LEDヘッドライトは雪に弱い?長寿命で明るいLED前照灯の意外な弱点と解消方法
ひと昔前はディスチャージドランプやHIDと呼ばれていたヘッドライトが主流でしたが、新型車に続々と採用されているのがLEDヘッドライト。バイキセノンライト(HID)とは違い、点灯後すぐに最大光量になる・省電力で長寿命・発熱が少ないため壊れにくいなどのメリットがある。
ですが、LEDヘッドライトの弱点は「雪に弱い」ことがある。LEDヘッドライトはなぜ雪に弱いのか、逆にどのヘッドライトが1番雪に強いのか、LEDヘッドライトはどうすれば雪に勝てるのかを考察。LEDヘッドライトを装備している車で雪に悩んでいる方はチェック。
LEDヘッドライトは省電力・低発熱・長寿命で明るいヘッドライトだが吹雪に弱い
LEDヘッドライトは低発熱のため雪に弱い
LEDヘッドライトは新型車では標準装備やオプション装備になっていて、ディスチャージドランプ・バイキセノンヘッドライトと呼ばれていたHIDは装備されなくなってきています。ハロゲン・HIDよりも明るく、省電力でバッテリーにも優しいLEDヘッドライトですが、雪に弱いというポイントがあります。
サラサラした雪ならヘッドライトにもくっつかず落ちていきますが、みぞれなどのべちゃべちゃした雪の中走行しているとどんどん雪はくっつき光量が減っていきます。ハロゲンライトなら発熱があるため溶けていきますが、発熱の少ないLEDヘッドライトは溶けずに積もっていくばかりです。
LEDの明るい光量を取り戻すためには、駐車しスノーブラシなどで雪を除去しなければなりません。これがLEDヘッドライトの唯一の弱点と言えるでしょう。
発熱量が多いヘッドライトはハロゲン>HID>LEDの順番でハロゲンライトが1番雪に強い
LEDの特徴は発熱量が少ないが光量が多く明るいこと
では、1番雪に強いヘッドライトはどの種類なのでしょうか?それは付着した雪が溶けるかどうかで決まり、自前の発熱により雪を融かし光量が落ちないハロゲンヘッドライトが雪道において最強と言えるでしょう。
また、見やすさの点でいえば色温度6,000K以上の白い色は雪と混じり見えにくいため、純正で装備されていることが多い4,200~4,500K付近の電球色が見やすいと考えます。
発熱量 | 明るさ | |
---|---|---|
ハロゲン | 大きい | 暗い |
HID | 中くらい | 明るい |
LED | 小さい | 明るい |
ハロゲンランプはヘッドライトに付着した雪を融かす能力は高いですが、HIDやLEDに比べて暗いのが欠点です。HIDはハロゲンよりも発熱量は少ないのですが、雪を融かす能力はありますし、明るさも十分にあります。
また、フォグランプも同様にLEDフォグランプよりもハロゲンフォグランプのほうが発熱量も大きいため、LEDフォグランプはみぞれが降ると埋まってぼやーっとした光になりますが、ハロゲンフォグランプはバンパーなどにべちゃ雪が付着している中、レンズ部分だけしっかりと溶けている結果となります。
LEDヘッドライトを装着している車はヘッドライトウォッシャーを標準装備していることが多いため活用
ヘッドライトを直接洗浄する「ヘッドライトウォッシャー」を装備する車もある
LEDヘッドライトを装備している輸入車の多くに装備されているのがヘッドライトウォッシャーで、国産車では4WD仕様のマツダ車やスバル車に採用されている例が増えています。ヘッドライトの下にあるフタからノズルが出てきてヘッドライトにウォッシャー液を噴射し、汚れを流す装置です。
ヘッドライトウォッシャーを搭載している車種
- マツダの4WD車に装備(OEM車種を除く)
- スバルのLEDヘッドライトを装備している車種
マツダのデミオからCX-8まで4WDの設定がある車種には、ヘッドライトウォッシャーと大型ウォッシャータンク、ウォッシャー残量警告灯が搭載されます。スバルでのヘッドランプウォッシャーを搭載している車種は、LEDヘッドライトを搭載した車種でハロゲンヘッドライトを装備するとヘッドライトウォッシャーは搭載されません。
かなりの勢いでウォッシャー液がヘッドライトへ向かって噴射され、泥汚れや付着した雪を融かしますがヘッドライトに降り積もった状態だと除去できないため手やスノーブラシで取る必要があります。
HIDやハロゲンヘッドライトの車でもコンビニなどに駐車した時はヘッドライトやテールランプの雪を払っておくと安心
LEDヘッドライトの車だけではなく、HIDやハロゲンヘッドライトの車でもみぞれの吹雪の時は雪を融かすスピードが追い付かずヘッドライトにべちゃべちゃの雪が付着していくことがあります。ハロゲンランプならコンビニなどで駐車中にライトを点灯させていれば融けていきますが、ほかの車にとって駐車中のヘッドライト点灯は迷惑になるためスノーブラシなどで除去しておきましょう。
同時にウインカーやスモールランプも雪で覆われた状態から、見える状態にしておくと安心です。対向車や周りの車からウインカーが見えない状態だと、「自分はウインカーを出しているつもりでも対向車からは変な場所で止まっている」ように見えるため、自分は曲がりたいという意志を周りにしっかりと示すためにヘッドライトだけではなくウインカーも出すようにしましょう。
また、同じくテールランプについた雪を払わないで走行していると、後続車からウインカーだけではなく下手するとブレーキランプも見えないため減速していることに気がつくのが遅れ、追突されるかもしれません。
自分の身と愛車を守るためにも雪が車に積もっている時は最低でもフロントガラスやリヤガラス、運転席・助手席のウインドウとヘッドライト・テールランプの雪を払ってから発進するといいでしょう。ワイパーのみで重い雪をどかそうとするのは、ワイパーブレードやモーターに負担がかかるためあまりオススメはできません。
雪道ではハロゲンランプの車が最強だがLEDライトの車はどうすれば?コンビニなどの休憩時に定期的にはらうかヘッドライトウォッシャーを使ってみよう
ハロゲンランプをヘッドライトやフォグライトに搭載している車は、吹雪の中走っていてもしっかりとレンズの形がくっきりと見えますが、LEDライトの車はボディと同様ヘッドライトにどんどん雪が降り積もり光量も落ちていきます。
LEDヘッドライトはその特性上、降り積もる雪を融かす発熱量がないため駐車した時などにはらう、ヘッドライトウォッシャーを搭載しているならこまめに使うなどの対策が必要です。また、ウインドウだけではなくヘッドライトやテールランプの雪をはらってから発進する習慣をつけておくと、ライト周りの雪の積もり方も違ってくるため発進前には落とすようにするといいでしょう。