ケルヒャーの家庭用高圧洗浄機「K2サイレント」で洗車してみた ~ 特長やおすすめ収納BOXも紹介
1935年に創業し、1984年に世界初の家庭用高圧洗浄機「HD 555 profi」を世に送り出したケルヒャーは、高圧洗浄機メーカーのトップブランドです。
同社は1980年に世界的建造物の再生・洗浄プロジェクト「クリーニングプロジェクト」を開始し、海外ではニューヨークの自由の女神やヴァチカンのサン・ピエトロ広場、日本では国の重要文化財である日本橋などを清掃してきました。
ケルヒャーの商品はTVショッピングでも紹介されることが多く、ホームセンターでも目立つ場所に陳列されているため、気になっている方も多いでしょう。
今回は、数ある商品の中でも、作動時の静粛性と洗浄力に優れた家庭用高圧洗浄機「K2サイレント」を実際に使って洗車を試してみました。
「K2サイレント」の洗車効果や使用後の感想だけでなく、機能的に保管できるおすすめの収納BOXについても紹介します。
日本専用モデルの家庭用高圧洗浄機「K2サイレント」は軽量・コンパクトで洗浄力と静音性に優れる
2018年10月1日に発売されたケルヒャーの家庭用高圧洗浄機「K2サイレント」は、住宅密集地や集合住宅が多い日本の居住環境を考慮して開発された日本専用モデルです。
静音性だけでなく洗浄力も高い「K2サイレント」は、クイックコネクトシステムを採用しており、専用ノズルやホースの接続が簡単に行えます。また、使用後は本体背面に標準装備のトリガーガン・ノズル・高圧ホースをコンパクトに収納でき、スッキリ片付けられます。
電源 | 100V 50HZ/60HZ共用 |
---|---|
消費電力 | 1,250W |
常用吐出圧力 | 7.5MPa 低圧またはトリガーのみ場合は2MPa |
最大許容圧力 | 10MPa |
常用吐出水量 | 310L/h |
最大吐出水量 | 360L/h |
最大給水圧力 | 1.2MPa |
給水温度 | 最高40℃ |
本体寸法(長さ×幅×高さ) | 538mm×293mm×303mm |
本体質量 | 5.8kg |
定格使用時間 | 最大1時間 |
防水性能 | IPX5 |
騒音音圧 | 63dB |
ケルヒャー「K2サイレント」はK2シリーズ最高の洗浄力と静音性を実現
ケルヒャージャパン創立30周年を記念して登場した「K2サイレント」は、屋外で作業する際の近隣住民への騒音が気になる方が80%近くに上るというアンケート結果を開発に反映させたモデルです。
K2シリーズで初めてのサイレントモデルである「K2サイレント」は、空冷式ユニバーサルモーターの周囲に振動吸収材や吸音材を最適に配置しました。その結果、従来のK2クラシックと比べて騒音音圧が約10dB低下し、非常に優れた静音性を実現しています。
K2 サイレント | K2 クラシック | K2 | K3 サイレント | |
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騒音音圧 | 63dB | 73dB | 71dB | 50Hz:62dB 60Hz :65dB |
質量(本体のみ) | 5.8kg | 3.8kg | 5.5kg | 10.3kg |
最大吐出圧力 | 10MPa | 8Mpa | 9MPa | 10Mpa |
吐出水量 | 常用:312L/h 最大:360L/h |
常用:282L/h 最大:330L/h |
常用:310L/h 最大:360L/h |
常用:330L/h 最大:360L/h |
ケルヒャーが業務用清掃機器で培った先進技術を取り入れた「K2サイレント」は、洗浄力にも優れています。ワンランク上の「K3サイレント」と比べると、本体は約半分の軽さでありながら、同レベルの最大吐出圧力と吐出水量を実現しています。
軽量・コンパクトで静音性と洗浄力に優れ、組み立ても簡単なため、女性ユーザーからも支持されています。マンションのベランダ洗浄に利用する方もいます。
持ち運びしやすい「K2サイレント」は洗車にも便利な家庭用高圧洗浄機
高圧噴射により手で落としにくい汚れも短時間で除去でき、水をムラなく均一に噴射できるため、洗車時の傷を付きにくくします。
洗車傷は、ボディに付着した泥や砂をスポンジやブラシで擦ることで発生します。ホースで水洗いして砂や泥を落とす作業も行いますが、水圧が不足したり噴射が均一でなかったりすると、十分に汚れを落とせません。
「K2サイレント」は高圧噴射で泥や砂を効果的に除去し、洗浄傷を付きにくくするメリットがあります。さらに軽量・コンパクトで持ち運びやすく、静音性にも優れているため、日本市場で展開される家庭用高圧洗浄機の中でも、特に洗車に適した商品です。
特徴 | 具体的な内容 |
---|---|
高圧噴射 | 手では落としにくい泥や砂を短時間で除去し、水を均一に噴射できるため洗車時の傷を防ぐ。 |
洗車傷対策 | 泥や砂を高圧水で効果的に取り除くことで、スポンジやブラシで擦る際の傷を軽減できる。 |
持ち運びやすさ | 軽量かつコンパクト設計で、家庭内や屋外でも移動が簡単にできる。 |
静音性 | 作動音が抑えられており、住宅街などでも使いやすい環境性能を備えている。 |
用途適性 | 日本市場の家庭用高圧洗浄機の中でも特に洗車に適した性能を持つ。 |
「K2サイレント」を使ってランドクルーザープラドを洗車してみた
TVショッピングで紹介されることも多く、ホームセンターでは目立つ位置に陳列されているケルヒャーの「K2サイレント」を使い、ランドクルーザープラドを洗車してみました。
「K2サイレント」には、黄色い本体のほか、本体側カップリングや取扱説明書などが梱包されています。
左端にあるトリガーガンには安全ボタンが付いており、その隣のフォームノズルは泡洗車に使用します。全長8mの高圧ホースは本体とトリガーガンを接続するためのアイテムです。
高圧ホース側に近いサイクロンジェットノズルは、コンクリート外壁など頑固な汚れを洗浄する際に使用します。本体側に近いバリオスプレーランスは圧力調整が可能で、洗車時などに利用します。
ケルヒャー「K2 サイレント」の梱包品
- 本体
- 高圧ホース(8m)
- トリガーガン
- バリオスプレーランス
- サイクロンジェットノズル
- フォームノズル
- 本体側カップリング
- 取扱説明書
まずは「K2サイレント」の本体に付属品を取り付けます。本体背面下側の吸水口に本体側カップリングを差し込みました。
給水方法は、蛇口への直接接続、ホースリール接続、タンクやバケツの水利用の3パターンがあります。今回は手元にあったタカギのホースリールを接続しました。接続部が適合していたため問題なく取り付けられ、水漏れのないことも確認しました。
この状態で蛇口を開くと高圧ホース接続口から水が流れてしまいました。取扱説明書によると、トリガーガンと高圧ホースを本体に接続してから蛇口を開く必要があります。
説明書に従い、全長8mの高圧ホースを本体の接続口に差し込みました。
トリガーガンに高圧ホースを接続するため、留め具の滑り止め部分を指でつまんで手前に引き出しました。奥のシルバーのパーツが高圧噴射に関わっています。
留め具をスライドさせた状態で、高圧ホースをトリガーガンのジョイント部に差し込み、奥まで押し込みました。
ホースを奥まで差し込んだ後、留め具を元の位置に戻し、接合力が強まっていることを確認しました。
水漏れがないことを確認したら、電源プラグをコンセントに差し込み、スイッチを右に90°回してONにしました。
左が「サイクロンジェットノズル」、右が「バリオスプレーランス」です。ともにトリガーガンの先端に取り付けて使用します。
まず「バリオスプレーランス」を取り付け、先端の筒状パーツを回すことで水圧を調整。広範囲に粒の大きい水滴を噴射するモードや、狭範囲のミスト噴射モードに切り替え可能です。
「サイクロンジェットノズル」は高圧のため、車の塗装面や強度の弱い部分には使用できません。スクリュー状に勢いよく水が噴射される様子を確認しました。
再び「バリオスプレーランス」をトリガーガンに取り付け、ランドクルーザープラドの洗車を開始。まずは離れた位置から泥や砂汚れを落とします。
次に車に接近して高い位置から水を噴射。車高のあるルーフ部も、腕を伸ばすだけで洗浄可能です。
ホイールの隙間やパーツ間の汚れも、ピンポイントで簡単に除去できます。
車体下部の洗浄も簡単です。ブレーキホースなどにダメージを与えないよう、近距離噴射を避け圧力を調整しながら作業しました。
水だけで大部分の汚れは落とせますが、フォームノズルを使った泡洗車も行いました。タンクに水を入れ、シュアラスター「カーシャンプー1000」を計量して混ぜ込みます。
フォームノズルをトリガーガンに取り付け、泡洗車を開始。タンク内の溶液は40〜50秒ほどで使い切る量でした。
作業は一面ずつ行うと効率的です。ルーフ→サイドガラス→ホイールの順で泡を噴射しました。
洗車スポンジ(ソフト99「リムーバースポンジ」)を使って泡を一定方向に拭き伸ばしました。
泡洗車後、バリオスプレーランスに戻してボディやホイールのカーシャンプーを洗い流します。ホイール隙間の洗浄も容易で、体への負担も少なく行えました。
「K2サイレント」を使った洗車では、ほとんどの汚れを簡単に落とすことができました。ただし、黒い点状の頑固な汚れまでは除去できませんでした。
以下に「K2サイレント」を使った洗車の感想をまとめます。
ケルヒャー「K2サイレント」で洗車してみた感想
- コイン洗車場を利用しているような感覚
- 水を噴射しただけでも汚れがよく落ちた
- 洗車傷がつきにくい
- フォームノズルの溶液の消費量が早い
- 塗装面に破損があれば、そこから塗装落ちが拡がってしまう恐れがある
- 作業中にはやはり音が静かで、気にならなかった
- トリガーガンなどの重さが丁度良かった
- シュアラスターのカーシャンプーよりも濃縮率の良いSONAXのカーシャンプー「グロスシャンプー 314300」を使った方が経済的かもしれない
サイクロンジェットノズルの高圧噴射力を外壁やタイル汚れで試してみた
ケルヒャー「K2 サイレント」は洗車だけでなく、外壁やタイルの汚れも簡単に落とせると評判です。今回は実際に試してみました。
玄関スロープのコンクリート外壁には、タイル目地から滴り落ちた泥水による汚れが付着しています。トリガーガンにサイクロンジェットノズルを取り付けて、汚れを落としていきます。
サイクロンジェットノズルから噴射される水の勢いで、外壁の汚れはあっという間に落ちました。使用時は水しぶきが飛び散るので、衣服の汚れにも注意が必要です。
タイル目地は汚れが溜まりやすく、手作業での洗浄が難しい場所です。
高圧洗浄機を使うことで、タイル目地の汚れも短時間で周辺も含めて綺麗にできます。
ケルヒャー「K2 サイレント」の片付け方法
洗車や外壁洗浄が終わったら、「K2 サイレント」の片付けを行います。まず水道栓を閉め、スイッチを左に回して電源を切ります。
タカギのホースリールを取り外し、高圧ホースを本体から引き抜こうとしましたが、なかなか外れませんでした。取扱説明書(P34)に従い、トリガーガンを握ってポンプ内の残留圧力を抜くと、簡単に取り外せました。
最後に本体背面にトリガーガン、サイクロンジェットノズル、電源コードなどをまとめて収納すれば、片付け作業は完了です。
ケルヒャー「K2サイレント」の収納BOXにはTRUSCOのトランスカーゴ50Lが最適
「K2 サイレント」本体の寸法は538mm×293mm×303mmです。フォームノズルやトリガーガンなどの付属品と一緒に保管する場合、どの収納BOXが適しているかを検証しました。
まず、外径が約600mm×380mm×333mmとされる「ティアモス600」にK2サイレントを収納できるか試しました。
結果、電源コードの根元を無理に押し込まなければ収納できず、フタも閉められなかったため、ティアモス600は不適でした。
次に、外径約800mm×380mm×333mmの「ティアモス800」を試しました。
横幅が200mm広がったことで、スポンジやクロスなどの洗車グッズを一緒に収納できましたが、高さが同じため、K2サイレントは横置きでなければフタが閉まりませんでした。
縦置きで収納したい場合、他の収納BOXも検証しました。
TRUSCOの「トランスカーゴ50L」は外寸600mm×390mm×370mmと、ティアモス600や800より約40mm高く設計されており、K2サイレントを縦置きしてもフタを閉めることができました。
防水性もある収納BOXに入れて保管したい場合、TRUSCO「トランスカーゴ50L」が最適であることを確認できました。
ケルヒャー「K2サイレント」を使えば洗車が圧倒的に楽になる
K2サイレントを使った洗車は、従来のスポンジでの手作業に比べ、効率的でボディに傷をつけるリスクも少なく、圧倒的に楽です。トリガーガンにバリオスプレーランスを取り付けるまでに多少の慣れは必要ですが、回数を重ねることでスムーズに操作できるようになります。
日本市場では「K3 サイレント」「K4 サイレントホームキット」「K5 サイレントカー&ホームキット」などもありますが、コンパクト設計で静粛性に優れ、日本の住宅事情に合った「K2サイレント」が洗車には特におすすめです。
また、アンダーボディスプレーランスやパワーブラシなどのオプションアクセサリーを使えば、車の下回りや家の外壁・ベランダの汚れもより効率的に落とせます。