フロントガラスの凍結防止に効果的な3つの方法と凍結した際に役立つ対処法
フロントガラス一面が白色となって凍結しているときは、そのまま運転するには視界が遮られているので、氷を解かさなければいけません。
ここでは、フロントガラスの凍結を未然に防げる方法を紹介。フロントガラスの凍結を防止する方法を知っていれば、肌寒い季節の朝にスムーズに車を運転する事ができる。
フロントガラスの凍結は表面に付着する水蒸気が放射冷却などによって冷やされる事によって起こる
フロントガラスの凍結は、表面に付着していた水蒸気が放射冷却などによって、凍結点以下にまで冷やされる事によって起こります。
熱は温かい場所から冷たい場所へと移動します。日中は、熱源である太陽からの距離が近い上空から地面へと熱が伝わり、夜間は太陽によって温められた地面から上空へと熱が向かいます。
夜間に上空へと熱が移動して、地面が冷えていく現象は放射冷却と呼ばれます。放射冷却は上空が冷たくなる冬ほど強くなります。フロントガラスの周りの温度が水から氷へと変化する凍結点以下となれば、フロントガラスは凍結してしまいます。
簡単・リーズナブルに出来て効果的な3つのフロントガラスの凍結防止法
フロントガラスの凍結は、表面に付着する水分が放射冷却などによって冷やされる事によって起こります。つまり、ガラス表面に水分が付着しにくい状態、冷やされにくい状況であればフロントガラスの凍結は起こりません。
そのため、屋根が設置されている場所に車を駐車するのであれば、屋根がガラス表面の温度の低下を招く雪や冷たい風を防いでくれるため、凍結は起こりにくくなります。
けれども、駐車スペースに屋根を設置するには、ある程度の予算が必要な事、集合住宅の駐車場を利用しているなどの諸事情を考慮すれば、そのハードルは高くなってしまいます。
凍結防止シートやフロントガラス撥水コートなどを利用した、リーズナブルで簡単に出来るフロントガラスの凍結防止法を紹介します。
断熱・密閉効果の高い「凍結防止カバー」でフロントガラス・サイドガラス・サイドミラーの凍結を防止
冬は毎日のように、フロントガラスが凍結してしまうという寒冷地に暮らすドライバーにおすすめしたい商品は「凍結防止カバー」です。凍結防止カバーの中には、フロントガラスだけではなくて、サイドガラスやサイドミラーの凍結も防げる利便性の高い商品もあります。
密閉効果と断熱効果に優れる「凍結防止カバー」を車に取り付ければ、フロントガラスに水分が付着しにくくなり、冷たい外気の影響を受けにくくなるために凍結を予防する事ができます。
凍結防止カバーを選ぶ際のチェックポイント
- 自分の車に適用するサイズであるか
- フロントガラス以外もカバーできる商品である
- 盗難防止機能は備わっているか
- 取り付けは簡単に行える
カー用品店やネット通販でリーズナブルな価格で購入できる「凍結防止カバー」の中には、夏場にはサンシェードとしても利用できる遮光率の高い商品もあります。
撥水コーティング剤をフロントガラスに塗布して表面に付着する水分をはじき凍結防止
撥水コーティング剤は、天候の影響を受けてフロントガラスが曇ってしまうのを防ぐために使用する商品です。そんな、撥水コーティング剤には凍結防止効果も備わります。
コーティング剤をガラス表面に塗布すれば、水分質は滑らか成分によって弾かれて付着しにくくなります。ガラス表面に水分が付着する割合が減少すれば、外気温が低下しても凍結の素になる物質が少ないので、凍結は起こりにくくなります。
フロントガラスに付着している汚れをとって凍結しにくい状態に
フロントガラスが汚れている場合には、通常時よりも水から氷へと状態変化をしやすくなるので、凍結しやすくなります。物質に含まれる水分が凍り始める温度を氷結点と言います。汚れなどの不純物が水分に混じっていれば氷結点は影響を受けて、通常時よりも凍りやすくなってしまいます。
それほど冷え込んではいないのに、フロントガラスが凍結しているなと疑問に思った方は、その原因はガラス表面に付着している汚れかもしれませんので、汚れをチェックしてみましょう。
フロントガラスが凍結した場合の3つの対処法
底冷えする日は防止策を施してもフロントガラスが凍結してしまう事もあります。ここでは、フロントガラスが凍結してしまった際に役立つ3つの対処法を紹介します。
デフロスターとエアコンを起動して温風によって曇りも除去して氷を溶かす
フロントガラスが凍結していた際に最もスタンダードで多くの方々が実践している方法は、デフロスターとエアコンを起動して、送風口から送られる温風によって室内を温めて氷を少しずつ溶かす方法です。
フロントガラス表面に形成された氷の層が薄くなってきたら、ワイパーを作動させればより早く氷を取り除く事ができます。
ワイパーの作動は焦らず氷の層が薄くなってきてから
氷の層が薄くなる前にワイパー操作をしてしまえば、ワイパーゴムにダメージを与えてしまう、フロントガラスを傷つけてしまう、ワイパーのモーター部に負担をかけてしまう恐れがあります。そのため、ワイパーはフロントガラスに形成された氷の層が薄くなってから作動しましょう。
噴射するだけで魔法のように短時間で氷が解けていく「解氷スプレー」を用いる
JAFの調べではフロントガラスが凍結した際の解凍時間は、デフロスターを使用した際には約10分であったのに対して、解氷スプレーを用いた際にはわずか1分という短時間でした。
フロントガラスに直接吹きかけるだけで魔法のように簡単に氷を溶かす事ができる「解氷スプレー」は、カー用品店だけではなくて、ホームセンターなどでも購入する事もできます。
解氷スプレーは、主要成分であるアルコールの凍結しにくい特徴を利用した商品です。解氷スプレーに撥水シリコーンが含まれていれば、ガラス面がコーティングされる事によって、一度溶かした氷は再凍結されにくくなります。
解氷スプレーの代替品は「アルコール2:水1」の割合で簡単に作る事が出来る
フロントガラスに形成された氷を短時間で溶かす氷解スプレーの代替品は、化学の知識がある方ならば「アルコール2:水1」の割合でブレンドすれば簡単に作る事ができます。
その方法をユーチューブに投稿したKen Weathers氏の動画は、再生回数900万回を超える人気コンテンツとなっています。
厚い氷を砕けるアイススクレーパーや氷を削れる柄のついた除雪ブラシを使う
アイススクレーパーは、雪国で暮らすドライバーが車内に保管すべき必須アイテムです。ルーフ部に積もる雪を効果的に除去できる除雪ブラシが付いている商品が人気となっています。
吹雪がさった後には、フロントガラスに厚い氷の層が形成されて、その上に大量の雪が積もっているという光景が訪れます。その際に、除雪ブラシ付アイススクレーパーがあれば、ルーフ部やフロント部に積もった雪を効率的に除去できて、その下にある氷の塊を、エアコンとデフロスターとの共同作業によって、よりスピーディーに取り除く事ができます。
ワイパーを立てておく以外の雪の季節に運転する際に役立つ知識
ワイパーのゴムが凍結によってダメージを受けないように配慮して、ワイパーを立てておく光景は、雪国では見かけます。冬に運転する際に役立つその他の知識を紹介します。
フロントガラスの氷に熱湯をかけて解かすのはガラスにダメージを与えてしまうNG行動です
凍結したフロントガラスに、熱湯をかければ氷はスピーディー溶かせるかもしれませんが、熱湯をかける事によって急激な温度変化をフロントガラスに与えてしまえば、不可抗力が働いてヒビ割れなどが起きてしまいます。
熱湯ではないぬるま湯ならば、ヒビ割れが起こる可能性は低下しますが、氷を溶かすために用いたお湯の水分が、ガラス表面に付着して冷やされてしまえば、再凍結の原因となってしまうので、ぬるま湯であっても、フロントガラスの氷を溶かす際には用いない方が良いと判断します。
猛吹雪や寒波がやってきて走行中にフロントガラスが凍り始めた際には解氷ウォッシャー液が役立ちます
北海道や東北などの寒冷地では、激しい吹雪や寒波に見舞われた際には、走行中にフロントガラスが凍り始めて視界が遮られてしまう事もあります。
悪天候の状況下で、フロントガラスが凍り始めて視界が遮られてしまうと、事故のリスクが高まります。そういった、状況下では解氷ウォッシャー液が役立ちます。
含有成分に、凝固点の低いアルコールを含む「解凍ウォッシャー液」であれば、フロントガラス表面に形成され始めた氷を迅速に解かす事ができます。
冬は天気予報をチェックしてフロントガラスが凍結しそうだと判断したら防止策を実施
冬は天気予報をチェックする事をお勧めします。上空に寒気が流れ込んでいれば、放射冷却が強まるためにフロントガラスが凍結する可能性は高まります。あるいは、吹雪が予想されていれば、冷たい風や大量の雪が影響を与える可能性は高いために、フロントガラスは凍結しやすくなります。
天気予報をチェックして、翌日にフロントガラスが凍結しそうだと判断すれば、「凍結防止カバー」を取り付けるなどの防止策を講じれば、フロントガラスの凍結を防ぐ事ができます。
防止策を施しても、猛吹雪などの諸条件が重なれば、フロントガラスが凍結してしまう事も考えられます。そういったケースも想定して、翌日にフロントガラスが凍結しそうだと判断したら、いつもよりも少し早めに起きましょう。
フロントガラスが凍結していたとしても、解氷スプレーなどを用いて対処すれば、いつもよりも混み合う事が想定される道路状況であっても、気持ちを焦らずに運転する事ができます。