パンクの応急処置・修理

タイヤのパンク修理キットの使い方|プラグ挿入タイプで自分で修理する9ステップ手順

液状タイプとプラグ挿入タイプのパンク修理キットの違いを踏まえながら、自分でできるタイヤ修理の手順・注意点をわかりやすく解説。スペアタイヤ非搭載車オーナーにも役立つ内容です。

タイヤのパンク修理キットの使い方|プラグ挿入タイプで自分で修理する9ステップ手順

タイヤのパンク修理キットに初挑戦~初心者でも安心して使える手順とコツを解説

これまで車の不具合はすべてプロに依頼してきましたが、今回はタイヤのパンク修理に初めてチャレンジしました。使用したのはプラグ挿入タイプのパンク修理キットです。チューブレスタイヤに刺さったネジや釘(穴径5mm以下)を、専用工具で自分で修理できます。

プラグ挿入タイプのパンク修理キット ユーザーの声

  • 平坦な場所に車を停めて作業ができます。
  • 初めてでも説明書を見ながら簡単に作業できました。
  • 図解入りの手順書で分かりやすく、安心して作業できました。
  • 軽量なので車に常備しておけます。
  • 修理後3週間たちますがエア漏れもなく、コストパフォーマンスが高いです。
  • ニードル&ガイドがグリップ内に収納でき、安全かつコンパクトに保管できます。
  • 修理後に10,000km走行しましたが全く問題ありませんでした。
  • 一度経験しておけば、次回は10分もかからず作業できそうです。
  • 補修跡が液状タイプのパンク修理剤のようにボコボコせず、仕上がりもきれいです。

以下では実際の施工レポートを写真付きで解説します。

パンク修理キットに入っているアイテムを確認

パンク修理キットパンク修理キットは車だけでなくバイクユーザーにも人気

作業を始める前に、パンク修理キットに同梱されているアイテムを確認します。

本体のグリップ本体のグリップは握りやすいT字型で作業しやすい

ラバーセメント(加硫接着剤)の主成分ラバーセメント(加硫接着剤)は揮発性の高い有機溶剤を含みます

黒い収納袋には、握りやすいT字型グリップを備えた本体、潤滑剤兼接着剤として使うラバーセメント(加硫接着剤)、取扱説明書が入っています。

※ラバーセメントには引火性が高く、人体に有害な影響を与えるおそれがある有機溶剤が含まれています。作業は必ず屋外の風通しの良い場所で行ってください。

本体にはラバーセメント以外の付属品を収納できるスペースがある本体にはラバーセメント以外の付属品を収納できるスペースがある

本体グリップ内に収納されているもの

本体グリップ内には、両端が緑色または黒色のプラグ(シール剤)が2本、先端が鋭利なキリ棒(リーマー)、先端が平らな押し棒(インサーター)、金色のガイドパイプが収納されています。修理後はすべてグリップ内に戻してキャップを閉め、ラバーセメントと一緒に収納袋に入れておけば次回もすぐに使えます。

パンク修理キットの使い方|9ステップで行う施工手順とコツ

不要タイヤ不要なタイヤにネジを差し込みパンク状態を再現

パンク修理を事前に練習事前に練習しておけば本番でも落ち着いて作業できる

今回は不要になったタイヤにネジを差し込んでパンク状態を再現し、施工の練習を兼ねて修理を行いました。事前に一度経験しておくと、実際のパンク時に焦らず短時間で対応できます。

取扱説明書取扱説明書は図解入りで分かりやすい

取扱説明書は図解入りで分かりやすく、説明書を見ながら進めれば初心者でも施工できます。

パンク修理キットの作業手順9ステップ

  1. タイヤに刺さっているネジやクギを抜き、刺さっていた方向を確認する
  2. 本体にキリ棒とガイドパイプをセットし、ラバーセメントを塗布する
  3. 切り替えスイッチを下にして、体重をかけながら右回しでガイドパイプを根元までゆっくりねじ込む
  4. 切り替えスイッチを中央に移動させ、グリップを左に回して本体を外す
  5. プラグに巻かれているテープをはがし、ラバーセメントを塗布する
  6. プラグの緑色側を下に向けて、ガイドパイプ内に挿入する
  7. キリ棒を抜き、押し棒を取り付けて、本体を右に回してガイドパイプにセットする
  8. 切り替えスイッチを下段にして、素早く右に回しながらガイドパイプと本体を引き抜く。ラバーセメントが乾くまで20~30分待ち、タイヤにエアーを入れる
  9. エア漏れがないことを確認し、タイヤからはみ出たプラグをハサミなどで切り取る

1. タイヤに刺さっているネジをニッパーで抜き、穴の方向を確認

パンク状態とする

まず差し込んでおいたネジをニッパーで抜き取り、刺さっていた方向を確認します。ネジを抜く際には多少のエア漏れが発生します。

タイヤに形成された穴の状態

タイヤにできた穴を確認したところ、深く差し込んでいたため思いのほか大きく広がっていました。なお、以下のいずれかに該当する場合は修理できません。事前に必ず確認しましょう。

パンク修理キットで対応できないケース

  • タイヤの内側が破損している場合
  • クギが曲がって刺さっている場合
  • 穴の直径が5mmを超える場合
  • サイドウォール(タイヤ側面)に穴が開いている場合

2. 本体にキリ棒とガイドパイプをセットし、ラバーセメントを塗布

本体にキリ棒を装着

本体にキリ棒を取り付けます。キリ棒の先端は鋭利で危険なため、取り扱いには十分注意してください。

タイヤパンク修理

ガイドパイプ

光沢のある金色のガイドパイプを、本体に取り付けたキリ棒に差し込みます。

パンク修理中の男性

ラバーセメントのキャップでチューブの先端に穴を開け、使える状態にします。

ラバーセメントを塗布

ラバーセメントをキリ棒とガイドパイプに塗布します。有機溶剤特有の匂いがありますが、屋外の風通しの良い場所で作業すればほとんど気になりません。ラバーセメントはたっぷり塗布するほど密着性が高まるため、ケチらずに使うのがコツです。

3. 切り替えスイッチを下段にして、体重をかけながら右に回してガイドパイプを根元まで差し込む

切り替えスイッチを下段へ移動切り替えスイッチは軽く押すとスムーズに目的の位置まで移動できます

ラバーセメントを塗布後、切り替えスイッチを下段に移動させます。

位置や角度に注意タイヤ内側を傷つけないためには、キリ棒を挿入する位置や角度に注意が必要です

タイヤの穴にガイドパイプを差し込みます。タイヤ内側を傷つけないよう、キリ棒の位置と角度に細心の注意を払うことが重要です。

体重をかけながらガイドパイプを差し込む

体重をかけながら差し込むのがコツです。座ったままの楽な姿勢では根元までねじ込めません。立った状態で上から体重をかけるイメージで作業しましょう。

左右にふらつかせない

「左右にふらつかせるとタイヤの内面を傷つけ、エア漏れの原因になる」と記載されています。まっすぐ差し込むことを意識しながら作業し、約3分でガイドパイプを根元まで差し込むことができました。

4. 切り替えスイッチを中段にして、グリップを左に回して本体を取り外す

スイッチを中段に戻す

下段にしていた切り替えスイッチを中段に戻します。

本体とキリ棒を取り外す

本体とキリ棒を取り外すコツ

グリップを左に回すと本体とキリ棒がスムーズに取り外せます。

5. プラグに巻いてあるテープを剥がしてラバーセメントを塗布

プラグに巻いてあるテープを剥がす

黒色と緑色のつまみ部を持つ黒色と緑色のつまみ部を持つとテープを剥がしやすくなります

プラグはゴム素材で柔らかく、テープの粘着力も強いため、黒色・緑色のつまみ部を持つとテープが剥がしやすくなります。

指が触れないように気を付ける

「茶色部分に手が触れると加硫効果が弱まり、エア漏れの原因となる」とされています。プラグの茶色い部分には直接触れないよう気をつけながら作業しましょう。

加硫とは?

未加硫ゴムに硫黄を加えて熱を与えることで、弾力性・耐久性を備えたゴムへと変化させるプロセスです。パンク修理キットでは、走行中に発生する熱によって加硫反応が進み、プラグとタイヤが一体化して密封されます。

タイヤに出来た穴を塞ぐプラグタイヤにできた穴を塞ぐプラグは個別注文も可能です

テープを剥がしたら、プラグにもラバーセメントをたっぷりと塗布します。ラバーセメントは潤滑剤の役割も果たすため、十分な量を塗っておくことが重要です。

6. プラグの緑色側を下に向けてガイドパイプへ差し込む

ラバーセメントが乾燥する前に素早く差し込むのがコツラバーセメントが乾燥する前に素早く差し込むのがコツです

プラグの太い先端(緑色側)を下に向け、ガイドパイプに差し込みます。ラバーセメントは乾く前に素早く作業を進めるのがポイントです。

プラグにラバーセメントをたっぷりと塗布

十分なラバーセメントが塗布されていれば、黒色側の端を軽く押すだけでスムーズにガイドパイプ内へ差し込めます。

7. キリ棒を抜き、押し棒を本体に取り付けてガイドパイプにセット

キリ棒を抜く

押し棒をセットする

先端が鋭利なキリ棒を慎重に取り外し、押し棒と交換します。

押し棒

ガイドパイプと本体を連結

押し棒を取り付けた本体を右に回してガイドパイプと連結させます。

8. 切り替えスイッチを下段に移動し、素早く右に回してガイドパイプと本体を引き抜く。20~30分待ってからエアーを入れる

切り替えスイッチを下段の位置へ

切り替えスイッチを下段に移動します。

本体のグリップを素早く右に回して抜き取る

ガイドパイプを抜き取る工程は差し込み時と同様に力が必要で、空気が抜けて傾きやすいタイヤを支えながら作業するのは一人では難しく感じました。

土台を安定

別の人にタイヤを押さえてもらい、土台を安定させてから再挑戦したところ、少しずつ本体とガイドパイプが外れました。一人で作業する場合は、タイヤをブロックなどで固定して安定させてから行うと作業しやすくなります。

プラグが10mm~15mm程度はみ出ていても問題ない修理箇所によってはプラグが10mm~15mm程度はみ出ても問題ありません

取り外し成功後、プラグが大きく飛び出ていることが気になりましたが、「修理箇所によってはプラグが10mm~15mm程度はみ出た状態になりますが問題ない」とのことです。

タイヤへのエアー入れは20分~30分経過後

エアーを入れるのはラバーセメントが乾くまで20~30分待ってからです。待ち時間の間に本体の片付けを済ませておくと効率的です。暑い日の作業は日陰で行い、こまめに休憩も取りましょう。

片づけを済ませる

メルテック ML‐270 エアーコンプレッサー

タイヤへのエアー注入には、LEDライト付きのエアーコンプレッサーを使用しました。電源コードを車載ソケットに差し込み、タイヤの空気口とエアホースを連結して適正空気圧に設定後、エアーを注入します。

腰掛けると作業を行いやすいステップ台などに腰掛けて作業すると安定します

9. エアー漏れを確認してから、タイヤからはみ出ているプラグをハサミで切る

プラグをハサミで切る

プラグの周囲に石鹸水を塗布してエアー漏れがないことを確認してから、タイヤからはみ出ているプラグをハサミで切り取ります。

タイヤの穴をプラグが埋めている事を確認

切り取った後、プラグがしっかりとタイヤの穴を塞いでいることが確認できます。プラグの中心部はゴム素材で、外側の茶色い部分は走行中の熱によって加硫反応を促進させる成分で構成されています。走行を重ねるごとにプラグとタイヤが一体化し、長期的な密封性が高まります。

タイヤを車から取り外す作業は省略していますが、施工に要した時間はトータルで約45分(エアー注入までの待ち時間含む)でした。

初めてパンク修理キットを使った感想と注意点

  • 事前に練習しておけば、緊急時に落ち着いて対応できます。
  • ガイドパイプの挿入・引き抜きは力がいるため、一人での作業は難しい工程があります。
  • 作業中は手が汚れるため、軍手や手袋を用意しておきましょう。
  • コツをつかめば次回はより短時間で作業できます。
  • 修理キットを車内に常備しておくと万一の時に安心です。
  • 扁平タイヤ(タイヤが薄いタイプ)は修理難易度が高くなります。

タイヤのパンク修理は緊急時に備えて事前に練習しておこう

近年はスペアタイヤを積載しない車両が主流となっています。応急用として液状タイプのパンク修理キットが搭載された車両もありますが、このタイプはタイヤ内部やホイールにダメージを与える可能性があるため、使用を避けたいという声が少なくありません。そこで今回紹介したようなプラグ挿入タイプの修理キットを使って自分で修理するドライバーが増えています。

定期的な空気圧管理でパンクリスクを下げることはできますが、道路に落ちたネジや釘は事前に避けるのが難しいのが実情です。万が一のパンクに備え、不要タイヤなどで事前練習しておくことで、緊急時でも冷静にスムーズな修理が可能になります。

プラグ挿入タイプの修理キットは軽量でコンパクトなため、グローブボックスやトランクへの常備にも適しています。購入前に対応穴径(5mm以下)を確認し、スペアタイヤを積まない車のオーナーはぜひ一つ用意しておくことをおすすめします。