ジムニーの型式を1型から10型まで紹介!変わっていないようで実は変化していた3代目ジムニーの中身
JB23型と呼ばれるジムニーは1998年10月の登場から2018年2月の生産終了まで、実に20年近くも現役で活躍してきた車です。その中でもジムニーは大なり小なりのマイナーチェンジを繰り返し少しずつ進化してきました。
そこで、初期型の1型から最新型の10型まで行われてきたマイナーチェンジ内容を紹介していきます。初期型の1型ではパワーウィンドウを装備していない、エアバッグやABSはセットオプションなど、簡素化された装備が話題を呼びました。
エンジンも継続採用されたK6Aを搭載し、最終型まで採用されたロングライフなエンジンで、マイナーチェンジを重ねるごとに成熟されていった素晴らしいエンジンです。ジムニーの型番ごとに変更された内容などを確認してみましょう。
1型のジムニーは1998年10月から1999年10月のモデルで幌車がなくなり全てクローズドボディの5ナンバー車となった
カクカクとしたボディが特徴的だった2代目ジムニーから変わり丸みを帯びたボディに変わった初期型JB23ジムニーは、2代目などで設定のあった幌ボディがなくなりすべてクローズドボディのワゴンになりました。グレード体系は「XA」「XL」「XC」の3種類あり、標準グレードのXAはパワーウィンドウなし・エアバッグとABSはセットオプション設定などで100万円を切る価格帯であり、カスタマイズにピッタリなグレードでした。
最終型のジムニーとは違いトランスファーレバーが運転席と助手席の間にあったのも特徴で、レバー仕様は4型まで継続されていました。1999年6月には山本寛斎がデザインした特別仕様車である「KANSAI」が発売されています。
ボタンではなくレバー式のトランスファーレバー
5MT | 4AT | |
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XA | 998,000円 | 1,096,000円 |
XL | 1,198,000円 | 1,296,000円 |
XC | 1,318,000円 | 1,416,000円 |
KANSAI | 1,468,000円 | 1,566,000円 |
2型のジムニーは1999年10月から2000年4月までのモデルで安全装備であるフロントエアバッグとABSが標準装備された
初期型の1型が発売して1年後の1999年10月にマイナーチェンジが行われ、ジムニーは2型へと進化しました。1型のXAではセットオプション設定だった運転席・助手席エアバッグ・ABSが全車標準装備となり、シートベルトにもフォースリミッター機能が搭載されています。
快適装備のパワーウィンドウも全車標準装備され、標準グレードのXAでもハンドルでくるくる回すことなく窓をスイッチ1つで開けられるようになりましたが、最低価格が上昇して100万円以上になりました。
5MT | 4AT | |
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XA | 1,082,000円 | 1,180,000円 |
XL | 1,243,000円 | 1,341,000円 |
XC | 1,387,000円 | 1,485,000円 |
3型のジムニーは2000年4月から2002年1月までのモデルでKANSAIなどの特別仕様車や2WDモデルが発売されるなど挑戦的なモデルとなった
KANSAIのジムニー
2000年4月からは3型へとマイナーチェンジし、マニュアル車にはクラッチを踏んでいないとエンジンがかからない「クラッチスタートシステム」が搭載し、安全性が増しました。この3型では今後10年以上も続く特別仕様車が発売されたり、3型だけの設定になったJ2があるなどグレード体制の転換期でもあります。
2000年5月には「ワイルドウィンド」、11月には「FISフリースタイルワールドカップリミテッド」、2001年2月には幻のFR・2WDモデルである「J2」、5月には「ランドベンチャー」が発売されています。
5MT | 4AT | |
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XA | 1,082,000円 | 1,180,000円 |
XL | 1,243,000円 | 1,341,000円 |
XC | 1,387,000円 | 1,485,000円 |
ワイルドウィンド | 1,398,000円 | 1,496,000円 |
FIS フリースタイルワールドカップリミテッド | 1,425,000円 | 1,523,000円 |
J2 | 1,210,000円 | 1,308,000円 |
ランドベンチャー | 1,425,000円 | 1,523,000円 |
4型のジムニーは2002年1月から2004年10月までのモデルでグリルが横方向になりスタイリッシュさが増した
横にラインが入った4型ジムニーのフロントグリル
2002年1月にマイナーチェンジを行い4型となったジムニーは、エンジン周りの見直しを行ってインタークーラーの大型化やインテークマニホールドの形状が見直され、低速や中速のトルクが増え発進がしやすくなっています。
ほかには、グレード体系が見直されてXAが廃止になりXCとXLの2種類に、上級グレードにはヒーター付きの電動格納ドアミラーが搭載されるなど快適さがグンとアップしました。運転席にはパワーウィンドウの挟み込み防止機構が搭載され、キーレスエントリーはハザードで教えてくれます。
エクステリアでは、3型のJ2で採用されていたボンネットとグリルを分離したスタイルになり、グリルデザインは5スロットではなく横方向のメッシュとなりました。
5MT | 4AT | |
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XG | 1,260,000円 | 1,362,900円 |
XC | 1,472,100円 | 1,575,000円 |
FIS フリースタイル | 1,420,000円 | 1,518,000円 |
ワイルドウィンド | 1,400,000円 | 1,498,000円 |
ランドベンチャー | 1,491,000円 | 1,593,900円 |
5型のジムニーは2004年10月から2005年11月のモデルでトランスファがスイッチ式になりATシフトがゲート式になるなど大幅改良が行われた
2004年10月に2年9ヶ月ぶりにマイナーチェンジが行われたジムニーは5型となり、大幅な変更が加えられました。中でも1番の変更はトランスファをチェーンドライブ+ヘリカルギア式に変更したことで、ローギアードとなりました。トランスファの切り替えは4型までのレバーではなくボタン式になり、便利になりました。
5型ジムニーからトランスファーの切り替えをボタン式に変更
ほかにもフロントグリルが4本の細いシルバーラインから2本のブラックラインとなり、顔つきが変わっています。AT車でのシフトゲートがストレートではなくゲート式になり操作性がアップしどのシフトに入っているか直感で分かるようになっています。
5MT | 4AT | |
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XG | 1,260,000円 | 1,368,150円 |
XC | 1,472,100円 | 1,580,250円 |
ランドベンチャー | 1,524,600円 | 1,632,750円 |
6型のジムニーは2005年11月から2008年6月のモデルでマニュアルレベライザーの追加が行われた
6型ジムニーはブラックカラーが人気
5型の発売から1年後の2005年11月には6型へとマイナーチェンジが行われ、新車での販売にヘッドライトレベライザーの追加が義務付けられたため、6型ジムニーには4段階のマニュアルレベライザーが装備されることとなりました。
ほかにもドアミラー形状が変更されエブリイなどと同様になり、ワイルドウィンドに設定されていたボディカラーのブラックが大人気となりました。
5MT | 4AT | |
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XG | 1,260,000円 | 1,368,150円 |
XC | 1,472,100円 | 1,580,250円 |
ワイルドウィンド | 1,475,250円 | 1,583,400円 |
ランドベンチャー | 1,493,100円 | 1,601,250円 |
7型のジムニーは2008年6月から2010年9月のモデルでエンジン制御が進化し環境性能がアップした
6型の発売から約2年半後に発売されたモデルが7型のジムニーです。エンジン系統を見直し、エンジンヘッドの形状変更・ファンベルトカバーの追加・スパークプラグのロングリーチ化などが行われていて、ATコントローラーやトルクコンバーターも高効率化が図られました。
また、4型からはフロントのボディマウント形状が大きく、純正サイズ以外のタイヤを履くと干渉することがありましたが、この7型の一部から細いボディマウント形状になり干渉がしなくなりました。他にもトランスファ切り替えスイッチの使い勝手が良くなり、2WDから4WD-Lへ直接切り替えが出来るようになりました。
特別仕様車のワイルドウィンドには「トワイライトパープルパール」が追加されるなど、大人でシックなボディカラーのジムニーが登場しています。
5MT | 4AT | |
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XG | 1,260,000円 | 1,368,150円 |
XC | 1,472,100円 | 1,580,250円 |
ワイルドウィンド | 1,508,850円 | 1,617,000円 |
ランドベンチャー | 1,508,850円 | 1,617,000円 |
クロスアドベンチャー XA | 1,149,750円 | – |
クロスアドベンチャー XC | 1,524,600円 | 1,632,750円 |
8型のジムニーは2010年9月から2012年5月のモデルでフロントパイプに触媒が追加されるなど更に環境性能をアップ
2010年9月から発売された8型のジムニーは、エクステリアの変更がほとんどなくパッと見て7型と区別がつきません。変更点はインテリアにあり、灰皿照明の撤去やシート表皮の変更・標準装備のオーディオが変わっています。
左が8型以降のフロントパイプ、右が7型以前のフロントパイプ
他にはマフラー関係のフロントパイプに触媒が追加されて環境性能がアップしました。フロントパイプに触媒が装備されていないと車検に通らないので、アフターパーツのフロントパイプに交換することができなくなりました。
5MT | 4AT | |
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XG | 1,260,000円 | 1,368,150円 |
XC | 1,472,100円 | 1,580,250円 |
クロスアドベンチャー | 1,524,600円 | 1,632,750円 |
9型のジムニーは2012年5月から2014年8月のモデルでフロントデザインが大きく変わり歩行者への衝撃緩和が見直され安全性が増した
ボンネットが高くなった9型ジムニー
8型の発売から1年8ヶ月後に登場したのが、ジムニーの9型でボンネットフードに厚みが増して歩行者への衝撃緩和を図っています。8型までのジムニーと見比べると、グリルからボンネットの頂点までの高さに違いがあるのが分かります。ボンネットに開いている郵便ポストみたいなダクトも低くなりスタイリッシュになっています。
インテリアではリアシートにチャイルドシートの固定アンカーがISOFIX対応になり、安心して取りつけることができます。他には、ジムニーの発売と同時にマツダへOEM供給していた「AZ-オフロード」が2014年3月に終了となっています。
5MT | 4AT | |
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XG | 1,296,000円 | 1,407,240円 |
XC | 1,514,160円 | 1,625,400円 |
クロスアドベンチャー | 1,568,160円 | 1,679,400円 |
10型のジムニーは2014年8月から2018年2月までのモデルでメーターが3眼になりインフォメーションディスプレイも搭載され近代化
インテリアが強化された最終型ジムニー
エクステリアがグッと変わった9型の販売から2年3ヶ月後に発売した10型のジムニーは最終型でT型とも呼ばれています。販売期間はマイナーチェンジまでの期間の中でも最長の3年4ヶ月で、2018年7月には新型の4代目ジムニーへとバトンタッチしています。
特に変更があったのがインテリア周りで、メーターは3眼のクロムメッキリングを採用しデジタルインフォメーションディスプレイも追加されています。特別仕様車のランドベンチャーには、LEDリング付きフロントフォグランプや、LEDシグナル付きのドアミラーが装備され近代的な装備が充実しています。
5MT | 4AT | |
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XG | 1,296,000円 | 1,407,240円 |
XC | 1,514,160円 | 1,625,400円 |
ランドベンチャー | 1,580,040円 | 1,691,280円 |
ジムニーは絶えず進化し続けてきた軽自動車枠で最強のオフロード車である
JB23型の3代目ジムニーは1998年から2018年まで実に20年間販売していた軽自動車で、2018年7月には4代目のジムニーへバトンタッチします。最終型となった10型のジムニーでは、3眼アナログメーターを採用しデジタルインフォメーションも表示できる、LEDを使ったフォグランプやサイドミラーを採用するなど近代的な装備が充実しています。
3代目のジムニーは2018年2月の時点で生産終了となっているので新車では購入できませんが、人気のある車種なので中古車や新古車の球数はたくさんあります!ぜひ、市場から自分好みのジムニーを探して楽しいカーライフを過ごしてください。