ガソリン車とハイブリッド車はどっちがいい?メリット・デメリットを比較して自分に合う1台を選ぼう
ガソリン車とハイブリッド車、どちらを買うべきか迷っている方は多いでしょう。燃費だけ見るとハイブリッドが有利に見えますが、車両価格の差・走行距離・使い方・住んでいる地域によっては、ガソリン車のほうがトータルでお得になるケースもあります。
結論から言えば、年間1万km以上走る・長く乗り続けるならハイブリッド、走行距離が少ない・4WDが必要・初期費用を抑えたいならガソリン車が向いています。それぞれのメリット・デメリットを具体的に比較しながら、自分に合う選択ができるよう解説します。
ガソリン車のメリット:車両価格が安く、4WDやスポーツモデルの選択肢が豊富
ガソリン車もラインナップしているホンダのフィット。ガソリン車にはスポーティモデルも設定されている
ガソリン車とはエンジンのみで車体を動かすパワートレインを持つ車のことです。ハイブリッドシステム用のモーターやバッテリーを搭載しない分、車両価格を抑えられることが最大のメリットです。

・車両本体価格が安い
・4WDを設定している車種が多い
・スポーティモデルがラインナップしていることがある
・高速巡行など長距離走行ではハイブリッドに迫る燃費性能を発揮することがある
スポーツモデルについては、ホンダ フィットにはガソリン車のRSグレードが設定されており、スズキ スイフトスポーツはガソリンターボエンジンを搭載したモデルです(なお2025年3月にスイフトスポーツのファイナルエディションが発売されており、現在は後継モデルの登場待ちの状態です)。トヨタのGRシリーズもほとんどがガソリン車仕様での販売です。
4WDについても、ガソリン車のほうが設定車種が多く、雪が降る地域に住んでいる方やスキー場・キャンプ場などのアウトドアを楽しむ方には特にメリットになります。
| ガソリン | ハイブリッド | |
|---|---|---|
| フィット | 約165万円~ | 約200万円~ |
| ヤリス | 約147万円~ | 約200万円~ |
| スイフト※ | 約139万円~ | 約160万円~(マイルドHV) |
※スイフトは2023年12月のフルモデルチェンジで現行5代目となり、ガソリン単独仕様からマイルドハイブリッド主体のラインナップに変更されました。上記は参考価格です。最新価格は各メーカー公式サイトをご確認ください。
コンパクトカーではガソリン車とハイブリッド車で30〜40万円前後の価格差があることが分かります。走行距離が少ない方や初期費用を抑えたい方には、ガソリン車のほうが予算を圧縮できるメリットがあります。
ガソリン車のデメリット:燃費が悪く、エコカー減税の優遇も少ない
ガソリン車の最大のデメリットは、ハイブリッド車に比べて燃費が劣ることです。車両価格の差額は距離を走るほど燃料代で埋まっていきます。また、エコカー減税においてもハイブリッドに比べて優遇率が低く、そもそも対象外になる車種もあります。

・ハイブリッド車に比べ燃費が劣る
・エコカー減税率が低い、または対象外になることがある
| ガソリン | ハイブリッド | |
|---|---|---|
| フィット | 18.7km/L | 30.2km/L |
| ヤリス | 21.6km/L | 36.0km/L |
| スイフト(参考) | 21.8km/L(旧型) | 25.2km/L(現行マイルドHV) |
フィットを例に、10万km走った場合の燃料代を試算してみます。レギュラーガソリン1Lあたり約162円(直近の全国平均)で計算すると、以下のようになります。
フィットにおけるガソリン車とハイブリッド車の燃料代比較(10万km走行・162円/L想定)
・ガソリン車:100,000km÷18.7km/L=5,347L×162円=866,214円
・ハイブリッド車:100,000km÷30.2km/L=3,311L×162円=536,382円
10万km時点での燃料代の差額は約330,000円です。車両価格差は約35万円程度(グレードにより異なる)のため、燃料代だけでほぼ同水準になります。さらにハイブリッド車は購入時にエコカー減税で重量税が減免・免税になるケースが多く、翌年度の自動車税も軽減される場合があります。これらを加味すると、10万km走った時点ではハイブリッドの総コストが下回るケースが多いでしょう。
ガソリン価格は変動するため、価格が上がるほど早くガソリン車のほうが割高になる距離に到達します。ガソリン価格の動向も選択の参考にしてください。
ハイブリッド車のメリット:燃費が良く、プラグインHVは非常時の電源にもなる
三菱のアウトランダーPHEVはプラグインハイブリッドで、停電時には外部電源にもなる頼もしい車
ハイブリッド車の最大のメリットはやはり燃費の良さです。コンパクトカーサイズではリッター30km/L超えも珍しくなく、ミニバンサイズでも25km/L前後を実現しているモデルがあります。また、標準装備がガソリン車より充実していることも多く、ガソリン仕様では鉄ホイールでもハイブリッド仕様ではアルミホイール標準装備といったケースもあります。

・燃費が良い
・プラグインハイブリッド車は外部電源・非常用電源としても活用できる
・EVモードで電気自動車に近い使い方ができる車種もある
・モーター走行中はエンジン音がほぼしない
・モーターの力強いトルクによる加速感がある
・購入時に自動車重量税の減免・免税を受けられることが多い
三菱アウトランダーPHEVやトヨタ プリウスPHVなどのプラグインハイブリッド車(PHEV)は、1,500W程度までの家電製品を車外で使用できるほか、専用のV2H機器があれば停電時に住宅へ給電することも可能です。ガソリンを使わずモーターだけで走れるEVモードも備わっているため、通勤など短距離なら充電だけで賄えます。電力供給や環境性能を重視する方には特に魅力的な選択肢です。
ハイブリッド車のデメリット:車両価格が高く、4WD非設定の車種もある
ハイブリッド車のデメリットは車両価格の高さと、一部車種での4WD非対応です。モーターや駆動用バッテリーが搭載される分、ガソリン車より数十万円高くなるのが一般的です。年間走行距離が少なく、短期間で手放すケースでは、ガソリン車を選んだほうがトータルで安く済む場合もあります。

・車両価格がガソリン車に比べて高い
・4WDを設定していない車種がある
・走行距離が少なく短期間で乗り換える場合はガソリン車のほうがトータルで安くなることもある
4WDは、夏のキャンプ場への林道・砂利道、冬のスキー場への雪道・凍結路面などで特に力を発揮し、スタックしたときの脱出もしやすくなります。ハイブリッド車でも以下のような車種・グレードには4WDが設定されていないため、雪国や山間部に住んでいる方は購入前に必ず確認しましょう。
4WDが設定されていない(または設定が限定的な)ハイブリッド車の例
・日産:フーガ、シーマ、セレナ(e-POWER)
・ホンダ:ステップワゴン(e:HEV)
・トヨタ:カローラスポーツ、C-HRなど(一部グレード)
・スズキ:ソリオ(ストロングHV一部グレード)
※上記はリライト時点での情報を元にした参考例です。モデルチェンジや仕様変更により変わることがあります。購入前に各メーカー公式サイトや販売店で最新の設定をご確認ください。
トヨタはハイブリッド車でも4WD(E-Four等)を設定している車種が多いですが、日産やホンダはハイブリッド車に4WDを設定していない車種が目立ちます。東北・北海道など積雪・凍結の多い地域では、4WDの有無が選択を大きく左右します。
燃費だけで決めない:乗り心地・フィーリングは試乗で必ず確かめよう
同一車種でもガソリン車とハイブリッド車は、単に燃費が違うだけでなく加速時のフィーリングや乗り心地が異なります。ハイブリッドはモーターのレスポンスが良くスムーズな加速感がある一方、ガソリン車はエンジンの回転感を楽しみやすいという違いがあります。
多くのディーラーではハイブリッドモデルの試乗車しか用意していないケースもありますが、相談するとほかの店舗から希望の試乗車を手配してもらえることもあります。また、発売から年数が経っているモデルならレンタカーで乗り比べるのもおすすめです。高い買い物だからこそ、燃費の数字だけでなく自分がその車の乗り味を気に入れるかどうかを確かめてから決めましょう。
ガソリン車とハイブリッド車の選び方まとめ:走行距離・地域・用途で判断しよう

ガソリン車とハイブリッド車にはそれぞれ明確なメリット・デメリットがあり、どちらが正解かは使い方によって変わります。自分の環境に照らし合わせて選ぶことが重要です。
ガソリン車とハイブリッド車の選び方の目安
- 【ガソリン車が向いている人】4WDが必要な地域・年間走行距離が少ない(5,000km以下目安)・初期費用を抑えたい・スポーティな走りを楽しみたい・短期間で乗り換える予定がある
- 【ハイブリッド車が向いている人】年間1万km以上走る・長期間乗り続ける予定がある・燃料費を抑えたい・静粛性を重視する・PHEVで非常時の電源を確保したい
たとえば週末の買い物だけで年間3,000kmしか走らず、3〜5年で乗り換えるスタイルであれば、ガソリン車のほうがトータルコストを低く抑えられることが多いです。一方、通勤や遠出で年間1万km以上走り、10年以上乗り続けるつもりであれば、燃費の差がコスト面で大きく効いてくるためハイブリッドが有利になります。リセールバリュー(中古車売却価格)の高さもハイブリッドが優れている傾向があり、税制優遇分も含めると損益分岐点は6〜7万km前後に縮まるとも言われています。どちらが自分のライフスタイルに合っているかをしっかり考えたうえで購入を検討してみてください。






























