プリウスの維持費

プリウスの年間維持費は? 税金や燃料代や車検代など

プリウスの年間維持費を、新車で購入したケースを想定して合計額を概算。内訳である自動車税・燃料代・任意保険料・駐車場代・諸経費(バッテリー交換代を含む)は、どう計算したのかを紹介。興味のある方は、中古車を購入した場合の年間維持費を求めて比較。

プリウスの年間維持費は? 税金や燃料代や車検代など

プリウスの年間維持費の合計とその内訳

プリウスは2016年に約25万台を国内で販売し、その年の新車販売台数で1位を記録しました。発売当初から変わらずにプリウスの人気の維持が続き、2017年5月の月間新車販売台数では、再び1位の座に返り咲いています。

日本国内で広く親しまれているプリウスの購入を検討されている方は多いはずです。プリウスの年間維持費はどれくらいかかるのか、ユーザーの仲間入りを考えている方に向けて、その内訳と合計金額を詳しく紹介します。

S ツーリングセレクションをモデルケースとして維持費を求めます

プリウスのエクステリア

プリウスの年間維持費を算出するために、今回はグレード「S ツーリングセレクション」を新車で購入したケースを想定して計算を進めます。S ツーリングセレクションは、低燃費でありながらスポーティーな走りも実現しているため若い世代にも人気の車種です。このグレードは、プリウスの維持費を知りたいと考える多くの方にとって、標準的なモデルケースとして参考になるでしょう。まずは、このモデルの基本的なスペックを確認しましょう。

全長 4,540mm
全幅 1,760mm
全高 1,470mm
ホイールベース 2,700mm
最小回転半径 5.4m
燃費 37.2km/L (JC08)
燃料 無鉛レギュラーガソリン
乗車定員 5名
車両重量 1,370kg
エンジン 水冷直列4気筒DOHC
総排気量 1.797L

プリウスS ツーリングセレクションを購入した時の年間維持費は438,740円

プリウスの年間維持費を概算するために、今回はグレードS ツーリングセレクションをモデルケースとしました。概算の結果、合計金額は438,740円となりました。プリウスの他のグレードを想定した際も、この金額に近いプリウスの維持費になると思われます。

自動車税 9,800円
燃料代 32,280円
駐車場代 180,000円
車検代 40,000円
任意保険料 135,000円
諸経費 41,660円
合計金額 438,740円

駐車場代や燃料代の項目は、計算しやすいように一定の金額を仮定して算出しました。これらの金額をご自身の実際の状況に合わせて具体的に計算することで、より正確なプリウスの維持費を把握できます。ご自身の環境でプリウスの年間維持費をシミュレーションする際の参考にしてください。

自動車税9,800円 グリーン化特例で2年間最大75%減額

毎年5月末までに納付義務が生じる自動車税は、車の総排気量に応じて税額が変わります。プリウスは全グレードにおいて総排気量は1.797Lです。この数値は1.5L超~2.0Lに分類されるため、本来の税額負担は39,500円となります。プリウスは環境性能が高い車として開発されているため、自動車税を一定割合減額する制度であるグリーン化特例が適用されます。

プリウスは、自動車税を最大75%減額されます。グリーン化特例は、クリアしなければならない燃費基準がより厳しくなりましたが、適用される期間が2年間延長されました。このプリウスの自動車税の軽減措置は、大きなプリウスの維持費の節約につながります。

制度が適用される期間中の自動車税は、計算すると9,800円となりました。このプリウスの税金の優遇措置は、購入初期の維持費を抑える大きなメリットです。

※100円未満の金額は、切り捨てて計算されます。

2019年10月以前に初回新規登録を受けた場合の自動車税
車の分類 総排気量 税額 税額(13年超)
自家用車 1.0L以下 29,500円 33,900円
1.0L超~1.5L以下 34,500円 39,600円
1.5L超~2.0L以下 39,500円 45,400円
2.0L超~2.5L以下 45,000円 51,700円
2.5L超~3.0L以下 51,000円 58,600円
3.0L超~3.5L以下 58,000円 66,700円
3.5L超~4.0L以下 66,500円 76,400円
4.0L超~4.5L以下 76,500円 87,900円
4.5L超~6.0L以下 88,000円 101,200円
6.0L超~ 111,000円 127,600円
2019年10月以降に初回新規登録を受けた場合の自動車税
車の分類 総排気量 税額
自家用車 1.0L以下 25,000円
1.0L超~1.5L以下 30,500円
1.5L超~2.0L以下 36,000円
2.0L超~2.5L以下 43,500円
2.5L超~3.0L以下 50,000円
3.0L超~3.5L以下 57,000円
3.5L超~4.0L以下 65,500円
4.0L超~4.5L以下 75,500円
4.5L超~6.0L以下 87,000円
6.0L超~ 110,000円

燃料代32,280円の内訳 年間走行距離1万kmでも割安

プリウスの燃費の良さは、燃料代の項目で際立ってきます。年間走行距離を10,000kmとし、燃費を37.2km/Lで単純計算すると必要となるレギュラーガソリンの量は269Lです。レギュラーガソリンの価格を120円/Lとして計算すると、1年間の燃料代は32,280円となります。この優れた燃費性能は、プリウスの維持費を低く抑える最も大きな要因の一つです。プリウスの燃料代は、走行距離が多い方にとっても非常に経済的であることがわかります。

駐車場代180,000円の内訳 都内の駐車場を借りる想定で算出

高台の駐車場にとまる車

駐車場代は、都市部に住んでいる方を想定して計算しました。ひと月の駐車場代を15,000円とすると、1年間にかかる駐車場代は180,000円となります。ただし、プリウスの維持費のうち、この駐車場代は地域によって大きく変動する費用です。地方にお住まいの方や、持ち家に駐車場がある場合は、この金額よりも大幅に抑えることができます。ご自身の住まいの環境に合わせて、正確な金額を当てはめてみましょう。

車検代40,000円の内訳 新車購入の場合は初回車検が3年後なので1年分を算出

車検代は、以下の計算式で求める事ができます。

車検代=法定費用+車検基本料+整備費・部品交換代+サービス料

法定費用は、法律で支払う額が定められています。重量税・自賠責保険料・印紙代がそれにあたります。車の重さによって納付義務が生じる重量税24,600円は、エコカー減税の対象車であるプリウスにはかかりません。これはプリウスの維持費を抑える大きなポイントです。さらに、法定費用に加えて発生する「車検基本料」「整備費・部品交換代」「サービス料」は、ディーラーに依頼するか、整備工場に依頼するかによって金額が変わってきます。

一般的に、ディーラーに依頼した場合の初回車検代はだいたい12万円前後です。新車を購入した場合、最初の車検の時期は3年後にやってきます。3年間で12万円がかかると想定して、1年換算では4万円と算出しました。この車検代の項目も、プリウスの維持費を計算する上で重要な要素です。

●重量税
自動車重量税 車検の有効期間(3年)
エコカー外 エコカー
車両重量/税率 減税無し 本則税率 25%減税 50%減税
~500kg以下 12,300円 7,500円 5,600円 3,700円
~1,000kg以下 24,600円 15,000円 11,200円 7,500円
~1,500kg以下 36,900円 22,500円 16,800円 11,200円
~2,000kg以下 49,200円 30,000円 22,500円 15,000円
~2,500kg以下 61,500円 37,500円 28,100円 18,700円
~3,000kg以下 73,800円 45,000円 33,700円 22,500円
自動車重量税 車検の有効期間(2年)
エコカー外 エコカー
車両重量/税率 減税無し 本則税率 25%減税 50%減税
~500kg以下 8,200円 5,000円 3,700円 2,500円
~1,000kg以下 16,400円 10,000円 7,500円 5,000円
~1,500kg以下 24,600円 15,000円 11,200円 7,500円
~2,000kg以下 32,800円 20,000円 15,000円 10,000円
~2,500kg以下 41,000円 25,000円 18,700円 12,500円
~3,000kg以下 49,200円 30,000円 22,500円 15,000円

※車を登録してから、13年、18年が経過すると、重量税が加算されます。
※エコカー減免制度が適用される車であれば、税額が免除、及び一定割合減免されます。

●自賠責保険料(離島・沖縄を除く)
2017年4月1日以降、2020年3月31日以前の自賠責保険料
車種普通自動車 保険期間
37ヵ月 36ヵ月 25ヵ月 24ヵ月 13ヵ月 12ヵ月 1ヵ月
36,780円 35,950円 26,680円 25,830円 16,380円 15,520円 5,870円
2023年4月1日以降の自賠責保険料
車種普通自動車 保険期間
37ヵ月 36ヵ月 25ヵ月 24ヵ月 13ヵ月 12ヵ月 1ヵ月
24,190円 23,690円 18,160円 17,650円 12,010円 11,500円 5,740円

※新車を購入した場合は、自賠責保険は37ヶ月加入となります。

任意保険料135,000円の内訳 車両保険付きの価格で算出

車を守る梱包材

万が一の事故に備えるには、自賠責保険だけでは補償が不十分です。任意保険に加入すると、事故時に適用されるケースが広がるとともに、車にトラブルが起きた時には無料でロードサービスを受ける事ができます。この任意保険料もプリウスの年間維持費の重要な要素です。

年齢は26歳以上でゴールド免許、等級は8の運転歴を想定、車両保険をつけ・対人賠償及び対物賠償を無制限で見積もったところ、1年間にかかる任意保険料は135,000円となりました。任意保険の相場は、運転者の年齢や等級、補償内容によって大きく変わりますので、ご自身の条件に合わせて保険会社に見積もりを取ることをおすすめします。

諸経費41,660円の内訳 バッテリー交換やタイヤ交換代などを算出

タイヤ

プリウスと言えば、すぐにハイブリッドシステムというワードが思い浮かびます。ハイブリッドシステムを維持するための主要な部品は、駆動用バッテリーです。このプリウスのハイブリッドバッテリーは、通常のガソリン車にはない部品であり、プリウスの維持費を考える上で考慮に入れる必要があります。

駆動用バッテリーに寿命がきた時の交換費用は、高額で15万円ほどします。バッテリーの寿命にはばらつきがあり、運転状況などが影響を与えますが、仮に6年で寿命がきたとすると1年換算では25,000円の出費となります。また、車のパーツでは、地面と接するタイヤも消耗しやすく、平均すると3年が交換のタイミングです。プリウスのタイヤ交換の相場は、ディーラーに依頼すると5万円ほどです。これを1年換算では16,660円として計算に含めました。これらの諸経費も、プリウスの維持費に含まれる変動費として把握しておきましょう。

プリウスは自動車業界に革命を起こした環境にも優しいハイブリッドカー

公道を走る新型プリウス

プリウスは、世界初の量産型ハイブリッド車として1997年に初代モデルが発売されました。現行モデルの4代目プリウスは、トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー(TNGA)によって開発された初めての車です。新型プリウスPHVが2017年に登場するなど、プリウスの話題が尽きない同車の魅力は、人と環境に最大限の配慮をしていることです。その優れた燃費性能と低い税負担は、プリウスの維持費が安いという評価に直結しています。プリウスの評判が良い理由の一つは、この経済性にもあるでしょう。

現在ラインナップされているのは、特別仕様車「S Safety Plus」「Aプレミアム ツーリングセレクション」「Aプレミアム」「A ツーリングセレクション」「A」「S ツーリングセレクション」「S」「E」です。プリウスのグレードの違いも、購入時に検討する重要なポイントです。

プリウスの維持費を自分でも計算してみよう!

プリウスと維持費

プリウスは、新車市場だけではなく中古車市場においても人気の高い車です。中古車の購入を考えている方は、ご自身のケースに当てはめて年間維持費を計算してみる事をお勧めします。特に中古のプリウスの維持費は、新車とは異なる要素(例:バッテリーの残存寿命や保証期間)を考慮する必要があります。

ローンの金額に年間維持費も含めて考えることで、「新車と中古車、どちらのプリウスを購入した方がお得なのか」について、より正確な判断材料を得る事が可能となります。プリウスの維持費の目安を知ることは、賢いカーライフを送るための第一歩です。