オフロード走行時に最強の走破性を発揮するクロカン車の人気おすすめ7台
ジムニーやランドクルーザーなどの国産のクロカン車は、リセールバリューが高く、中古車市場においても根強い人気を保ち続けます。
軍用車両をルーツとするクロカン車は、頑丈で壊れにくいボディを特徴として、未舗装の急な坂道であっても走行可能とする最強の走破性を誇ります。
ジープ・ラングラー等の世界的に有名なクロカン車の特徴や、SUVとの違いも紹介。
川渡りなどの本格的なオフロード走行を楽しめる最強の走破性を誇るクロカン車のおすすめ7台
川渡りなどの本格的なオフロード走行を楽しめる、世界的に有名な国産・外国車のクロカン車を7台紹介します。
誕生から半世紀以上の歴史を誇る「ランドクルーザー」は急な傾斜に対する走破性と豪華な内外装も魅力とする世界的に有名なクロカン車
未舗装路の多い地域で活躍するランドクルーザーは国産クロスカントリー4WDの代表車種
警察予備隊(現:陸上自衛隊)への納入を目的として開発がスタートしたランドクルーザーは、誕生から半世紀以上もの長い歴史を誇る、世界から高い評価を受けている車です。
2007年9月にフルモデルチェンジが行われて誕生したランドクルーザー200系は、進化したラダーフレームを採用する事で、本格的なオフロード走行をする際に必要となるねじり剛性・曲げ剛性を向上させます。
また、ランドクルーザーのフロント部はダブルウィッシュボーンサスペンションを、リヤ部には車軸式のトレーリングリンク式サスペンションを組み合わせる事で、勾配のきつい斜面や起伏の大きな荒れた路面に対しても接地性を発揮できるタフな足腰を実現しています。
世界のあらゆる未舗装の道を走破するために、走行シーンに応じた駆動力を4輪に最適分配できる「マルチテレインセレクト」等の技術力を搭載するランドクルーザーは、最大安定傾斜角44°・登坂能力45°を達成して急な傾斜も乗り越えていける車です。
ランドクルーザーは、タフで迫力満載なボディだけではなくて、ラグジュアリーセダンと比較しても引けを取らない完成度の高い内外装も魅力とするクロカン車です。
全長 | 4,950mm |
---|---|
全幅 | 1,980mm |
全高 | 1,880mm |
ホイールベース | 2,850mm |
最低地上高 | 225mm |
車両重量 | 2,490kg |
最小回転半径 | 5.9m |
総排気量 | 4,608cc |
「ランドクルーザープラド」はKDSS等のトヨタテクノロジーによって本格的なオフロード走行を可能としながらも舗装路においての快適走行も楽しませてくれるクロカン車
ランドクルーザーの弟分として誕生したプラドだが走破性は本家ランクルにも負けない
ランドクルーザー 70系の派生車種として1984年に誕生した「ランドクルーザープラド」は、70系の足回りを軽量化させて、ハイラックスサーフと共通のパワートレインを採用し、日本のクロカン車としては初めて、4輪コイルリジッドサスペンションを搭載するなどして話題を集めました。
「兄は偉大だ」のキャッチコピーが印象的なランドクルーザープラドは、三菱・パジェロを意識する形で開発をスタートしました。車体はランドクルーザーよりも一回り小型サイズのプラドのエクステリアは、縦ラインを基調とするフロントグリルを特徴とします。
2009年9月にフルモデルチェンジが行われて誕生した150系の現行モデルは、車体の前後方向に設置するサイドレールと、横方向に配置させるクロスメンバーを結合するなどして剛性を強化させるラダーフレームを採用します。
ランドクルーザーではラインナップされていないクリーンディーゼルエンジンを搭載するモデルも発売するプラドは、オンロードにおいてはスタビライザーの効力によってコーナリング時の傾きを抑える「KDSS」等の機能を備えているため、クロカン車の中では、最も舗装路においても快適走行を楽しめる車として高い評価を受けています。
全長 | 4,825mm |
---|---|
全幅 | 1,885mm |
全高 | 1,835mm |
ホイールベース | 2,790mm |
最低地上高 | 220mm |
車両重量 | 2,330kg |
最小回転半径 | 5.8m |
総排気量 | 2,754cc |
20年振りにフルモデルチェンジが行われて新型モデルが誕生した「ジムニー」は道幅の狭い道も走行可能な軽では唯一のクロカン車
ジムニーはコンパクトボディを活かした軽快な走破性を持つ国内唯一の軽クロスカントリー車
2018年7月5日に20年振りにフルモデルチェンジを行った事でも話題のスズキ「ジムニー」は、軽自動車では唯一の本格的なオフロード走行を可能とするクロカン車です。
軽自動車のコンパクトボディの特徴を活かした取り回しの良いジムニーは、大型サイズのクロカン車では道幅が狭くて引き返さなければならない場所であっても、走行を可能とします。
1970年に初代モデルが誕生してから伝統的に受け継がれるパートタイム4WDや、ラダーフレームは20年振りにフルモデルチェンジが行われて誕生した4代目ジムニーにおいて更なる進化を遂げました。
4代目ジムニーが採用する新開発のラダーフレームは、Xメンバーを設置させてフロント・リヤ部にクロスバーを追加設定する事で、ねじり剛性を従来モデルと比較すれば約1.5倍も高める事に成功しました。また、車体とラダーフレームを連結させるボディーマウントゴムを新設計して操縦安定性を向上させました。
室内や荷室は狭いながらも、オリジナルアクセサリーのラインナップが豊富で、それらを装着すればキャンプなどの趣味を思う存分に楽しめるクロカン車であるジムニーは、世界中の愛好家から支持を集めています。
全長 | 3,395mm |
---|---|
全幅 | 1,475mm |
全高 | 1,725mm |
ホイールベース | 2,250mm |
最低地上高 | 205mm |
車両重量 | 1,040kg |
最小回転半径 | 4.8m |
総排気量 | 658cc |
ジムニーよりもワンサイズ大きくてよりパワフルなエンジンを搭載する「ジムニーシエラ」はウィンターシーズンも本格的なオフロード走行を楽しめるクロカン車
ジムニーシエラは日本国内だけでなく海外でも人気のクロスカントリー4WD車
ジムニーとともにフルモデルチェンジが行われた普通車サイズの派生車である「ジムニーシエラ」の新型モデルは、ジムニーと同様に注文から納車まで半年以上待つ人気ぶりです。
1998年1月にジムニーワイドとして登場した同車は、2002年1月誕生したJB43W-3型よりジムニーシエラへと改名されて以降、マイナーチェンジと一部改良を繰り返しながら進化を続ける3ドアタイプのクロカン車です。
山脈を意味するシエラ(Sierra)という名が添えられる「ジムニーシエラ」の新型モデルは、ジムニー同様に新開発のラダーフレームを採用し、ぬかるんだ路面において前輪あるいは後輪が空転してしまっても駆動力が発揮される「パートタイム4WD」を導入します。
新型モデルでは総排気量が658ccとするジムニーに対し、新開発のK15B型エンジンを搭載させて倍以上の総排気量1,460ccを実現するジムニーシエラは、ベース車とするジムニーよりもタイヤ間の距離を拡げるワイドレット化を行って、道を選ばない更なる安定走行を実現させます。
降雪地域で利用される割合が多いジムニーシエラは、顧客満足度を高めるために前席にシートヒーターを標準装備して、ウィンターシーズンも本格的なオフロード走行を楽しめます。
全長 | 3,550mm |
---|---|
全幅 | 1,645mm |
全高 | 1,730mm |
ホイールベース | 2,250mm |
最低地上高 | 210mm |
車両重量 | 1,070kg |
最小回転半径 | 4.9m |
総排気量 | 1,460cc |
世界中のクロカン車から意識され続ける「ジープ・ラングラー」は11年振りにフルモデルチェンジを行ってフルタイムオンデマンド4×4システムを全車に標準装備
クロスカントリー4WDの外車と言えば「ジープ・ラングラー」というほど世界的に知名度が高い
元々は軍用車両として連合国軍に利用されていたジープは、マッスルボディや頑丈なボディ構造を特徴とするクロカン車のルーツとも言えます。その軍用ジープの流れをくんでいるジープ・ラングラーは、世界中のクロカン車から常に意識される存在です。
11年振りにフルモデルチェンジが行われ、日本では2018年11月23日に発売した4代目ジープ・ラングラーは、新設計の2リッターターボエンジンを搭載する4ドアタイプの「Unlimited Sport」、改良型3.6リッターエンジンを搭載する4ドアタイプの「Unlimited Sahara Launch Edition」と、受注生産を行う2ドアタイプの「Sport」の3グレードを設定します。
新型ラングラーのエクステリアは、1955年に誕生した民間用ジープ「CJ-5」を意識して、ヘッドライトの内側は7スロットルグリルまで伸ばします。
4代目ラングラーは「フルタイムオンデマンド4×4システム」を全車に標準装備、路面状態や天候状況に合った駆動力を前輪・後輪に最適配分させ、あらゆる路面下において安全な走りを実現します。
新型モデルとなって、軽量化が図られてトップの取り外しをより簡単に行えるようになった「ジープフリーダムトップ」は、雨漏れ防止対策機能等が強化されました。
全長 | 4,870mm |
---|---|
全幅 | 1,895mm |
全高 | 1,845mm |
ホイールベース | 3,010mm |
最低地上高 | 200mm |
車両重量 | 1,950kg |
最小回転半径 | 6.2m |
総排気量 | 1,995cc |
メルセデス・ベンツ「Gクラス」はエクステリアの存在感や走行性能においてもクロカン車の最高レベル
世界トップクラスの走破性を持つクロスカントリー4WDがメルセデス・ベンツGクラス
メルセデス・ベンツ「Gクラス」は、元々は軍用車両として利用されていたゲレンデヴァーゲンの構造的特徴を活かして民生用にアレンジしたものです。
「Gクラス」はドイツ連邦軍等で今も使用されているなど、日本では高級車メーカーとして定着しているメルセデス・ベンツは、世界トップレベルの軍用車両メーカーとしての側面も備えます。
2018年に大幅改良が行われて誕生した「Gクラス」の新型W463型は、高張力スチールやアルミニウムを採用してボディの軽量化を実現し、ステアリングは電動機械式ラック&ピニオン式に変更して、全長と全幅の拡大に伴って室内スペースを拡げました。
メルセデス・ベンツ「Gクラス」は新型モデルとなっても1979年のデビュー以来、伝統的に受け継いで進化を続けるラダーフレーム構造によって完成させる直線的な箱型ボディは、更なる迫力と抜群の存在感を発揮します。
同車は、フロントに設定するダブルウィッシュボーンサスペンションをラダーフレームに直接設置して、独立懸架サスペンションを採用するなどして、オフロードにおいての走破性とねじり剛性を向上させます。
新型Gクラスは、高強度のクローズドデッキや鍛造アルミ製ピストンを導入するなどして最大出力430kWを発揮する「4.0L V型8気筒直噴ツインターボエンジン」を搭載する、最高レベルの走行性能も備えるクロカン車です。
全長 | 4,817mm |
---|---|
全幅 | 1,931mm |
全高 | 1,969mm |
ホイールベース | 2890mm |
最低地上高 | – |
車両重量 | – |
最小回転半径 | – |
総排気量 | 3,982cc |
パリダカで総合優勝を何度も達成した「パジェロ」はラダーフレーム ビルトイン モノコックボディを導入してねじり剛性や曲げ剛性だけではなくてハンドリング特性なども向上
パリダカールラリー(パリダカ)のレースで圧倒的な走りを見せた日本が誇るクロカン車がパジェロ
エントリー車両の半分程度しか完走できない世界一過酷なモーターレースと称されるパリダカールラリーで、総合優勝12回も達成した三菱パジェロは、その圧倒的なオフロード走行性能が世界で認知されているクロカン車です。
2006年10月にフルモデルチェンジが行われて誕生した4代目パジェロの現行モデルである98W型は、シンプル構造のラダーフレーム車と比較すれば、ねじり剛性・曲げ剛性を3倍ほど高めながらも、ハンドリング特性・走行安定性・走破性なども向上できる「ラダーフレーム ビルトイン モノコックボディ」を採用します。
クロカン車は、オフロード走行時にエンジン等の大切なパーツが内部に格納されている底部にダメージを与えないために車高を高く設定しています。車高を高くすれば、車体は揺れやすくなってしまうというデメリットを抱えます。
しかし、起伏の激しい路面下においての高速走行であっても、振動を抑え安定走行を実現可能とする「4輪独立懸架式サスペンション」を導入するパジェロは、クロカンの中でも車体が揺れにくいと高いユーザー評価を受けています。
雪道や砂地、あるいはシャーベット路や泥道等のあらゆる路面下において4輪を最適制御して駆動力を高める「スーパーセレクト4WD 2」は、後輪駆動(FR)の走行モードも設定して燃費を抑える事も可能とします。
全長 | 4,900mm |
---|---|
全幅 | 1,875mm |
全高 | 1,870mm |
ホイールベース | 2,780mm |
最低地上高 | 225mm |
車両重量 | 2,130kg |
最小回転半径 | 5.7m |
総排気量 | 2,972cc |
ラダーフレームを採用するクロカン車の特徴とSUVとの違い
クロスカントリーとは、雪山・砂漠・ジャングルなど舗装されていない道を意味しています。それら道なき道を走破する能力を備えている車は、「クロスカントリービークル」あるいは「クロスカントリー車」と呼ばれます。
人が歩行するのも困難な岩場などの地形に対する走破性を備える車は「クロカン車」というネーミングで呼び親しまれています。ゴツゴツしていて起伏の激しい路面などを走行する事を意識して設計されているクロカン車は、車を支える仕組みとしてラダーフレーム構造を採用します。
クロカン車とSUVの違いは一部が破損しても走行を可能とするラダーフレーム構造を採用しているかどうか
大きな括りで言えばクロカン車はSUVに含まれます。SUV(Sports Utility Vehicle)の定義「運動に適した実用的な乗り物」は広範囲に適用でききるため、圧倒的な運動性能を備えるクロカン車もSUVの定義域に含まれます。
クロカン車とSUVの大きな違いは、ラダーフレーム構造を採用しているかどうかです。ジムニーやランドクルーザーが採用するラダーフレーム構造は、はしご状のフレームを基本とし、その上にボディを載せて、サスペンションやステアリングを連結させて車を支える仕組みです。
ラダーフレーム構造はパーツの一部が破損しても、そのまま走行を続ける事を可能とするクロカン車に適した仕様です。一方の一般的なSUVなどの多くの車が採用するモノコック構造は、ボディとシャシを一体化させる卵のフォルムのような形状によって剛性を高めます。
モノコック構造を、ラダーフレーム構造と比較すればボディの軽量化は実現できますが、パーツの一部が破損してしまえば、走行不能となってしまうので、本格的なオフロード走行の実現を目指すクロカン車には適しません。
SUVとクロカン車は以前、近い意味で用いられていましたが、近年のブームによってSUVはどんどんとクロスオーバー化を図って、クーペのようなスタイリッシュなエクステリアを採用し、街中走行にウェートを置くような流れとなってきました。
モノコック構造を採用するSUVでもある程度のアウトドア走行は可能ですが、より強固なボディを構築可能なラダーフレーム構造を採用するクロカン車のように川を渡るなどの本格的なアウトドア走行は出来ません。
趣味やビジネスシーンで大活躍するクロカン車は男性なら一度は運転してみたいと思わせるほどの魅力を秘めている
クロカン車は、林業や建設業等の未舗装の道路を職業柄、頻繁に走行する機会のある人たちのビジネスシーンを支えています。また、日本のように道路舗装が広範囲にわたって進んではいない国々においての交通手段として圧倒的に支持されています。
本格的なオフロード走行を趣味とするオーナー達からも支持されるクロカン車は、悪路走行での最強の走破性を誇り・エクステリアでは男心を刺激する無骨さを追求する車という確固たるジャンルを確立しているため、そう頻繁にはフルモデルチェンジは行いません。
我が道を徹底して貫いて、整備されていない自然の道のりを走破する歓びを与えてくれるクロカン車は、男性なら一度は運転してみたいと思わせるほどの魅力を秘めています。