新車の防錆コートの必要性

新車に防錆コートは必要?サビが発生する原因や塩害ガードが必須といってもいい理由

新車の防錆コートはとてもおすすめのメンテナンス。特に融雪剤を撒く地域ではサビの有無によって売却時の査定価格にも差が出るくらい影響がある。新車の時からサビを防止しておくことで長く乗ることもできる。

新車に防錆コートは必要?サビが発生する原因や塩害ガードが必須といってもいい理由

新車で買ったときは防錆コーティングしたほうがいい?下回りを塗ってくれる場所とサビを予防する手入れの仕方

新車を購入した際に検討したほうがよいとされるのが「防錆コーティング」です。「下回りを塗る」と表現されることもありますが、本当に必要なのか疑問に思う方も多いでしょう。

どのような効果があるのか、一度施工すれば長期間持続するのか、もし施工しないならサビを防ぐためにどのような手入れが必要なのかなど、車にとって大敵となるサビについて解説します。

サビが発生しやすい地域といえば北海道や東北のイメージがありますが、本州でも油断はできません。高速道路や一般道に散布される融雪剤は、雪が少ない地域でも使われることがあり、その塩分(塩化物イオン)が下回りを腐食させる大きな原因になります。
愛車を長く快適に乗り続けるためには、しっかりとサビ対策を行い、定期的なメンテナンスを心がけることが大切です。

新車に防錆コーティングをしないとどうなる?5年後・10年後に大きな差が出て査定にも影響

錆びが発生し腐食した金属で盛り上がって来たフェンダー特にサビやすいのがタイヤ周りのフェンダーです。サビが進行すると金属が腐食し、塗装面が盛り上がってきます

新車購入時に防錆コーティング(アンダーコート)を施工しない場合、地域や使用環境によってはサビが発生しやすくなります。下回りを保護していない車は、コーティング済みの車と比べて錆びやすく、一度サビが出ると進行が止まりにくい特徴があります。

車にサビが発生する主な原因

  • 融雪剤や海風に含まれる塩分(塩化物イオン)
  • ぶつけたり擦った際に塗装が剥がれ、そのまま金属がむき出しになること

特に有名なのが冬季に道路へ撒かれる融雪剤(主成分:塩化カルシウム)です。融雪剤に含まれる塩化物イオンが金属に付着することで、電気化学的な腐食反応を促進し、サビの原因となります。同様に、海の近くに駐車すると浜風により車体へ塩分が付着し、腐食を進行させることがあります。

さらに、車の塗装は金属の腐食を防ぐ役割を果たしていますが、擦ったりぶつけたりして塗装が剥がれると、むき出しの金属部分からサビが始まります。小石が飛んでできる小さな傷でもサビの発生源になるため、タッチアップペンなどで早めに補修しておくと安心です。

防錆コーティングの有無によって、5年後・10年後の車体状態には大きな差が生じます。特にフレームや足回りの深刻な腐食は、車の寿命や安全性を低下させるだけでなく、売却時の査定額に大きく影響する可能性が高くなります。

下回りコーティングは1回やって終わり?1年から2年ごとに塗り直す必要がある

タイヤハウス内に施工した防錆コートタイヤハウス内に施工した防錆コート。スプレーで吹き付けた部分は黒くなります

防錆コーティングはスプレーで吹き付けるタイプが一般的で、主に「シャーシブラック」「アンダーコート」といった名称でカー用品店でも販売されています。自分で施工できるDIY商品もありますが、下回りの汚れや水分を完全に除去する手間や、車全体の下回りを均一に処理する難しさを考えると、業者に依頼したほうが確実です。

防錆コーティングの主な種類

  • シャーシブラック(比較的安価で薄い塗膜)
  • アンダーコート(厚膜で耐久性がある)
  • ノックスドール(浸透性と密着性に優れたワックス系の防錆剤)
  • ENEOSサビガードなど(各社独自の高耐久コーティング)

カー用品店でよく見かける「シャーシブラック」は塗膜が薄く、耐久性が低いため、1年ごとに塗り直すケースが多く見られます。一方、アンダーコートやワックス系防錆剤は厚い塗膜で耐久性がありますが、それでも一度の施工で長期間(例えば10年以上)効果が持続するわけではありません。

そのため、防錆効果を維持するには定期的なメンテナンスが欠かせません。使用環境にもよりますが、目安としては車検ごと、つまり2年ごとに塗り直すと安心です

塩害コートを塗ったら絶対にサビないわけではない!下回りを擦った時などは剥がれることも

雪で埋まって車の下回りがつかえいる様子車の下回りがつかえて埋まった時などは、せっかく塗った防錆コーティングも剥がれることがあります

防錆コーティング(塩害コート)を塗ったからといって、車が絶対にサビないわけではありません。施工することでサビにくくはなりますが、完全に防げるものではないのです。塗布が難しい溶接部や合わせ目などの狭い部分からサビが発生することもあります。

また、雪の深い場所に入り込み下回りを擦ったり、縁石に接触したりした際に、せっかくの防錆コーティングが衝撃で剥がれることもあります。特に厚膜タイプではないシャーシブラックなどは、摩擦で剥がれやすいです。

塗膜が剥がれたり薄くなったりした部分はサビの発生源となるため、定期的に下回りの状態を点検し、必要に応じて部分的な再塗布を行うことで効果を維持することが重要です。車体が金属である以上、下回りコーティングをしてもサビが「絶対に発生しない」わけではないことを理解しておきましょう。

                                                               
項目内容注意点・補足
防錆コートの効果施工によりサビの発生を大幅に遅らせる効果がありますが、完全に防ぐことはできません塗布が難しい狭い部分や溶接部からサビが発生する場合もあります
下回りの影響雪の深い場所や障害物で下回りを擦った場合、塗布した防錆コートが衝撃で剥がれることがあります剥がれた箇所はサビの発生源となるため、早期の再塗布が必要です
定期的なメンテナンス被膜の厚みや状態を定期的に点検し、1~2年を目安に再塗布することで効果を維持します過信せず、定期的なチェックとメンテナンスが必要です

防錆コーティングって絶対に必要?冬でも週に1回こまめに洗車をしておけばサビにくくなる

洗車機による洗車の様子洗車機のオプションで下回り洗浄があるときは活用すると走行で付着した塩分を落としやすいです

車にサビを発生させる主な要因は塩分(塩化物イオン)と水分です。水が溜まりやすい部分や塩分が付着した箇所は特にサビやすくなります。下回りコーティングは数万円かかることもあり、地域や使用環境によっては施工しないという選択ももちろんあります。

では、施工をしない場合にはどうすればよいのでしょうか。雪による水分は避けられませんが、走行で付着した塩分をできる限り洗い流すことで、サビのリスクを大きく減らすことができます。

錆びさせないために冬でも週1回の洗車がおすすめ

  • コイン洗車場の高圧ガンで下回りを中心に念入りに洗う
  • ガソリンスタンドの洗車機で下回り洗浄のオプションを必ずつける

家庭で車体下部をきれいに洗うのは難しいため、コイン洗車場の高圧ガンを利用すると効果的です。特に冬場は、融雪剤が撒かれた道路を走行した後などに、できるだけ早く高圧水で下回りを中心に洗い流すことを心がけてください。また、ガソリンスタンドなどに設置されている洗車機を使う場合は、下回り洗浄のオプションを選ぶと効率よく塩分を落とせます。

融雪剤(塩化カルシウム)を撒いた道を通ったあとは洗車場のガンで洗い流しておくと安心

融雪剤によるボディーの汚れ高速道路を走行したあとに多く見られる融雪剤の汚れはすぐに落としておかないとサビの原因となりやすいです

道路の雪を融かすために使用される融雪剤の主成分は「塩化カルシウム」で、金属にとって大敵である塩分(塩化物イオン)です。そのため、融雪剤を撒いている車の後ろを走った時や、融雪剤が撒かれた道路を走行した後は、洗車場にある高圧ガンで下回りを中心に洗い流しておくと安心です。

融雪剤は北海道や東北など積雪地だけでなく、高速道路でも多く散布されています。特に冬の高速道路では大量に撒かれることがあり、走行後に車体へ白い筋状の汚れが付着しているのが確認できますが、それは融雪剤による塩分汚れです。

この塩分を車体に放置しておくと、下回りや金属部にサビが発生する原因となるため、コイン洗車場の高圧ガンで洗い流すか、洗車機の下回り洗浄オプションを利用してしっかり除去しておきましょう。

                                                                           
項目内容注意点・補足
融雪剤の主成分塩化カルシウムを含み、金属腐食を促進する塩分(塩化物イオン)として大敵です雪解け道路や融雪剤散布路面を走行した後は車体に付着する可能性が高いです
洗車方法洗車場の高圧ガンで下回りを中心に洗い流しますコイン洗車場や洗車機の下回り洗浄オプションを利用すると効果的です
発生地域積雪地だけでなく、冬季の高速道路でも多く散布されます走行後は白い筋状の汚れが付着しやすいです
放置のリスク融雪剤を車体に放置すると下回りや金属部にサビが発生する原因になります走行後はできるだけ早く洗車して塩分を除去することが重要です

新車の防錆コーティングは長く乗るなら早めに施工したほうが絶対にいい!定期的な塗り直しと洗車も忘れずに

新車を購入したら、冬季に入り融雪剤が撒かれる前に防錆コーティングを施工しておくことをおすすめします。特に北海道や東北など積雪が多く、融雪剤が多用される地域では、塩害対策としてほぼ必須といえるでしょう。

雪が少ない地域でも、高速道路では融雪剤が撒かれることがあり、走行後に白い筋のような汚れが付いていたら、それは融雪剤による塩分です。洗車機や高圧ガンを使ってしっかり落とすことで、サビの発生を抑えられます。

下回りコーティングは新車時から早めに施工することでサビの進行を効果的に防ぐことができ、長く車に乗り続ける上で大きな価値があります。多少施工費用がかかっても、車体の耐久性を維持し、将来的な修理費用や売却時の査定額低下リスクを考慮すれば、長期的に見てメリットの大きいメンテナンスといえるでしょう。