車に付いた鳥のフンをきれいに落とす方法とおすすめクリーナー・便利アイテム
車のボディやガラスは泥や黄砂だけでなく、鳥のフンによっても汚れてしまいます。中でも鳥のフンには、塗装面に深刻なダメージを与える強い酸性成分(尿酸など)が含まれているため、早急に取り除く必要があります。
ここでは、鳥のフンがボディやガラスに付着した際に役立つウェットティッシュなどを使った安全な除去方法や、付着を防ぐ対策についてもご紹介します。
鳥のフンには塗装面を傷める強い酸性成分が含まれるため、早期の除去が必要です

鳥のフンは、主に尿酸、タンパク質、カルシウム、アンモニア、消化されなかった種子や砂などの固形物で構成されています。鳥類は歯を持たないため、硬い食物を消化するために非常に強力な胃酸などの消化液を分泌しますが、その老廃物として排出される尿酸がフンの主成分の一つです。
この尿酸により、鳥のフンは強い酸性を示すことが多く、一部は消化物によってアルカリ性になる場合もあります。車の塗装面はアルカリ性には強いものの、酸性には弱いため、酸性のフンが長時間付着すると塗装が化学的に侵食されます。
フンを放置すると、塗装の色あせやシミ、ひび割れなどの劣化が進みます。特に夏場などボディが高温になる時期には、わずか数時間で塗装への浸食が始まると言われています。見つけたらすぐに取り除くことが重要です。
鳥のフンに含まれる主な成分
- 尿酸(強い酸性を示す)
- タンパク質
- カルシウム
- アンモニア
- セルロース(食物繊維)
- 砂や種子などの固形物
車のボディやガラスに付着した汚れを安全できれいに取り除く方法
鳥のフンは付着直後であれば柔らかいため比較的簡単に除去できます。しかし、日数が経過して固まると、除去が難しくなるだけでなく、フンに含まれる酸性成分により塗装面に色あせやシミができやすくなります。
鳥のフンには人体に害を与える病原菌や寄生虫が含まれる場合があります。また、乾燥したフンを擦ると粉塵が舞い上がり、吸入することで健康被害を招くリスクがあります。そのため、除去時は素手で触らず、必ず使い捨てのゴム手袋とマスクを着用し、安全対策を徹底してください。
※乾燥したフンを無理に擦り取ったり、ホウキで掃いたりすると粉塵が飛散する危険があるため避けてください。
ガラスに付いた鳥のフンは固まっていなければウェットティッシュで簡単に除去可能
ウェットティッシュがない場合は、水で湿らせた普通のティッシュでも代用できます
フロントガラスやリアガラスは、運転時に目に入りやすいため、ボディよりも鳥のフンを早く発見しやすい場所です。
付着から時間が経っていない柔らかいフンであれば、ウェットティッシュなどで優しく拭くと簡単に除去できます。鳥のフンには硬い木の実のカスなども含まれるため、強くこするとガラスを傷つける恐れがあります。
固まっている場合は、水で湿らせたタオルやペーパーをフンに数分間あてて柔らかくしてから、ウェットティッシュなどで拭き取ると安全です。
ボディに付いた鳥のフンの固着レベル別 除去方法
ボンネットやフェンダー、サイドシルなどの塗装面に鳥のフンが付着した場合、ガラス面よりもデリケートでダメージを受けやすいため、慎重に除去する必要があります。ここでは、ボディに付着した鳥のフンの固着レベルに応じた除去方法をご紹介します。
付着して間もない鳥のフンはウェットティッシュで簡単に取れる
付着して間もなく柔らかく水分の多い鳥のフンは、ガラス面と同様にウェットティッシュなどで簡単に拭き取れます。
ボディはガラスよりもデリケートなため、付着して間もないフンであっても、マイクロファイバークロスや鳥のフン専用クリーナーなどのカー用品を使用すると、塗装面へのダメージを最小限に抑えられます。
数時間以上経過して乾燥し始めたフンには濡れタオルをあてる
十分にふやかして、たっぷりの水で拭き取るのがポイント
夏の暑い日などには、ボディが高温になる影響で、数時間でもフンが固まることがあります。乾燥したフンを力任せに除去すると、フンに含まれる硬い成分や摩擦により、塗装が剥がれたり傷がついたりする恐れがあります。
そのため、水を含ませた濡れタオルをフンにあてて柔らかくしてから、ウェットティッシュやマイクロファイバークロスで優しく拭き取りましょう。
数日~1週間以上放置して固着化したフンはぬるま湯でふやかす
夏場であれば数日間、その他の季節でも1週間以上放置すると、フンの固着が進みます。固着が進んでいる場合は、濡れタオルだけでは十分に柔らかくできません。
ぬるま湯(40℃~50℃)をタオルに含ませて10分から20分ほどフンにあて、しっかりとふやかしてから、ウェットティッシュやマイクロファイバークロスで優しく取り除きましょう。
ただし、長期間付着していたフンは酸の影響で塗装面にシミやひび割れが生じている場合があります。フンを除去しても跡が残る場合は、専門の業者に相談するか、全体の見栄えが気になる場合は再塗装などの施工を検討してください。
| 固着レベル | 特徴 | 除去方法 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 付着して間もない鳥のフン | 柔らかく水分が多い | ウェットティッシュやマイクロファイバーで軽く拭き取る | ボディはガラスよりデリケートなので、強くこすらず、塗装面へのダメージを最小限に抑えます。 |
| 数時間以上経過して乾燥し始めた鳥のフン | 乾燥が始まり硬さが増している | 濡れタオルで柔らかくしてからウェットティッシュで拭き取る | 無理に力で取ると塗装剥がれや傷の原因になるため、十分に水分を含ませてから除去します。 |
| 数日~1週間以上放置して固着化が進んだ鳥のフン | 非常に硬く、通常の拭き取りでは除去困難 | 40℃~50℃のお湯で湿らせたタオルで20分ほどふやかしてから、ウェットティッシュやマイクロファイバーで丁寧に取り除く | 酸の影響でシミやひび割れが発生している可能性があり、跡が残る場合は再塗装を検討します。 |
鳥のフンだけでなく固着化した虫にも対応可能なカー用品
車のボディやガラスには、鳥のフンだけでなく虫の死骸も固着してこびり付くことがあります。これらの汚れは主にタンパク質を含み、放置すると塗装にダメージを与えるため、専用のクリーナーで除去することが推奨されます。
ここでは、固着化した鳥のフンや虫汚れに対して高い洗浄力を持つおすすめのカー用品をご紹介します。
容量や価格面も評価される、擦らずに頑固な鳥のフンや虫汚れを簡単に落とせるおすすめ商品
Carmate パープルマジック 虫&鳥フンクリーナー C20
「パープルマジック 虫&鳥フンクリーナー C20」は、容量・価格・洗浄力のバランスが取れた人気商品です。カラフルなパッケージデザインが印象的で、スプレーするだけで固着化した鳥のフンや虫汚れを柔らかくして、塗装面を擦らずに簡単に取り除くことができます。
固着した鳥のフンや虫汚れは溶液を噴射して塗装面に影響を与えずに除去
Ripica 虫取りクリーナー 200ml C001
「虫取りクリーナー 200ml C001」は、鳥のフンや虫汚れの主成分であるタンパク質に反応し、汚れを分解する成分を配合しています。溶液を吹きかけるだけで汚れを軟化・分解させ、ゴシゴシこすることなく、車のボディやガラスに付着した頑固なフンや虫汚れを簡単に落とせます。
オカモト産業「虫・鳥フンクリーナー」はスプレータイプで使いやすく洗浄力も抜群
オカモト産業の「虫・鳥フンクリーナー」は、スプレータイプで手軽に作業が行えます。付着部分にスプレーして1~2分ほど薬液を浸透させた後、タオルで拭き取るだけでフンや虫汚れを柔らかく除去できます。
含まれるフルイドゲルはフンや汚れへの密着効果に優れ、液剤が垂れにくいのが特長です。全塗装色に対応しており、抜群の洗浄力を備えているため、頑固な汚れも安心して落とせます。
KUREの「プロクリーン虫とりクリーナー」は酵素の力で固着した鳥のフンをきれいに除去
KUREの「プロクリーン虫とりクリーナー」は、界面活性剤やエタノール、弱アルカリ性の酵素を主成分とするスプレータイプです。この酵素の働きにより、鳥のフンや虫の死骸に含まれるタンパク質汚れの分解を促し、通常のクリーナーでは落としにくい固着化した汚れにも対応できます。
この商品を使えば、車のボディやウィンドウだけでなく、ヘッドライトやナンバープレートに付着した鳥のフンもきれいに除去できます。
「窓フクピカ」はアウトドアでも便利なガラスクリーニングシート
Soft99(ソフト99)の「窓フクピカ」は、フロントガラスなどに付いた鳥のフンなどの汚れをきれいに除去できるガラスクリーニングシートです。
シートの表と裏のスイーピング層で汚れをかき取り、中間のホールド層で吸着・保持する特殊な三層構造により、拭き筋や拭き跡を残さずに鳥のフンや油膜を除去できます。
窓フクピカで数時間前に付いた鳥のフンを落としてみた
付着から3~4時間経過した鳥のフンです
2019年6月下旬、自宅玄関から車に向かう途中、助手席側のサイドボディに鳥のフンを発見しました。フンは早急に除去すべきですが、 Soft99の「窓フクピカ」の効果を試す良い機会と考え、あえてすぐに処理を控えました。
上の画像は駐車場で撮影したものです。当日は朝から気温が高く、フンはすでに乾燥し固着していました。
専用ハイテククロスを使用して拭き取りやすいと評判です
今回使用するソフト99の「窓フクピカ」は、ガラスだけでなく、ボディに付着した固着フンをふやかして除去する方法にも使えると評判の製品です。早速、その効果を試してみました。


窓フクピカを1枚取り出し、鳥のフンが付いている箇所に数分間あてて湿布しました。下の画像は窓フクピカをあてた後の鳥のフンです。水分を与えてフンを軟化させることで、擦らずとも簡単に拭き取れる状態になりました。


水分で軟化した鳥のフンは、シートを軽くあてるだけで簡単に拭き取れました。

最後に、マイクロファイバークロスで残った液剤と表面を軽く拭き取り、作業終了です。Soft99の「窓フクピカ」は、ボディに付着してから数時間経過した固着フンの除去にも便利なアイテムでした。
ソフト99の「強力 虫・鳥フン除去シャンプー」は広範囲に付着した鳥のフンに最適

| メーカー | ソフト99 |
|---|---|
| 内容 | 450ml |
「強力 虫・鳥フン除去シャンプー」は、鳥のフンや虫の死骸が複数箇所に固着している場合に便利な、車全体を洗えるシャンプーです。
虫のタンパク質に働きかける特殊界面活性剤と、固形脂質に効果を発揮するオレンジオイル成分のスーパーブレンド液により、一般的なシャンプーでは落ちにくい汚れを確実に洗い落とします。この商品を使えば、ボディやガラスだけでなく足回りも含めて車全体をきれいにできます。全塗装色に対応しており、手の肌荒れが気になる方のために簡易保護手袋がセットで付属している点も魅力の一つです。
鳥のフン付着を未然に防ぐ対策法
鳥のフンによる塗装へのダメージを防ぐため、ボディカバーを取り付ける、電力会社に依頼して鳥害防止器を設置してもらうなど、フンの付着を未然に防ぐための具体的な対策法をご紹介します。
外出先ではフンが集中して落ちている場所に車を停めない
鳥は縄張り意識の強い生き物です。フンは自分のテリトリーを他の鳥に示すマーキングや威嚇のために行われる場合があります。フンが集中している場所は鳥のテリトリーである可能性が高く、そのような場所に車を停めると、フンをかけられる被害に遭う恐れがあります。フンの多い場所には車を停めないように注意しましょう。
ボディカバーで黄砂や汚れからも塗装面を守る
鳥には鏡に映った自分の姿を自分だと認識する鏡像認知の能力が備わっていないため、フロントガラスや光沢のあるボディに映る自分の姿を別の鳥と勘違いして威嚇行動としてフンを落とすことがあります。また、黒や灰色など光沢のある車は鳥の羽毛に似ているため、フンがかけられやすい傾向があるとも言われています。自宅駐車場で何度もフン被害を受けている場合は、ボディカバーでフロントガラスやドアミラーを覆うことで、鳥のフンだけでなく黄砂や紫外線などの汚れからもボディを効果的に保護できます。
ドアミラーをたたむことで一部鳥類のフン被害を防ぐ
サイドミラーに映った自分の姿を敵と勘違いした鳥が、その付近にフンを落とすことがあります。カラスなど一部の鳥はドアミラーに興味を示す傾向もあります。ドアミラー付近のフェンダーやサイドシルはフンがかけられやすい部位ですので、駐車時にドアミラーをたたんでおくことで、鳥がとまる場所や自分の姿が映り込むのを防ぎ、フン被害を軽減できます。電動格納式ドアミラーがない車は、駐車時に手動でたたむ習慣をつけましょう。
電力会社に依頼して鳥害防止器を設置してもらう
自宅駐車場付近の電線に鳥がとまって車にフンをかけられる被害が続く場合、電線を管理する電力会社に被害状況を報告し、鳥よけワイヤーなどの鳥害防止器の設置を依頼しましょう。現場視察のうえ、有効な鳥害防止器を無料で設置してくれる場合があります。
| 対策法 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| フンが集中している場所を避ける | 外出先で鳥のフンが多く落ちている場所には駐車しない | 鳥は縄張り意識が強く、テリトリーとみなされる場所は被害リスクが高いです。 |
| ボディカバーの使用 | ボディカバーでフロントガラスやドアミラーを覆う | 鳥のフンだけでなく黄砂や紫外線などの汚れからも塗装面を保護できます。 |
| ドアミラーをたたむ | 駐車時に手動または電動でドアミラーをたたむ | ドアミラーに映る自分の姿を敵と勘違いする鳥の威嚇行為によるフン被害を軽減できます。 |
| 鳥害防止器の設置依頼 | 電力会社に依頼して鳥よけワイヤーなどを設置してもらう | 現場視察の上で無料設置される場合もあり、自宅駐車場周辺の電線からの鳥被害を防げます。 |
鳥のフンは見つけたらすぐに除去するほど塗装面へのダメージを軽減できます
鳥のフンは強い酸性物質(尿酸など)を含むことが多く、放置すると塗装面に色あせやひび割れが生じる原因になります。カーコーティング施工車であれば未施工車よりも腐食は抑えられますが、コーティング効果を長期間持続させるためにも、フンは見つけたらすぐに除去することが望ましいです。
固着化していない柔らかい鳥のフンであれば、ウェットティッシュなどの日常品や水で濡らしたタオルで簡単に除去できます。外気の影響で固着化が進んでいる場合は、ぬるま湯でフンをふやかすか、専用のカー用品を利用して塗装面を傷つけないように落とす必要があります。
鳥のフンを見つけたらすぐに対処し、車の塗装面へのダメージを最小限に抑え、愛車をきれいに保ちましょう。


































