ガラスコーティングの持続性を保つ洗車方法
車のボディや塗装は長い年月をかけて劣化していきます。この劣化を防ぎいつまでも輝くボディを保ってくれるのがガラスコーティングです。ガラスコーティングが登場するまでは、車のボディを保護するのはワックスが主流でしたが、持続性が低いことからオーナーの負担が大きかったのも事実。
ガラスコーティングはワックスよりも耐久性が高く、簡単なメンテナンスで車の輝きを長く保つことができます。今やカーメンテナンスの常識となりつつあるガラスコーティングの洗車方法について解説。
ガラスコーティングとは
ガラスコーティングが登場するまではワックスやポリマー系、フッ素系のボティコートがありました。しかし油分などの車のボディに良くない成分でコートするため、塗装面の劣化などの悪影響を及ぼす可能性がありました。
ワックスやポリマー系、フッ素系のボディコーティングと比較すると、ガラスコーティングは油分も少なく、効果の持続性も高いことから人気となり、今に至ります。
ガラスコーティングは高い持続性の他にも、薄いガラスの膜を張るため傷にも強くなり、自然なツヤでボディを美しく魅せられます。メンテナンスも楽になり、基本的には水洗い洗車(シャンプー洗車)で全て完結します。
ガラスコーティングの洗車方法
ガラスコーティングを施工した車は、通常使用の汚れであれば水をかけるだけでスッと落ちてくれますが、ひどい泥汚れや排気などの油汚れは水だけでは落ちない場合もあります。
そんな時は汚れがこびりつく前にシャンプー洗車で落としましょう。シャンプー洗車で早めに汚れを落としておくとコーティングの耐久性も上がります。
1.水で汚れを落とす
まずは水をたっぷりかけ汚れを浮かせます。そうすることによりシャンプーしたとき汚れが落ちやすくなります。上から下へ水の流れを見ながら水をかけるのがコツです。
2.カーシャンプーを使う
カーシャンプーをキャップ一杯分バケツに入れ、上から勢いよく水を流し泡立てます。キメ細かい泡を作るためにスポンジをバケツに入れ混ぜるのも良いでしょう。
泡が出来たら車に塗布し、状態を確認して強弱をつけながら汚れを落としましょう。ポイントは力を入れ過ぎないことです。
3.水ですすぐ
汚れを落としたら、たっぷりの水でシャンプーを落とします。シャンプーが落ちずに乾いてしまうとシミになるので気をつけましょう。ハンドル周りやサイドミラー周り、バンパー部分やリヤ部分など入り組んだ箇所は流し残しのないよう注意します。
4.ふき取り
洗車で一番大切なことはふき取り作業です。水が残っていると水垢になり、強く擦り過ぎると擦り傷となってしまいます。
水滴が残らいないようにマイクロファイバータオルを大きく広げ優しく撫でるように拭き上げます。一方向に拭き上げることで洗車時につく擦り傷が目立ち難くなります。
コーティングの施工業者は4つに分類
ガラスコーティングの施工業者は大きく分けて4種類あります。
- コーティング専門店
- カーディーラー
- 板金業者や塗装業者
- ガソリンスタンド
本格的なコーティングを希望する場合は専門業者に、格安で施工をお願いしたい場合はガソリンスタンドに依頼するなど、各々にメリットとデメリットがあるので確認しましょう!
コーティング専門店は値段が高め
コーティング専門店は、専門的なコーティング技術をもった方が施工するので仕上がりは別格です。細かなコーティングの要望に沿って最適な素材を選んでくれるのでガラスコーティングが初めての方にも最適です。
しかし施工料金が他のコーティング業者よりも高くなる傾向なのがデメリットとなります。
カーディーラーは手間が少ない
カーディーラーではガラスコーティングの施工も行っています。車の納車に合わせてコーティングも施工してくれるので、忙しい方にお勧めです。また新車購入時などでは値引きの一環として施工をサービスしてくれる場合もあるので営業の方と相談してみましょう。
カーディーラーはアフターフォローがしっかりしているので安心感があります。
板金業者や塗装業者
車の板金業者や塗装業者もコーティングを施工している場合があります。しかし個人の業者の場合は技術に差があるため、自分で見極める必要があります。中には専門店並みの技術を持つ業者もいれば、コーティングに慣れていない業者もあるので事前にしっかり打ち合わせましょう。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドのコーティングはスピード、安さがメリットです。しかし中にはポリマー系やフッ素系やガラス系をガラスコーティングとうたい施工しているケースもあるので注意が必要です。それでも施工料金の安さは大きなメリットなので、とりあえずコーティングしたい方にはお勧めです。
ガラスコーティングをしても洗車は必要
ガラスコーティングをした車は水洗いで十分と言われますが、シャンプーを使わずに水だけの洗車で十分だと勘違いしている方もいます。
確かに汚れはコーティングしていない車より確実に落ちます。しかし頑固な油汚れや鉄粉などは水だけでは落ちず、放置するとコーティング部分はもちろん塗装面にも悪影響を及ぼします。そのためガラスコーティングを長持ちさせる意味でも定期的なシャンプー洗車が必要となります。
またガラスコーティングをしたからと言って「走って水滴を飛ばす」ことはしないようにしましょう。洗車後は必ず拭き上げ作業を行い水垢になるのを防ぎましょう。
メンテナンスは洗車機でも大丈夫
ガラスコーティングを施工している車のメンテナンスは手洗い洗車が一番なのですが、時間がない方におすすめのメンテナンスが洗車機です。ガラスコーティングをした車は洗車機に入れてはいけないと聞いたことがあるかもしれませんが、注意点を守ることで洗車機に入れてもボディに傷がつく心配がなくなり、コーティングも長持ちします。
洗車機のブラシを確認
一昔の洗車機はブラシにナイロンブラシやプラスチックブラシを使用していたため、ブラシの回転方向に傷が付いてしまう可能性がありました。しかし今では洗車機も進化していて、車のボディに優しいスポンジブラシやノンブラシの洗車機が登場してきました。
洗車機がどのようなブラシを使用しているのか、型番や洗車機を管理している方に確認すると間違いありません。
汚れている車の後に洗車機を使わない
洗車機自体で車のボディに傷はつくことはほぼありませんが、傷つく可能性があるとすると洗車するブラシにホコリや鉄粉が紛れ込んでいることが考えられます。ホコリや鉄粉がついたまま次の洗車を行うので、車に傷が付く可能性があります。
自分が洗車する直前の車を確認し、汚れがひどい場合は一旦その場を離れると傷つく可能性を減少させられます。
事前に水洗い
車があまりにも汚れている場合は事前に水洗いすることが大切です。事前に洗車機を使っている車が汚れているのはどうしようもないですが、自分の車が汚れている場合は対処ができます。
高圧洗浄機で水洗いすることで自分の車のホコリや鉄粉を巻き込んで、ボディに傷つくことを防ぐことができます。
洗車機のコース選びに注意!
洗車機を使うときにワックス洗車は選ばないようにしましょう。理由はガラスコーティングの特性を邪魔する可能性があるからです。
ガラスコーティングには施工方法により親水や疎水や撥水など水の流れる特性が備わっています。そこに洗車機のワックス洗車などを選択してしまうと、洗車機で選択した特性に変化することがあります。洗車機のコース選びはシャンプー洗車を選ぶとガラスコーティング本来の性能を発揮することができます。
車を傷つけない方法は「洗わないこと」
車を購入したときには「絶対に傷つけない!」と心に誓う方もいると思います。そのために毎日洗車をしては本末転倒となってしまいます。理由は「洗車する度に車には傷がつく」からです。
いくら丁寧に優しく洗っても、磨きや拭き上げ作業の際に必ずスクラッチ(小さな擦り傷)が発生します。
だからといって磨きを行わなければ鳥のフンや虫の付着などの頑固な汚れは落ちません。また拭き上げをしなければ水垢となってしまいます。
車を大事に扱うのはとても大切なことですが、必要以上に洗車をするのは逆効果という事を頭に入れておくと、適切な洗車時期がわかるでしょう。「汚れたら洗う」精神が車を傷つけずに愛車のボディを綺麗に保つ秘訣です。
メンテナンスで輝くボディが持続
ガラスコーティング剤には「〇年間輝きが持続する」「メンテナンス不要」とうたっている商品がありますが、その効果を発揮するには日々のメンテナンスは欠かせません。汚れたら洗車するというのを念頭に置くと、愛車をいつまで輝かせることができます。