デリカとは?三菱が販売するSUVミニバンの歴史と歴代モデルまとめ
三菱デリカは1968年のトラックから歴史が始まり、1969年に乗用ワゴン「デリカコーチ」として本格的にスタートしたミニバンの先駆け的存在です。モデルチェンジを重ねながら現在は5代目「デリカD:5」が販売されており、2026年1月には2度目のビッグマイナーチェンジモデルが発売されています。
デリカD:5は特別仕様車「シャモニー」や「ジャスパー」を毎年設定するなど、季節ごとのアウトドアニーズに応え続けています。ミニバンの先駆けにもなったデリカの歴代モデルとその特徴を初代から紹介します。
三菱デリカとは?ミニバンでもありSUVでもある唯一無二のオールラウンダー
三菱デリカは1968年のトラック発売を起点に、1969年4月にトラックベースの1BOX乗用ワゴン「デリカコーチ」が誕生しました。3列シート・9人乗りのファミリーカーとして、現代のミニバンの原点ともいえる存在です。
その後、「デリカスターワゴン」「デリカスペースギア」「デリカD:5」とモデルチェンジを重ね、現在は「高い悪路走破性をもつミニバン」という唯一無二のポジションを確立しています。一般的なミニバンが持たない本格4WD性能を持ち、都市部から雪国・アウトドアフィールドまで幅広いユーザーに支持されています。
初代:デリカコーチ(1969〜1976年)3列シートを持つ9人乗りワゴンで登場
初代デリカはトラックがベース 3列シートの9人乗りワゴンで登場
初代デリカコーチはデリカトラックをベースにした1BOXバンタイプで、サードシートを備えた9人乗りワゴンとして登場しました。当初搭載されたエンジンは1.1L・OHVで最高出力58PS、1971年には1.4L・OHVにパワーアップして86PSを達成しています。
マイナーチェンジで4灯式ヘッドライトに変更
1974年にはマイナーチェンジでヘッドライトが4灯式となり、フロントフェイスが一新されました。
| 1969年4月 | デリカバンをベースにしたデリカコーチが発売 |
|---|---|
| 1971年10月 | 1.4Lガソリンエンジンを搭載してデリカ75となる |
| 1974年11月 | マイナーチェンジ、ライトが丸目4灯に変更 |
| 1976年5月 | デリカコーチ終売 |
2代目:デリカスターワゴン(1979〜1986年)伝統の特別仕様車「シャモニー」が初登場
2代目デリカ スターワゴン 特別仕様車シャモニーが初めて設定された
1979年に登場した初代デリカスターワゴンは9人乗り・5速マニュアル搭載で発売。当初は1.6L・86PSエンジンを搭載し、1980年には1.8L、1982年には4WDモデル、1984年には2.3Lディーゼルターボが追加されるなど着実に進化しました。
全長3,990mm・全幅1,690mm・全高1,800mmとコンパクトなボディが特徴です。1985年には現在も続く伝統の特別仕様車「シャモニー」が初めて設定され、1986年の終売で3代目へバトンタッチしました。
| 全長 | 3,990mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,690mm |
| 全高 | 1,800mm |
| 乗車定員 | 8・9・10人乗り |
| トランスミッション | AT/5速MT |
3代目:デリカスターワゴン(1986〜1999年)RVブームを牽引した爆発的人気モデル
RVブームもあり爆発的人気を持つ3代目モデル
1986年から1999年まで販売された3代目デリカスターワゴンは、1990年代のRVブームに乗って爆発的な人気を獲得したモデルです。1990年と1997年の2度のマイナーチェンジが行われました。
エンジンは2.0Lおよび2.4Lガソリン、2.5Lディーゼルを搭載。先代より一回り大きくなり、標準ボディは全長4,190mm・全幅1,690mm・全高1,950mm・ホイールベース2,235mm、ロングボディは全長4,590mmとなっています。
※()内はロングボディやハイルーフの数値
| 全長 | 4,190mm(4,590mm) |
|---|---|
| 全幅 | 1,690mm(1,695mm) |
| 全高 | 1,950mm(2,090mm) |
| ホイールベース | 2,235mm(2,240mm) |
| 乗車定員 | 7・8・9・10人乗り |
| トランスミッション | AT/5速MT |
4代目:デリカスペースギア(1994〜2006年)パジェロ譲りのビルトインラダーフレームを採用
4代目デリカはビルトインラダーフレームを初採用 走破性も高く頑丈なボディを手に入れた
1994年から2006年まで販売されたデリカスペースギアは、パジェロのフレームにモノコックボディを溶接した「ビルトインラダーフレーム」を採用した、頑丈さと乗り心地を両立した意欲作です。4WDシステムには「スーパーセレクト4WD」、サスペンションはダブルウィッシュボーンと5リンクコイルを搭載し、悪路走破性を大幅に向上させました。
エンジンはガソリンに3.0L V6・2.4L 直4、ディーゼルに2.8Lターボ・2.5Lターボの4種類が揃います。夏にアウトドア志向の「ジャスパー」、冬にウィンタースポーツ志向の「シャモニー」を毎年設定するスタイルもこの世代で確立されました。
マイナーチェンジ後の後期型デリカスペースギア
1997年のマイナーチェンジでは4WDグレードのグリルガードが廃止され電動サイドステップが装備されたほか、2.8Lディーゼルが電子制御燃料噴射化によって140PSへパワーアップしています。ボディサイズは標準で全長4,685mm・全幅1,695mm・全高1,960mm・ホイールベース2,800mm、ロングボディは全長5,085mmです。
※()内はロングボディやハイルーフの数値
| 全長 | 4,685mm(5,085mm) |
|---|---|
| 全幅 | 1,695mm |
| 全高 | 1,960mm(2,070mm) |
| ホイールベース | 2,800mm(3,000mm) |
| 乗車定員 | 7〜10人乗り |
| トランスミッション | 4速AT/5速MT |
5代目:デリカD:5(2007年〜)専用設計のリブボーンフレームを採用したオールラウンダーミニバン
5代目デリカ メンテナンスフリーのクリーンディーゼルエンジンを搭載しているのも特徴
2007年に登場したデリカD:5は、5代目のため「D5」という名称が与えられたモデルです。スペースギアのパジェロ流用フレームから脱却し、ボディに肋骨状のフレームを内蔵した「リブボーンフレーム」を採用した専用設計となっています。
エンジンは2.4L直4ガソリンと、2012年追加の2.2Lクリーンディーゼルの2種類。特にクリーンディーゼルはアドブルー補充不要のメンテナンスフリー設計で人気があります。4WDシステムはパジェロのスーパーセレクト4WDからアウトランダーと共通の電子制御4WDに変わり、乗員定員は最大8人乗りとなりました(スペースギアまでの9〜10人乗りは廃止)。ボディはすべて3ナンバーサイズで、全長4,730mm・全幅1,795mmです。
| 全長 | 4,730mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,795mm |
| 全高 | 1,825mm |
| ホイールベース | 2,850mm |
| 乗車定員 | 7〜8人 |
| トランスミッション | 6AT/CVT |
デリカD:5の2019年ビッグマイナーチェンジ:ダイナミックシールドと予防安全技術を採用
ビッグマイナーチェンジを果たした5代目デリカD5
2019年2月には、フルモデルチェンジではなくビッグマイナーチェンジが実施されました。変更対象はディーゼルモデルのみで、主要部品の約5割が刷新されています。三菱のデザインアイコン「ダイナミックシールド」をフロントフェイスに採用し、デリカシリーズ初の予防安全技術「e-Assist」(衝突被害軽減ブレーキなど)が搭載されました。
また、アウトドアユースと都市的なデザインを融合した新グレード「アーバンギア(URBAN GEAR)」も追加されています。
デリカD:5の2026年ビッグマイナーチェンジ:S-AWC搭載でさらなる走破性向上
2025年12月18日に三菱自動車が発表し、2026年1月9日に発売した2度目のビッグマイナーチェンジモデルでは、外装・内装・走行性能にわたる大規模な改良が行われました。フロントグリルはシンプルで立体感のあるデザインに変更され、リヤゲートには「DELICA」ロゴが新たなガーニッシュデザインに組み込まれています。インテリアは専用8インチフル液晶メーターを採用、センターパネルはダークグレーへ変更されました。
走行面では、アウトランダーPHEVなどに採用される「S-AWC(スーパーオールホイールコントロール)」をミニバンとして初採用し、AYC(アクティブヨーコントロール)も搭載。ECO・NORMAL・SNOW・GRAVELの4モードを持つダイヤル式ドライブモードも新たに装備されています。価格は451万円〜494万4,500円(税込)となっています。
次世代デリカ「D:6」へのフルモデルチェンジはいつ?
デリカD:5は2007年の発売から18年以上が経過しており、次世代モデル「デリカD:6」への期待が高まっています。2023年のジャパンモビリティショーでは次期モデルを示唆するコンセプトカー「D:X Concept」が公開されましたが、三菱自動車の中期経営計画(〜2025年度)にはD:6に相当するモデルは含まれておらず、フルモデルチェンジの実現は2026年以降、複数の専門メディアは2028年頃が有力と見ています。パワートレインはPHEVを中心とした電動化が予想されており、アウトランダーPHEVの技術を応用する可能性が高いとされています。なお、「デリカD:6」という名称はあくまで仮称であり、三菱自動車による公式発表は記事執筆時点ではありません。
デリカは1970年から家族を支えてきた4WDミニバン
デリカはミニバン4WDの先駆けとして、都市部のファミリーやアウトドアを楽しむ層、雪国のユーザーまで幅広い人々を支えてきたモデルです。2代目・3代目の「デリカスターワゴン」はRVブームとともに多くのファミリーに愛され、4代目「スペースギア」はパジェロ譲りの走破性で夏冬問わずアクティブなユーザーに支持されました。5代目「デリカD:5」はクリーンディーゼルエンジンと電子制御4WDで快適性と環境性能を両立し、2026年発売の大幅改良モデルではS-AWC搭載で走破性もさらに向上しています。特別仕様車「シャモニー」と「ジャスパー」が年ごとに設定されるなど、デリカならではの文化も健在です。次世代へのフルモデルチェンジが噂されるなか、デリカの進化からは目が離せません。



























