マツダの新型車カレンダー2017~2027年
マツダは2012年に始まった「魂動デザイン」を皮切りに販売を伸ばし、ロータリーエンジンやSKYACTIV-Dクリーンディーゼルといった独自技術に強みを持つ国産メーカーです。コンパクトカーのデミオ(現MAZDA2)、SUVのCX-3・CX-5、スポーツカーのRX-7・RX-8など、節目ごとに記憶に残る一台を世に送り出してきました。
2020年に創立100周年を迎えたマツダは、その後もFRレイアウトのラージ商品群(CX-60/CX-80/CX-90)や、ロータリーエンジンを発電に使うレンジエクステンダーEVを投入するなど、電動化と走りの両立に向けて舵を切っています。ここでは2017年から2027年までのマツダ新型車・モデルチェンジ情報を時系列で整理します。
CX-5 フルモデルチェンジ 2026年(3代目・SKYACTIV-Zは2027年導入)
マツダは新型CX-5(3代目)を2025年7月10日に欧州で世界初公開しました。欧州では2025年末から販売開始、日本を含むそのほかの市場では2026年中の発売となります。日本仕様の導入時期はマツダの公式アナウンスで2026年中となっており、複数の国内メディアは2026年春から初夏のデビューを予想しています。
欧州仕様の主要諸元は全長4,690mm×全幅1,860mm×全高1,695mm、ホイールベースは現行型より115mm延長されています。間近で対峙すると、伸ばされたホイールベースぶん側面のドアの開口が大きく取れていて、後席への乗り降りが楽な体勢で行える印象を受けます。
インテリアは標準で12.9インチ、上級グレードで15.6インチのセンターディスプレイを搭載し、Googleビルトインに対応したタッチスクリーン式へ刷新。実際のオーナーから2代目で指摘されてきた「マツダコネクトのもっさり感」「Apple CarPlay/Android Autoの相性問題」は、ここで一気に世代を跨いでアップデートされます。
パワートレインはe-SKYACTIV G 2.5(直列4気筒2.5L+マイルドハイブリッドのMハイブリッド)に6速ATを組み合わせる構成で先行投入。マツダが掲げる超希薄燃焼の新エンジンSKYACTIV-Zと自社製ストロングハイブリッドの組み合わせは2027年中の追加となります。一方、2代目で人気を集めたSKYACTIV-D 2.2のディーゼルは新型では設定されない方向で、ディーゼル軸でCX-5を考えるなら現行型の流通在庫か、ラージ商品群のCX-60/CX-80に視野を広げる必要があります。
整備性の観点では、マイルドハイブリッド化に伴う48V系統の増設で、12V車に比べバッテリー単体での突発交換のような自己対応はしにくくなります。週末のキャンプや長距離移動でアウトドア用途を重視する層には、荷室容量と後席ニースペースの拡大は明確なメリットになります。
MAZDA2 フルモデルチェンジ 2027年以降(ロータリーEVの可能性)
マツダのコンパクトモデルMAZDA2のフルモデルチェンジは、現行型の生産終了タイミングと新世代エンジン投入時期から、早くて2026年終盤、本命は2027年と予想されています。現行4代目は2014年デビューで、すでに10年超のロングセラーになっており、世代交代が長く待たれてきた一台です。
注目はパワートレインです。ジャパンモビリティショー2025で公開されたコンセプト「VISION X-COMPACT」は次期MAZDA2の方向性を示すモデルとされ、自社製の新世代1.5L SKYACTIVにマイルドハイブリッドを組み合わせる案に加えて、ロータリーエンジンを発電に使うレンジエクステンダーEV(ロータリーEV)を採用する可能性が複数の専門誌で報じられています。MX-30 R-EVで実用化されたロータリー発電を、より販売台数の見込めるBセグメントに展開する流れです。
内外装は、2026年発売の3代目CX-5で導入されたGoogleビルトイン対応のセンターディスプレイや、12.9インチ前後の大型表示系のテイストを引き継ぐ見通しです。ボディサイズはこれまでより一回り大型化され、全幅は1.8m近くまで広がる予想も出ています。
長年デミオ/MAZDA2を乗り継いできたオーナーから一般的に聞かれるのは「コンパクトでも質感は手放したくない」「視界の良さは譲れない」という点で、新型でもこの2つは残すマツダのコンパクト哲学が継続される見方が強いです。立体駐車場の幅制限(多くが1,850mm)を境にして、新型がどこに収まるかは購入判断の分かれ目になります。
RX-9 新型車 2027年以降(ロータリースポーツ復活の噂)
ロータリースポーツの新型「RX-9」は、2027年以降の登場が噂されているフラッグシップスポーツの仮称です。マツダはジャパンモビリティショー2023に2ドアスポーツコンセプトの「ICONIC SP(アイコニックSP)」を、JMS2025には4ドアクーペスタイルの「VISION X-COUPE」を世界初公開しており、いずれも2ローターのロータリーエンジンを搭載する構成です。
RX-9という車名自体は現時点で正式発表されておらず、ICONIC SPの市販モデルが「RX-7後継」として登場するのか、4ドア寄りの「RX-9」としてラインナップされるのかは未確定です。マツダ社内ではロータリースポーツ復活への熱量が高い一方で、量産化のGOサインは慎重に検討されている段階という報道もあります。
スポーツカー好きから一般的に聞かれるのは「振動・燃費・耐久性というロータリーの三つの課題を、現代の電動化技術でどこまで埋められるか」という点です。レンジエクステンダーEV化や、ハイブリッド化で発電に徹する使い方であれば、過去のRX-7/RX-8で指摘されてきたアペックスシール摩耗の負荷も従来より下げられる方向性が見えてきます。
新型車 RX-7 2027年以降(ICONIC SPベースで復活の予想)
RX-7は1978年から2002年まで販売され、SA(初代)/FC(2代目)/FD(3代目)の愛称で呼ばれるロータリーエンジン搭載スポーツカーです。2003年のRX-8への実質的バトンタッチ、2012年のRX-8生産終了を経て、ロータリースポーツのラインナップは長らく途絶えていました。
2015年の「RX-VISION」、2023年のジャパンモビリティショーで公開された「MAZDA ICONIC SP」が次期RX-7のスタイリングを示すモデルとされ、2027年後半にもRX-7の名が24年ぶりに復活する可能性が報じられています。複数の専門誌が予想する新型RX-7のパワートレインは、830cc×2ローターターボのプラグインハイブリッドで、駆動方式はFR、ボディサイズは全長4,180mm前後、全幅1,850mm、車重1,500kg以下を目標とし、価格帯は800万〜900万円クラスとされています。
歴代FDオーナーから長期使用で指摘されやすいのは、アペックスシール・サイドシールの摩耗と、エキマニ周辺の熱害です。新型でロータリーが「発電」または「補助動力」として使われる構成になれば、こうした熱と摺動の負荷バランスは現代的に再設計される見通しで、伝統のフィーリングと日常使いの両立は最も注目される点になります。
CX-3 フルモデルチェンジ 2027年(プラットフォーム刷新を予想)
コンパクトSUVのCX-3は2015年デビュー以来、商品改良で延命されてきたモデルで、2027年前後でのフルモデルチェンジが予想されています。プラットフォームはMAZDA2と共通する次世代Bセグメント基盤への切り替えが見込まれ、ホイールベース延長と居住性の改善が焦点になります。
現行CX-3オーナーから購入後に気づくこととしてよく挙がるのは、後席居住性とラゲッジ容量の小ささです。次期型では同じくマツダのCX-30との棲み分けが課題となり、全長・全幅の拡大幅は限定的に留め、立体駐車場の制限内に収まるサイズで仕上げる方向性が現実的とされています。
パワートレインは新世代1.5LガソリンSKYACTIVにマイルドハイブリッドを組み合わせる構成が有力で、ディーゼルの存続は不透明です。中古車市場で残価が読みやすいモデルでもあるため、買い替え検討では現行型の最終仕様と次期型の初期型を価格帯で比較する視点が役立ちます。
CX-70(北米向け)新型車 2024年1月30日 ラージ商品群第3弾
CX-70はラージ商品群第3弾として、2024年1月30日に北米市場でワールドプレミアされた2列シートのミッドサイズクロスオーバーSUVです。CX-90の2列版という位置付けで、北米のミドルラグジュアリーSUV市場を狙ったモデルになります。
パワートレインは3.3L直列6気筒ターボガソリン+48Vマイルドハイブリッドのe-SKYACTIV G 3.3と、2.5L直列4気筒+モーターのプラグインハイブリッド「e-SKYACTIV PHEV」の2本立てです。エクステリアはメッシュグリルとワイドなフロントフェイスで精悍に、インテリアはレッド系のバーガンディを差し色に配して華やかな印象に振っています。
販売地域はアメリカ・カナダの北米中心で、その後メキシコとオーストラリアへ順次導入。日本市場への導入はマツダから公式アナウンスがなく、日本ではCX-80が同サイズ帯のラージSUVを担います。
CX-80 新型車 2024年10月10日 CX-8後継の3列フラッグシップSUV
CX-80は2024年10月10日に日本で発売されたマツダの国内最上級3列シートSUVです。CX-8(2023年12月25日に生産終了)の実質的な後継モデルで、価格は478万1,700円から714万円弱(最上級PHEV)まで、3種類のパワートレインと8グレード構成という幅広いラインナップを揃えています。ボディサイズは全長4,990mm×全幅1,890mm×全高1,710mmで、CX-8からひと回り拡大しました。
CX-80は2022年発売のCX-60と同じFRベースのラージプラットフォームを採用するプレミアム路線の第2弾で、3列目までキャプテンシート(6人乗り仕様)を選べる点が大きな個性です。間近で対峙するとフロントマスクの押し出しはCX-60より一段と量感が増していて、メッキの面積を抑えてボディ同色のパネルで構成したフロントは「上質さ」を主張する印象を受けます。
パワートレインは3.3L直列6気筒ディーゼルターボ+マイルドハイブリッドのe-SKYACTIV D、2.5L直列4気筒+モーターのプラグインハイブリッドe-SKYACTIV PHEVを中心に展開。ロングドライブ重視ならディーゼル、自宅充電と短距離EV走行を組み合わせたい層にはPHEVという棲み分けです。
3列目に大人が長時間座る用途を期待して買うと後悔しやすいのはCX-80も同様で、3列目は緊急用ではないものの、メインで使うシートとしては2列目のキャプテンシートの方が圧倒的に快適です。マツダは「2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー」の10ベストカーに選出されており、安全評価ではJNCAP2024年度でファイブスター賞を受賞しています。2026年3月19日には一部改良で機能・快適性・安全装備のブラッシュアップも行われています。
MX-30 Rotary-EV 新型車 2023年9月14日 ロータリーレンジエクステンダー
MX-30 R-EV(Rotary-EV)は、ロータリーエンジンを発電専用に使うレンジエクステンダーEVです。欧州での先行発表ののち、日本市場では2023年9月14日に追加設定されました。RX-8の生産終了以来、約11年ぶりとなる量産ロータリー搭載車として大きな話題を集めたモデルです。
駆動はモーターのみ、ロータリーは発電に徹する構成で、シングルローターの830cc 8C型を採用。バッテリー残量があるうちはピュアEVとして走り、充電が減ると発電機が起動して航続を伸ばします。自宅充電のある環境で日常はEV、週末の長距離で発電機を使うという棲み分けに向いた一台です。
実際のオーナーから一般的に聞かれるのは、発電機作動時の音と振動のキャラクターです。レシプロエンジンの規則的な脈動とは異なり、ロータリー特有のなめらかな回り方が伝わるため、EVと内燃機関のハイブリッド体験としてはユニークさが際立ちます。今後マツダはロータリー発電のレンジエクステンダー技術を、MAZDA2など下位車種へ横展開する方向性を示しています。
CX-60 新型車 2022年9月15日 ラージ商品群第1弾の縦置きFR
CX-60はマツダのラージ商品群第1弾として、2022年3月9日に欧州でワールドプレミア、同年9月15日に日本市場で発売されたミッドサイズSUVです。マツダ初の縦置きエンジン+FRレイアウトのラージプラットフォームを採用し、ドライバー異常時対応システムなど新しい予防安全機能も投入しました。
パワートレインの目玉はマツダ初搭載のe-SKYACTIV PHEVと、3.3L直列6気筒ディーゼルターボ+48Vマイルドハイブリッド(e-SKYACTIV D 3.3)です。直6ディーゼルは輸入プレミアムSUVに対抗する位置付けで、長距離高速巡航でのトルクの厚さと燃費の良さは現行国産SUVの中で頭一つ抜けています。
初期型で多くのユーザーが指摘するのは、低速域での縦揺れと足回りのバタつき感です。マツダは2023年・2024年・2026年と複数回の商品改良でリヤダンパー・サスチューニング・電動パーキング制御を見直しており、購入検討では年式と改良履歴を確認することが満足度に直結します。