ジムニーの燃費

ジムニーは燃費が悪いは本当か 実燃費や年間のガソリン代をライバル車種と比較

ジムニーの燃費は悪いのか実際は良いのか?ジムニーはラダーフレームを搭載するため車重が重く走るための燃料を多く使うのは間違いないですが、ライバル車種と比較すると実燃費の差はどのくらいなのか、通勤使いに使えるのか、シエラとの燃費の違いなども解説。

ジムニーは燃費が悪いは本当か 実燃費や年間のガソリン代をライバル車種と比較

ジムニーの燃費・実燃費はどのくらい?燃費が悪いと言われる理由や競合車種と比較

ジムニーは燃費が悪いと言われることもある車種ですが、走破性能の高さや唯一無二の四角いエクステリアが魅力的な大人気モデルです。
ジムニーの実際の燃費や、燃費が悪いと言われる理由、競合するライバル車種と比較するとどのくらいの燃費差があるかなど、ジムニーの燃費を比較・紹介します。

ジムニーとは日本だけでなく世界中で愛されるオフロード軽自動車

4代目ジムニー(JB64型)のエクステリア4代目ジムニー(JB64型)のカタログ燃費は5MT(マニュアル)が16.6km/L、4AT(オートマ)が14.3km/L

ジムニーはスズキが1970年から製造・販売している軽自動車規格の四輪駆動車で、世界的にも類を見ない梯子型のフレーム構造(ラダーフレーム)を搭載するオフロードに特化したコンパクトモデル。
軽自動車規格のある日本だけで販売していると思いがちですが、台湾やベトナムなどのアジア地域、欧州・アフリカ・オーストラリアなど、世界194の国と地域で販売するスズキを代表する世界戦略車です。

日本でも熱狂的なファンが多く、ジムニーだけを集めたイベント(ファンミーティング)も日本各地で実施、ジムニーのカスタムカーや歴代ジムニーが集結するジムニーオーナーの交流の場になっています。
自慢のジムニーを披露するだけでなく、オフロードコースのタイムアタックを実施するケースもあるなど、ジムニーらしい企画を行うイベントもあるようです。

4代目ジムニー(JB64型)のカタログ燃費は16.6km/L

ジムニーは燃費が悪いと言われることがあるようで、インターネットやSNSなどでも「ジムニー 燃費」で検索すると「悪い」や「後悔」などという言葉で出てきます。
ではジムニーのカタログ燃費はどれぐらいなのでしょうか。2018年にモデルチェンジした4代目ジムニー(JB64型)、1998年にモデルチェンジした3代目ジムニー(JB23型)、1990年に発売した2代目第3期のジムニー(JA11型)のカタログ燃費を紹介します。

ジムニーのカタログ燃費
モデル 4AT 5MT
JB64型 4代目ジムニー
(WLTCモード)
14.3km/L 16.6km/L
JB23型 3代目ジムニー
(10・15モード)
14.8km/L 16.4km/L
JA11型 2代目ジムニー
(60km/h定地燃費)
18.7km/L

4代目ジムニーの燃費はグレードにより差異がなく4AT(オートマチック)がWLTCモード燃費で14.3km/L、5MT(マニュアルミッション)が16.6km/L。

3代目ジムニーの燃費は、2011年以降に発売する新型車に対応したJC08モード燃費・2017年以降に発売する新型車に対応したWLTCモード燃費より前に使用されていた、10・15モード燃費をカタログに使用。
4代目ジムニーと同じくグレードによる燃費差異はなく4ATが14.8km/L、5MTが16.4km/Lで、4ATは4代目ジムニー上回りますが、10・15モード燃費は実際に車を使用した実燃費と乖離が多いとされています。

2代目ジムニー(JA11型)の燃費は、1973年から始まる10モード燃費に変更する前に使用されていた、燃費計測方法の60km/h定地燃費をカタログに使用。
トランスミッションにはATが設定されず5MTのみ設定され、60km/h定地燃費は18.7km/L。この燃費計測方法は60km/hの定速走行した場合の燃費で、加速や減速を伴う実燃費とはかけ離れていたことやメーカーが60km/hの走行時に最も良い燃費になるよう調整するケースがあったため10モード燃費に変更された経緯があります。

2代目ジムニー(JA11型)が4代目ジムニー(JB64型)より燃費が良いのは測定方法の違い

旧型の2代目ジムニー(JA11型)は4代目ジムニー(JB64型)よりなぜカタログ燃費が良いのでしょうか。
数字を見るとJA11型の5MTカタログ燃費が18.7km/L、JB64型のカタログ燃費が16.6km/L、燃費の差は2.1km/Lも旧型のJA11型ジムニーが上回ります。
新型へ移行する毎に燃費性能も向上するのが当たり前なのに、旧型ジムニーのほうがカタログ燃費が良い理由は「燃費の測定方法の違い」です。

燃費の測定方法には、古い順から60km/h定地燃費、10モード燃費、10・15モード燃費、JC08モード燃費、WLTCモード燃費の5つがあり2017年からはより実燃費に近いWLTCモード燃費が新型車に使用されています。

カタログ燃費の測定方法

  • 60km/h定地燃費(~1973年)
  • 10モード燃費(1973年~1991年)
  • 10・15モード燃費(1991年~2011年)
  • JC08モード燃費(2011年~2017年)
  • WLTCモード燃費(2017年~)

このように、古い燃費測定方法で計測したカタログ燃費を記載する2代目ジムニーと、新しいWLTCモード燃費で測定した4代目ジムニーを比較すると、一見2代目ジムニーの燃費が優秀に見えますが、実際の実燃費では4代目ジムニーに軍配が上がることがほとんどです。

4代目ジムニー(JB64型)の実燃費は4ATで12.9km/L・5MTで14.6km/L

4代目ジムニーになり燃費の測定方法がWLTCモードに変更されました。
実燃費はそのほかの軽自動車と比較してもカタログ燃費から近い値になっていて4ATモデルの実燃費はカタログ値から-1.4km/Lの12.9km/L。5MTモデルの実燃費はカタログ値から-2.0km/Lの14.6km/L。

ジムニーのカタログ燃費と実燃費の差
モデル 4AT(カタログ) 4AT(実燃費) 燃費差 5MT(カタログ) 5MT(実燃費) 燃費差
JB64型 4代目ジムニー
(WLTCモード)
14.3km/L 12.9km/L 1.4km/L 16.6km/L 14.6km/L 2.0km/L
JB23型 3代目ジムニー
(10・15モード)
14.8km/L 10.6km/L 4.2km/L 16.4km/L 12.7km/L 3.7km/L
JA11型 2代目ジムニー
(60km/h定地燃費)
18.7km/L 9.9km/L 8.8km/L

ジムニー歴代モデルの実燃費を見てみると燃費測定方法によりカタログ燃費と実燃費の差に違いがあるのがわかります。
新たな燃費測定方法になるほどカタログ燃費と実燃費が近くなり、カタログ燃費が参考になっています。最も古い測定方法を採用する2代目ジムニーではカタログ値から-8.8km/Lも実燃費が低下しています。

ジムニーは燃費悪すぎは本当?街乗りでは気にしなくても大丈夫

ジムニーは巷で言われている燃費の悪い車種なのでしょうか?
ジムニーが燃費悪すぎと言われている理由は、「ジムニーの構造」や「思い込み」だと考えます。ジムニーがどんな車なのかを理解できれば街乗りなどの普段使いでも「燃費悪すぎ」が気にならなくなるでしょう。

ジムニーはオフロード走行を可能にするため車両重量が重くなる構造になっている

ジムニーはオフロード走行もできる軽自動車であるため、N-BOXやスペーシア、タントなどの日常の足となる一般的な軽自動車とは違いがあり、車両重量が重くなっています。

ジムニーはボディ骨格にタイヤやサスペンションが取り付けられたフレームシャシーに梯子状のラダーフレームを採用、その上にボディを載せる骨格を採用。
ジムニー以外の軽自動車はフレームシャシーとボディを一体化するモノコックボディを採用しています。

ラダーフレームの特徴は、耐荷重・耐衝撃に強く頑丈なこと。
オフロード走行などを始めクロスカントリーでは絶大な効果を発揮しますが、モノコックボディと比較すると車両重量が重くなり、燃費悪化に直結。
例えば軽SUVで人気のスズキ ハスラーは最も重いハイブリッドXターボの車両重量が890kg、ジムニーで最も重い4ATは1,050kgあり、その差は160kgあります。

またジムニーは走破性も魅力になっており、そのため175/80R16の大径タイヤとホイールが純正で、バックドアにスペアタイヤも装着。
前述のハスラーはジムニーと比較すると小径の165/60R15のタイヤとホイールを装着しているため、バネ下重量(サスペンションのスプリングより下の重さ)もジムニーのほうが重いのが解ります。

ジムニーのパワートレインにハイブリッドシステムはなく全て自然吸気エンジン

ジムニーのパワートレインは直列3気筒のターボエンジンです。
自然吸気のエンジンと比較すると、より多くの空気をエンジン内に取り込む構造のため、燃料を多く消費します。
またオフロードの走破性を高めるためギア比も低く設定されていて、エンジンを高回転させることにより高い駆動力を発揮。
エンジンの高回転は燃料の消費を増やすことになるため燃費性能は悪化します。

ジムニーは、ハスラーのように発進をサポートするマイルドハイブリッドや、アイドリングストップの機能もないため、これらのシステムを搭載する軽自動車と比較すると燃費性能は劣ってしまいます。

ジムニーは燃費が悪い・悪すぎという思い込み

2023年の軽自動車販売台数はN-BOXが首位になるなど、軽自動車と言えば両側スライドドアの軽トールワゴンタイプが主流。

ジムニーのような2ドアで、背面にスペアタイヤを装着したオフロードカーは、その見た目だけで「燃費が悪そう」と感じてしまうこともあるでしょう。
さらにラダーフレーム構造に大径タイヤで車重も重く、ハイブリッドシステムの設定もないため普段使いには適さない車というイメージを持つ方もいます。

しかし、ジムニーのカタログ燃費はWLTCモード燃費で16.6km/L。タフトのターボエンジン搭載車(4WD eco IDLE非装着車)はWLTCモード燃費で18.2km/L。その差は1.6km/Lしかありません。
ジムニーは一般的な軽トールワゴンよりも燃費は悪いですが、悪すぎるということはないと感じていて、駆動方式が4WDのみ、ターボエンジンを搭載、走破性が高く雪や雨など悪路にも強いことを考慮すると、1.6km/Lの僅かな燃費差は気にならないと考えます。

ジムニーは街乗りにはもちろん通勤にも十分使える

ジムニーの採用するラダーフレーム構造は悪路などオフロードで効果を発揮します。対するモノコックボディはオフロードが苦手ですが、街乗りなど平坦な道で十分な性能を持つ構造です。
言い換えると街乗りではラダーフレームの長所を生かしきれない可能性があります。

ジムニーは構造上硬めの乗り心地で揺られやすいですが、高速走行では安定感もあります。ジムニーが搭載するターボエンジンは短距離移動よりも長距離移動のほうが燃料の消費が少なく燃費性能が向上します。
短い距離の通勤でも十分対応できますが、長距離の通勤ではジムニーの性能をさらに発揮してくれるでしょう。

ジムニー愛好家の方はスプリングを純正よりも柔らかく、シートも厚めの物に替えることにより、乗り心地を改善している方もいます。
毎日使う通勤の車としてジムニーを選択する方も沢山いて、それぞれ自分の好みにあったカスタムをするのもジムニーの楽しみだと思います。

ジムニーの燃費を良くする方法3つの改善方法

ジムニーの燃費を同クラスの車と比較すると良くありません。
これは特殊な構造上仕方ないのですが、日常的に使う場合燃費性能は気になるでしょう。ジムニーをどのように運転・使用すると燃費がよくなるのか、ジムニーの燃費を良くする方法を紹介します。

急発進・急加速などしないよう優しいアクセルワークを心がける

燃費改善には「急発進」「急加速」などアクセルを強く踏み込まない運転を心がけるのが重要です。
ジムニーは悪路でも走行しやすいよう、ローギアードでトルクを発揮しやすい仕様になっているため、停止からの加速が遅く感じます。
そのため停止状態からアクセルを強めに踏み込む方がいますが、この急発進が燃費悪化に繋がります。
じわりとアクセルを踏み込むことで、ジムニーの燃費を改善できるでしょう。
急加速もアクセルを強く踏み込むため、運転中はむりの無いアクセルワークが燃費向上に繋がります。

ジムニーの重量を軽くする

燃費の悪さと車両の重さは比例していて、車重がある車ほど燃費は悪化します。
ジムニーはキャンプなどアウトドアで使用する車として人気があるため、重い荷物を積みっぱなしにするケースも想定されていますが、使い終わったらジムニーから荷物を下ろすことを徹底することで、燃費悪化を防ぐことができます。
また鉄製ホイールからアルミホイールに変更することで、バネ下重量を軽くすることができるため、走りも軽快になり、燃費改善にも効果を発揮します。

長時間のアイドリングや不要なエアコン使用をしない

長時間のアイドリングや不要なエアコンの連続使用は燃費を悪化させます。
一般的なガソリン使用の乗用車ではアイドリング1時間あたりの燃料消費量は0.84Lの燃料を消費するというデータがあります。
エアコンを使用する場合はさらに約10%の消費量が増えるということで、エアコンを使用する環境で1時間のアイドリングをすると0.92Lの燃料が消費されます。
ジムニーの燃費向上にはムダなアイドリングやエアコンの使用は控えることが重要です。

4代目ジムニーとジムニーシエラのカタログ燃費の違いは5MTで1.2km/L・4ATは燃費差なし

ジムニーのモデルチェンジは2018年に行われ、同時に普通車登録の3代目ジムニーシエラを発売。
軽自動車登録のジムニーはボディサイズが全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,725mm、対してジムニーシエラのボディサイズは全長3,550mm、全幅1,645mm、全高1,730mm、でジムニーシエラが一回り大きいです。

それではジムニーとジムニーシエラの燃費差の違いはどうでしょうか。
ジムニーで最もカタログ燃費性能の高い5MTモデルが16.6km/L、ジムニーシエラで最もカタログ燃費性能が高い5MTモデルが15.4km/L。その燃費差は1.2km/Lと僅か。また4ATモデルはどちらも14.3km/Lで燃費差はありません。

4代目ジムニーと3代目ジムニーシエラのカタログ燃費と燃費差
モデル JB64型 4代目ジムニー
(WLTCモード)
JB74型 3代目ジムニーシエラ
(WLTCモード)
燃費差
4AT 14.3km/L 14.3km/L 0.0km/L
5MT 16.6km/L 15.4km/L 1.2km/L

燃費だけでジムニーかジムニーシエラの購入を迷っている方はどちらを選んでも、燃費性能はあまり変わりありません。
大きく変わるのは軽自動車と乗用車登録の違いで、これは自動車税の違いに現れます。
自動車税は軽自動車登録で排気量0.658Lのジムニーが10,800円、乗用車登録で排気量1.460Lのジムニーシエラが30,500円です。

ジムニー最大のライバルはジムニーシエラ そのほかの競合車種も紹介

ジムニーはフレーム構造を持ちオフロード性能に特化する、唯一無二の存在として存在する珍しいモデルですが、似た性能や性格を持つライバルとも言える競合車種も存在します。
最大のライバルとしてジムニーシエラを含むスズキ・ダイハツの5車種を紹介します。

ジムニーシエラは同じ構造・走破性を持つジムニー最大のライバル

スズキ ジムニーシエラのエクステリアシエラはジムニーと車の構造がほぼ同じなので燃費性能もあまり変わらない

ジムニーと同時にモデルチェンジした3代目ジムニーシエラ(JB74型)は、ジムニーと同じラダーフレーム構造を持つことから、悪路走破性はジムニーに匹敵。
さらに軽自動車のジムニーにはない乗用車登録のため、排気量1.5L水冷4サイクル直列4気筒DOHCエンジン(K15B型)を搭載、カタログ燃費は14.3km/Lから15.4km/L。
ボディサイズも一回り大きくなっており、ジムニーより余裕のあるサイズ感も特徴ですが、コンパクトさが魅力であったジムニーに対して、狭い道は不得意と言えます。

スズキ 2024年ジムニーシエラのカタログ燃費(WLTCモード)
グレード 5MT 4AT
JL 15.4km/L 14.3km/L
JC 15.4km/L 14.3km/L

デリカミニは勢いのあるクロスオーバーSUV+軽トールワゴン

三菱 デリカミニのエクステリアデリカミニは走破性を高めるため一般的な軽自動車よりも大きい大径タイヤを標準装備

デリカミニはターボエンジン+軽トールワゴンという最強の組み合わせを持つクロスオーバーモデルで、可愛い見ために反して装備最低地上高を上げることで高い走破性を確保、165/60R15の大径タイヤも走りに貢献します。
しかし本格的な走行性能を持つジムニーと比較すると物足りない部分があるのも事実で、オフロード走行は苦手です。
カタログ燃費は同じマイルドハイブリッドを搭載するハスラーには及びませんが17.5km/Lから20.9km/Lと良好です。

三菱 2024年デリカミニのカタログ燃費(WLTCモード)
グレード 2WD 4WD
G 20.9km/L 19.0km/L
G Premium 20.9km/L 19.0km/L
T 19.2km/L 17.5km/L
T Premium 19.2km/L 17.5km/L

ハスラーは大ヒットの軽SUVでマイルドハイブリッドが武器

スズキ ハスラーのエクステリアハスラーの最大の武器はマイルドハイブリッドシステムをパワートレインに採用することでカタログ燃費も高水準

ジムニーと同じスズキから発売するハスラーは軽SUVで大ヒットを記録するモデルで、余裕のある最低地上高と室内の広さ、安全装備の充実が魅力。
またパワートレインはマイルドハイブリッドシステム+ターボエンジンを搭載することからカタログ燃費で20.8km/Lから25.0km/Lの燃費性能を発揮。
モノコックボディを採用することからオフロード性能はジムニーに劣りますが、街乗りをメインにする方にとってハスラーの燃費性能や快適性は魅力的です。

スズキ 2024年ハスラーのカタログ燃費(WLTCモード)
グレード 2WD 4WD
HYBRID G 25.0km/L 23.4km/L
HYBRID Gターボ 22.6km/L 20.8km/L
HYBRID X 25.0km/L 23.4km/L
HYBRID Xターボ 22.6km/L 20.8km/L

タフトはターボエンジンとスカイフィールトップが魅力

ダイハツ タフトのエクステリアタフトはジムニーにはないスカイフィールトップで爽快感のあるドライブが楽しめる

軽自動車SUVのハスラーのライバルとして登場。
シルエットに四角いスクエアボディを採用することから、ジムニーとタフトをライバル視する見方もあります。
タフトはハスラーと同じモノコックボディを採用するため、走破性はジムニーに劣りますが、タフト独自のスカイフィールトップというガラスルーフを標準装備。
カタログ燃費は18.2km/Lから21.4km/Lでドライブの楽しみという点ではジムニーにも勝る強力な個性を持つライバルです。

ダイハツ 2024年タフトのカタログ燃費(WLTCモード)
グレード 2WD 4WD
X 21.4km/L 21.1km/L
X(eco IDLE非装着車) 19.8km/L 19.4km/L
Xターボ 21.3km/L 21.1km/L
Xターボ(eco IDLE非装着車) 18.7km/L 18.2km/L
G 21.4km/L 21.1km/L
G(eco IDLE非装着車) 19.8km/L 19.4km/L
Gターボ 21.3km/L 21.1km/L
Gターボ(eco IDLE非装着車) 18.7km/L 18.2km/L

タントファンクロスは両側スライドドアを搭載する軽トールワゴン

ダイハツ タントファンクロスのエクステリアタントファンクロスはジムニーにはない両側スライドドアを搭載することでファミリーユースにも対応

タントファンクロスはジムニーや競合するライバルにはない強力な武器である両側スライドドアを搭載。ジムニーは趣味を楽しむ車として購入する方も多いですが、タントファンクロスは家族で楽しむファミリーカーとしての需要も。
同じく軽トールワゴンスタイルとスライドドアを搭載するデリカミニと近いですが、最低地上高はタントファンクロスの方が低いため悪路は苦手ですが安定感があります。
カタログ燃費は19.6km/Lから21.4km/Lで、軽トールワゴンの魅力でもある高天井で運転中のストレスも少なく日常使いに最適な競合モデルです。

ダイハツ 2024年タントファンクロスのカタログ燃費(WLTCモード)
グレード 2WD 4WD
ファンクロス 21.9km/L 21.4km/L
ファンクロス(eco IDLE非装着車) 20.1km/L 19.6km/L
ファンクロスターボ 20.6km/L 19.6km/L
ファンクロスターボ(eco IDLE非装着車) 18.7km/L 18.2km/L

4代目ジムニーのカタログ燃費から年間のガソリン代金を計算して競合車種と比較

4代目ジムニーのカタログ燃費は5MTが16.6km/L、4ATが14.3km/L。
レギュラーガソリン価格は2024年2月28日の実売価格平均の161.1円/Lで計算。
年間走行距離は3,000km、5,000km、10,000kmに設定。

競合車種にはジムニーとなるべく近い条件になるように、ジムニーシエラのMT、デリカミニ・タフト・タントファンクロスはターボモデル+4WD駆動を選択。加えてタフトとタントファンクロスはアイドリングストップ未搭載のグレードを比較。
ハスラーは全てのグレードでマイルドハイブリッドシステムを搭載するため除外しています。

4代目ジムニー(JB64型)と競合車種の1年間にかかる走行距離別の燃料費
グレード カタログ燃費 3,000km 5,000km 10,000km
ジムニー(5MT) 16.6km/L 約29,114円 約48,524円 約97,048円
ジムニーシエラ(5MT) 15.4km/L 約31,383円 約52,305円 約104,610円
デリカミニ T(4WD) 17.5km/L 約27,617円 約46,028円 約92,057円
タフト Gターボ IDLE非装着(4WD) 18.2km/L 約26,554円 約44,258円 約88,516円
タント ファンクロスターボ IDLE非装着(4WD) 18.2km/L 約26,554円 約44,258円 約88,516円

年間走行距離3,000kmは普段車に乗らず、週末だけ近場で車を使う場合の距離に該当。
この場合ジムニーの1年間にかかる燃料費は約29,114円で、最も燃費の良いタフト・ファンクロスの約26,554円と比較すると+2,560円の差に。
1年間の燃料費は走行距離が少ないため、最も燃費の良いタフト・ファンクロスと比較してもあまり大きな差にならないのが解ります。

年間走行距離5,000kmはお買い物など生活に必要な足として、近場で日常的に使用する場合の距離に該当。
ジムニーの年間燃料費が約48,524円で、タフト・ファンクロスの約44,258円と比較すると燃費差が+4,266円になり、ジムニーのカタログ燃費が少し気になってくる方もいるでしょう。

年間走行距離10,000kmは普段のお買い物やお出かけに加え、レジャーなどで遠出する場合の距離に該当。
ジムニーの1年間の燃料費は約97,048円、タフト・ファンクロスの1年間の燃料費が約88,516円で、その燃費差は+8,532円になります。年間にすると大きな金額になりますが、1月単位で見ると10,000km走行にかかるジムニーの燃料費は約8,087円で、タフト・ファンクロスの1か月の燃料代約7,376円と比較すると711円になります。
1年間にかかる具体的な燃料費を見ると、燃費が悪いと言われるジムニーでも、以外と維持しやすいのがわかるのではないでしょうか。

ジムニーは燃費が悪いから買って後悔するかも ジムニーは燃費を許容できる魅力も

ジムニーは「燃費が悪いから買って後悔するかも」と考えている方も、一度ジムニーを所有するとジムニー愛に目覚める方が多いようです。
1970年の発売から世界中で愛されている通り、ジムニーには燃費が悪いことも許容できる魅力が沢山あります。

日本ではジムニークラブオブジャパンというファンクラブがあり、毎年日本全国でファンイベントを開催。SNSにはジムニーオーナーズクラブがあり自慢のジムニーを掲載しています。
元々ファンが多いジムニーですが、2018年のフルモデルチェンジにより人気が爆発。特にジムニー女子と呼ばれる女性のファンが増えたのが特徴です。

道幅の狭い林道でも扱いやすいボディサイズ、最低地上高の高さを生かした悪路走破性、カクカクした可愛いエクステリアなど、燃費性能の悪さなど気にならないくらい数多くのユーザーに愛されています。

ジムニーは唯一無二の軽クロスカントリーSUVで燃費の悪さはジムニー愛でカバー

ジムニーは突出した走破性と引き換えに燃費が悪いのも事実で、ハイブリッドシステムを搭載するモデルや、車両重量が軽量でヒンジドアを採用するノンターボモデルなどには到底かないません。

しかし、ジムニーの性格に似たターボエンジン搭載の4WDモデルを比較対象として、年間でどれくらい燃料費がかかるのかを計算することで、ジムニーを購入した後も後悔することなくマイカーライフを楽しむことができるようになります。
屈強なラダーフレームや大径タイヤ+ホイールでどんな悪路でも力強く進むジムニーは燃料費が気にならないほど魅力に溢れたモデルです。