RX-9誕生か?RX-8の後継となるロータリーエンジン搭載車が発売される可能性
マツダの新たなロータリーエンジン搭載車、RX-9が誕生する可能性はあるのでしょうか?
2012年に最後のロータリーエンジン搭載車RX-8の生産が終了したものの、2015年には東京モーターショーでコンセプトカー「RX-VISHION」を発表。「SKYACTIV-R」という名称で、次世代ロータリーエンジンを開発していると明言し、復活へ意欲を示していました。
ロータリーエンジン市販化から50周年にあたる2017年に復活の発表が有力視されるなか、マツダ2017年東京モーターショーでコンセプトカー「VISHION-COUPE」を発表。
いよいよ本格的なロータリー復活が噂されるも、マツダ自身は「VISHION-COUPEはRX-VISIONの進化系ではなく、ロータリーエンジン搭載予定はない」と説明。
2020年には、マツダは創業100周年を迎えます。マツダのロータリーエンジンは今後どうなるのか、RX-9登場の可能性を考察します。
西暦(年) | ロータリーエンジンに関する動きと今後の予想 |
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2002 | RX-7生産終了 |
2003 | RX-8生産開始 |
2012 | RX-8生産終了 |
2015 | 東京モーターショー2015コンセプトモデル「RX-VISHION」発表 次世代ロータリーエンジン「SKYACTIV-R」の開発を明言 |
2017 | ロータリーエンジン50周年 東京モーターショー2017コンセプトモデル「VISHION-COUPE」を発表(マツダはロータリー搭載は否定) |
2019 | 7月 ニュルでRX-8がテスト走行 10月 東京モーターショー2019 |
2020 | マツダ創業100周年 RX-9発表されず |
マツダがスペースフレームに関する特許出願内容を公開
MAZDAが「車両の衝撃吸収構造」というタイトルの特許出願内容を公開しています。
RX-9は独立したプラットフォームを採用し、他車種と共有することはないとのこと。2019年にパテントを取得した新開発のロータリーエンジンの出力は400ps前後を目指しています。
今回公開された内容では、この構造をどのモデルに採用するのかという点については触れられていません。しかし、コンパクトなエンジン搭載スペースや、アルミ・CFRPのフレームから構成されたレーシーで軽量性の高いプラットフォームから、現在開発中と噂されるRX-9である可能性もあるでしょう。
ニュルでラッピングされたRX-8が目撃!新ロータリーエンジンのテスト中?
カモフラージュされたRX-8と思われる車両
開発は続けているとしながらも、近年は目立ったニュースのなかったマツダのロータリーエンジン搭載車。しかし、2019年7月ドイツ・ニュルブルクリンクでマツダのテスト車両と思われる2台のRX-8が目撃されました。
2012年に生産を中止しているのに、なぜRX-8でテストを行う必要があるのか。
このRX-8は「新たなロータリーエンジンのテストをしていた」「再び開発を本格化したのでは?」と話題を呼んでいます。
RX-9はスポーツカーではなく、コンパクトなEV車の可能性も!
RX-9はスポーツカーではない可能性もある?
もし仮にロータリーの復活が叶うのだとしたら、「RX-7、RX-8のようなスポーツカー」というのが大半のファンの望みですが、次期ロータリーモデルはコンパクトな量産車の可能性もあります。その場合、RX-9の名前は使われないかもしれません。
2018年10月に、マツダはロータリーエンジンをEVの発電機のような「レンジエクステンダー」(発電用エンジン)として活用する技術を公表しています。簡単にいうと、ロータリーのみを動力源として走るのではなく、ロータリーエンジンを活用した電気自動車(ロータリーEV・電気自動車)ということです。
ロータリーエンジンは、もともと小型軽量なのが大きな魅力です。このロータリーを発電用エンジンとして使うパッケージングは、小型車でこそのメリットとなります。また、ガソリンに限らず、水素燃料などにも対応でき、静寂性が高いのも特徴です。
当時は2020年発売開始予定とアナウンスされましたが、2024年も目立った続報はありません。それでも、現代の環境性能に合致する、もっとも現実的なロータリーエンジン復活路線であることは事実でしょう。
諦められない「ロータリースポーツ」としてのRX-9…2020年創業100周年でサプライズの可能性は?
「レンジエクステンダー」として復活する可能性が高いロータリーエンジン。復活するだけ嬉しいですが、それでもやはりRX-7、RX-8の血を引くような「ロータリースポーツ」としてのRX-9誕生に期待したい人は多いでしょう。
あくまで噂の範疇ですが、スポーツモデルとして「RX-9」が誕生する可能性もあります。マツダが開発を続け、2015年に発表した次世代ロータリーエンジン『SKYACTIV-R』は、既に市販化に向けて動いているという話もあります。
RX-VISHION マツダが「最高に美しいFRスポーツ」と自信を持つコンセプトカー
もしRX-9をスポーツカーとして発売する場合、エクステリアはロータリーエンジン搭載モデルとして発表した「RX-VISHION」のキープコンセプトが有力です。2015年東京モーターショーに出展されたコンセプトカーですが、今見てもまったく古さを感じません。
ボディサイズは、全長4,389mm、全幅1,925mm、全高1,160mmですが、全幅はワイドすぎるのでもう少し縮小した方がいいでしょう。
次世代ロータリーエンジン『SKYACTIV-R』は、400ps越えのハイパワーユニットとされていますが、燃費性能をどの程度まで引き上げられたかも注目されます。
予想価格は800万円以上。それでもマツダが採算をとれるかはわからず、台数限定発売が現実的です。
今後は世界的にEV化が進み、内燃機関を搭載したスポーツカー対する規制は厳しくなる一方です。
マツダ100周年の2020年に、サプライズでRX-9を公開する、という噂もありましたが発表はなし。世界的な電動シフトであるため、純ガソリンのロータリーエンジンから、モーターとロータリーエンジンを組み合わせたロータリーハイブリッド(ロータリーHV)の開発を進めているという見方が強くなっています。
「RX-9」はもう存在してた!新ロータリーエンジン搭載車は「RX-9」の車名でない可能性も
マツダ車種でRXがつくのはすべてロータリーエンジン搭載車で、歴史的にはすべてFRの駆動方式でした。
日本で人気を博したRX-7、RX-8はもとより、カペラ、サバンナ、ルーチェ第二世代、コスモのロータリーエンジン搭載車は、海外ではそれぞれRX-2、RX-3、RX-4、RX-5の車名がついています。
ここで少し厄介なのが、実はルーチェの第三世代のロータリーエンジン搭載車に1977~1998年まで「RX-9」の車名が使われたことがあるという点です。
「RX-9」の車名で海外販売された3代目ルーチェ
次世代ロータリー搭載車なら、当然日本では「RX-9」としたいところですが、まったくの新規ネームではないので、もし発売するとなったら別の車名が与えられる可能性も。スポーツカーだとしたら、世界的にも人気の高いRX-7の復活モデルとして発売するのも戦略上はアリでしょう。
ですが、「RX-8に続く次世代のロータリーエンジン搭載車」の意味で、メディア等では便宜上「RX-9」の呼び名がしばらく使われることになりそうです。
新型RX-9誕生は「不可能を可能にした」マツダならあり得る!
マツダはロータリースポーツの復活を「社員全員の悲願」と位置付けています。ロータリーエンジンの注目度は海外でも非常に高く、RX-7やRX-8の復活を望む声は非常に多いです。
日本でも、海外でも着実にブランド力を向上させつつあるマツダが新型ロータリースポーツを発売したら、世界中に衝撃が走るのは間違いありません。多額の開発費が必要ですが、技術を応用し、世界的なブランドになるための広告費と考えると、まったくあり得ない話でもないでしょう。
なにより、マツダは「量産化は不可能」と言われていたロータリーエンジンの開発に世界で唯一成功した企業なのです。あっと驚くサプライズとして、RX-9の誕生を期待しましょう。