265psという出力密度は、当時の自然吸気エンジンでは到達できない領域でした。ただしロータリー特有のアペックスシール摩耗やオイル消費があり、ツインターボ機構の負圧ホースの劣化も加わって、維持にはまとまった予算が必要です。安価な個体ほど後から費用がかさむ傾向が出やすく、整備記録が残る車両を選ぶ価値が大きい車種といえます。

RX-7 タイプRB(2000年モデル)のスペック
エンジン 13B-REW 水冷2ローター ICツインターボ
最高出力 195kW(265ps)/ 6,500rpm
最大トルク 294Nm / 5,000rpm
総排気量 1,308cc

トヨタ「スープラ(A80型)」シーケンシャル・ツインターボで280馬力を実現した海外人気の高いスポーツカー

北米市場で人気のフェアレディZを意識して開発されたクーペ「スープラ」。1993年にリリースされた4代目(A80型)の上級グレードRZ・GZでは、初代アリストに搭載されていた3.0Lシーケンシャル・ツインターボエンジンを流用。空力に優れる軽量ボディとの組み合わせで最高出力280馬力のパワフルな走りを実現しました。2019年に17年ぶりに復活した5代目「スープラ(DB型)」は、BMWとの共同開発でツインスクロールターボエンジンを搭載しています。

2JZ-GTEは海外で絶大な評価を得たユニットで、映画の影響もあって程度の良いA80型は世界的に取り合いの状況が続いています。国内相場も長らく上昇基調にあり、ツインターボの旧車のなかでは最も入手難度が高い部類です。

スープラ 3000 TWINCAM24 TWOWAY TWIN TURBO・GZのスペック
エンジン 直列6気筒DOHC シーケンシャル・ツインターボ
最高出力 206kW(280ps)/ 5,600rpm
最大トルク 431Nm / 3,600rpm
総排気量 2,997cc

ランドクルーザー300とレクサス LX V6ツインターボで大排気量V8を置き換えた現行の実用派

スポーツカー以外でツインターボが活躍しているのが、大型SUVや高級セダンの領域です。トヨタのV35A-FTS型3.5L V型6気筒ツインターボは、ランドクルーザー300やレクサスLX、レクサスLSに搭載され、従来のV8自然吸気を置き換える役割を担っています。

415ps・650Nmという出力は、先代の4.6L V8(318ps・460Nm)を大きく上回ります。排気量を1リッター以上縮めながらトルクを1.4倍に引き上げたことで、牽引や悪路での低速トルクを確保しつつ燃費も改善しました。ツインターボが「速さのための装置」から「大排気量の代替手段」へと役割を広げた好例です。

V35A-FTS型エンジン(ランドクルーザー300)のスペック
エンジン V35A-FTS型 V型6気筒 ツインターボ
最高出力 305kW(415ps)/ 5,200rpm
最大トルク 650Nm / 2,000〜3,600rpm
総排気量 3,444cc

ホンダ「NSX Type S」3.5Lツインターボ+3モーターで圧倒的なレスポンスを実現した国産フラッグシップ。2022年に生産終了

ホンダのフラッグシップスポーツカーとして君臨していたNSX Type Sは2022年に生産を終了した

NSX Type Sは10.0の高圧縮比を達成した3.5L V6 DOHCツインターボエンジンを搭載している

2022年に生産終了となったホンダのフラッグシップスポーツカー「NSX Type S」は、3.5L V6ツインターボエンジンにレスポンス特性に優れる3基の高出力モーターを搭載した「SPORT HYBRID SH-AWD」システムを採用。エンジン単体で529PS、システム総合では600PSを発生し、電気モーターがターボラグを補うことで、ストレスのない瞬発的な加速力を実現していました。

「NSX Type S」は軽量高剛性のオールアルミサスペンションを装備し高速時にも安定したハンドリングを実現

フロントのダブルウィッシュボーン式・リアのマルチリンク式オールアルミサスペンションと、電磁コイルで減衰力を制御するアクティブ・ダンパー・システムにより、高速域でも安定した走りを実現していました。前輪を2基のモーターで独立制御する構成により、コーナーで内外輪のトルクを配分して曲がる挙動は、ターボの過給が立ち上がる前から機能します。

NSX Type S(2022年モデル)のスペック
エンジン 3.5L V6 DOHC ツインターボ+3モーター
最高出力(エンジン) 389kW(529PS)/ 6,500〜6,850rpm
最大トルク(エンジン) 600Nm / 2,300〜6,000rpm
総排気量 3,492cc

BMW「M4(G82型)」BMWワークスが鍛えたツインターボ搭載ピュアスポーツカー。現在も現行販売中

BMW「M4」は直列6気筒Mツインパワー・ターボ・エンジンにアダプティブMサスペンションを組み合わせて安定した走りを実現

2021年にデビューした「M4(G82型)」は、4シリーズをベースにBMWのワークスチームBMW Mがレース技術を投入してチューニングしたスポーツカーです。大径キドニーグリルと徹底した空力ボディに、S58型直列6気筒ツインターボを搭載します。

2024年にはLCIと呼ばれるマイナーチェンジが実施され、ヘッドライトやテールランプの意匠、iDrive 8.5への更新とあわせて、Competition M xDriveの最高出力が510PSから530PSへ引き上げられました。0-100km/h加速は3.5秒で変わらず、上乗せされた20PSは超高速域での伸びに効いています。日本仕様はこのコンペティションM xドライブに集約されました。

路面状況に合わせてダンパー特性を可変させるアダプティブMサスペンションや、走行モードに連動したエンジンサウンドを奏でるMスポーツ・エキゾースト・システムなど、スポーツドライブを安全に楽しませる装備が充実しています。

BMW M4 Competition M xDriveクーペ(LCI)のスペック
エンジン 直列6気筒DOHC ツインターボ(S58型)
最高出力 390kW(530PS)/ 6,250rpm
最大トルク 650Nm / 2,750〜5,730rpm
総排気量 2,992cc
0-100km/h加速 3.5秒

メルセデス・ベンツ「Sクラス AMG」4.0Lツインターボと電動化で802PSを発生する超高級ハイパフォーマンスモデル

7代目「Sクラス」は静粛性向上のためサイドウィンドウを2重化している

2021年に日本でリリースされた7代目「Sクラス(W223)」は、貫禄あるフロントグリル・12.8インチ有機ELディスプレイ・気品あるレザーシートで内外装をエレガントに仕上げたラグジュアリーカーです。

SクラスのハイパフォーマンスモデルのAMGには4.0L V型8気筒ツインターボエンジンに高性能バッテリーを組み合わせている

そのハイパフォーマンスモデルであるAMG S 63 E PERFORMANCEには、Vバンクの内側にツインターボチャージャーをレイアウトする「ホットインサイドV」構成を採用。吸排気の経路を短縮することでレスポンスを高めています。エンジン単体で612PSを発生し、F1技術を活かした高性能バッテリーとモーターを組み合わせたシステム総合出力は802PS、総合トルクは1,430Nmに達します。

メルセデスAMG S 63 E PERFORMANCEのスペック
エンジン 4.0L V型8気筒 ツインターボ+モーター
最高出力(エンジン) 612ps(450kW)/ 5,500〜6,500rpm
最大トルク(エンジン) 900Nm / 2,500〜4,500rpm
システム総合出力 802PS
総排気量 3,982cc

ベントレー「ベンテイガ スピード」4.0L V8ツインターボで650PSを発生するブランド最強SUV

「ベンティガ スピード」にはオフロードでも安定した駆動力を発揮するドライビングモードが設定されている

かつてのベンテイガ スピードには6.0L W12気筒ツインターボTSIエンジンが搭載されていた

「BENTAYGA SPEED(ベンテイガ スピード)」は、イギリスの高級自動車メーカー・ベントレーがラグジュアリーSUVの頂点として展開するモデルです。かつては6.0L W12ツインターボを搭載し、最高出力635PS・最高速306km/hを誇りましたが、ベントレーは2024年にこのW12エンジンの生産を終了しました。

2025年6月に発表された新型ベンテイガ スピードは、新開発の4.0L V8ツインターボへ切り替わり、最高出力は650PSとW12時代を上回ります。12気筒から8気筒へ気筒数を減らしながら出力を高められたのは、過給と燃焼制御の進化がもたらした結果です。

「ベンティガ スピード」の室内は運転集中性と高級感を両立している

室内はシート・ドアトリムにレザー加飾を施してベントレーブランドにふさわしい高級感を演出。センターインフォメーションディスプレイによるパーキングアシストなど運転サポートシステムの操作性も優れています。

ベンテイガ スピード(2025年発表モデル)のスペック
エンジン 4.0L V型8気筒 ツインターボ
最高出力 650ps
参考(W12時代) 6.0L W12 ツインターボ 635ps 最高速306km/h

アストンマーティン「DB12」4.0Lツインターボ680PSであらゆる回転域から瞬時にパワーを引き出せるスーパーツアラー

アストンマーティン「DB12」はツインターボエンジン搭載で最高速300km/h超えを実現

2023年にリリースされた「DB12」は、アストンマーティンの人気DBシリーズの新型モデルです。歴代モデルのエレガントなデザインを継承しながらも、大型フロントグリルでワイルドさも演出。冷却機能の高精度化や軽量鍛造アルミピストンなど最新技術を投入した4.0Lツインターボ V8エンジンを搭載し、アストンマーティン史上最高のパワフルな走りを実現するスーパーツアラーです。

ミシュランと共同開発した専用21インチタイヤ・電子制御リアディファレンシャル・人間工学に基づくコックピット設計により、マシンとの一体感ある走りを楽しめます。最大トルク800Nmが2,750rpmから6,000rpmまで続く特性は、グランドツアラーに求められる「どの速度域からでも即座に加速できる」性格そのものです。

アストンマーティン「DB12」のスペック
エンジン 4.0L ツインターボ V8
最高出力 680ps / 6,000rpm
最大トルク 800Nm / 2,750〜6,000rpm
0-100km/h加速 3.6秒
最高速度 325km/h

ポルシェ「パナメーラ」4人乗りの実用性とV8ツインターボのポルシェらしい走りを両立した高級スポーツカー

2代目「パナメーラ(971)」はポルシェらしいウエストラインを維持しながらリヤシートの乗員スペースも確保している

「パナメーラ」は4人乗りのポルシェブランド高級スポーツカーです。2016年リリースの2代目(971)は、ポルシェドライバーエクスペリエンスによる高い操作性とマトリックスLEDヘッドライトによる存在感が特徴で、最上位のターボSでは630PSに到達しました。

「パナメーラ ターボEハイブリッド」に搭載する4.0L V8ツインターボエンジンは電気モーターと組み合わされる

2023年11月に発表された第3世代(972)は、日本でも2024年3月にE-ハイブリッドモデルの予約受注が始まりました。4.0L V8ツインターボと新開発の電気モーターを組み合わせた「パナメーラ ターボ E-ハイブリッド」はシステム出力680PS・930Nm、0-100km/h加速3.2秒、最高速315km/hを発揮します。下位のパナメーラ4 E-ハイブリッドと4S E-ハイブリッドには、改良された2.9L V6ツインターボが搭載されます。

SUVと高級セダンが人気の現代においても、スポーツカーならではの走り味を4人乗りのボディで提供する貴重なモデルです。

パナメーラ ターボ E-ハイブリッド(第3世代)のスペック
エンジン 4.0L V8 ツインターボ+電気モーター
システム最高出力 500kW(680PS)
システム最大トルク 930Nm
0-100km/h加速 3.2秒
最高速度 315km/h

ポルシェ「911 TURBO(992型)」水平対向6気筒ツインターボ+VTGで0-100km/h加速2.8秒を実現するフラッグシップ

ポルシェ「911 TURBO」はクーペとカブリオレを展開している

1964年の誕生以来、半世紀以上同一車名でリリースを続けるポルシェの最高フラッグシップ「911」。2018年に移行した992型(前期)では、回転数に応じてタービン角度を変化させるVTG(可変タービンジオメトリー)を搭載した水平対向6気筒ツインターボエンジンに、高効率のピエゾインジェクターを組み合わせ、最高出力580PS・0-100km/h加速2.8秒・最高速320km/hを実現しました。

ポルシェ「911 TURBO(992型)」は大型ターボチャージャーとピエゾインジェクターを初採用した

2025年9月のIAAモビリティでは、後継となる992.2型「911 ターボS」が発表されました。3.6L水平対向6気筒に電動ターボチャージャー(eターボ)を2基組み合わせる「T-ハイブリッド」システムへと進化し、システム最高出力711PS・最大トルク800Nmを発生します。排気エネルギーが足りない領域ではモーターがタービンを直接回すため、ターボラグという概念そのものが薄れつつあります。

911 TURBO(992型前期)のスペック
エンジン 水平対向6気筒 ツインターボ+VTG
最高出力 427kW(580PS)
0-100km/h加速 2.8秒
最高速度 320km/h

ツインターボ車を選ぶ・維持するときに押さえておきたいこと

旧車のツインターボ車を検討する際に最初に確認したいのが、タービンの状態です。マフラーから白煙が出る、アイドリングで金属的な異音がする、加速時にブースト圧が上がりきらないといった症状は、タービンのシールやベアリングが傷んでいるサインとして現れます。2基あるため、片側だけ劣化が進んでいるケースもあります。

交換費用は車種によって開きがありますが、タービン本体に加えて脱着工賃、ガスケットやオイルラインの部品代が積み上がります。V型エンジンのようにバンクの奥にタービンが収まるレイアウトでは、補機類を外す手間が工賃に直結します。車両価格の安さだけで選ぶと、購入後の支出が本体価格に迫ることもあります。

維持で効くのはオイル管理です。タービンは高温の排気にさらされながら毎分10万回転を超える速度で回り、その軸受をエンジンオイルが冷却と潤滑の両面で支えています。オイルが劣化すると軸受部で炭化し、タービンの寿命を縮めます。走行距離だけでなく、サーキット走行や高速巡航の頻度を踏まえて交換時期を前倒しする判断が有効です。

走り終えた直後にエンジンを切らず、1分ほどアイドリングさせてタービンの熱を落とす習慣も、旧いツインターボ車では意味を持ちます。現行モデルは電動ウォーターポンプで停止後も冷却を続ける設計が主流になり、この配慮は不要になりましたが、1990年代までの車両では寿命に差が出ます。

向き不向きもはっきりしています。低速トルクの太さと伸びやかな加速を日常的に味わいたい人には、現行のツインターボ車は扱いやすい選択です。一方、アクセルに対する反応の素直さや軽快な回転フィールを最優先するなら、自然吸気のスポーツカーのほうが満足度は高くなります。「ツインターボだから速い」という前提で旧車に手を出すと、現代のコンパクトカーに加速で並ばれる場面もあり、期待と実態がずれやすい点には注意が必要です。

ツインターボはスポーツカーとの相性が高い。今後は高性能ハイブリッドとの融合が加速

ツインターボエンジンは、加速・走行性能をセールスポイントとするスポーツカーや超高級車への搭載が中心です。環境性能・安全性重視の時代になりSUVが世界的人気を誇る現在、ダウンサイジングターボが主流となり、ツインターボを搭載する車種は限られてきています。

一方で、役割は確実に広がっています。ランドクルーザー300のV6ツインターボがV8自然吸気を置き換え、ベンテイガ スピードではV8ツインターボがW12を上回る出力を実現しました。気筒数と排気量で性能を語る時代から、過給と電動化の組み合わせで性能を組み立てる時代へと移っています。

ポルシェ911 ターボSのT-ハイブリッドのように、電動ターボと組み合わせてターボラグそのものを消す技術も登場しました。圧倒的なポテンシャルと刺激的な走りをドライバーに提供するツインターボ車の動向は、今後も注目です。