日本でも大人気のミニが史上初のPHEVを投入
BMWのブランドのMINIが、2017年3月のクロスオーバーモデルのフルモデルチェンジのタイミングと同時に、MINIとしては最初のPHEVタイプの「MINIクーパーSEクロスオーバー ALL4」を追加設定しました。
BMWのブランドであるミニは今迄ガソリンモデルとディーゼルモデル(車名の後ろにDがつくものがディーゼルモデル)が用意されていました。どちらも輸入車の中では燃費がよく、低燃費志向の強い日本ではフォルクスワーゲンを抜き最多の販売台数となっています。
今回新たにラインナップされたPHEVモデルのクーパーSEの性能はいったいどのような感じか。「MINIクーパーSEクロスオーバー ALL4」のエクステリアやインテリアの特徴、注目のPHEVの走行性能を紹介。
クーパーSEのエクステリアは「イエローバッジ」が特徴
PHEVとなったクーパーSEは、ミニのクロスオーバーの追加モデルとなっています。そのためエクステリアはミニ クロスオーバーと同じとなっています。
ボディサイズはEVモーターを積んだ分だけ重くなり、トランク容量も少なくなっています。
今回発売されたクーパーSEのエクステリアの特徴は各所へ配置された「イエローバッジ」です。一目でミニのPHEV車とわかる黄色く特徴的なバッジは電気を表す「E」と充電するための「プラグ」をモチーフにされています。
このイエローバッジは充電するサイドに配置され、フロントには黄色で「S」のマーク、リアにはバッジとSのマークが配置されています。
ボディカラーは全7色がランナップ
クーパーSEでは全部で7色のボディカラーがラインナップされています。
ルーフ・ミラー・キャップカラーには選択したボディカラーとホワイトとブラックの3色が組み合わせられます。
このように豊富なカラーの中からお気に入りの組み合わせをカスタマイズできるのもミニの特徴です。
- チリ・レッド・ソリッド
- ライト・ホワイト・ソリッド
- ラピス・ラグジュアリー・ブルー・ソリッド(116,000円高)
- チェスナット・ブラウン・ソリッド
- ミッドナイト・ブラック・メタリック(76,000円高)
- メルティング・シルバー・メタリック(76,000円高)
- アイランド・ブルー・メタリック(76,000円高)
クーパーSEはワイドカラーディスプレイを標準装備
車内中央に配置された8.8インチのワイドカラーディスプレイは気分に合わせてブルー、イエロー、オレンジ、ピンクなど好きなカラーを選ぶことができます。
エアコンの温度を上げるとレッドに、下げるとブルーになるなどの遊び心も満載の仕様となっています。
ミニのSグレード以上で標準装備されるワイドカラーディスプレイですが、PHEVのミニSEには標準装備されています。
- ブルーに変化したディーゼルモデルのタッチモニター
- イエローに変化したPHEVモデルのタッチモニター
ガソリンでも走れるのがPHEVの魅力
ミニ史上初登場となったPHEVモデルとなったクーパーSEですが、完全なEV車(電気のみで走る車)ではないため充電切れで走行不能となる心配はありません。
電気で充電ができる機能を持つHV(ハイブリッド車)という位置付けなので、三菱のアウトランダーPHEVやトヨタのプリウスPHVと同様に走行中にも回生ブレーキなどで充電しながらEV走行も可能です。
ミニのフル充電には家庭用電源の200Vで3時間かかります。
自宅に充電設備がない場合はトヨタや日産のディーラー、ホテルや旅館、道の駅やコンビニなど全国21,685か所以上ある充電スタンドを利用できます。
ミニPHEVのデメリットとして、急速充電のCHAdeMOには対応していないため電気のみで遠乗りしようとすると、一度に移動できる距離が限られてしまうことです。
しかし仮に電気がなくなったとしても、ガソリンで充電しながら走行できるため安心です。
フル充電での走行距離42.4kmを活かす3つの走行モード
PHEVのミニクーパーSEのフル充電で走れる最大走行距離は42.4kmとなっています。この最大走行距離を活かすために搭載されているのが、最高時速によりガソリン走行とEV走行を使い分ける2つのモードとEV走行するための電力を貯めるモードの「3つの走行モード」です。
AUTO eDriveモード
エンジンを始動した時最初に設定されているのがAUTO eDriveモードです。
約時速70kmまでの走行時にガソリンを使わずモーターのみでEV走行をします。時速70km以上に加速する場合や負荷のかかる道を走る時に最大トルク250Nm以上が必要な場合は、自動的にエンジンがかかりガソリン走行に移行します。発進・停止が多い街乗りや渋滞時などに最適なモードで最適なEV走行を提供してくれます。
MAX eDriveモード
郊外や高速道路の走行など高速巡航する時に便利なのが、EV走行を最大限に活用するMAX eDriveモードです。
最高速度120kmまでモーターのみでEV走行し、PHEVクーパーSEの最大距離42.4kmの最高効率を叩き出します。120km以上に加速する場合は自動でAUTO eDriveモードに切り替わり、ガソリン走行へ移行します。
Save Batteryモード
充電がない、またはなくなりそうな場合に回生ブレーキを強化しガソリンエンジンの走行で電量を90%まで充電するのがSave Batteryモードです。Save Batteryモードの場合はガソリンのみで走行します。
ミニPHEVクーパーSEはエコカー減税の対象となり1年間は充電無料
新しくクーパーSEを購入した場合、エコカー減税の対象となります。
エコカー減税で183,000円お得に購入
- 自動車所得税119,000円が0円
- 重量税30,000円が0円
- 翌年の自動車税34,500円が0円
エコカー減税非対象車を購入した場合183,500円かかる税金が0円となります。
200,000円の補助金が支給
またCEV補助金と呼ばれる、クリーンエネルギー仕様車の優遇処置として200,000円の補助金が国か支給されます。クーパーSEの車両価格は4,790,000円なので、補助金を引いた4,590,000円で購入できます。
12ヶ月間の充電が無料に
そしてもう1つの魅力が12ヶ月間の充電費が無料になるプログラムが用意されていることです。BMWとMINIが提供する「ChargeNow」は提携する公共充電スタンドをお得に利用するためのサービスです。
急速充電ができないクーパーSEの場合は月額2,500円の定額料金で利用できますが、購入後12ヶ月以内にサービスへ登録することで、登録した日から12ヶ月間無料で利用することができます。これにより、提携公共充電スタンドを利用する限り電気代は0円となります。
スマートフォンのアプリでも登録ができるのでカード忘れなどの心配もありません。
夜間に家庭で充電する場合1回の満充電で約120円、満充電で42.4km走るとなれば、年間走行距離10,000km走る方は1年間で約250回充電することになります。
「ChargeNow」を新たに利用すると1年間にかかる電気代の30,000円が無料となります。
クーパーSEクロスオーバーとクーパーSDクロスオーバーを比較
ミニのクロスーバーとして新しく投入されたPHEVモデルのクーパーSEですが、それまであったディーゼルモデルのクーパーSDとボディサイズなどは一緒となっていて、違いはパワートレインにかかわる部分のみとなっています。各サイズや価格などを諸元から比較します。
クーパーSE ALL4 | クーパーSD ALL4 | |
---|---|---|
全長 | 4,315mm | 4,315mm |
全幅 | 1,820mm | 1,820mm |
全高 | 1,595mm | 1,595mm |
ホイールベース | 2,670mm | 2,670mm |
最小回転半径 | 5.4m | 5.4m |
最低地上高 | 165mm | 165mm |
トランク容量 | 405L | 450L |
車両重量 | 1,770kg | 1,630kg |
ホイールサイズ | 18インチ | 18インチ |
総排気量 | 1,498cc | 1,995cc |
最高出力 | 136PS | 190PS |
最大トルク | 220Nm | 400Nm |
使用燃料 | ハイオク | ディーゼル |
JC08モード燃費 | 17.3km/L | 20.8km/L |
充電走行距離 | 42.4km | – |
燃料タンク容量 | 36L | 61L |
駆動方式 | 4WD | 4WD |
0~100km/h加速 | 6.8秒 | 7.4秒 |
乗車定員 | 5人 | 5人 |
ミニのPHEVクーパーSEは充電設備が整っていれば買いの車
ミニ史上初のPHEV車として大きな話題を集めたクーパーSEですが、実用面ではまだまだこれからとなっています。その理由の一つとして充電環境があります。
日本の住宅事情は賃貸住まいが多いため、家庭内に充電設備を持つことは容易ではありません。さらに充電スタンドも普及が進んでいるとはいえ、地方にお住まいの方はスタンドまでの距離が遠いケースも考えられます。
充電せずHV車として使う場合は、ディーゼル仕様車のSDモデルのほうが低燃費なのも悩みどころです。
しかし充電設備さえ整っていればガソリンを全く使用せず維持できるため、環境にもお財布にも優しい車となります。また車両価格もSDモデルと比較すると140,000円安くなり、補助金を合わせると340,000円も安くミニを購入できます。
使用条件と使用環境が整っていれば、ミニのPHEVであるクーパーSEは「買い」の車となります。