パンクの応急処置・修理

パンク修理キットを活用したタイヤのパンクの応急処置を実践

タイヤのパンク修理に初挑戦。初心者でも取扱説明書を見ながら簡単に短時間で作業を実施できるとユーザー評価の高い「エーモン パンク修理キット」を使った。本体にキリ棒やガイドパイプをセットするなどの使用方法の手順やコツを画像付きで紹介。

タイヤのパンク修理に初挑戦~初心者も安心して使えると評判の「エーモン パンク修理キット」にトライ!

これまで車に不具合が出るとすぐにプロに頼ってきた私ですが、今回はタイヤのパンク修理に初めてチャレンジしました。使用したのは、ユーザー評価の高いエーモン工業の「パンク修理キット」です。

「エーモン パンク修理キット」のユーザー評価

  • 平坦な場所に車を停めて作業ができる。
  • タイヤのパンク修理は初めてだったが、説明書を見ながら簡単に作業できた。
  • 多少不安はあったが、図解入りの手順書で分かりやすく、安心して作業できた。
  • 軽量なので車に常備しておける。
  • 驚くほど簡単に修理できた。修理後3週間たつがエア漏れもなく、コスパが良い。
  • ニードル&ガイドがグリップ内に収納でき、安全でコンパクトに保管できる。
  • 修理後に10,000kmほど走行したが全く問題なし。
  • 一度経験しておけば、次回は10分もかからず作業できそう。
  • 補修跡が一般的なパンク修理剤のようにボコボコせず、見た目もきれい。

このように「エーモン パンク修理キット」は評価が高く、初めてパンク修理に挑戦する人の不安を和らげてくれる安心感があります。

先日注文した商品が届いたので、さっそくタイヤのパンク修理に挑戦してみました。

まずは「エーモン パンク修理キット」に入っているアイテムを確認

エーモン パンク修理キットはバイクユーザーにも人気

作業を始める前に、パンク修理キットに同梱されているアイテムを確認します。

ブランド エーモン(amon)
モデル名 4948
商品 159g
梱包サイズ 14.5×13.7×0.8cm
価格 1,600円(AMAZON限定)

本体のグリップは握りやすいT字型で作業しやすい

ラバーセメント(加硫接着剤)の主成分はノルマルヘキサンなど

エーモン パンク修理キットの黒い収納袋には、握りやすいT字型グリップを備えた本体、潤滑剤兼接着剤として使うラバーセメント(加硫接着剤)、そして取扱説明書が入っています。

本体にはラバーセメント以外の付属品を収納できるスペースがある

本体グリップ内には、両端が緑色または黒色のプラグが2本、先端が鋭利なキリ棒、先端が平らな押し棒、金色で光沢のあるガイドパイプが収納されています。

修理後はそれらのアイテムをグリップ内に戻してキャップを閉め、ラバーセメントと一緒に収納袋に入れておけば、次回もすぐに使える状態で保管できます。

タイヤのパンク修理に初挑戦~「エーモン パンク修理キット」の使い方とコツ

不要なタイヤにネジを差し込みパンク状態を再現

事前に練習しておけば本番でも落ち着いて作業できる

今回の修理は、不要になったタイヤにネジを差し込んで意図的にパンクさせた状態で行いました。予行練習も兼ねていますが、事前に一度経験しておくことで、実際にパンクした際も焦らず短時間で作業できます。

取扱説明書は図解入りで分かりやすい

「エーモン パンク修理キット」は、説明書を見ながら進めると簡単に作業できたというレビューが多かったため、私も手順を確認しながら修理を進めました。

「エーモン パンク修理キット」の作業手順9ステップ

  1. タイヤに刺さっているネジやクギを抜き、刺さっていた方向を確認する
  2. 本体にキリ棒とガイドパイプをセットし、ラバーセメントを塗布する
  3. 切り替えスイッチを下にして、体重をかけながら右回しでガイドパイプを根元までゆっくりねじ込む
  4. 切り替えスイッチを中央に移動させ、グリップを左に回して本体を外す
  5. プラグに巻かれているテープをはがし、ラバーセメントを塗布する
  6. プラグの緑色側を下に向けて、ガイドパイプ内に挿入する
  7. キリ棒を抜き、押し棒を取り付けて、本体を右に回してガイドパイプにセットする
  8. 切り替えスイッチを下段にして、素早く右に回しながらガイドパイプと本体を引き抜く。ラバーセメントが乾くまで20~30分待ち、タイヤにエアーを入れる
  9. エア漏れがないことを確認し、タイヤからはみ出たプラグをハサミなどで切り取る

1. タイヤに刺さっているネジをニッパーで抜き、穴の方向を確認

まず、意図的に差し込んでおいたネジをニッパーで抜き取り、刺さっていた方向を確認しました。ネジを抜く際には多少のエア漏れがありました。

タイヤにできた穴を確認すると、思った以上に大きく広がっており驚きました。これはネジを深く差し込んでいたためです。

事前に調べた情報によると、タイヤの内側が破損している場合や、クギが曲がって刺さっている場合、または刺さっていたビスの太さが5mmを超える場合は修理できないとのことです。そのため、これらの条件に当てはまらないかも確認しました。

2. 本体にキリ棒とガイドパイプをセットし、ラバーセメントを塗布

本体にキリ棒を取り付けます。キリ棒の先端は鋭利で危険なため、取り扱いには十分注意しました。

光沢のある金色のガイドパイプを、本体に取り付けたキリ棒に差し込みます。

続いて、ラバーセメントのキャップでチューブの先端に穴を開け、溶剤を使える状態にしました。

ラバーセメントをキリ棒とガイドパイプに塗布しました。有機溶剤特有の匂いはありましたが、屋外作業で空気が流れていたためほとんど気になりませんでした。

3. 切り替えスイッチを下段にして、体重をかけながら右に回してガイドパイプを根元まで差し込む

切り替えスイッチは軽く押すとスムーズに目的の位置まで移動できます

ラバーセメントを塗布した後、取扱説明書の手順に従い、本体に付いているラチェットの切り替えスイッチを下段に移動させます。

タイヤ内側を傷つけないためには、キリ棒を挿入する位置や角度に注意が必要です

次に、タイヤに開いた穴にガイドパイプを差し込みます。このとき、キリ棒の位置や角度に細心の注意を払う必要があります。

取扱説明書に記載されている通り、体重をかけながら差し込むのがコツです。座ったままの楽な姿勢では根元までねじ込むことができません。

作業中の注意点として「左右にふらつかせるとタイヤの内面を傷つけ、エア漏れの原因になります」と記載があります。そのため、ふらつかせないよう意識しながら作業を続け、約3分後にガイドパイプを根元までねじ込むことができました。

4. 切り替えスイッチを中段にして、グリップを左に回して本体を取り外す

次は、タイヤから本体とキリ棒を取り外す作業です。まず、下段にしていた切り替えスイッチを中段に戻します。

本体とキリ棒を取り外す際は、先ほどとは逆にグリップを左に回します。作業はスムーズに完了しました。

5. プラグに巻いてあるテープを剥がしてラバーセメントを塗布

黒色と緑色のつまみ部を持つとテープを剥がしやすくなります

プラグに巻かれたテープを剥がす作業です。プラグはゴム素材で柔らかく、さらにテープの粘着力も強いため、スムーズには剥がせません。

注意事項として「茶色部分に手が触れると加硫効果が弱まり、エア漏れの原因となる」と記載されています。指が触れないように気を付けながら作業を行いましょう。

加硫とは?

未加硫ゴム(半生ゴム)に硫黄を加えて熱を与えることで、弾力性と安定した性質を備えたゴムへと変化させることです。パンク修理キットの場合、走行中に発生する熱で加硫反応が進み、プラグとタイヤが一体化します。

タイヤにできた穴を塞ぐプラグは個別注文も可能です

プラグに巻いてあったテープを剥がした後は、ラバーセメントを塗布します。ラバーセメントを使うと、模型作りをしていた子どもの頃を思い出す人もいるかもしれません。

6. プラグの緑色側を下に向けてガイドパイプへ差し込む

ラバーセメントが乾燥する前に素早く差し込むのがコツです

プラグは太い先端部の緑色側を下に向け、ガイドパイプに差し込みます。ラバーセメントは潤滑剤の役割を果たすため、乾燥する前にたっぷりと塗布しておくことが大切です。

十分にラバーセメントを塗布しておけば、黒色側の端を軽く押すだけで、スムーズにガイドパイプ内へ差し込むことができます。

7. キリ棒を抜き、押し棒を本体に取り付けてガイドパイプにセット

次の工程は、キリ棒を抜いて押し棒をセットする作業です。先端が鋭利なキリ棒を取り外す際は、慎重に行う必要があります。

押し棒を取り付けた本体を右に回し、ガイドパイプと本体を連結させます。

8. 切り替えスイッチを下段に移動し、素早く右に回してガイドパイプと本体を引き抜く。20~30分待ってからタイヤにエアーを入れる

タイヤからガイドパイプを引き抜くために、本体の切り替えスイッチを下段の位置へ動かします。

ガイドパイプを抜き取る作業も差し込み時と同様に力が必要です。空気が入っておらず傾きやすいタイヤを押さえながら、本体のグリップを素早く右に回して抜き取る作業は、一人では難しく感じました。

そのため、写真を撮影してくれている方にタイヤを押さえてもらい、土台を安定させてから再挑戦。すると少しずつタイヤから本体とガイドパイプが外れました。

修理箇所によってはプラグが1.0mm~1.5mm程度はみ出ても問題ありません

作業開始から約3分後、ついにタイヤから本体とガイドパイプの取り外しに成功しました。達成感を味わいながらも「プラグがこんなに飛び出していて大丈夫なのだろうか」と不安になり、取扱説明書を確認しました。

すると「修理箇所によってはプラグが10mm~15mm程度はみ出た状態になりますが、問題ありません」と記載されており、一安心です。

タイヤにエアーを入れるのは20~30分経過後とのことなので、しばらく放置します。パンク修理キットを使った作業は、ガイドパイプの挿入や取り外しに体力を使うため、暑い日の作業では日陰で行ったり、こまめに休憩することが大切です。

待ち時間の間に、本体からガイドパイプを外す、塗布したラバーセメントを拭き取るなどの片づけを済ませておくと、作業が効率的になります。

タイヤへのエアー入れには、夜間作業に便利なLEDライト付きの「メルテック ML‐270 エアーコンプレッサー」を使用しました。

ステップ台などに腰掛けて作業すると安定します

メルテック ML‐270 エアーコンプレッサーの電源コードを車載ソケットに差し込み、本体のスイッチをONにして準備完了。次にタイヤの空気口とエアホースを連結し、空気圧を適正値に設定してからエアーを注入します。

9. エアー漏れを確認してから、タイヤからはみ出ているプラグをハサミで切る

プラグの周囲にラバーセメントを塗布した後、エアー漏れがないことを確認してから、タイヤからはみ出ているプラグをハサミで切り取ります。

切り取った後の状態では、プラグがしっかりとタイヤの穴を塞いでいることが確認できます。プラグの中心部はゴム素材で、外側の茶色い部分は走行中の熱によって加硫反応を促進させる成分で構成されています。

タイヤを車から取り外す作業は省いていますが、パンク修理に要した時間はトータルで約45分でした(エアー注入可能となるまでの待ち時間を含む)。

パンク修理キットを使って初めて修理した感想

  • 事前に練習しておけば、緊急時に落ち着いて対応できる
  • 一人で行うには難しい工程もある
  • 作業中は手が汚れるため、軍手や手袋を使った方が良い
  • コツを掴めば、次回はもっと効率的に作業できる
  • 修理キットを車内に常備しておくと安心できる
  • 偏平タイヤの修理は難易度が高いと感じた

タイヤのパンク修理は緊急時に備えて事前に練習しておこう

近年はスペアタイヤを積載しない車両が主流となっています。そのため、応急用として液状タイプのパンク修理キットが搭載されていますが、このタイプはタイヤ内部やホイールにダメージを与える可能性があるため、使用を避けたいという声も多くあります。そこで最近では「エーモン パンク修理キット」のように、液状タイプではない修理キットを使って自分で修理するドライバーが増えています。

もちろん、定期的に空気圧を調整すればパンクしにくくなります。しかし、道路に落ちているネジやクギといった異物の位置を事前に把握して避けるのは現実的に難しいのが実情です。

万が一、突然パンクしてしまった場合でも、不要になったタイヤを使って修理キットの操作を事前に練習しておけば安心です。初心者でも扱いやすい製品を選んで慣れておけば、いざという時に落ち着いてスムーズに修理を行うことができます。