SUVのMT車は選択肢が激減 現在も設定があるモデルと廃止された車種を解説
新車販売されている車のほとんどがオートマチック(AT)であり、マニュアル車はスポーツモデルを除くと1割にも満たない状況です。SUVブームで各社が多くのSUVをラインナップするなか、MT設定のある車種はさらに少数派となっています。
特にマツダSUVは、2023年の商品改良でCX-5・CX-30・CX-3のMTがすべて廃止され、現在マツダのSUVではMT車を選ぶことができなくなりました。軽自動車でもスズキのハスラーが2020年のフルモデルチェンジでMTを廃止するなど、SUVのMT車は急速に姿を消しています。
この記事では、かつてSUVでMT車が選べたモデルとその特徴を振り返りながら、現在もMT設定を維持しているジムニーについて紹介します。
マツダ CX-5のディーゼルMTは2023年の商品改良で廃止
マツダのCX-5は2017年に2代目が発売されたミドルサイズSUV
マツダが販売するCX-5は、2017年にフルモデルチェンジされた2代目が発売されているミドルサイズSUVです。2018年11月の一部改良でディーゼルモデルに6速MTが追加され、「クロスオーバーSUVにMT」という珍しい設定として話題を集めました。
しかし2023年9月に発表された商品改良(同年10月中旬発売)で、SKYACTIV-MT(6MT)仕様が廃止され、CX-5は全車ATのみとなっています。MT販売比率が約5%にとどまったこと、先進運転支援システムとの協調制御の難しさ、コスト面での判断がMT廃止の背景にあったとマツダは説明しています。MTが設定されていたのはディーゼルエンジン搭載車の2WDと4WDで、ガソリン車には最初からATのみの設定でした。
| 全長 | 4,545mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,840mm |
| 全高 | 1,690mm |
| ホイールベース | 2,700mm |
| エンジンタイプ | SKYACTIV-D 2.2 |
| 種類 | 直列4気筒ターボ |
| 最高出力 | 140kW/4,500rpm |
| 最大トルク | 450Nm/2,000rpm |
| モデル名 | マツダ CX-5(2代目) |
|---|---|
| MT設定期間 | 2018年11月〜2023年10月(ディーゼル車のみ) |
| MT廃止時期 | 2023年10月中旬の商品改良で廃止、現在は全車AT |
| 廃止の背景 | MT販売比率が約5%にとどまり、ADAS協調制御やコスト面から判断 |
マツダ CX-3もガソリン・ディーゼルのMT設定が2024年の改良で廃止
マツダのCX-3は2015年に発売したコンパクトサイズSUV
マツダのCX-3は2015年に発売されたコンパクトサイズのクロスオーバーSUVで、CXシリーズの中でも小さいモデルです。デビュー当初から6速MTが設定され、ガソリン2WDとディーゼル2WD・4WDにMTが用意されていました。
しかし2024年2月発売の改良モデルでMT車が廃止され、CX-3も全車ATのみとなっています。これによりCX-5・CX-30・CX-3のMTがすべて廃止され、マツダSUVのMT車は全滅となりました。
| 全長 | 4,275mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,765mm |
| 全高 | 1,550mm |
| ホイールベース | 2,570mm |
| エンジンタイプ | SKYACTIV-G 2.0 |
| 種類 | 直列4気筒 |
| 最高出力 | 110kW/6,000rpm |
| 最大トルク | 195Nm/2,800rpm |
| 全長 | 4,275mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,765mm |
| 全高 | 1,550mm |
| ホイールベース | 2,570mm |
| エンジンタイプ | SKYACTIV-D 1.8 |
| 種類 | 直列4気筒ターボ |
| 最高出力 | 85kW/4,000rpm |
| 最大トルク | 270Nm/1,600〜2,600rpm |
| モデル名 | マツダ CX-3 |
|---|---|
| MT設定期間 | 2015年デビュー時〜2024年2月(ガソリン2WD・ディーゼル2WD・4WD) |
| MT廃止時期 | 2024年2月発売の改良モデルで廃止、現在は全車AT |
スズキ ジムニーは現在もMTを設定する数少ないSUVのひとつ
2018年にフルモデルチェンジされた4代目の新型ジムニー
スズキが販売する軽自動車のジムニーは、ラダーフレームを搭載した本格的なクロスカントリーSUVで、初代から一貫したコンセプトが多くのファンを獲得し続けています。SUVのMT車が次々と廃止されるなか、現在もXG・XL・XCグレードに5速マニュアルのトランスミッションが設定されている貴重な存在です。
軽自動車のコンパクトさを活かした取り回しの良さは、大型SUVでは入れない狭い林道でも活躍します。駆動方式は全グレードでパートタイム4WDが設定されており、デュアルセンサーブレーキサポートなど最新の安全装備も搭載されています。
| 全長 | 3,395mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,475mm |
| 全高 | 1,725mm |
| ホイールベース | 2,250mm |
| エンジンタイプ | R06A型 |
| 種類 | 直列3気筒ターボ |
| 最高出力 | 47kW/6,000rpm |
| 最大トルク | 96Nm/3,500rpm |
| モデル名 | スズキ ジムニー(4代目) |
|---|---|
| フルモデルチェンジ | 2018年7月 |
| MT設定グレード | XG・XL・XCに5速MT設定あり(現在も継続) |
| 駆動方式 | パートタイム4WD(全グレード) |
| 安全装備 | デュアルセンサーブレーキサポートなど搭載 |
スズキ ハスラーのMTは2020年のフルモデルチェンジで廃止
2014年より販売されているスズキの軽クロスオーバーSUVであるハスラー(写真は初代)
スズキが2014年より販売している軽クロスオーバーのハスラーは、ゴリゴリのオフロードタイプではなく都会的な車高の高いSUVとして人気を集めました。豊富なボディカラーと取り回しの良いコンパクトボディが特徴で、初代モデルではAグレードとGグレードに5速マニュアルが設定されていました(NAエンジンのみ)。
しかし2020年1月のフルモデルチェンジ(2代目)を機に5速MT車が廃止され、現行の2代目ハスラーは全車CVT(マイルドハイブリッド搭載)のみとなっています。全グレードへのマイルドハイブリッド搭載を実現するにあたってMT設定が見送られた経緯があります。MTが設定されていた初代ハスラーは現在も中古市場で一定の需要があります。
| 全長 | 3,395mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,475mm |
| 全高 | 1,665mm |
| ホイールベース | 2,425mm |
| エンジンタイプ | R06A型 |
| 種類 | 直列3気筒(NA) |
| 最高出力 | 38kW/6,500rpm |
| 最大トルク | 63Nm/4,000rpm |
| モデル名 | スズキ ハスラー(初代) |
|---|---|
| MT設定期間 | 2014年デビュー〜2019年(AグレードとGグレードに5MT) |
| MT廃止時期 | 2020年1月のフルモデルチェンジ(2代目)で廃止 |
| 廃止の理由 | 全グレードへのマイルドハイブリッド搭載に伴いMT設定を見送り |
| 現行2代目 | 全車CVT(マイルドハイブリッド搭載)のみ |
SUVのMTはいまや希少な存在 現在選べるのは事実上ジムニー・ジムニーシエラのみ

AT車とMT車の新車販売比率は、現在ではATが98%以上を占めるとされており、MT車はごく少数派です。マツダがSUV全車種のMTを廃止した2023〜2024年は、SUVのMT市場における大きな転換点となりました。国産SUVでMTを選べるのは、現在事実上ジムニーとジムニーシエラのみとなっています。
ATほど楽ではありませんが、ギアを選んで操作するマニュアル車の運転の楽しさは格別です。SUVでMTを新車で求めるなら、ジムニー・ジムニーシエラが現実的な選択肢です。かつてのCX-5やCX-3、ハスラーのMT車を求めるなら、中古車市場から探すことになります。購入を検討している方は、中古車の流通状況を早めに確認しておくことをおすすめします。






























