ホンダの歴代SUV車種9選
ホンダは1946年の創業以来、スポーツカーだけでなくSUVの分野でも独自路線のモデルを展開してきました。1990年代のRVブームを機にいすゞからのOEM供給でSUV市場に参入し、自社開発のHR-V・CR-V・ヴェゼルを経て、現在はZR-Vを中心にラインナップを整理しています。歴代のホンダSUVを販売開始順に紹介します。なお、本記事で紹介するモデルの中には現在生産・販売終了しているものも含まれます。
ホライゾン:いすゞからOEM供給を受けたフルサイズSUV

1994年に販売されたホライゾンは、いすゞ・ビッグホーンのOEM供給を受けてエクステリアとインテリアを変更した7人乗りのフルサイズSUVです。北米ではアキュラ・SLXとしても販売されていました。1999年にビッグホーンのOEM提供が終了したことに伴い、日本での販売も同年に終了しています。
全長4,720mm・車両重量1,990kgというボディは当時のホンダラインナップの中でも別格の存在感でした。OEMモデルゆえに走行性能はいすゞ・ビッグホーンと共通で、本格的なオフロード走行も可能な仕様です。ホンダ車としての独自性は限られますが、「ホンダ製の本格SUVに乗りたい」という需要に応えた歴史的な意義があります。
| 全長 | 4,720mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,745mm |
| 全高 | 1,840mm |
| 総排気量 | 3,494cc |
| 車両重量 | 1,990kg |
| 乗車定員 | 7名 |
| 燃費 | 7.6km/L(10・15モード) |
| 使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
| 販売期間 | 1994年〜1999年 |
ジャズ:3ドアコンパクトのRVブーム産物

1993年に販売を開始したジャズは、いすゞ・ミューのOEM供給を受けたコンパクトSUVです。変更点はホイール・ボディカラー・シートカラー・ドアトリムに限られ、走行性能はミューと共通です。ホイールベース2,330mmという短さから取り回しのよさが際立ち、3ドアという当時のSUVとしては珍しい形態も話題になりました。
RVブームの後押しもあって一定の注目を集めましたが、1996年には販売終了となり、わずか3年という短命なモデルで終わっています。ホンダのSUV史においてはOEM期の先駆けとして位置づけられます。
| 全長 | 4,135mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,780mm |
| 全高 | 1,670mm |
| 総排気量 | 3,059cc |
| 車両重量 | 1,750kg |
| ホイールベース | 2,330mm |
| 乗車定員 | 4名 |
| 使用燃料 | 軽油(ディーゼル) |
| 販売期間 | 1993年〜1996年 |
クロスロード:コンパクトSUVに3列7人乗りを実現した希少モデル

クロスロードは初代(1993年〜)がランドローバー・ディスカバリーのOEM供給車、2代目(2007年〜)がホンダ・ストリームをベースに開発された国内向けコンパクトSUVです。全長4,285mmというコンパクトな車体に3列7人乗り仕様を実現した点は、当時のライバルにはなかった特徴です。
スクエアなエクステリアとクロカンテイストのデザインがカスタム好きに受け、2010年8月末の生産終了後も中古市場では需要が続いています。コンパクトなSUVで7人を乗せたい、かつカスタムを楽しみたいという用途には今でも選択肢になり得ますが、生産終了から15年以上が経過しているため、部品供給の状況を事前に確認することが重要です。
| 全長 | 4,285mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,755mm |
| 全高 | 1,670mm |
| 総排気量 | 1,997cc |
| 車両重量 | 1,520kg |
| ホイールベース | 2,700mm |
| 乗車定員 | 7名 |
| 燃費 | 12.4km/L(10・15モード) |
| 使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
| 販売期間 | 1993年〜2010年 |
HR-V:5ナンバーの低燃費SUVで新規ユーザーを開拓した先駆者

1998年に登場したHR-Vは、ホンダ初の自社開発コンパクトクロスオーバーSUVです。全長4,095mm・全幅1,695mmという5ナンバーサイズで、それまでの大型SUVが「維持費が高く取り回しにくい」という印象を持たれていた時代に、月1,000km走行で月々のガソリン代が約7,000円程度(当時のガソリン価格換算)という低燃費を武器に、SUVの新規ユーザー層を開拓しました。
ポップなカラーラインナップと扱いやすいサイズ感で女性や若年層にも支持された一方、車高の割に室内高が低めで長距離ドライブでは疲労を感じやすいという声もオーナーから聞かれます。2006年に販売終了後、海外向けのヴェゼルに「HR-V」の名称が引き継がれています。
| 全長 | 4,095mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,695mm |
| 全高 | 1,580mm |
| 総排気量 | 1,590cc |
| 車両重量 | 1,190kg |
| ホイールベース | 2,460mm |
| 乗車定員 | 5名 |
| 燃費 | 14.8km/L(JC08モード) |
| 使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
| 販売期間 | 1998年〜2006年 |
CR-V:都市型SUVというジャンルを確立したロングセラー

1995年に誕生したCR-Vは、ホンダのミドルサイズクロスオーバーSUVの代表モデルです。当初から居住性を重視した車作りが評価され、販売開始直後は納車まで3ヶ月待ちの状態が続くほどの人気を記録しました。本革シートやHondaインターナビをセットにしたラグジュアリーなレザーパッケージがグレードに用意されていました。

3回のフルモデルチェンジを経て2016年3月に一度ヴェゼルへ統合する形で生産終了となりましたが、2018年に日本市場で復活。しかし2022年には日本市場向けのガソリン・ハイブリッドモデルが再び生産終了となっています。現在、日本でのCR-Vの新車販売はなく、後継のポジションはZR-Vが担っています。北米ではホンダの主力SUVとして継続販売されています。
| 全長 | 4,535mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,820mm |
| 全高 | 1,685mm |
| 総排気量 | 2,354cc |
| 車両重量 | 1,540kg |
| ホイールベース | 2,620mm |
| 乗車定員 | 5名 |
| 燃費 | 11.6km/L(JC08モード) |
| 使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
| 日本販売期間 | 1995年〜2016年(2018年復活後、2022年に再度日本市場終了) |
MDX:アキュラブランドから逆輸入された高級7人乗りSUV

MDXはホンダが北米などで展開するプレミアムブランド「アキュラ」の高級SUVで、2003年に逆輸入車として日本に上陸しました。当初は最上級グレードのエクスクルーシブのみの販売で、本革インテリア・木目調パネル・サンルーフを標準装備したラグジュアリーSUVとして展開。2004年からベースグレードも追加されましたが、2006年6月に日本での販売は終了しました。
海外で販売されているアキュラMDX
車両重量2,050kgという重量とプレミアムガソリン仕様という条件から、維持費は相当な水準を覚悟する必要があります。7.8km/Lという燃費は、月1,000km走行でハイオク代だけで月約2万円超(ハイオク170円/L換算)になる計算です。海外ではアキュラブランドのフラッグシップSUVとして世代を重ね、現在は5代目が販売されています。
| 全長 | 4,790mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,955mm |
| 全高 | 1,820mm |
| 総排気量 | 3,471cc |
| 車両重量 | 2,050kg |
| ホイールベース | 2,700mm |
| 乗車定員 | 7名 |
| 燃費 | 7.8km/L(10・15モード) |
| 使用燃料 | 無鉛プレミアムガソリン |
| 日本販売期間 | 2003年〜2006年 |
エレメント:観音開きドアと色分けボディで個性を放った輸入SUV

2002年に北米で発売されたエレメントは、2003年に日本へ逆輸入販売が開始されました。最大の特徴は観音開き式のドアで、Bピラーを持たない大開口が荷物の積み降ろしや車中泊ユーザーに実用的な設計です。バイカラーの樹脂製ボディパネルという独特の外観は、デザイン好きのユーザーに強く刺さりました。
日本での販売期間は2003年から2005年7月までのわずか2年3ヶ月。販売台数は少ないですが、生産終了後も根強いファンが存在します。購入を検討する場合、北米仕様を逆輸入しているため整備対応できるショップが限られる点、さらに生産終了から20年近く経過していることから純正部品の調達が難しいケースがある点に注意が必要です。
| 全長 | 4,300mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,815mm |
| 全高 | 1,790mm |
| 総排気量 | 2,354cc |
| 車両重量 | 1,560kg |
| ホイールベース | 2,575mm |
| 乗車定員 | 5名 |
| 燃費 | 10.6km/L(JC08モード) |
| 使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
| 日本販売期間 | 2003年〜2005年 |
ヴェゼル:コンパクトSUV市場を席巻した日本のベストセラー

2013年に登場した初代ヴェゼルは、フィットをベースにしたコンパクトクロスオーバーSUVです。2014年〜2016年の3年連続でSUV部門の年間新車販売台数国内首位を獲得した、ホンダの歴代SUVの中でも最大のヒット作です。

初代ヴェゼルのハイブリッドモデルはJC08モード燃費27.0km/L(実燃費は20km/L前後が目安)を達成し、当時のSUVクラスでは圧倒的な燃費性能を誇りました。月1,000km走行でレギュラーガソリン代(170円/L換算)に換算すると約8,500円程度という経済性が、購入動機の大きな要因になっていました。

現行モデルは2021年4月に発売された2代目です。初代とはプラットフォームが刷新され、e:HEVシステムを採用したことで燃費・走行性能ともに進化しています。2代目のWLTCモード燃費は17.0〜25.0km/L(グレード・駆動方式による)で、現行価格帯はガソリン車が約260万円〜、e:HEVが約290万円〜(メーカー希望小売価格)となっています。
| 全長 | 4,295mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,770mm |
| 全高 | 1,605mm |
| 総排気量 | 1,496cc |
| 車両重量 | 1,280kg |
| ホイールベース | 2,610mm |
| 乗車定員 | 5名 |
| 燃費 | 26.0km/L(JC08モード、初代) |
| 使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
| 販売開始 | 2013年(2代目は2021年〜) |
ZR-V:CR-Vの実質後継として位置づけられる現行ミドルクロスオーバー
ZR-Vの彫刻的なフロントグリルと存在感あるサイドビュー
2022年に発売されたZR-Vは、日本市場でCR-Vが2022年に生産終了となった後のミドルサイズSUVの実質的な後継モデルです。全幅1,840mmという3ナンバーサイズでヴェゼルより一回り大きく、SUVらしい存在感と都市部での使いやすさを両立しています。バーチカル(縦基調)フロントグリルとフルLEDヘッドライトの組み合わせによるフロントフェイスは、間近で見ると彫刻的な造形の深さが際立ちます。
ZR-V グレードXのインテリア。マルーン・ブラックなど3タイプのカラーが選べる
パワートレインは1.5L直噴VTECターボのガソリン車と、2.0L直噴エンジン+2モーターのe:HEVの2種類から選択できます。e:HEVのWLTCモード燃費は22.1km/L(2WD)で、月1,000km走行ではレギュラーガソリン代が約7,700円(170円/L換算)の計算です。Honda SENSING(衝突軽減ブレーキ・路線逸脱抑制・誤発進抑制等)は全グレード標準装備です。
購入前に把握しておきたいのは駐車場の制約です。全幅1,840mmはコインパーキングの標準幅(2.3m前後)ではドア開口に余裕が少なく、立体駐車場によっては入庫できないケースがあります。日常的に利用する駐車場の幅・高さの確認を事前に行うことが重要です。
| 全長 | 4,570mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,840mm |
| 全高 | 1,620mm |
| 室内長 | 1,930mm |
| 室内幅 | 1,530mm |
| 室内高 | 1,195mm |
| 総排気量 | 1,993cc(e:HEV) |
| 車両重量 | 1,560kg |
| ホイールベース | 2,655mm |
| 最小回転半径 | 5.5m |
| 乗車定員 | 5名 |
| 燃費 | 22.1km/L(WLTCモード、2WD) |
| 使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
| 販売開始 | 2022年 |
ホンダの現行SUVラインナップと選び方

現在、日本市場でホンダから新車で購入できるSUVはヴェゼル(2代目)とZR-Vの2車種が中心です。ヴェゼルは全幅1,790mmのコンパクトクロスオーバーで取り回しのよさと燃費を重視する層に、ZR-Vは全幅1,840mmのミドルサイズで存在感と室内空間を求める層に向いています。
本記事で紹介したホライゾン・ジャズ・クロスロード・HR-V・エレメント・CR-V(旧型)・MDXはすべて日本での販売を終了しており、現在は中古市場でのみ入手可能です。生産終了から10〜30年以上経過するモデルは純正部品の供給が限られてくるため、購入前にディーラーや整備工場へ部品調達の見通しを確認することをおすすめします。






























