2000年代以降の三菱の歴代車種
2000年以降の三菱は不祥事により自社のブランドイメージを損ねた結果、大きく販売台数を落としてしまいます。日本での販売は厳しいものでしたが、コルトなどの堅実なヒットカーや今なお海外で高い人気を誇るトライトンなどが誕生しました。
ランサーセディアワゴン/ランサーワゴン(2000~2007)
ランサーセディアワゴン中期型
ステーションワゴン・リベロの後継。2003年に「セディア」のサブネームがとれ、ランサーワゴンの車名に。「加速がいい」とオーナーからは割と好評。ただし、ガソリン直噴エンジンGDI採用車なので中古車購入は慎重な検討が必要。
ディオン(2000~2006)
ディオン 前期型
7人乗り3列シートの5ナンバーミニバンとして登場。三菱が掲げたSUW「スマート・ユーティリティ・ワゴン」で販売当初は好調な売上を記録するも、低燃費なライバル車の登場やブランドイメージ下落により失速。
プラウディア(2000~2001/2014~2016)
初代プラウディア 生産台数は少ないが個人タクシーとして稀に活躍している
初代の生産期間は1年1ヶ月。トヨタ・セルシオなどと並ぶ高級車で、ストレッチリムジン仕様の姉妹車ディグニティは秋篠宮家の公用車。2012年に日産フーガY51型のOEM供給で車名が復活し、2016年まで販売。
ディグニティ(2000~2001/2014~2016)
初代ディグニティS43A型
2代目ディグニティBHGY51型 日産HGY51型シーマのOEM
限定車を除き日本で販売数が最も少ない車。三菱の重役が乗るイメージから脱却できず、ブランドイメージの悪化、平成不況と重なった結果、初代は生産台数59台。秋篠宮家の公用車として知られている点が救い。2代目は日産シーマのOEM。
エアトレック(2001~2009)
エアトレック前期型 フィールドギア
エアトレック スポーツギアS
国外ではアウトランダーの車名で販売されていたクロスオーバーSUV。セダンからの乗り換えも見込み、全高を1,550mmに抑えることで立体駐車場もOK。ただし2003年追加の「スポーツギア」はサイズが一回り大きいため不可で、アクの強いマスクが賛否両論。
グランディス(2003~2009)
シャリオグランディスの後継車 グランディス前期型
オリビエ・ブーレイが監修したミニバン。いわゆるブーレイ顔。曲線を多用してデザイン性を猛PR。しかし、ホンダ・オデッセイなど競合ひしめく市場では、消費者の反応は薄かった。海外では2011年まで生産され、特に欧州やタイで人気。
eKスポーツ(2002~2013)
初代eKスポーツ
2代目eKスポーツ 後期型
初代eKシリーズのスポーツモデルとして登場。フルモデルチェンジを経て2012年まで生産されたモデル。eKシリーズとして初のターボエンジンが採用された。後継はekカスタム。
eKクラッシィ(2003~2005)
eKクラッシィ 後期型
初代eKシリーズに追加された上級モデル。クラシカルな雰囲気のあるエクステリア、ベージュを基調としたインテリア、eKワゴンよりも豊富な装備により差別化。見た目だけでなく、遮音性の向上にも取り組んでいた。
eKアクティブ(2004~2006)
eKアクティブ
初代eKシリーズに追加されたSUV担当。いわゆるブーレイ顔。当時は軽自動車のクロスオーバーSUVが珍しく、オプションで撥水ラゲッジボックスなども用意。2019年発売のeKクロスの元祖とも呼べる存在。
eKカスタム(2013~2019)
eKカスタム 2015年マイナーチェンジモデル
3代目ekシリーズに追加されたスポーティーモデル。ekスポーツの後継。当初から力強さを感じるエクステリアだったが、2015年のマイナーチェンジで三菱のフロントデザインコンセプトである「ダイナミックシールド」を採用した。
ランサーエボリューションワゴン(2005~2006)
ランサーエボリューションワゴン GT
第三世代ランエボをベースにした通称エボワゴン。限定2500台。6速MTと5速ATがあり、価格は341万円~。海外のクルマ好きにも響くデザイン&存在感のようで、「これぞクール・ジャパンだ!」と興奮気味に褒めてくれたりする。
i(2006~2015)
i(アイ)前期型
i(アイ)リア
リアミッドシップエンジン、後輪駆動の軽自動車。ロングホイールベースで居住性を高め、運動性能にもこだわった「プレミアムな軽」の先駆け。コロンとした卵のようなシルエットが個性的でかわいい。実は前後のタイヤサイズが異なる。
コルト(2002~2013)
コルト 後期型
ダイムラー・クライスラー社と共同開発したコンパクトカー。スマート・フォーフォーとはプラットフォームを共通する姉妹車。発売当初は苦戦したが、エコカー減税や新車価格100万円を切るLimitedグレードの登場により、徐々に販売台数を伸ばしてロングセラーに。
コルトプラス(2004~2012※国内生産終了)
コルトプラス
コルトプラス 台湾仕様 2013年9月マイナーチェンジ型
コルトプラス 台湾仕様 2017年6月マイナーチェンジ型
コルトをベースにラゲージスペースを広くしたモデル。台湾では大ヒットカーとなり、自動車メーカー中華汽車による現地生産が続く。2013年のマイチェンではコルトの面影がほぼなくなったが、2017年やっぱり三菱っぽい外見にマイチェン。
トッポ(2008~2014)
トッポ トッポBJ以来4年9か月ぶりに「トッポ」の車名が復活
ミニカトッポから数えて4代目。トッポBJの生産終了から4年9カ月ぶりに復活した軽トールワゴン。資金難からトッポBJから外板パネルを、ekのプラットフォームを流用したコストダウン設計。ガラスが大きくて、運転しやすく、開放感あり!
パジェロ(1982~2019)
スキーブーム時に誕生した初代パジェロ メタルトップ バン 2.0T / 2.3DT XL
大ヒットカーとなった2代目パジェロ 中期型 キックアップルーフワイド XR
3代目パジェロ 前期型 エクシード
現行車種4代目パジェロ 2014年7月改良型
80年代のレジャーブーム期に登場。1992年には国内月間販売台数1位を獲得するなど誰もが知るヒットカーに!ダカール・ラリーでは総合優勝12回。しかし、2018年2月ショートボディの生産を終了。SUVブームに押されて日本では2019年に販売終了。
デリカD:3(2011~2019)
BM20型 デリカD3
全長4.40mm×全幅1695mmとギリギリ5ナンバーサイズのミニバン。日産NV200バネットのOEM車種だが、フロントバンパーとフロントグリルが違うため、やや顔つきは異なる。
アウトランダー(2005~2020)
初代アウトランダー 2010年GTモデル
2代目アウトランダー アジアクロスカントリーラリー参戦車
国内ではトヨタ・ハリアーやマツダ・CX-5などと競争を繰り広げるミドルサイズSUV。海外ではプジョー4007とシトロエンCクロッサーのベース車にもなっている。ボディはランエボで培った技術を惜しみなく投入したと三菱は語る。福島警察のパトロールカーにも採用。
i-MiEV(2009~2021)
東京モーターショー2007に出展されたi-MiEV
世界初の量産型電気自動車として誕生し、近未来的なデザインが国内外で話題を集めたアイ・ミーブ。歩行者保護のためにフロントバンパーを大型化する必要があり、2018年4月に軽自動車から登録車へ異例の白ナンバー変更を遂げる。
ミラージュ(1978~2023)
三菱初のFF車だった初代ミラージュのハッチバック
先代よりコンパクトになった6代目ミラージュ(2012~)
三菱初のFF車として登場し、初代は副変速機スーパーシフトを搭載していたミラージュ。2000年に5代目で国内販売を終了するも、2012年に車名を復活。現行型6代目はよりコンパクトになり、欧州ではAセグメントに位置する世界戦略車となった。
三菱自動車は独自性のあるクルマ作りで復活もあり得る?
「三菱自動車」といえば、ラリーで活躍したランサーエボリューション、パジェロなどのレース・オフロードの名車を思い浮かべる人がいるでしょう。
2016年から三菱自動車は、ルノー・日産アライアランスに加わり、ルノー・日産・三菱アライアンスの構成会社となりました。三菱自動車の名車を活用しながらルノー・日産とどのような関係で新しい商品を作っていけるかが三菱復活のカギとなるかもしれません。三菱自動車には競合他社とは違う独自性のある車、名車と呼ばれる車を作ってきた歴史は確かにあります。