ガソリン車とハイブリッド車の違い

ガソリン車とハイブリッド車はどっちを選べばいい?メリット・デメリットをチェックしてみよう

ガソリン車とハイブリッド車で購入を迷っている時は自分の環境や乗り方を振り返るとどちらのほうが最終的に安く済むのかがわかる。ハイブリッドカーは燃費がよくて一見良さそうに見えるがガソリンより本体価格が高いため、週末の買い物にしか使わないで手放すと損をすることが多い。

ガソリン車とハイブリッド車はどっちを選べばいい?メリット・デメリットをチェックしてみよう

ガソリン車とハイブリッド車はどっちがいい?基本的にはハイブリッドだが地域や使い方によってはガソリン車のほうがいい場合もある

ガソリン車とハイブリッド車はどちらを買ったほうがいいのでしょうか?燃費性能を見るとハイブリッドのほうがいいと思いますが、トヨタのダナミックフォースエンジンを始め、長距離走行の場合はガソリン車もハイブリッド車に迫る燃費性能を発揮します。ガソリン車が持つメリット・デメリット、ハイブリッドカーの持つメリット・デメリットを比べながら、自分に合う車を選んでみてください。

ガソリン車はハイブリッドカーに比べて車両価格が安く、多くに4WDもラインナップしていることがメリットでしょう。ハイブリッドカーは燃費がいいことが最大のメリットですが、車両価格はガソリンに比べて高いため、ある程度距離を乗らなければその分の差額を埋めることはできません。

また、ハイブリッドカーの一部には2WDしか用意されていない車種もあり、スキー場やキャンプ場に遊びに行く時、冬になると雪が積もり路面凍結する地域では苦労することもあります。
自分にはガソリン車とハイブリッドカーどちらがいいのかチェックしてみてください。

ガソリン車のメリットはハイブリッド車に比べて車両価格が安いこと・駆動方式が選べること

ホンダフィットガソリン車もラインナップしているホンダのフィット。ガソリン車にはスポーティモデルも設定されている

最近の自動車でほとんどの車種に設定されているガソリン車は、車体をエンジンの力だけで動かしているパワートレインのことをいいます。ハイブリッドモデルには設定されていないスポーティモデルがラインナップしていることもあります。

ガソリン車のメリットは、ハイブリッドカーに比べて車両本体が安く、ハイブリッド車に設定されていない4WDがラインナップしていることが多いことです。また、ガソリン車でも燃費性能が上がってきて減税が入る車種も多くあります。

ガソリン車が持つメリット

・車両本体価格が安い
・4WDの駆動方式を設定していることが多い
・スポーティモデルがラインナップしていることがある
・自動車専用道路など、高速巡行する場面ではハイブリッドに迫る燃費性性能を発揮

ホンダのフィットではガソリン車にRSグレードが設定されていて、スズキのスイフトスポーツはガソリンターボエンジンのみを搭載しています。トヨタのGRシリーズにはハイブリッドも設定している車種がありますが、そのほとんどはガソリン車仕様で販売されていることが分かります。

ほかにも、ハイブリッドカーに比べて4WDを設定している車種が多くあり、雪が降る地域に住んでいる人やキャンプ・スノーボードなどのアウトドアやスポーツを楽しむ人にとって四駆の選択肢があることはとても嬉しいでしょう。

ガソリン車とハイブリッド車の価格帯
ガソリン ハイブリッド
フィット 1,592,800円~ 1,997,600円~
ヤリス 1,470,000円~ 2,013,000円~
スイフト 1,388,200円~ 1,697,300円~

ホンダやトヨタ、スズキのコンパクトカーでガソリン車とハイブリッド車の値段を比べてみると、30万円ほどの価格差があることが分かります。ガソリン車はハイブリッドカーを購入するよりも予算を小さく圧縮できるメリットがあります。

ガソリン車のデメリットはハイブリッド車に比べて燃費が悪いこと・エコカー減税の率が低いこと

ガソリン車のデメリットといえば、ハイブリッドカーに比べて燃費が悪いことです。メリットには車両価格が安いことがありますが、長い距離を乗れば乗るほど燃料代で差額が埋まっていきます。また、ハイブリッドカーは燃費がいいためエコカー減税で自動車取得税や重量税が免税となることが多いですが、ガソリン車ではそもそも減税が無かったり、あっても20%など割合が低いことがあります。

ガソリン車が持つデメリット

・ハイブリッド車に比べ燃費が悪い
・エコカー減税率が低い

ガソリン車とハイブリッド車の燃費比較
ガソリン ハイブリッド
フィット 18.7km/L 30.2km/L
ヤリス 21.6km/L 36.0km/L
スイフト 21.8km/L 21.0km/L

フィットを例にとってみると、ガソリン車のカタログ燃費は18.7km/Lですが、ハイブリッド車は30.2km/Lです。その差は11.5km/Lありますが、どのくらい走ればガソリン車のほうが損をするのでしょうか?レギュラーガソリンの値段を2023年6月での全国平均である約161円で計算してみます。

フィットにおけるガソリン車とハイブリッド車の燃料代比較

・ガソリン車:100,000km÷18.7km/L=5,347L×161円=860,867円
・ハイブリッド車:100,000km÷30.2km/L=3,311L×161円=533,071円

10万km走った時点で燃料代の差額は327,796円です。車両価格の差額は404,800円ですので、77,004円ガソリン車のほうが安いように見えますが、ハイブリッド仕様は新車購入時にエコカー減税で自動車取得税が免税、翌年度の自動車税が75%軽減のため、実際には10万km走った時点でハイブリッドカーのほうがお得となっているでしょう。

また、ガソリン価格も固定ではないためレギュラーガソリンの値段が上がるほど、早くガソリン仕様のほうが損となる距離数に達するでしょう。

ハイブリッド車のメリットは燃費がいいこと・プラグインハイブリッドは家の電力にもなること・免税になることが多いこと

三菱のアウトランダーPHEV三菱のアウトランダーPHEVはプラグインハイブリッドで、停電時には外部電源にもなる頼もしい車

ハイブリッドカーのメリットはなんといっても燃費がいいことです。コンパクトカーサイズのハイブリッドはリッターあたり30km/L近い燃費を記録していて、ミニバンサイズでも25.0km/L付近をマークます。また、ガソリン車では鉄チンホイールだが、ハイブリッド仕様はアルミホイールが装着されているなど、標準装備が豪華になっていることが多いです。
またエンジンが始動しない時はほぼ無音に近いため、夜間の外出が多く騒音が気になるユーザーにとってメリットになります。

ハイブリッド車が持つメリット

・燃費がいい
・プラグインハイブリッド車は外部電源としても使える
・EVモードで簡易的な電気自動車として使える車種もある
・モーターで走るときはエンジン音がしない
・モーターの力強いトルクを感じられる
・新車購入時に自動車取得税と重量税が免税になることが多い

ほかにも、三菱のアウトランダーPHEVやトヨタのプリウスPHVはプラグインハイブリッド車と呼ばれ、1,500Wまでの家電製品を外で使用することができ、停電時にはH2V機器に接続すると家に給電することも出来ます。ガソリンを使わずにモーターだけで走行することができるEVモードも搭載されているため簡易的な電気自動車として運用することもできます。

また、新車購入時にはエコカー減税で自動車取得税や重量税が免税となる場合が多く、車両価格はガソリン車より高いですが、購入時の税金や来年の自動車税が減税になるなどの補助を受けられます。

ハイブリッド車のデメリットは車両価格が高いこと・車種によって4WDがないこと

ハイブリッドカーのデメリットといえば、ガソリン車よりも車両価格が高いことと、車種によっては4WDモデルが設定されていないことがあります。

ガソリン車とハイブリッドカーの車両価格を比べると標準装備が豪華になっていたり、ハイブリッドシステムのためのモーターが搭載されているため数十万円高くなることが多く、3年や5年で4万kmしか走っていない時に手放した場合などでは、ガソリン車を購入したほうが安く済んだというパターンもあり得ます。

ハイブリッド車が持つデメリット

・車両価格がガソリンに比べて高い
・4WDを設定していない車種もある
・5年落ちなどで手放す場合ガソリン車のほうがトータル安くなることもある

4WDシステムは、夏はキャンプ場への林道や砂利道、冬はスキー場への雪道の登り坂や凍結路面などの場面であると役立つ装備で、スタックして動けなくなった時に脱出しやすいため安心ですが、ハイブリッドカーには4WDが設定されていない車種もあるため注意が必要です。

4WDが設定されていないハイブリッド車種

・日産:フーガ、シーマ、セレナ
・マツダ:アクセラハイブリッド
・ホンダ:ステップワゴン
・三菱:デリカD2(ハイブリッドSZ、カスタムハイブリッドSV)
・トヨタ:カローラスポーツ、C-HRなど
・スズキ:ソリオ(ハイブリッドSZ、SX)、スイフト(ハイブリッドSL、SG)

トヨタはハイブリッドモデルでも4WDを装備している車種が多いですが、日産やホンダはハイブリッドモデルに4WDを搭載していない車種が目立ちます。スズキでは、マイルドハイブリッドに4WDを搭載していますが、さらに燃費のいいハイブリッドモデルには四駆をラインナップしていません。

凍結路面からの発進やスタックからの脱出はやはり2WDより4WDのほうがやりやすく、特に冬になると雪が積もり凍結路面も出現する東北や北海道に住んでいる人にとって4WDの選択肢がないのは、購入検討車種から除く人もいると感じます。

ガソリン車とハイブリッド車の違いは燃費だけじゃない!同車種でもでは「乗り心地は違う」と心得て

気になっている車種に、ガソリンモデルとハイブリッドモデルの両方がラインアップしている場合は、どちらを購入すべきか迷う人が多いでしょう。ガソリン車とハイブリッド車は、単に燃費だけではなく、加速した際のフィーリングなど乗り心地にはそれぞれ個性があります。

多くのディーラーでは片方のみ取り扱い、特にハイブリッドモデルの試乗車しか用意していないケースが多いですが、お願いすると他の店舗から希望モデルを借りてきてくれるケースもあります。
また、既に発売から年数が経っているのなら、レンタカーも狙い目です。

長く乗り続けるうちに慣れてくる部分も多いですが、クルマは高価な買い物のはず。燃費だけでなく、最終的には自分がその車の乗り味を気に入るかどうかが重要です。

ガソリン車のメリットはスポーツモデルや4WDなど選択肢が多いこと、ハイブリッド車のメリットは燃費がいいため長い距離を乗るほどお得になることである

ガソリン車とハイブリッド車

ガソリン車とハイブリッド車の両方がラインナップしている時は、どちらを購入すべきか迷うものですが、両エンジンにとってメリット・デメリットが存在するため、自分の環境や乗り方に合ったほうを選ぶことが大切です。

せっかく燃費のいいハイブリッド車を購入しても週末の買い物に往復数kmだけ使い、3年や5年で手放すパターンだと同じ車種でも車両価格の安いガソリン車を購入したほうがトータルでも安くなったというパターンが多いでしょう。

また、4WDモデルが少ないため雪国や雪山では苦労する場面も多く、ガソリン4WDを買ったほうが良かったと後悔するかもしれません。

1つの車種を10年10万km超えても、まだまだ壊れて動かなくなるまで乗りたい時は、長い距離を走った分だけ燃料代のかかりにくいハイブリッドカーを選んだほうが結果的にお得になります。

ガソリン車とハイブリッド車を決める基準の例

  • ガソリン車は4WDが欲しいとき、少ない走行距離で手放すならハイブリッドよりお得
  • ハイブリッドカーは、燃費がいいため10万km以上など長い距離を乗るほどお得になる

自分にはガソリン車とハイブリッドカーのどちらがいいのか、しっかりと考えてから購入してみてください。