アルト歴代モデルの車歴と派生車スペック情報 スズキの人気シリーズの変遷をたどる
スズキのロングセラーシリーズ「ALTO(アルト)」の歴代モデルと、ワークスなどの人気派生車を含め、各車の魅力を詳しく紹介します。
女性の社会進出とともに増加した女性ドライバーを意識して開発されたアルトは、リーズナブルな価格設定ながら車としての基本性能を追求し続け、国内の軽自動車市場を活性化させただけでなく、グローバル市場でも高い人気を獲得。世界累計販売台数は1,500万台を超えるスズキブランドを代表する車です。
アルトの歴代モデルの特徴と、各世代間の変遷をチェックしていきましょう。
アルト歴代モデルのモデルチェンジ年表
アルトは1979年に初代モデルが誕生してから45年を超える車歴の中で、およそ5〜7年周期でフルモデルチェンジを実施し、低価格帯を維持しながらも各時代に求められる機能性を付与し続けてきたスズキを代表する軽自動車です。
2014年12月に登場した8代目アルトの後期モデルでは、デュアルセンサーブレーキサポート等の予防安全性能をパッケージングする「スズキ セーフティサポート」搭載車が追加設定されました。2021年12月に登場した9代目アルトは、歴代シリーズ初となるマイルドハイブリッドシステムを搭載したHYBRIDモデルをラインナップ。さらに2025年7月には一部仕様変更が実施され、全車にデュアルセンサーブレーキサポートIIが標準装備されるなど、安全装備が大幅に強化されています。
| 年表 | アルトの歴史 |
|---|---|
| 1979年5月 | 初代アルト(SS30V/40V)が誕生 |
| 1984年9月 | フルモデルチェンジが実施され2代目アルト(CA71V/72V/CC71V/72V型)が誕生 |
| 1988年9月 | フルモデルチェンジが実施され3代目アルトが誕生 |
| 1994年11月 | フルモデルチェンジが実施され4代目アルトが誕生 |
| 1998年10月 | フルモデルチェンジが実施され5代目アルト(HA12S/22S/23S型)が誕生 |
| 2004年9月 | フルモデルチェンジが実施され6代目アルト(HA24S/24V型)が誕生 |
| 2009年12月 | フルモデルチェンジが実施され7代目アルト(HA25S/25V/35S型)が誕生 |
| 2014年12月 | フルモデルチェンジが実施され8代目アルト(HA36S型)が誕生 |
| 2021年12月 | フルモデルチェンジが実施され9代目アルト(HA37S/97S型)が誕生 |
| 2025年7月 | 9代目アルトが一部仕様変更。デュアルセンサーブレーキサポートII全車標準装備など安全装備を強化 |
アルト歴代モデルの車歴とスペック情報
初代モデルが1979年に誕生してから半世紀近い車歴を積み重ねてきたスズキの人気シリーズ「アルト」。歴代モデルが誕生した経緯やフルモデルチェンジ後の変更点、スペック情報を世代別に紹介します。
1979年〜 初代アルト:徹底したコストダウンと物品税非課税で予想超えの大ヒットを記録した軽自動車の原点
初代アルトはスズキの乗用軽自動車「フロンテ」の商用車タイプの姉妹車として誕生。低価格実現のため、単一グレードのみを展開していた
1979年5月に誕生した初代「アルト(SS30V/40V型)」は、当時の税制上の優遇措置を活用して開発されました。軽乗用車には15%超の物品税が課されていた一方、ボンネットバンを含む軽商用車は非課税とされていたため、4ナンバーの商用バンとして設計されたのが始まりです。
機能性最優先のシンプルな2BOXスタイルを採用し、標準装備はヒーターのみ、鍵穴は運転席側だけ、フロアマットはゴム製とするなど徹底的なコストカットを実施。当時の軽自動車の新車価格が60万円前後だった中、アルトは全国統一価格47万円という圧倒的なリーズナブルさを実現しました。
想定ユーザーの主婦層が日常的に使う買い物や子供の送迎では実質2人乗りでも支障がなく、低価格と物品税非課税という二重のお得感が功を奏してスズキの予想を大きく超える大ヒットを記録。軽自動車市場に新たな価値軸を生み出したレジェンドカーです。
| 全長 | 3,195mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,395mm |
| 全高 | 1,335mm |
| ホイールベース | 2,150mm |
| 車両重量 | 545kg |
| エンジン | T5B 水冷2サイクル直列3気筒 |
| 総排気量 | 539cc |
| 最高出力 | 28PS/5,500rpm |
| 最大トルク | 5.3kg・m/3,000rpm |
初代アルトは1982年のマイナーチェンジで上級グレードを追加し2ストロークエンジンを廃止
初代アルトは1982年にマイナーチェンジを実施し、上級グレードのLタイプとGタイプを追加設定。また排ガス規制の強化に対応するため、2ストロークエンジン搭載車を廃止し、全グレードに4サイクル3気筒550ccエンジンを搭載しました。四輪駆動を採用した「スノーライナー」シリーズや、快適装備を充実させた特別仕様車「マリアンヌ」も展開していました。
1984年〜 2代目アルト:日本初の運転席回転シート採用とターボ車追加で男性ユーザーの購買欲も刺激
2代目「アルト」は空気抗力を低減化できるボディ構造を実現し、低価格ながら上質感のある外観に仕上げた
1984年9月にフルモデルチェンジして誕生した2代目「アルト(CA71V/72V/CC71V/72V型)」は、初代の予想を超えるヒットを受けて開発が進められた車両です。全モデルがF5Aエンジンを搭載し、一部車両では日本の乗用車として初めて運転席回転シートを設置して大きな話題を集めました。
1985年には軽自動車初となる3気筒550ccEPIインタークーラーターボエンジンを搭載した「アルトターボ」を追加設定。後輪サスペンションにITL方式を採用した車両やタコメーターを標準装備するモデルも展開し、走りの質も求める男性ユーザーの購買欲を刺激しました。F5A直列3気筒4ストロークエンジンと4速MTや2速ATを組み合わせ、ボディの軽量化も実施することで、当時のガソリンエンジン商用車では最高水準の低燃費を実現していました。
| グレード | Lタイプ | Sタイプ |
|---|---|---|
| 全長 | 3,195mm | |
| 全幅 | 1,395mm | |
| 全高 | 1,400mm | 1,410mm |
| ホイールベース | 2,175mm | |
| 車両重量 | 550kg | 570kg |
| エンジン | F5A水冷4サイクル直列3気筒SOHC6バルブ | |
| 総排気量 | 543cc | |
| 最高出力 | 31PS/6,000rpm | |
| 最大トルク | 4.4kg・m/3,500rpm | |
2代目アルトは1986年のマイナーチェンジでスズキ軽自動車初のDOHCエンジン搭載モデルを設定
2代目アルトは1986年に男性ユーザーを意識したマイナーチェンジを実施し、軽自動車として初めてITL(アイソレーティッド・トレーリング・リンク)方式のリアサスペンションを採用。スズキの軽自動車では初となるDOHCエンジン搭載の「ツインカム12RS」を追加設定し、ターボ車の馬力も引き上げることで走りの魅力をさらに向上させました。カラードバンパーやフロントグリルデザインで個性を演出した特別仕様車「麻美スペシャル」や、回転ドライバーシートを標準装備した「ジュナ」なども展開していました。
1988年〜 3代目アルト:消費税導入に合わせた5ナンバー設定とワークス独立化で歴代最高売上を記録
3代目「アルト」は直線と曲面を巧みに組み合わせたヨーロピアンテイストのお洒落な外観も魅力としていた
1988年9月にフルモデルチェンジして誕生した3代目「アルト」は、「ザ・パーソナル・ミニ」をメインテーマとして開発されました。軽ボンネットバン最大クラスの広い室内空間を実現し、走行中の風切り音低減とエアロダイナミクスによる燃費改善など、車の基本性能を大きく引き上げました。
1989年の消費税導入で物品税が廃止されたタイミングに合わせ、ボンネットバンタイプが減税措置の対象外となることから5ナンバー車を新設定。さらに人気の高かったスポーティモデル「ワークス」を独立車種に格上げし、軽自動車規格の改定に合わせた改良モデルのリリース、国産車初の両側スライドドアと回転ドライバーシートを装備した派生車「アルトスライドスリム」の展開など、多彩な販売戦略が功を奏して歴代シリーズ中で最も好調な売上を記録しました。1994年に生産を終了しています。
| グレード | 5DOOR Pe | 3DOORツインカムRI |
|---|---|---|
| 全長 | 3,195mm | |
| 全幅 | 1,395mm | |
| 全高 | 1,380mm | 1,385mm |
| ホイールベース | 2,335mm | |
| 車両重量 | 580kg | 590kg |
| エンジン | F5B水冷4サイクル直列3気筒SOHC6バルブ | F5B水冷4サイクル直列3気筒DOHC12バルブ |
| 総排気量 | 547cc | |
| 最高出力 | 34PS/6,500rpm | 46PS/7,500rpm |
アルトワークス:男性ユーザーを意識したスポーティ内外装と最高峰の走行性能を誇るハイパフォーマンスモデル
初代アルトワークスはボンネットフードにエアスクープを設けるなど男性ユーザーを意識したスポーティなデザインを採用
1987年に誕生した初代「アルトワークス」は、3代目アルトをベースに開発されたハイパフォーマンスモデルです。最上位グレードRS/Rには新開発のF5A型3気筒DOHC 12バルブインタークーラーターボエンジンを搭載し、当時の軽自動車最強の走行性能を誇りました。ボンネットフードのエアスクープやシート・ドアトリムのレッドの差し色など、男性ユーザーを強く意識したスポーティな内外装も特徴です。好調な売り上げを記録し続け、2015年に誕生した5代目まで車歴を刻みました。
| グレード | RS-X | RS-R | RS-S |
|---|---|---|---|
| 全長 | 3,195mm | ||
| 全幅 | 1,395mm | ||
| 全高 | 1,380mm | 1,405mm | 1,380mm |
| ホイールベース | 2,175mm | ||
| 車両重量 | 610kg | 650kg | 610kg |
| エンジン | F5A水冷4サイクル直列3気筒DOHC12バルブインタークーラーターボ | ||
| 総排気量 | 543cc | ||
| 最高出力 | 64PS/7,500rpm | ||
1990年誕生の3代目アルト改良モデル:軽自動車規格改定に合わせてボディ拡大と660ccエンジンを搭載
1990年誕生の3代目「アルト」改良モデルではエンジンのアップサイジングと全長の拡張が行われた
1990年1月に軽自動車規格が改定され、全長3,300mm以下・総排気量660cc以下に変更されたことに対応するため、3代目アルトは全長を100mmサイズアップし、総排気量657ccのF6A水冷4サイクル直列3気筒エンジンを新たに搭載しました。従来より高出力化された新エンジンへの対応として、全モデルにディスクブレーキシステムとラジアルタイヤを標準装備し、走行安全性も引き上げています。
| グレード | L’EPO-S・5ドア | Perky |
|---|---|---|
| 全長 | 3,295mm | |
| 全幅 | 1,395mm | |
| 全高 | 1,385mm | |
| ホイールベース | 2,335mm | |
| 車両重量 | 620kg | 610kg |
| エンジン | F6A水冷4サイクル直列3気筒SOHC12バルブ | F6A水冷4サイクル直列3気筒SOHC6バルブ |
| 総排気量 | 657cc | |
| 燃費(10モード) | 19.0km/L | - |
| 最高出力 | 42PS/6,500rpm | 36PS/6,000rpm |
| 最大トルク | 5.3kg・m/4,000rpm | 5.1kg・m/3,500rpm |
1994年〜 4代目アルト:軽自動車最大クラスのロングホイールベースで広い室内空間と快適な乗り心地を実現
4代目「アルト」は全体的に四角い箱型ボディを採用し、当時の軽自動車最大クラスのホイールベースを誇っていた
1994年11月にフルモデルチェンジして誕生した4代目「アルト」は、当時の軽自動車では最高クラスのロングホイールベースを実現し、広い室内空間と優れた直進安定性を確保しました。静粛性に優れたF6A型直列3気筒エンジンを搭載し、ボディ骨格の補強でねじり剛性を引き上げることで着座時の安定感と乗り心地を向上させた点も特徴です。
リサイクル可能素材も取り入れた同型アルトは、セダンタイプの3ドア・5ドア、商用バン、スポーツタイプのワークスと、ボディバリエーションを整理して展開しました。アルトワークスの上位グレード「RS/Z」には軽自動車初のK6A型オールアルミ製DOHCターボエンジンを搭載し、SHICフル制御システムや大型インタークーラーを組み込んだことで当時の軽自動車最高峰の走りを実現しています。
| グレード | Lf | Vs |
|---|---|---|
| 全長 | 3,295mm | |
| 全幅 | 1,395mm | |
| 全高 | 1,400mm | |
| ホイールベース | 2,335mm | |
| 車両重量 | 650kg | 610kg |
| エンジン | F6A水冷4サイクル直列3気筒SOHC12バルブ | F6A水冷4サイクル直列3気筒SOHC16バルブ |
| 総排気量 | 657cc | |
| 燃費(10・15モード) | 21.5km/L | - |
| 最高出力 | 52PS/7,000rpm | 40PS/5,500rpm |
| 最大トルク | 5.7kg・m/4,500rpm | 5.5kg・m/3,500rpm |
4代目アルトは1997年のマイナーチェンジでワークスRのインタークーラーを大型化
4代目アルトは1997年にマイナーチェンジを実施し、フロントグリルやリアバックドアなどの外観デザインを変更。男性ユーザーに人気の「ワークスR」ではインタークーラーを大型化して冷却効果を高めました。「ワークス ターボie/sリミテッド」や「ビーム」などの特別仕様車も展開していました。
1998年〜 5代目アルト:軽自動車新規格をクリアし軽自動車初の低排出ガス車認定を受けた車両
5代目アルトは1998年10月に改正された軽自動車の新規格をクリアした
1998年にフルモデルチェンジして誕生した5代目「アルト(HA12S/22S/23S型)」は、同年10月改正の軽自動車新規格に対応するため、スズキが小型乗用車製造で培ってきた技術を活用して開発されました。全長100mm・全幅80mm・全高50mmのサイズアップを実施し、廉価版グレードを除いて助手席エアバッグを装備、衝撃吸収ボディ構造の完成度を高めて安全性を大きく強化しました。
サイズアップ後も最小回転半径4.2mという小回り性能は維持し、上級グレードではオートエアコンを設定して快適性も向上。2002年のマイナーチェンジではエンジンをオールアルミ製のK6A型DOHCエンジンへ刷新し、ターボチャージャー搭載車を廃止。この改良が評価され、軽自動車として初めて国土交通省の優低排出ガス車認定を受けました。
| グレード | エポP2・2WD・MT・5ドア | Vs | |
|---|---|---|---|
| 全長 | 3,395mm | ||
| 全幅 | 1,475mm | ||
| 全高 | 1,450mm | ||
| ホイールベース | 2,360mm | ||
| 車両重量 | 670kg | 610kg | |
| エンジン | K6A水冷4サイクル直列3気筒DOHC12バルブ | F6A水冷4サイクル直列3気筒SOHC6バルブ | |
| 総排気量 | 658cc | 657cc | |
| 燃費(10・15モード) | 24.0km/L | 20.5km/L | |
| 最高出力 | 55PS/6,500rpm | 42PS/5,500rpm | |
| 最大トルク | 6.2kg・m/4,000rpm | 5.6/3,500rpm | |
5代目アルトはスズキ創立80周年記念の特別仕様車や訪問介護車を展開
スズキは2000年に、5代目アルトをベースとした創立80周年記念の特別仕様車「Lx」や、訪問介護に従事するドライバーが使いやすいよう設計された2シータータイプの訪問介護車をリリース。2002年のマイナーチェンジでは一部グレードと新機種の3ドア・バンに可変バルブ機構を搭載し、低排出ガス認定を取得しました。
2004年〜 6代目アルト:子育て中の女性ドライバーを意識した広い室内とA型ベビーカーが積める荷室を確保
6代目「アルト」は交通網が発達していない地域での生活の足として活躍させるため、軽自動車に求められる基本性能を追求した
2004年9月にフルモデルチェンジして誕生した6代目「アルト(HA24S/24V型)」は、女性ユーザーを強く意識して開発されました。3ドア車や2シーター、エアコン・パワステ未搭載グレードを廃止してボディタイプを5ドアのみに絞り、円と直線を組み合わせた立体造形でお洒落な外観を実現。前モデルより室内長を140mm・室内幅を40mm・室内高を30mm拡充し、乗り降りしやすいシート高を採用しました。
リアシートを倒さずにA型ベビーカーを積載できる荷室スペースを確保するなど、子育て中の女性ドライバーのニーズに応えた設計が特徴です。ただし、この世代ではアルトワークスが展開されておらず、歴代アルトと比較してセールス面では振るわなかった世代となりました。
| グレード | E・FF・AT | X・2WD・AT |
|---|---|---|
| 全長 | 3,395mm | |
| 全幅 | 1,475mm | |
| 全高 | 1,500mm | |
| ホイールベース | 2,360mm | |
| 車両重量 | 730kg | 760kg |
| エンジン | K6A水冷直列3気筒DOHC12バルブ | |
| 総排気量 | 658cc | |
| 燃費(10・15モード) | 20.5km/L | 21.5km/L |
| 最高出力 | 40kW/6,500rpm | |
| 最大トルク | 61Nm/4,000rpm | |
6代目アルトは誕生30周年記念車などの特別仕様車をラインナップ
6代目「アルト」は2006年のマイナーチェンジでグレード「E」と「X」のフロントグリル形状などを改良し、シート表皮にブラウン系を採用。アルミホイールや電動格納式ドアミラー装備の「Gスペシャル」、ボディカラーと同色の内装パーツを採用した「E2」、バックドアに記念デカールを設置した誕生30周年記念車など、複数の特別仕様車をラインナップしていました。
2009年〜 7代目アルト:低燃費性能が評価されて全車エコカー減税適合を達成した省エネ軽自動車
燃費改善に取り組んだ7代目「アルト」は全車が環境対応車普及促進税制に適合した
2009年12月にフルモデルチェンジして誕生した7代目「アルト(HA25S/25V/35S型)」は、「省資源・低燃費で気軽に使え、世代を超えて愛される軽自動車」をコンセプトに開発されました。インテークマニホールドの形状変更で吸排気効率をアップし、車体軽量化とエアロダイナミクスの導入によって低燃費化を実現。全車がエコカー減税(環境対応車普及促進税制)の適合車として認定されました。
前後サスペンションの減衰力向上と防音強化による乗り心地の向上、シリーズ初のキーレスエントリープッシュスタートシステムとイモビライザーによる防犯性強化など、日常使いの品質を大きく引き上げた世代です。2012年のマイナーチェンジではエコドライブインジケータを採用し、ISOFIX対応チャイルドシート固定アンカーを全機種に標準装備しました。
| グレード | F・FF | X・FF |
|---|---|---|
| 全長 | 3,395mm | |
| 全幅 | 1,475mm | |
| 全高 | 1,535mm | |
| ホイールベース | 2,400mm | |
| 車両重量 | 740kg | 760kg |
| エンジン | K6A水冷4サイクル直列3気筒DOHC12バルブ VVT | |
| 総排気量 | 658cc | |
| 燃費 | 22.6km/L(JC08モード) | 24.5km/L(10・15モード) |
| 最高出力 | 40kW/6,500rpm | |
| 最大トルク | 63Nm/3,500rpm | |
2011年誕生の派生車「アルトエコ」:軽自動車初の省電力燃料ポンプ採用でJC08モード30.2km/Lを達成
7代目アルトの派生車「アルトエコ」は各パーツの軽量化と軽自動車初の省電力燃料ポンプシステムを採用して低燃費を実現
スズキは2011年11月に7代目アルトをベースとした「アルトエコ」をリリースしました。時速9km以下でエンジンを自動停止するアイドリングストップ、減速時のエネルギーを有効活用するエネチャージシステム、リアコンビランプ等のLED化、そして軽自動車初採用の省電力燃料ポンプシステムを組み合わせることで、JC08モードで30.2km/Lという当時の軽自動車トップの低燃費を達成しました。
2014年〜 8代目アルト:新プラットフォームHEARTECTで60kg軽量化し2015-2016 日本カー・オブ・ザ・イヤーを獲得
8代目「アルト」は2015-2016 日本カー・オブ・ザ・イヤーを獲得するなど軽自動車としての総合性能の高さが評価された
2014年12月にフルモデルチェンジして誕生した8代目「アルト(HA36S型)」は、スズキが新開発したプラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」を採用し、7代目より60kgもの軽量化を実現しました。外観は丸みのある先代から一転して直線を多用したシンプルでスタイリッシュなデザインに変更。全高を従来比約50mm低く抑えることで、台頭しつつあった軽ハイトワゴンとの差別化を図りました。
トランスミッションには電動油圧式アクチュエータを組み込んだ5速AGS(オートギヤシフト)をスズキ軽自動車として初採用。エンジンもR06A型に刷新し、圧縮比改善と吸排気系の新設計によって低中速域の動力性能を向上させ、JC08モードで37.0km/Lという当時のガソリン車トップの低燃費を達成しました。室内長を150mm延長して4人乗車でも快適な空間を確保したことも高く評価され、2015-2016 日本カー・オブ・ザ・イヤーのスモールモビリティ部門賞を受賞しています。
| グレード | F・FF | L・FF |
|---|---|---|
| 全長 | 3,395mm | |
| 全幅 | 1,475mm | |
| 全高 | 1,475mm | |
| ホイールベース | 2,460mm | |
| 車両重量 | 620kg | 650kg |
| エンジン | R06A水冷4サイクル直列3気筒DOHC12バルブ吸排気VVT | |
| 総排気量 | 658cc | |
| 最高出力 | 38kW/6,500rpm | |
| 最大トルク | 63Nm/4,000rpm | |
| 燃費(JC08モード) | 29.6km/L | 37.0km/L |
8代目アルトではアルトターボRSとアルトワークスが復活。ワークスは5代目以来15年ぶり
8代目「アルト(HA36S型)」では、2015年3月に専用チューニングを施した「アルトターボRS」を追加設定。同年12月には、専用開発のショートストローク対応5速MT・専用チューニング5速AGSを搭載した「アルトワークス」が、5代目モデル以来約15年ぶりに復活しました。なお、このアルトワークス(5代目)は現在生産を終了しています。
8代目アルトは2018年のマイナーチェンジでスズキ セーフティサポート搭載グレードを追加
衝突時の衝撃吸収フレームやESP(車両走行安定補助システム)を搭載し、2014年度の予防安全性能評価で先進安全車として認定されていた8代目「アルト」は、2018年のマイナーチェンジで上級グレードにデュアルセンサーブレーキサポート(車載カメラによる前方車両・歩行者検知対応)や車線逸脱警報などの「スズキ セーフティサポート」を標準装備させました。
2021年〜 9代目アルト:歴代初のマイルドハイブリッド搭載とスマホ連携で装備・燃費を大幅進化
9代目「アルト」はソフトベージュメタリックなど各世代が親しみやすいボディカラーを数多く展開している
2021年12月にフルモデルチェンジして誕生した9代目「アルト(HA37S/97S型)」は、ワークスおよびバンタイプをラインナップから外し、シリーズ初のマイルドハイブリッドシステムを搭載したHYBRIDモデルと、アイドリングストップシステムを搭載したガソリン車にグレードを集約しました。ルーフやリア部も含めた全体的に丸みのあるボディフォルム、LEDヘッドランプとメッキフロントバンパーガーニッシュを組み合わせたスタイリッシュな外観も特徴です。
9代目「アルト」はドアトリムとシート表皮などには男性受けも良いネイビーカラーを採用している
Aピラーのスリム化でガラスエリアを拡大して左右の視認性を向上させ、6エアバッグを全車に標準装備。インパネ・ドアトリム・シート表皮にはスタイリッシュなネイビーカラーを採用しています。ドリンクホルダーやスマホ収納可能なインパネセンターポケットなど、手が届く範囲に実用的な収納スペースを多数設けている点も使い勝手に優れています。
9代目「アルト」で選択可能な7インチディスプレイオーディオはスマホアプリとの連携性を備え地図アプリの映像も表示できる
スズキの国内市場向け車では初の7インチディスプレイオーディオを搭載したグレードでは、スマホアプリと連動した地図情報の表示、Bluetooth接続による音楽再生とハンズフリー通話が可能です。
さらに2025年7月には9代目アルトの一部仕様変更が実施されました。ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせた「デュアルセンサーブレーキサポートII」の全車標準装備(歩行者・自転車・自動二輪車の検知、交差点対応)、前後パーキングセンサーの追加、車線逸脱抑制機能・標識認識機能の追加など安全装備が大幅強化。HYBRIDグレード(2WD)の燃費はWLTCモードで28.2km/Lへ向上し、スズキコネクト(リモートエアコン操作・緊急通報などのアプリ機能)にも対応しています。
| グレード | HYBRID S・2WD | A・2WD |
|---|---|---|
| 全長 | 3,395mm | |
| 全幅 | 1,475mm | |
| 全高 | 1,525mm | |
| ホイールベース | 2,460mm | |
| 車両重量 | 700kg | 680kg |
| エンジン | R06D型水冷4サイクル直列3気筒DOHC12バルブ吸排気VVT | |
| 総排気量 | 657cc | 658cc |
| 燃費(WLTCモード) | 27.7km/L | 25.2km/L |
| 最高出力 | 36kW/6,500rpm | 34kW/6,500rpm |
9代目アルトは全方位モニター付ディスプレイオーディオ装着車で安全性をさらに強化
9代目「アルト」に搭載されるデュアルカメラブレーキサポートシステムは夜間時の歩行者であっても検知可能
9代目「アルト(HA37S/97S型)」のHYBRIDモデルは、あらゆる速度域での軽快な走りを実現するR06D型エンジンに、回生エネルギーを効率的に電気エネルギーへ変換するISG(モーター機能付発電機)と専用リチウムイオンバッテリーを組み合わせたスズキ独自のマイルドハイブリッドシステムを搭載し、軽自動車トップレベルの低燃費を実現しています。
全方位モニター用カメラ搭載車では、車体の前後左右に計4つのカメラを設置することで、見通しの悪い住宅街での左右からの歩行者接近もモニター上で検知・案内してくれるなど、安全装備も充実しています。
40年を超える車歴の中でアルトが誕生させてきた派生車の特徴
1979年に初代モデルが誕生したアルトは、40年を超える車歴の中で「アルトウォークスルーバン」をはじめとする個性的な派生車を多数誕生させてきました。各モデルの特徴を紹介します。
1987年〜 アルトウォークスルーバン:集配業務向けに高い車高と低床フロアを採用した商用派生車
「アルトウォークスルーバン」は荷物の積み下ろしをスムーズ化させ、車内での作業をしやすくするためにルーフを高く設定して開発されたアルトの派生車
1987年にアルトの派生車としてリリースされた「アルトウォークスルーバン」は、郵便配達や宅配便などの集配業務での利用を想定した商用車です。車から降りずに運転席から荷室へスムーズに移動できるようルーフを高く設定し、低床フロアと余裕ある室内長を確保。スライド方式のワイドタイプ乗降ドアを採用して利便性を追求していました。
| 全長 | 3,190mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,395mm |
| 全高 | 1,940mm |
| ホイールベース | 2,175mm |
| 車両重量 | 660kg |
| エンジン | F5A水冷4サイクル直列3気筒SOHC6バルブ |
| 総排気量 | 543cc |
| 最高出力 | 30PS/6,000rpm |
1988年〜 アルトスライドスリム:両側スライドドアと回転ドライバーシートを装備した希少モデル
「アルトスライドスリム」は回転ドライバーシートを装備した乗り降りしやすさを考慮して開発されたアルトの派生車
1988年にアルトの派生車として誕生した「アルトスライドスリム」は、スペースが限られた場所での乗り降りをしやすくするために、両側スライドドアと軽自動車では画期的な回転ドライバーズシートを装備した一台です。時代を感じさせないお洒落なデザインも特徴的で、希少性の高さから、状態の良い車両であれば中古車市場で150万円を超える高値で取引されるケースもあります。
| 全長 | 3,195mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,395mm |
| 全高 | 1,385mm |
| ホイールベース | 2,335mm |
| 車両重量 | 610kg |
| エンジン | F5B 水冷4サイクル直列3気筒SOHC12バルブ |
| 総排気量 | 547cc |
| 最高出力 | 42PS/7,500rpm |
1991年〜 アルトハッスル:欧州流行のフルゴネットスタイルを採用した荷運び能力も優れた派生車
「アルトハッスル」は日本の車では数少ないフルゴネットスタイルのボディ構造を採用していた
1991年にリリースされた「アルトハッスル」は、当時欧州の小型運搬車で流行していたフルゴネットスタイル(車体後部を箱型に立体化したデザイン)を採用したアルトの派生車です。ヨーロピアンテイストの斬新でお洒落なデザインに、エアコン・パワーウィンドウ・ステレオなどの快適装備を充実させ、釣りなどのアウトドア趣味にも活用できる乗用タイプも展開していました。
| 全長 | 3,295mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,395mm |
| 全高 | 1,660mm |
| ホイールベース | 2,335mm |
| 車両重量 | 670kg |
| エンジン | F6A 水冷4サイクル直列3気筒SOHC12バルブ |
| 総排気量 | 657cc |
| 最高出力 | 55PS/7,500rpm |
1997年〜 アルト電気自動車:バッテリーを床下収納して4名乗車を可能にした商用EVの先駆け
アルトは商用モデルの電気自動車を派生車としても誕生させていた
スズキは1992年12月にアルトをベースとした商用EVをリリース。その改良モデルとして1997年に誕生したモデルでは、動力用バッテリーを車体後部ではなく床下に収納することで室内空間を確保し、乗車定員を2名から4名へと拡大しました。軽量高効率なMEV25K DCブラシレスモーターにIGBTインバーターを組み合わせ、走行性能と電力消費効率を前モデルより大きく向上させています。
| 全長 | 3,295mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,395mm |
| 全高 | 1,400mm |
| ホイールベース | 2,335mm |
| 車両重量 | 845kg |
| モーター型式 | MEV25K DCブラシレスモーター(永久磁石式同期型電動機) |
| 電圧 | 120V |
| 定格出力 | 15kW |
| 充電器 | 2段定電流自動充電 |
1999年〜 アルトC(クラシック):メッキ加飾でクラシックカーのようなドレッシーな雰囲気を持つ派生車
アルトC(クラシック)はベース車に大胆な加飾を施してレトロな印象を付与させている
1999年に誕生した「アルトC(クラシック)」は、光沢感が映えるメッキ調の専用フロントグリルに、デザイン親和性の高いバンパーを組み合わせ、ホイールキャップやドアノブなどの内外装各部にメッキ加飾を施してクラシックカーのようなドレッシーな雰囲気を実現したアルトの派生車です。運転席と助手席にSRSエアバッグを装備し、安全性も確保していました。
| 全長 | 3,395mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,475mm |
| 全高 | 1,440mm |
| ホイールベース | 2,360mm |
| 車両重量 | 750kg |
| エンジン | F6A水冷直列3気筒SOHC6バルブインタークーラーターボ |
| 総排気量 | 657cc |
| 最高出力 | 44kW(60PS)/6,000rpm |
2002年〜 アルトラパン:若い女性ドライバーを意識した「ゆるかわ」デザインでスズキの人気車種へ成長した派生車
3代目「ラパン(HE33S型)」はテラコッタピンクメタリックなど若い女性を意識したボディカラーを数多く展開
2002年に初代モデル(HE21S型)がリリースされた「アルトラパン」は、アルトユーザーに高齢ドライバーや男性層の割合が増え、若い女性ドライバーが減少した流れを受けて、ゆるさ・可愛さを内外装に大胆に取り入れたアルトの派生車です。あざとくないナチュラルな可愛さを目指した3代目「ラパン(HE33S型)」は2022年6月にマイナーチェンジを実施し、インパネにType-A/Type-C対応のUSB電源ソケットを設置、全方位モニター用カメラに左右状況確認サポート機能なども追加設定しました。
| 全長 | 3,395mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,475mm |
| 全高 | 1,525mm |
| ホイールベース | 2,460mm |
| 車両重量 | 680kg |
| エンジン | R06A型水冷4サイクル直列3気筒 |
| 総排気量 | 658cc |
| 最高出力 | 38kW(52PS)/6,500rpm |
| 燃費(WLTCモード) | 26.2km/L |
時代とともに進化するアルトの今後の展開に注目
日本の自動車市場で約4割のシェアを占める軽自動車の中で、低価格路線と積み重ねたブランド力を武器とするアルトは、新車・中古車市場ともに根強い人気を維持しています。2025年7月の一部仕様変更では安全装備の大幅強化と燃費向上を果たし、軽自動車トップクラスの競争力を持つモデルとして進化を続けています。
スズキはアルトをはじめとした軽自動車でマイルドハイブリッドの普及に注力している一方、EV分野ではSUVモデル「eビターラ」を国内外に展開するなど、電動化への取り組みも着実に進めています。アルトシリーズへのEV展開については現時点では公式発表はなく、今後の動向が注目されます。




























