PHEVとは何か~HV・EVとの違いや特徴をわかりやすく解説
ガソリン車やディーゼル車からの乗り替えを検討する際、有力な選択肢の一つが「PHEV(プラグインハイブリッド車)」です。外部電源から充電して電気だけで走ることも、いつものガソリンエンジンで走ることもできる、EVとハイブリッド車の”いいとこどり”ともいえる存在です。
本記事では、PHEVの仕組みと特徴、HV・EVとの比較、メリット・デメリット、購入前に確認すべきチェックポイント、そして国産・外国産のおすすめ車種を詳しく紹介します。
PHEVとは?HV(ハイブリッド車)・EV(電気自動車)と何が違うのか
PHEV(Plug-in Hybrid Vehicle)は、ガソリンエンジンとモーターの両方を動力源とし、外部電源からバッテリーを充電してEV走行もできるハイブリッド車の一種です。バッテリー残量が少なくなればエンジンに切り替え、走行中の回生エネルギーでも発電することで低燃費を実現します。
| 動力源 | 外部電源からのバッテリー充電 | |
|---|---|---|
| PHEV | ・エンジン ・モーター |
〇 |
| HV | ・エンジン ・モーター |
× |
| EV | ・モーター | 〇 |
PHEVとHVの違い:プラグから直接充電できるかどうか
PHEVとHVは基本的な車体構造を共有していますが、PHEVはEV走行を可能にするために駆動用バッテリーの容量を大幅に拡大し、搭載モーターを高出力化している点が大きな違いです。
HVはエンジンを動かすことでモーターへ電力を供給する仕組みのため、ガソリンなしでは電気を得られません。PHEVはプラグを差し込むだけで外部電源から直接バッテリーへ充電できるため、ガソリンを一切使わずにEV走行が可能です。
下表は同じエンジンを搭載するプリウスZのPHEVモデルとHVモデルのスペック比較です。バッテリー容量の差(51.0Ah対4.08Ah)がEV走行距離に直結しています。
| モデル | PHEV | HV |
|---|---|---|
| 車体寸法 | 4,600mm×1,780mm×1,430mm | |
| ホイールベース | 2,750mm | |
| エンジン型式・種類 | M20A-FXS 直列4気筒 | |
| 総排気量 | 1.986L | |
| フロントモーター型式 | 1VM | 1VM |
| 最高出力 | 120kW | 83kW |
| 最大トルク | 208Nm | 206Nm |
| 動力用主電池 | リチウムイオン電池 | リチウムイオン電池 |
| 容量 | 51.0Ah | 4.08Ah |
| 車両重量 | 1,570kg | 1,420kg |
| 燃費(WLTCモード) | 26.0km/L | 28.6km/L |
| EV走行換算距離 | 87km | - |
PHEVとEVの違い:エンジンがあるので航続距離の不安がない
EVはバッテリーのみを動力源とするため環境性能が高く、エンジンがない分、車体設計の自由度も高いというメリットがあります。一方で大容量バッテリーを搭載するため充電時間が長くなりやすく、電気を使い切ると走行不能になるリスクがあります。
PHEVは電気走行距離だけで比較するとEVに及びませんが、燃料タンクにガソリンが残っていればエンジンを使って走り続けられます。ガソリン満タン+フル充電時の合算航続距離は、多くの車種で1,000km前後に達し、長距離ドライブでも充電切れを心配しなくて済む点が大きな強みです。
PHEVのメリット・デメリットをわかりやすく比較
PHEVには「燃料代の節約」「災害時の非常用電源」といったメリットがある一方、「車両価格が高い」「充電設備の導入コストがかかる」などのデメリットもあります。購入前に各項目をしっかり確認しておきましょう。
PHEVのメリット
普段の近距離移動はEV走行で燃料代を節約できる
通勤や買い物など毎日の走行距離が短い場合、バッテリーに充電した電気だけでEV走行を完結させることが可能です。電気代はガソリン代より割安なケースが多いため、日常走行をEVでこなすことで燃料コストを大幅に抑えられます。週末のロングドライブ時にはエンジンを使えばよいので、経済的なバランスが取りやすいのが特徴です。
大容量バッテリーを非常用電源・アウトドア電源として活用できる
PHEVは車載アクセサリーコンセントに家電を接続するだけで、電気ケトル・照明・スマートフォン充電などに利用できます。V2H(Vehicle to Home)対応機器を設置すれば、停電時に自宅へ電気を供給する非常用電源としても活躍します。HVにも家電給電できる車種はありますが、バッテリー容量が小さいためエンジンをかけ続ける必要があり、長時間の給電にはPHEVの方が利便性で上回ります。キャンプや車中泊でも活躍するのもPHEVならではの魅力です。
エンジンとモーターの両方があるため「電欠」「ガス欠」リスクが低い
ガソリン車はガス欠、EVは電欠で走行不能になりますが、PHEVはどちらか一方が残っていれば走り続けられます。バッテリーが切れてもガソリンで走れる安心感はEVにはないPHEV最大の強みのひとつです。
ガソリンスタンドと充電スポットの両方でエネルギー補給ができる
資源エネルギー庁の調査によると、ガソリンスタンドは2002年度に全国5万か所以上あったものが、2022年度末には約2万8千か所まで減少しています。PHEVであれば、減少が続くガソリンスタンドに加え、全国で整備が進む充電スポットでもエネルギー補給ができます。政府は2030年までに全国30万口の充電器設置を目標としており、充電インフラの拡充は今後も続く見通しです。
PHEVのデメリット
車両価格がHVやガソリン車より高い
PHEVは高出力モーターと大容量バッテリーを搭載するため、車両本体価格が高くなる傾向があります。例えばクラウンスポーツのPHEVモデル「SPORT RS」とHVモデル「SPORT Z」を比較すると、PHEVの方が約180万円高くなります。ただし、国のクリーンエネルギー自動車補助金や環境性能割、各自治体の助成金を活用すれば実質的な負担を抑えることも可能です。購入前に最新の補助金情報を確認することをおすすめします。
| グレード | SPORT RS(PHEV) | SPORT Z(HV) |
|---|---|---|
| エンジン型式・種類 | A25A-FXS 直列4気筒 | |
| フロントモーター型式 | 5NN | 3NM |
| 最高出力 | 134kW | 88kW |
| 最大トルク | 270Nm | 202Nm |
| リヤモーター | 4NM | |
| 動力用主電池 | リチウムイオン電池 | ニッケル水素電池 |
| 容量 | 51Ah | 5Ah |
| 車両重量 | 2,030kg | 1,810kg |
| 燃費(WLTCモード) | 20.3km/L | 21.3km/L |
自宅充電のために専用設備の導入コストがかかる
毎日EV走行を活かすには自宅での充電が効率的ですが、200V充電器の設置には数十万円程度のコストがかかります。普通充電ではフル充電まで数時間かかるため、夜間にセットして翌朝フル充電という使い方が基本になります。
長期間エンジンをかけないとガソリンが劣化する場合がある
日常の近距離移動をEV走行だけでこなしていると、燃料タンクのガソリンが長期間消費されず劣化し、タンク内部に錆びを生じさせるリスクがあります。これを防ぐため、多くのメーカーは一定期間ガソリンが消費されていないとシステムが自動的にエンジンを作動させてガソリンを消費するプログラムを組み込んでいます。月に1度はロングドライブでエンジンを動かすことが推奨されます。
PHEV購入前に確認すべき3つのチェックポイント
PHEVを選ぶ際は「充電速度」「EV走行距離」「バッテリー保証」の3点を必ず確認しましょう。
①充電時間が短いか、急速充電に対応しているか
充電時間が長い車種を選ぶと、外出先の充電スポットでの待機時間が長くなったり、朝出発時にフル充電が完了していないケースも起こりえます。急速充電対応であれば短時間で充電を終えられ、EV走行の利便性が大幅に向上します。購入前に充電規格と急速充電対応の有無を確認しておくことを強くおすすめします。
②自分のドライブパターンに合ったEV走行距離を実現しているか
PHEVの経済メリットを最大化するには、日常の走行距離をEVだけでカバーできることが重要です。例えば毎日の通勤往復が50kmなら、EV走行換算距離が50km以上の車種を選べば、平日はガソリンをほとんど使わずに済みます。自分のドライブルーティンを把握したうえで車種を選びましょう。
③駆動用バッテリーの保証期間とリセールバリューを確認する
PHEVのバッテリーは充放電を繰り返すことで経年劣化します。メーカーによって異なりますが、国産車では一般的に5年・10万km、または8年・16万kmの保証が設定されているケースが多いです。保証期間を過ぎてバッテリーが故障した場合、国産車でも数十万円、輸入車では100万円を超える修理費が発生するケースもあります。バッテリーが故障したタイミングで乗り換えを想定している場合は、リセールバリューや残価設定ローン、補助金制度も含めて総合的に判断することが重要です。
おすすめPHEV車種一覧~国産・外国産の特徴とスペック比較
外部電源から充電できるPHEVの国産車・外国産車について、性能と特徴を車種別に紹介します。
センチュリーPHEV(トヨタ):静粛性と快適性を極めた国産最高級ショーファーカー
2023年にフルモデルチェンジした3代目「センチュリー(GRG75型)」は、SUVテイストを採り入れた流麗なボディに伝統の鳳凰エンブレムを配し、日本の伝統工芸技術を取り入れた装飾パーツで格式あるたたずまいを実現しています。
同年末に追加設定されたPHEVモデルは、V6 3.5Lエンジンに後輪e-Axleモーターを組み合わせ、容量51Ahの動力用バッテリーを搭載。EV走行距離は69kmを実現しています。対応機器を設置していれば自宅でも充電でき、スマホアプリ「My TOYOTA+」で最寄りの充電施設検索やタイマー充電も可能です。
後席VIPの乗り心地を高めるE-FOUR Advanced・リヤコンフォートモード・専用ディスプレイなどを搭載した、日本を代表するラグジュアリーショーファーカーです。
| エンジン(最高出力) | 193kW/6,000rpm |
|---|---|
| エンジン(最大トルク) | 335Nm/4,600rpm |
| 総排気量 | 3.456L |
| フロントモーター(最高出力) | 134kW |
| フロントモーター(最大トルク) | 270Nm |
| リヤモーター(最高出力) | 80kW |
| リヤモーター(最大トルク) | 169Nm |
| 動力用バッテリー容量 | 51Ah |
| 交流電力量消費率(WLTCモード) | 213Wh/km |
| EV走行換算距離(等価EVレンジ) | 69km |
| 燃料消費量(WLTCモード) | 14.2km/L |
| 車両重量 | 2,570kg |
Wrangler 4xe(ジープ):環境性能とオフロード走破性を両立したPHEV
「Wrangler 4xe(ラングラー・フォーバイイー)」は、2022年12月に日本市場へ導入された4代目(JL系)のPHEVモデルです。電気のみで走るELECTRICモードを含む3つのドライブモードを持ち、環境に配慮した走りが可能です。
PHEVシステムとジープが長年築いてきた4WD技術、2基のモーターを組み合わせることで、環境性能を高めながらもワイルドかつ刺激的なオフロード走行も楽しめます。
| エンジン(最高出力) | 200kW/5,250rpm |
|---|---|
| エンジン(最大トルク) | 400Nm/3,000rpm |
| 総排気量 | 1.995L |
| P1モーター(最高出力) | 46kW |
| P1モーター(最大トルク) | 54Nm |
| P2モーター(最高出力) | 107kW |
| P2モーター(最大トルク) | 255Nm |
| 動力用バッテリー容量 | 49.5Ah |
| 交流電力量消費率(WLTCモード) | 368Wh/km |
| EV走行換算距離(等価EVレンジ) | 42km |
| 燃料消費量(WLTCモード) | 8.6km/L |
| 車両重量 | 2,350kg |
シトロエン「C5 X プラグインハイブリッド」:エレガントなステーションワゴンスタイルにPHEVを搭載
「C5 X PLUG-IN HYBRID」は2022年に日本市場でリリースされたシトロエンのフラッグシップPHEVモデルです。ステーションワゴンタイプのエレガントなボディに実用的な積載力を備え、1.6L PureTechガソリンターボエンジンと高スペックな電動モーターを組み合わせたPHEVシステムにe-EAT8を組み合わせることで、EV走行距離66kmを実現しています。
搭載するリチウムイオンバッテリーには10万km・6年の長期保証が付帯。200V普通充電器に差し込むだけでスムーズに充電でき、EV優先のエレクトリックモードを含む4パターンのドライブモードを道路状況に合わせて選択できます。7インチデジタルインストルメントパネルでバッテリー残量などをリアルタイムに確認できる点も利便性を高めています。
| エンジン(最高出力) | 132kW/6,000rpm |
|---|---|
| エンジン(最大トルク) | 250Nm/1,750rpm |
| 総排気量 | 1.598L |
| フロントモーター(最高出力) | 81kW/2,500rpm |
| フロントモーター(最大トルク) | 320Nm/500〜2,500rpm |
| 交流電力量消費率(WLTCモード) | 194Wh/km |
| EV走行換算距離(等価EVレンジ) | 66km |
| 燃料消費量(WLTCモード) | 17.0km/L |
| 車両重量 | 1,790kg |
プジョー「308 GT HYBRID」:e-SAVE機能でバッテリー電力を温存できるPHEV
プジョーは2021年に「308」をフルモデルチェンジして3代目(P5型)へ移行し、シリーズ初のプラグインハイブリッドモデルを追加しました。ロゴデザインの刷新、ボディのワイド化、先進インフォテイメントシステム「i-Connect Advanced」の搭載などが主な改良点です。
PHEVモデルはステランティス・グループで共有化されたシステムを採用し、最高出力132kWのガソリンターボエンジンに専用トランスミッション「e-EAT8」を組み合わせることで、エンジンとモーターの駆動力を状況に応じて最適配分します。e-SAVE機能を使えばバッテリーの電気消費を抑えながら走行でき、後で必要なときにEV走行を温存するといった使い方も可能です。ADAS(先進運転支援システム)も標準搭載され、安全性も高水準です。
| エンジン(最高出力) | 132kW |
|---|---|
| エンジン(最大トルク) | 250Nm |
| 総排気量 | 1.598L |
| モーター(最高出力) | 81kW |
| モーター(最大トルク) | 320Nm |
| 交流電力量消費率(WLTCモード) | 168Wh/km |
| EV走行換算距離(等価EVレンジ) | 64km |
| 燃料消費量(WLTCモード) | 17.6km/L |
| 車両重量 | 1,660kg |
アウトランダーPHEV(三菱):世界初のSUV向けPHEVを搭載した実力派ミドルSUV
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SUVとして世界初のPHEV搭載モデルとして三菱のPHEVブランド力構築に貢献した「アウトランダー」 -
アウトランダーPHEVのラゲージ -
アウトランダーPHEVの説明 -
アウトランダーPHEVの純正タイヤ・アルミホイール
三菱は2013年1月に2代目アウトランダー(GF7W/8W型)へPHEVモデルを追加設定し、世界で初めてSUVにプラグインハイブリッドシステムを搭載した自動車メーカーとなりました。その後マイナーチェンジを重ね、2021年12月に登場した3代目(GN0W型)では国内仕様をPHEVのみに絞った販売戦略をとっています。
3代目「アウトランダー」は前輪・後輪に高出力モーターを配置し、駆動用モーターへの電流量を引き上げることでEVモードの航続距離87kmを実現。リヤモーターとコントロールユニットを一体化させた設計により7人乗りモデルも用意されています。三菱の各販売店や道の駅・高速道路のサービスエリアで約38分で80%近くまでの急速充電が可能です。
V2H機器を介して建物へ電力供給も可能な「アウトランダーPHEV」は、三菱独自の4輪制御技術「S-AWC」と4つのドライブモードを組み合わせることで、さまざまな路面状況に対応したバランスの良い走りを実現しています。
| エンジン(最高出力) | 98kW/5,000rpm |
|---|---|
| エンジン(最大トルク) | 195Nm/4,300rpm |
| 総排気量 | 2.359L |
| フロントモーター(最高出力) | 85kW |
| フロントモーター(最大トルク) | 255Nm |
| リヤモーター(最高出力) | 100kW |
| リヤモーター(最大トルク) | 195Nm |
| 交流電力量消費率(WLTCモード) | 239Wh/km |
| EV走行換算距離(等価EVレンジ) | 83km |
| 燃料消費量(WLTCモード) | 16.2km/L |
| 車両重量 | 2,050kg |
エクリプスクロスPHEV(三菱):低重心設計と機敏性が光るコンパクトSUV
三菱の世界戦略車「エクリプスクロス」は、アウトランダーとプラットフォームを共有するコンパクトSUVで、全高を低く抑えたスポーティなクーペフォルムが特徴です。2020年のビッグマイナーチェンジでディーゼルモデルを廃止し、PHEVモデルを新たに展開しました。
PHEVシステムはアウトランダーのものを流用・最適化したもので、2.4L MIVECエンジンと高出力モーター、駆動用リチウムイオンバッテリーで構成されます。バッテリーを床下に配置し前後にモーターを設置することで、三菱の車両運動統合制御システム「S-AWC」との相乗効果により低重心で機敏性に富んだ走りを実現しています。
| エンジン(最高出力) | 94kW/4,500rpm |
|---|---|
| エンジン(最大トルク) | 199Nm/4,500rpm |
| 総排気量 | 2.359L |
| フロントモーター(最高出力) | 60kW |
| フロントモーター(最大トルク) | 134Nm |
| リヤモーター(最高出力) | 70kW |
| リヤモーター(最大トルク) | 195Nm |
| 交流電力量消費率(WLTCモード) | 213Wh/km |
| EV走行換算距離(等価EVレンジ) | 65km |
| 燃料消費量(WLTCモード) | 16.4km/L |
| 車両重量 | 1,900kg |
クラウンスポーツ「SPORT RS」(トヨタ):AUTO EV/HVモードで賢くエンジンを使い分けるPHEV
2023年12月にクラウンスポーツへ追加設定された「SPORT RS」は、HVモデルと共通のA25A-FXS直列4気筒エンジンに2基のモーターと動力用バッテリーを組み合わせ、EV走行距離90kmを実現しています。
電力消費を抑えながらモーターでパワフルに走るEV/HVモードや、EV走行を優先しつつ必要時に自動でエンジンが起動するAUTO EV/HVモードを装備。ナビゲーションと連動して路面状況を予測するNAVI・AI-AVSや、20インチ大径ベンチレーテッドディスクによる強力な制動力など、PHEVシステム以外の走行性能も高水準です。
| エンジン(最高出力) | 130kW(177PS)/6,000rpm |
|---|---|
| エンジン(最大トルク) | 219Nm(22.3kgm)/3,600〜5,200rpm |
| 総排気量 | 2.487L |
| フロントモーター(最高出力) | 134kW(182PS) |
| フロントモーター(最大トルク) | 270Nm(27.6kgm) |
| リヤモーター(最高出力) | 40kW(54PS) |
| リヤモーター(最大トルク) | 121Nm(12.3kgm) |
| 動力用バッテリー容量 | 51Ah |
| 交流電力量消費率(WLTCモード) | 165Wh/km |
| EV走行換算距離(等価EVレンジ) | 90km |
| ハイブリッド燃料消費量(WLTCモード) | 20.3km/L |
| 車両重量 | 2,030kg |
RAV4 Z(トヨタ):オフロード性能と給電機能を兼ね備えたアウトドア向けPHEV
「RAV4」はMUD&SANDなど路面状況に応じた駆動力を4輪に発揮するマルチテレインセレクトを備えるトヨタのミドルクラスクロスオーバーSUVです。2020年6月にPHEVモデル「RAV4 PHV」として独立車種で登場し、2022年10月のマイナーチェンジを機に最上位グレード「RAV4 Z」へと統合されました。
プラグインハイブリッド車用に再設定された2.5Lダイナミックフォースエンジンに総電力量18.1kWhのリチウムイオンバッテリーを組み合わせ、EV走行換算距離95kmを実現。ガソリン満タン+フル充電時の合算航続距離は1,000km以上に達します。付属の充電ケーブルと外部コンセントを繋ぐだけで充電でき、「ヴィークルパワーコネクター」を使えば家電への電力供給も可能です。
| エンジン(最高出力) | 130kW/6,000rpm |
|---|---|
| エンジン(最大トルク) | 219Nm/3,600rpm |
| 総排気量 | 2.487L |
| フロントモーター(最高出力) | 134kW |
| フロントモーター(最大トルク) | 270Nm |
| リヤモーター(最高出力) | 40kW |
| リヤモーター(最大トルク) | 121Nm |
| 動力用バッテリー容量 | 51Ah |
| 交流電力量消費率(WLTCモード) | 155Wh/km |
| EV走行換算距離(等価EVレンジ) | 95km |
| ハイブリッド燃料消費量(WLTCモード) | 22.2km/L |
| 車両重量 | 1,920kg |
ハリアー Z(トヨタ):EV走行距離90km超を実現するラグジュアリーSUVのPHEV
トヨタのラグジュアリーSUV「ハリアー」は、2022年9月のマイナーチェンジで、新開発PHEVシステム「THS 2 Plug-in」を搭載した最上位グレード「ハリアーZ」を追加しました。フロントモーターを小型・軽量化しながら高出力化を実現し、EV走行距離93kmを達成しています。
排気ガスを出さず静粛性に優れたEVモード、モーター主体でアクセルを踏み込んだ際にエンジンパワーも加えるAUTO EVモード、電力不足時にエンジンをメインで走行するHVモードの3種類を状況に応じて選択できます。
| エンジン(最高出力) | 130kW/6,000rpm |
|---|---|
| エンジン(最大トルク) | 219Nm/3,600rpm |
| 総排気量 | 2.487L |
| フロントモーター(最高出力) | 134kW |
| フロントモーター(最大トルク) | 270Nm |
| リヤモーター(最高出力) | 40kW |
| リヤモーター(最大トルク) | 121Nm |
| 動力用バッテリー容量 | 51Ah |
| 交流電力量消費率(WLTCモード) | 160Wh/km |
| EV走行換算距離(等価EVレンジ) | 93km |
| 燃料消費量(WLTCモード) | 20.5km/L |
| 車両重量 | 1,950kg |
プリウス Z(トヨタ):ソーラー充電オプションで災害時にも太陽光から電気を生み出せるPHEV
2023年にフルモデルチェンジした5代目プリウス(ZVW60/MXWH60型)の上級グレードとして展開される「プリウスZ」は、プリウスとしては3世代目のPHEVモデルです。「プリウスPHV」から車名を変更するにあたり、駆動用バッテリー容量を従来モデルの2倍以上に引き上げ、EV走行距離を大幅に向上。通勤・買い物・送迎といった日常ドライブをEVのみで完結させることができます。
ルーフへのソーラー充電システムをオプションで追加すると、太陽光から年間換算で1,200km相当の走行電力を生み出せます。災害時にも有効活用できる点は、防災意識が高まる現在において大きな訴求ポイントです。
| エンジン(最高出力) | 111kW/6,000rpm |
|---|---|
| エンジン(最大トルク) | 188Nm/4,400〜5,200rpm |
| 総排気量 | 1.986L |
| モーター(最高出力) | 120kW |
| モーター(最大トルク) | 208Nm |
| 動力用バッテリー容量 | 51.0Ah |
| 交流電力量消費率(WLTCモード) | 134Wh/km |
| EV走行換算距離(等価EVレンジ) | 87km |
| 燃料消費量(WLTCモード) | 26.0km/L |
| 車両重量 | 1,570kg |
レクサス「NX 450h+」:先読みエコドライブ機能を搭載するレクサス初のPHEVコンパクトSUV
2021年10月にフルモデルチェンジした2代目「NX(AZ20型)」はレクサスの次世代モデル第1弾で、走行性能・デザイン・安全性を全方向で進化させたラグジュアリーコンパクトSUVです。同モデルで「NX 450h+」としてレクサスブランド初のPHEVを展開しました。
2.5L直列4気筒エンジンにフロント・リヤモーターを組み合わせ、大容量バッテリーとヴィークルパワーコネクターによる外部給電も可能。特筆すべきは「先読みエコドライブ機能」で、ナビの目的地情報・バッテリー残量・道路状況・ドライバーの運転履歴を総合的に判断してEV/HV走行を自動切替し、エネルギーロスを最小化します。
| エンジン(最高出力) | 136kW/6,000rpm |
|---|---|
| エンジン(最大トルク) | 228Nm/3,600〜3,700rpm |
| 総排気量 | 2.487L |
| フロントモーター(最高出力) | 134kW |
| フロントモーター(最大トルク) | 270Nm |
| リヤモーター(最高出力) | 40kW |
| リヤモーター(最大トルク) | 121Nm |
| 動力用バッテリー容量 | 51Ah |
| 交流電力量消費率(WLTCモード) | 172Wh/km |
| EV走行換算距離(等価EVレンジ) | 87km |
| 燃料消費量(WLTCモード) | 19.6km/L |
| 車両重量 | 2,020kg |
レクサス「RX 450h+」:エアコン冷気を活用した電池冷却システムでEV走行距離を伸ばすPHEV
「RX」は2022年11月のフルモデルチェンジで5代目(ALA10/ALH10型)へと刷新され、シリーズ初のPHEVモデル「RX 450h+」を追加しました。A25A-FXS型2.5L直列エンジンに大容量駆動用バッテリーを搭載し、電池冷却にエアコンの冷気を活用するシステムを採用することで作動効率を高めています。2023年7月のマイナーチェンジではスピンドルグリルの外観が刷新されています。NXとPHEVシステムの基本構造を共有しています。
| エンジン(最高出力) | 136kW/6,000rpm |
|---|---|
| エンジン(最大トルク) | 228Nm/3,600〜3,700rpm |
| 総排気量 | 2.487L |
| フロントモーター(最高出力) | 134kW |
| フロントモーター(最大トルク) | 270Nm |
| リヤモーター(最高出力) | 40kW |
| リヤモーター(最大トルク) | 121Nm |
| 動力用バッテリー容量 | 51Ah |
| 交流電力量消費率(WLTCモード) | 178Wh/km |
| EV走行換算距離(等価EVレンジ) | 86km |
| 燃料消費量(WLTCモード) | 18.8km/L |
| 車両重量 | 2,160kg |
マツダ「CX-60 PHEV」:V2H対応で災害時にも強い縦置きエンジン搭載ラージSUV
2022年に発売したラージサイズクロスオーバーSUV「CX-60」は、マツダ初のPHEVモデルを最上位グレードに展開したことで話題を集めました。e-SKYACTIV PHEVは2.5Lガソリンエンジンを縦置きにし、エンジンとトランスミッションの間にモーターを配置。プロペラシャフトで前後輪に動力を伝える後輪駆動ベースの4WDシステムを採用しています。
回生エネルギーでバッテリーへ充電できるモードを備え、V2H対応機器を設置している建物への電力供給も可能。災害時の備えとしても優秀な一台です。
| エンジン(最高出力) | 138kW/6,000rpm |
|---|---|
| エンジン(最大トルク) | 250Nm/4,000rpm |
| 総排気量 | 2.488L |
| モーター(最高出力) | 129kW/5,500rpm |
| モーター(最大トルク) | 270Nm/400rpm |
| 動力用バッテリー容量 | 50Ah |
| 交流電力量消費率(WLTCモード) | 247Wh/km |
| EV走行換算距離(等価EVレンジ) | 78km |
| 燃料消費量(WLTCモード) | 14.6km/L |
| 車両重量 | 2,060kg |
メルセデス・ベンツ「GLC 350 e 4MATIC」:EV走行距離100km超を実現するプレミアムSUVのPHEV
メルセデス・ベンツのハイクラスSUV「GLC」は2.0L直列4気筒ターボエンジンとPHEVを組み合わせたモデルを展開しています。2023年に日本市場のGLCがフルモデルチェンジで2代目へ刷新されたタイミングで「GLC 350 e 4MATIC Sports Edition Star」が追加設定されました。
ツインスクロールターボを組み合わせた2.0Lエンジンに高出力モーター、先進技術を搭載したリチウムイオンバッテリーとエネルギー効率の高いモジュールシステムを組み合わせることで、EV走行距離は118kmをクリアしています。
| エンジン(最高出力) | 150kW/5,500rpm |
|---|---|
| エンジン(最大トルク) | 320Nm/1,200〜4,000rpm |
| 総排気量 | 1.991L |
| モーター(最高出力) | 100kW |
| モーター(最大トルク) | 440Nm |
| 交流電力量消費率(WLTCモード) | 281Wh/km |
| EV走行換算距離(等価EVレンジ) | 118km |
BMW「X5 xDrive50e M Sport」:BMW Chargingカードで全国約2万か所以上から充電できるPHEV
「X5 xDrive 50e M Sport」はBMW・X5から展開されるPHEVの上級モデルです。BMW Chargingカードを携帯することで急速充電スポットも含む国内約2万か所からの外部充電が可能で、BMWとパートナー契約を結ぶ充電器を設置していれば自宅充電にも対応します。専用アプリで充電状況や近隣の充電ステーション確認もスマホから行えます。EV走行距離は理想的な環境条件下のテストで100kmをクリアし、WLTCモードでは110kmを達成しています。
| エンジン(最高出力) | 230kW/5,000rpm |
|---|---|
| エンジン(最大トルク) | 450Nm/1,750〜4,700rpm |
| 総排気量 | 2.997L |
| 電気モーター(最高出力) | 145kW/7,000rpm |
| 電気モーター(最大トルク) | 280Nm/100〜5,500rpm |
| システム・トータル(最高出力) | 368kW |
| システム・トータル(最大トルク) | 700Nm |
| EV走行換算距離(WLTCモード) | 110km |
ジープ「レネゲード 4Xe」:ジープブランド初のPHEVで街乗りから山道まで対応するコンパクトSUV
2020年11月にリリースされた「Renegade(レネゲード)4Xe」は、ジープが初めてラインナップさせたPHEVモデルです。ノーマルグレードの「Limited(リミテッド)」とオフロード性能を強化した「TRAILHAWK(トレイルホーク)」の2タイプを設定。コンパクトな車体に1.3L直列ターボエンジンと外部充電対応バッテリーを搭載し、フル充電時のEV走行距離52kmを実現しています。
リヤに最高出力94.0kWのモーターを配置し、ジープが蓄積してきた四輪駆動技術と組み合わせることで、山道や岩場も難なくこなせる悪路走破性を実現しています。
| エンジン(最高出力) | 132kW/5,750rpm |
|---|---|
| エンジン(最大トルク) | 270Nm/1,850rpm |
| 総排気量 | 1.331L |
| フロントモーター(最高出力) | 33.0kW |
| フロントモーター(最大トルク) | 53Nm |
| リヤモーター(最高出力) | 94.0kW |
| リヤモーター(最大トルク) | 250Nm |
| 動力用バッテリー容量 | 33Ah |
| 交流電力量消費率(WLTCモード) | 216Wh/km |
| EV走行換算距離(等価EVレンジ) | 52km |
| 燃料消費量(WLTCモード) | 14.8km/L |
| 車両重量 | 2,135kg |
ポルシェ「カイエンE-ハイブリッド」:スマホで航続距離と充電状態を確認できるポルシェのPHEV
「カイエンE-ハイブリッド」は2019年5月に3代目(E3K30型)へ追加設定されたPHEVモデルです。3.0L V6ターボエンジンに新開発ソフトウェアシステムを組み合わせ、加速性能のハイパフォーマンス化と外部充電対応の次世代型バッテリーを搭載することで航続距離を向上させています。ポルシェコネクトシステムを使えば、スマホアプリで航続可能距離と充電状態をリアルタイムに確認できるのも便利な点です。ポルシェはカイエン以外にも「カイエン Turbo E-Hybrid」「パナメーラ」などにもPHEVモデルを展開しています。
| エンジン(最高出力) | 224kW |
|---|---|
| エンジン(最大トルク) | 420Nm |
| 総排気量 | 2.995L |
| モーター(最高出力) | 130kW |
| モーター(最大トルク) | 460Nm |
| 総合出力 | 346kW |
| システムトルク | 650Nm |
| 車両重量 | 2,425kg |
MINI クロスオーバーPHEV:ゴーカートフィーリングをEV走行でも楽しめるプレミアムコンパクトSUV
「MINI CROSSOVER PHEV」はMINIブランド初のPHEVモデルです。充電口(サイド・スカットル)に専用クロームパーツを配置し、内外装各部にイエローの差し色を採用した遊び心ある仕上がりが特徴です。2020年のマイナーチェンジでフロントグリル・バンパーのデザインを刷新し、フルデジタルメーターを採用しました。
1.5L 3気筒ターボエンジンに高出力モーターを組み合わせ、最大容量10.0kWhの駆動用バッテリーを搭載することで、EV走行距離53kmを実現しています。MINIブランドならではの軽快なゴーカートフィーリングをEV走行でも体感できる点が魅力です。
| エンジン(最高出力) | 100kW/4,400rpm |
|---|---|
| エンジン(最大トルク) | 220Nm/1,300〜4,300rpm |
| 総排気量 | 1.498L |
| モーター(最高出力) | 65kW |
| モーター(最大トルク) | 165Nm |
| 交流電力量消費率(WLTCモード) | 190Wh/km |
| EV走行換算距離(等価EVレンジ) | 53km |
| 燃料消費量(WLTCモード) | 14.8km/L |
| 車両重量 | 1,770kg |
ボルボ「XC60 Recharge プラグインハイブリッド」:回生エネルギーを効率的に活用するEV走行距離81kmのPHEV
環境先進国スウェーデンを代表するボルボは、EV/PHEV/マイルドハイブリッドを積極的にラインナップしているメーカーです。「XC60 Recharge Ultimate T6 AWD plug-in hybrid」は2.0L 4気筒ターボエンジンに、ブレーキ時の回生エネルギーを効率よく電力変換できるシステムを備えた駆動用リチウムイオンバッテリーを搭載し、EV走行距離81kmを実現しています。ボルボは2022年にPHEVシステムを大幅刷新し、バッテリー充電容量を従来比60%増、リヤモーター出力を約65%向上させるなど、PHEVの技術開発に積極的です。
| 交流電力量消費率(WLTCモード) | 234Wh/km |
|---|---|
| EV走行換算距離(等価EVレンジ) | 81km |
| 燃料消費量(WLTCモード) | 14.3km/L |
ランドローバー「レンジローバーPHEV」:ラグジュアリーな室内でEV走行の静粛性を満喫できるオフロードPHEV
「レンジローバーPHEV」はランドローバー初のプラグインハイブリッドモデルとして追加設定された車両で、軍用車両開発で培ったクロスカントリー走行性能と耐久性、家庭用コンセントや外出先の充電器での充電機能も備えています。最大トルク800Nmを発揮する高性能エンジンに起動直後からパワフルなトルクを発揮できるモーターを組み合わせることで、ランドローバーブランド最高水準のクロスカントリー走行性能を実現。ラグジュアリーな室内で圧倒的な静粛性のEV走行を楽しめる点も魅力です。
| エンジン(最高出力) | 404kW/5,500〜6,500rpm |
|---|---|
| エンジン(最大トルク) | 800Nm/2,000〜5,000rpm |
| 総排気量 | 2.997L |
| EV走行換算距離 | 94km |
PHEVはEVへの移行期における現実的な選択肢として多くのメリットを持つ車
世界各国の自動車メーカーはカーボンニュートラルの実現に向けて電動化を推進しており、充電インフラの整備も着実に進んでいます。一方で、充電時間の長さや寒冷地での航続距離低下など、純粋なEVへの移行にはまだ課題も残っています。そういったユーザーにとって、EV走行とエンジン走行を使い分けられるPHEVは、現実的かつ合理的な選択肢となっています。
また、トヨタはアルファードとヴェルファイアにPHEVモデルを追加設定し、2025年1月31日に発売しました(EV走行換算距離73km、急速充電対応)。国産高級ミニバンでも選択できるPHEVのラインナップはさらに充実してきており、今後も多様な車種への展開が期待されます。