ラダーフレームを持つ頑丈なSUV車種ランキング
SUVは「クロスオーバーSUV」と「クロスカントリーSUV」に分けられ、その分類方法はボディフレーム構造に違いがあります。
クロスオーバーSUVは、ボディとフレームが一体化になった「モノコックボディ構造」で作られたSUVのことで、主に街乗りに使用する都会的な車です。オフロードを走れないこともないですが、一体型構造をしていて衝撃をボディ全体で受け止めることになるので、大きな衝撃が加わった際に車体全体が歪み走行不能に陥る場合もあります。
対するクロスカントリーSUVは、フレームの上にボディが乗った形をしていて、多くは梯子型のシャーシを使用した「ラダーフレーム構造」をしています。強度が優れていて、ガタガタのオフロード道を走ってもモノコック構造に比べて大きな衝撃に強いので、ボディがへこんでしまっても、シャーシが無傷なら走り続けることができます。
そこで、頑丈で比較的長く乗り続けることが出来るラダーフレームを持つSUVを紹介します。
【10位:ジープ・ラングラー】坂道発進にも強い機能を備える1台
クライスラーのJeepが販売する「ラングラー」は、コンパーチブルハードトップのSUVです。Jeepの中で唯一ラダーフレームを持つラングラーは、2ドア4人乗りの「ラングラー」、4ドア5人乗りの「ラングラー アンリミテッド」の2モデルあります。
2007年より販売されている3代目のラングラーは、3,800ccのV型6気筒エンジンを採用しています。登坂で発進する際に後退を防ぐ「ヒルスタートアシスト」、下り坂をゆっくりと安定して下ることのできる「ヒルディセントコントロール」を備えています。
全長 | 4,320mm(4,870mm) |
---|---|
全幅 | 1,895mm |
全高 | 1,825mm(1,840mm) |
エンジン種類 | V型6気筒 |
排気量 | 3,604cc |
最高出力 | 284ps/6,400rpm |
最大トルク | 347Nm/4,100rpm |
使用燃料 | レギュラーガソリン |
燃費 | 7.9km/L |
駆動方式 | FR/4WD |
サスペンション形式 | 前:コイルリジット 後:コイルリジット |
※()内はアンリミテッドスポーツの数値
【9位:トヨタ・FJクルーザー】プラドと共通のラダーフレームを採用し耐久性が高い
トヨタが2016年まで販売していた「FJクルーザー」は、ランドクルーザープラドと共通のラダーフレームを採用しているポップなクロスオーバーSUVです。2016年8月には生産を終了しており新車では購入できませんが、在庫車や中古車で、たくさんの車両が流通しています。
その耐久性はプラドで立証済みで、搭載しているエンジンは4,000ccのV型6気筒ガソリンエンジンです。ランクルやプラドとは違う個性あふれる1台です。
全長 | 4,635mm |
---|---|
全幅 | 1,905mm |
全高 | 1,840mm |
エンジン種類 | 1GR-FE/V型6気筒 |
排気量 | 4,000cc |
最高出力 | 276ps/5,600rpm |
最大トルク | 380Nm/4,400rpm |
使用燃料 | レギュラーガソリン |
燃費 | 8.0km/L |
駆動方式 | パートタイム4WD |
サスペンション形式 | 前:ダブルウィッシュボーン式独立懸架 後:トレーリングリンク車軸式 |
【8位:三菱・パジェロ】ダカールラリー優勝経験がある正統派SUV
三菱自動車が1982年から販売しているクロスカントリーSUV「パジェロ」は三菱のフラグシップSUVで、ダカールラリーでも優勝経験がある本格的な4輪駆動車です。2006年から販売されている4代目は、モノコックボディにラダーフレームを溶接した「ラダーフレーム・ビルトイン・モノコックボディ」を採用していて、高い耐久性とボディ剛性を持っています。
駆動方式は、スーパーセレクト4WDシステムを採用し、状況に合わせてFR2WDにも直結4WDにもなる便利なシステムです。エンジンもガソリンモデルとディーゼルモデルを採用し、ボディサイズも5人乗り3ドアのショート、7人乗り5ドアのロングとバリエーション豊富に用意されています。
ディーゼル仕様 | ガソリン仕様 | |
---|---|---|
全長 | 4,385mm(4,900mm) | |
全幅 | 1,875mm | |
全高 | 1,870mm(1,850mm) | |
エンジン種類 | 4M41/直列4気筒 | 6G72/V型6気筒 |
排気量 | 3,200cc | 3,000cc |
最高出力 | 190ps/3,500rpm | 178ps/5,250rpm |
最大トルク | 441Nm/2,000rpm | 261Nm/4,000rpm |
使用燃料 | 軽油(ディーゼル) | レギュラーガソリン |
燃費 | 10.0km/L | 8.0km/L |
駆動方式 | スーパーセレクト4WD | |
サスペンション形式 | 前:ダブルウィッシュボーン式独立懸架 後:マルチリンク式ダブルウィッシュボーン独立懸架 |
※()内はロングモデルの数値
【7位:メルセデスベンツ・Gクラス】走破性は世界トップレベル
メルセデスベンツの「Gクラス」は、1989年にW463型へとフルモデルチェンジして販売されています。日本では「G350d」「G550」「AMG G63」「AMG G65」の4モデルが販売され、2018年には39年振りとなるフルモデルチェンジを行っています。
電子制御ディファレンシャルロックや、牽引する時に便利なローレンジギアなど、本格的な4WDの装備を備えていて、悪路走行の走破性は天下一品です。搭載されているエンジンは「3,000ccV型6気筒ディーゼルターボ」「4,000ccV8型ツインターボ」、最上級モデルのAMG G65には「6,000ccV12型ツインターボ」のエンジンが装備されています。
G350d | G550 | AMG G 63 | |
---|---|---|---|
全長 | 4,606mm | 4,660mm | 4,665mm |
全幅 | 1,931mm | 1,930mm | 1,985mm |
全高 | 1,969mm | 1,975mm | |
エンジン種類 | 直列6気筒ターボ | V型8気筒ツインターボ | |
排気量 | 2,925cc | 3,982cc | |
最高出力 | 286ps/3,400-3,600rpm | 422ps/5,250~5,500rpm | 585ps/6,000rpm |
最大トルク | 61.2kgm/1,200~3,200rpm | 62.2kgm/2,000-4,750rpm | 86.7/2,500~3,500rpm |
使用燃料 | 軽油(ディーゼル) | ハイオクガソリン | ハイオクガソリン |
燃費 | – | 7.9km/L | 6.6km/L |
駆動方式 | 4WD | ||
サスペンション形式 | 前:コイルスプリング式リジットアクスル 後:コイルスプリング式リジットアクスル |
【6位:レクサス・LX】走破性とラグジュアリーを極めた国内最高のSUV
レクサスLXは、トヨタ・ランドクルーザーをベースに作られた姉妹車で、ランクル200よりもラグジュアリーな仕上がりのクロスカントリーSUVです。LXにはセミアニリン本革のシート素材が使われていて、ランクルではメーカーオプションの「クールボックス」や「パワーバックドア」などが標準装備されています。
悪路走破性を高めているだけではなく、レーンディパーチャーや緊急ブレーキなどの安全装備「レクサスセーフティシステムプラス」を搭載しているなど、安全性能も高い1台です。
全長 | 5,065mm |
---|---|
全幅 | 1,980mm |
全高 | 1,910mm |
エンジン種類 | 3UR-FE/V型8気筒 |
排気量 | 5,700cc |
最高出力 | 377ps/5,600rpm |
最大トルク | 534Nm/3,200rpm |
使用燃料 | ハイオクガソリン |
燃費 | 6.5km/L |
駆動方式 | フルタイム4WD |
サスペンション形式 | 前:ダブルウィッシュボーン(スタビライザー付) 後:トレーリングリンク(スタビライザー付) |
【5位:スズキ・エスクード2.4(3代目)】ラダーフレームとモノコックの良い所を取ったフレームを採用
スズキが2017年4月まで販売していたライトクロカンSUV「エスクード(3代目)」は、ラダーフレームを溶接した一体型モノコックボディを搭載しています。一般的なモノコックボディに比べて頑丈に出来ており、衝撃やねじり剛性に強いラダーフレームとモノコックボディのいいとこ取りをした1台です。
駆動方式は、フルタイム4WDでカム式LSDデフロックや副変速機を持つ本格的な4WDですが、フルモデルチェンジされた4代目は、一般的なモノコックボディを装備したクロスオーバーSUVになっています。
全長 | 4,300mm |
---|---|
全幅 | 1,810mm |
全高 | 1,695mm |
エンジン種類 | J24B/直列4気筒 |
排気量 | 2,400cc |
最高出力 | 166ps/6,000rpm |
最大トルク | 225Nm/4,000rpm |
使用燃料 | レギュラーガソリン |
燃費 | 9.6km/L |
駆動方式 | フルタイム4WD |
サスペンション形式 | 前:ストラット式 後:マルチリンク式 |
【4位:トヨタ・ランドクルーザープラド】耐久性が高くタフな環境でも能力を発揮
1990年から販売されている「ランドクルーザープラド」は、ハイラックスサーフと共通のパワートレインを搭載し販売されました。2009年にフルモデルチェンジされた4代目の150プラドは、2015年にディーゼルエンジンも復活しています。
ランドクルーザーと同様にラダーフレームを採用して、高い耐久性があります。
ディーゼル仕様 | ガソリン仕様 | |
---|---|---|
全長 | 4,760mm | |
全幅 | 1,885mm | |
全高 | 1,835mm | |
エンジン種類 | 1GD-FTV/直列4気筒 | 2TR-FE/直列4気筒 |
排気量 | 2,800cc | 2,700cc |
最高出力 | 177ps/3,400rpm | 163ps/5,200rpm |
最大トルク | 450Nm/1,600~2,400rpm | 246Nm/3,900cc |
使用燃料 | 軽油(ディーゼル) | レギュラーガソリン |
燃費 | 11.8km/L | 9.0km/L |
駆動方式 | フルタイム4WD | |
サスペンション形式 | 前:ダブルウィッシュボーン式独立懸架 後:トレーリングリンク車軸式 |
【3位:スズキ・ジムニーシエラ】欧州市場でも人気のアクティブギア
ジムニーシエラは、軽自動車のジムニーを普通車の規格へサイズアップした車種で、2000年から販売されています。660ccのエンジンから1,300ccのエンジンへ変更され、ボディサイズもひと回り大きくなっているのが特徴です。
ジムニー同様に、ラダーフレームを採用していてサスペンションも3リンクリジットアクスルを採用しているので、その悪路走破性能は十分にあります。
全長 | 3,600mm |
---|---|
全幅 | 1,600mm |
全高 | 1,685mm |
エンジン種類 | M13A/直列4気筒 |
排気量 | 1,300cc |
最高出力 | 88ps/6,000rpm |
最大トルク | 118Nm/4,000rpm |
使用燃料 | レギュラーガソリン |
燃費 | 13.6km/L |
駆動方式 | パートタイム4WD |
サスペンション形式 | 前:3リンクリジットアクスル式コイルスプリング 後:3リンクリジットアクスル式コイルスプリング |
【2位:トヨタ・ランドクルーザー】頑丈で悪路走破性も高いため中東やアフリカ地域でも人気
トヨタが販売するフラグシップSUVのランドクルーザーは、高級感のあるクロスカントリーSUVです。ラダーフレーム構造を用いていて、1960年から販売されている「ランクル40」がいまだに日本で走っているのを見ると、その高い耐久性にも頷けます。
2007年から販売されている「ランクル200」は、ガソリンエンジンのみのラインナップで、グレードによる装備差があります。
全長 | 4,950mm |
---|---|
全幅 | 1,980mm |
全高 | 1,870mm |
エンジン種類 | 1UR-FE/V型8気筒 |
排気量 | 4,600cc |
最高出力 | 318ps/5,600rpm |
最大トルク | 460Nm/3,400rpm |
使用燃料 | ハイオクガソリン |
燃費 | 6.7km/L |
駆動方式 | フルタイム4WD |
サスペンション形式 | 前:ダブルウィッシュボーン式独立懸架 後:トレーリングリンク車軸式 |
【1位:スズキ・ジムニー】小さな巨人と言われるほどパワフルで走破性抜群
スズキが販売する「ジムニー」は、1970年の初代から一貫してラダーフレームを採用し悪路走破性を追求したクロスオーバーSUVです。軽自動車ならではのコンパクトなボディサイズは、雪が降り積もった住宅街などの狭い道でも楽々進むことが出来ます。
また、ジムニーの懸架形式は「3リンクリジットアクスル」を採用しており、左右のタイヤが1本の軸で繋がった状態になっているため、悪路走破性にとても優れています。
全長 | 3,395mm |
---|---|
全幅 | 1,475mm |
全高 | 1,680mm |
エンジン種類 | K6A/直列3気筒ターボ |
排気量 | 660cc |
最高出力 | 64ps/6,500rpm |
最大トルク | 103Nm/3,500rpm |
使用燃料 | レギュラーガソリン |
燃費 | 14.8km/L |
駆動方式 | パートタイム4WD |
サスペンション形式 | 前:3リンクリジットアクスル式コイルスプリング 後:3リンクリジットアクスル式コイルスプリング |
ラダーフレームのSUVは貴重な存在
どうしてもラダーフレームはモノコックボディよりも重量が重くなり、乗り心地も悪い傾向にあります。スズキのエスクードが3代目から4代目へとフルモデルチェンジした時に、ビルトインラダーフレームからモノコックボディへと構造が変わり、クロスオーバーSUVになったように段々とラダーフレームを採用している車種が少なくなってきています。
ですが、不整地道路を頻繁に走るわけではないのなら、モノコックボディを持つクロスオーバーSUVでも性能十分なことが多いので、必ずしもラダーフレームを持つSUVでなければならないというわけではありません。
車の使い方や趣味に合わせて、高い走破性を持つラダーフレームのクロスカントリーSUV、街乗りで乗り心地が非常にいいモノコックボディもクロスオーバーSUVを選んでください。