テンパータイヤとは?スペアタイヤとの違いや使い方・オプション設定まで解説
テンパータイヤとは、パンク時に修理工場まで自走するための応急用タイヤのことです。「スペアタイヤ」と混同されがちですが、この2つは別物です。テンパータイヤは細く軽く作られた専用の応急タイヤで、速度制限や走行距離の制限が設けられています。
また、近年の車種ではテンパータイヤを搭載せず、パンク修理キットを標準装備するモデルが主流になっています。このページでは、テンパータイヤとスペアタイヤの違い、パンク修理キットとの比較、装着時の注意点、寿命の目安、オプションでの購入可否まで詳しく解説します。
テンパータイヤとスペアタイヤの違い
左側のタイヤがテンパータイヤで少し径が小さく、タイヤ幅も狭い特徴がある
テンパータイヤ(テンポラリータイヤとも呼ばれる)は、普段履いているタイヤがパンクしたときに一時的に装着する応急用タイヤです。細く・軽く作られているためトランク床下に収納してもスペースを取らないメリットがありますが、トレッド幅が狭くグリップ力も低いため、あくまで整備工場まで自走するための「つなぎ」として使用するものです。
一方、スペアタイヤは普段履いているタイヤと同等品です。SUVやクロカン系車種が車体下や背面に装備しているのはこちらで、空気圧を適正に保っていれば通常走行と同様に使えます。
テンパータイヤとスペアタイヤの違い
- テンパータイヤ:細く軽い応急専用タイヤ。速度・走行距離の制限あり。トランク床下に格納されていることが多い
- スペアタイヤ:通常タイヤと同等品。SUVなどが車体下や背面に装備。制限なく走行可能
テンパータイヤには最高速度や走行可能距離の制限が車種ごとに設定されています。装着した際は必ず車両の取り扱い説明書を確認しましょう。一般的に最高速度は80km/h以下、走行距離は100km程度が目安とされています。
近年の車種はパンク修理キットが主流でテンパータイヤを搭載しないモデルが増えている
最近の車は燃費重視の傾向にあり重いテンパータイヤを装備せず、パンク修理キットを搭載している
ランドクルーザーやジムニーなどのクロカン系はスペアタイヤを車体下や背面に装備していますが、コンパクトカーや都市型クロスオーバーSUVでは、テンパータイヤを搭載せずパンク修理キットのみを装備するモデルが主流になっています。軽量化による燃費向上や制動距離の短縮が主な理由です。
パンク修理キットの特徴
- タイヤより軽く、燃費向上・積載スペースの節約になる
- トレッド面(接地面)の穴であれば修理できる
- サイドウォールの破れ・ホイールからのタイヤ外れなどは修理不可
- 修理後の走行距離はテンパータイヤ同様200km程度が目安
- 修理材で補修したタイヤはすぐに交換が必要(一時的な処置)
パンク修理キットは使い方を知らないと緊急時に慌ててしまいます。普段から取り扱い説明書を読んで操作手順を把握しておくことが重要です。また、サイドウォールが裂けるような大きなダメージには対応できないため、場所によっては修理キットが使えず、ロードサービスを呼ぶ必要が生じます。
テンパータイヤをオプションで購入できる車種はある?主要車種の設定状況
パンク修理キットを標準装備している車種でも、オプションでスペアタイヤ(応急タイヤ)を追加できる場合があります。以下は記事執筆時点での調査結果です。車種のモデルチェンジや販売状況により変更される場合があるため、最新情報はディーラーへ確認してください。
主要車種のスペアタイヤ(応急タイヤ)オプション設定状況(調査時点)
- C-HR(販売終了):スペアタイヤ(応急用 T145/90D16)がオプション設定されていた
- ヴェゼル:設定なし
- フィット:設定なし
- ノート:設定なし
- N-BOX:設定なし
- スペーシア:設定なし
- ヴォクシー:スペアタイヤ(応急用タイヤ)がオプション設定されていた
- セレナ:設定なし
オプション設定があったのはトヨタ車が中心でした。現行モデルでのオプション設定の有無や価格はモデルチェンジによって変わっているため、購入・注文時にディーラーで確認するのが確実です。スペアタイヤを備えておきたい方は、購入前にオプション設定の有無を必ず確認しましょう。
テンパータイヤを装着する位置は非駆動輪側が原則
テンパータイヤを装着する際は、非駆動輪側に取り付けるのが原則です。たとえば前輪駆動(FF)車の前輪がパンクした場合、後輪タイヤをパンクした前輪に移し、空いた後輪にテンパータイヤを装着します。これにより操舵性の低下を最小限に抑えられます。
ただし、車種や道路状況によって適切な装着位置は異なるため、取り扱い説明書の指示を優先してください。特にLSD(リミテッド・スリップ・デフ)搭載車では、駆動輪にテンパータイヤを装着するとデフが破損する恐れがあるため、注意が必要です。
テンパータイヤの寿命と交換時期の目安
走行距離は100kmが目安、速度は80km/h以下で走行する
テンパータイヤは応急用のため、長距離走行には適していません。一般的な目安は走行距離100km以内・速度80km/h以下ですが、車種によって異なるため必ず取り扱い説明書を確認してください。
100km走れれば、自宅やディーラー・カー用品店・ガソリンスタンドなどでタイヤ交換できるはずです。テンパータイヤは通常タイヤと比べて外径が小さくトレッド幅も狭いため、ハンドルが取られやすく操舵性も低下しています。急加速・急ブレーキ・急ハンドルは避け、できるだけ早く正規タイヤへ交換しましょう。
未使用のテンパータイヤにも寿命がある 製造から10年が交換の目安
一度も使ったことのないテンパータイヤでも、経年劣化は進みます。タイヤメーカーは製造から10年を経過したタイヤは未使用でも使用しないよう推奨しており、テンパータイヤも同様に扱うべきです。
トランク床下に格納されているタイヤは紫外線の影響を受けにくく劣化は比較的遅いですが、車体背面に固定しているスペアタイヤは紫外線・熱・雨の影響を直接受けるため劣化が早い傾向があります。いざというときに使えない事態を防ぐため、定期的に空気圧チェックとひび割れの目視確認を行いましょう。
テンパータイヤの日常点検ポイント
- 空気圧が適正に保たれているか(長期保管で徐々に低下する)
- タイヤのひび割れや変形がないか
- 製造年の刻印(DOTコード)を確認し、製造から10年を超えていないか
テンパータイヤは応急用タイヤ 走行後はすぐに正規タイヤへ交換しよう
長期間保管されているテンパータイヤは空気圧が減っていることも多いのでメンテナンスを忘れずに
テンパータイヤは通常タイヤより細く、グリップ力・走行安定性ともに劣るため、速度制限と走行距離制限が設けられています。4本のタイヤが異なるサイズになる状態で走るためバランスも悪く、無理な運転は車体を不安定にさせます。装着したらできるだけ早く修理工場やカー用品店で正規タイヤに交換することが鉄則です。
近年の車種ではパンク修理キットのみを搭載しスペアタイヤを省略するモデルが増えていますが、パンク修理キットはサイドウォールの損傷には対応できないという限界があります。どんなパンクにも対応できるスペアタイヤの安心感は捨てがたく、オプション設定のある車種ではあらかじめ追加しておくことも選択肢の一つです。
所有する車にテンパータイヤやスペアタイヤが搭載されている場合は、定期的に空気圧チェックと劣化確認を行い、製造から10年を超えていないかも確かめておきましょう。緊急時に備えた日頃のメンテナンスが、いざというときの安全につながります。


























