燃費を計算する方法

燃費の計算方法・正確に出すには満タン法がおすすめ

燃費の計算方法は、満タンから給油までに走った距離と、入ったガソリンの量を割ればいいだけ。車の実燃費は思った以上にガソリン代と直結していますし、残りの走行可能距離を把握するためにも覚えておけば安心。

燃費の計算方法・正確に出すには満タン法がおすすめ

車の燃費の計算と確認方法

  • 燃費のいい車を買ったはずなのに、思ったよりガソリン代がかかる
  • カタログ燃費は20km/Lと記載されているが、本当にそのくらいの燃費で走っているのか確認したい

自分の車の実燃費(実際に走ったときの燃費)は、カタログ燃費よりも低くなることが多くあります。JC08モードで計測されたカタログ燃費は、エアコンや電装品を使用していないなど、実際の使用状況とは異なる条件で測定されているため、実燃費よりも良い数値が出やすいのです。

また、エアコンを常に使用する、急発進や急加速を多用してエンジンを高回転まで回すなど、運転状況によっても実燃費はカタログ燃費より悪化します。

そこで、自分の車の燃費を計算する方法や、実燃費を把握するメリット、給油ごとに燃費を計算する利点について紹介します。

そもそも燃費とは?

ハイブリッド車のコクピット

燃費とは、一般的に燃料(ハイオク・レギュラー・軽油)1リットルあたりで走行できる距離を示すもので、20km/Lと表記されている場合は、燃料1リットルで20km走行できることを意味します。

一般的に、カタログに記載されている燃費を「カタログ燃費」、実際にユーザーが測った燃費を「実燃費」と呼びます。

  • ハイブリッドカー:トヨタ・4代目プリウス(40.8km/L)
  • ガソリン車:スズキ・8代目アルト(37.0km/L)
  • ディーゼル車:マツダ・4代目デミオ(30.0km/L)

2代目プリウスの燃費は35.5km/L(10・15モード)で、他の自動車が10~25km/Lである中、突出した燃費性能によりユーザーに「燃費のいい車といえばプリウス」という印象を与えました。当時から燃費ランキングの上位を維持しているトヨタのプリウスは、現在もハイブリッドカーの中でトップクラスの燃費性能を持っています。

プリウスの実燃費はおおむね25km/L前後といわれており、カタログ燃費より約20%低い数値です。このようにJC08モードでも実燃費との差があります。そのため、2018年10月以降はカタログ燃費をWLTCモードで計測する動きが進んでいます。

WLTCモードで計測された「市街地モード」のカタログ燃費は、普段の街乗りでの実燃費に最も近い数値となります。

燃費を簡単に計算するには「満タン法」がおすすめ

ガソリンを給油するドライバー

燃費を計算する方法はいくつかありますが、最も簡単に計算できるのが「満タン法」です。乗っている車の実燃費を確認する際に使ってみてください。

満タン法の計算方法

1.満タン給油をしたらトリップメーターをリセットする
2.次に給油する時も満タンで入れる
3.トリップメーターの走行距離を給油量で割る
4.計算された値が、満タン給油間の実燃費

例えば、満タン給油から走行し、次の給油で30リットル入った場合、トリップメーターが300kmを示していたら「300km÷30リットル」で、実燃費は10km/Lとなります。また、平均燃費を表示する車種もありますので、満タン法と併用して確認してください。

燃費を給油ごとに計算するメリット

燃料が空を示すメーター

給油ごとに車の実燃費を計算することで、「どうすれば燃費を向上できるか」を考えるきっかけになります。

燃費が悪くなると言われている行為

  • 急発進・急加速の多用
  • 夏場のエアコン使用
  • 空気圧が低下したまま走行
  • 常に重い荷物を積んだまま走行
  • 適正サイズから大きく外れたタイヤの装着

エンジン回転を多用する場合は緩やかな発進・加速を意識する、タイヤ交換時以外に空気圧を確認していない場合は、1ヶ月に1回チェックするなど、メンテナンスにも気を配る習慣がつきます。

車の燃費を把握しておくメリット

もう少しで燃料が空になる車

車の燃費を把握しておくと、ガソリンが減り給油ランプが点灯しても落ち着いて運転できます。メーターの目盛りを見て給油タイミングを判断する人が多いですが、「いつも給油する量」と「ガソリンタンク容量」を把握しておけば、概算の走行可能距離を算出できます。

概算走行可能距離の計算方法

1.ガソリン残量メーターの給油位置を決めておく
2.給油するごとに何リットル入ったか記録する
3.車の燃料タンク容量を確認する
4.タンク容量から通常給油量を引く
5.残量に実燃費をかける

例えば、残り1目盛りになったら給油すると決め、通常30リットル入る場合、車のタンク容量が45リットルなら、ガソリンメーター1目盛り時の残量は「45-30」で15リットルと計算できます。

そこに実燃費をかけると、15リットル×10km/Lなら、約150km走行可能となります。トリップメーターも併せて確認すると、給油ランプ点灯からどのくらい走れるかが分かります。

先ほどの例では、残り1目盛りでトリップメーターが300kmを示しており、給油ランプが350kmで点灯した場合、ランプ点灯から約100km走行可能と計算できます。

ただし、実際の残量は正確ではないため、ギリギリまで我慢するとガス欠で動けなくなることもあります。余裕をもって給油することを心掛けてください。

燃費を向上させる車の走り方

先進的な車のコクピット

車の実燃費を把握したら、やはり今より良い数値を出したいものです。燃費を向上させる走り方のポイントは、「急」がつく運転を避けることや、日々のメンテナンスにあります。

燃費を向上させる走り方

  • アイドリングをしない
  • 急発進・急加速をしない
  • クーラーを使いすぎない
  • タイヤの空気圧を適正に保つ

アイドリングをせずエンジンを切る

コンビニで買い物をする時や昼休みなどの休憩で車を停める時、エンジンを切らずにアイドリングすると燃料を消費し、燃費が悪化します。

1時間のアイドリングで約1リットルのガソリンを消費するといわれています。コンビニで数分の買い物や休憩時間の数十分だけなら大きな消費はありませんが、1ヶ月単位で積み重なるとかなりのガソリンが無駄になります。

1ヶ月単位のコンビニや休憩時のアイドリング時間例

1回につき5分、平日に1回利用する場合

  • 5分×5日×4週=1時間40分(100分)

休憩で暑い・寒いのでエンジンをかける場合

  • 30分×5日×4週=10時間(600分)

コンビニだけの利用でも1リットル以上、休憩中に30分アイドリングすると10リットルものガソリンを無駄に消費する計算になります。コンビニに入るときはエンジンを切り、休憩中は暑ければ窓を開ける、寒ければ着込むなどして、無駄なガソリン消費を抑えましょう。

急加速をせず緩やかな運転を心がける

ガソリンはアクセルの踏み具合に応じてエンジンに供給され、消費されます。少し踏んだだけならガソリン供給も少量ですが、グッと踏み込むと大量に供給されます。

信号が青に変わり早く60km/hに加速したいときや、追い越しで強くアクセルを踏む運転ばかりをしていると、緩やかに加速する運転に比べてガソリン消費が多くなり、燃費が悪化します。

減速時も同様で、前方の信号が赤なのに停止線手前までアクセルを踏み続けるとガソリンが消費されます。アクセルから足を離してエンジンブレーキで減速し、必要に応じてフットブレーキで停止することで燃費が向上します。

項目 内容
アクセル操作と燃料供給 アクセルを軽く踏めば燃料供給は少なく、強く踏み込むと大量に供給され燃費が悪化する。
急加速の影響 信号発進や追い越しで急加速を繰り返すと、緩やかな加速に比べてガソリン消費が大きく増える。
減速時の無駄な消費 赤信号手前までアクセルを踏み続けると無駄に燃料を消費してしまう。
燃費改善の工夫 早めにアクセルから足を離し、エンジンブレーキを活用しつつ必要時のみフットブレーキを使うと燃費向上につながる。

クーラーは使わず窓を開ける

車のエアコンは、車内の空気を冷却するためのコンプレッサーをエンジンの力で動かしています。夏場は外気や車内の空気を冷やす際に温度差が大きいため、コンプレッサーへの負荷が増え、エンジンも多く働くので燃費が悪化します。

冬場も、窓の曇りを取るため暖房とともにエアコン(A/C)を使用する場合がありますが、暖房はエンジン排熱を利用するため夏ほど負荷はかかりません。それでもわずかに燃費が悪化する可能性があります。

燃費を意識するなら、夏はエアコンを切って窓を開け、冬は曇ったときのみA/Cを使用するなど、なるべくコンプレッサー(A/C)を使わない運転をおすすめします。

項目 内容
エアコン使用の燃費影響(夏) 車内を冷却するコンプレッサーはエンジンで駆動されるため、夏は負荷が大きく燃費が悪化する。
エアコン使用の燃費影響(冬) 暖房は排熱利用で負荷は少ないが、A/C使用時はわずかに燃費が悪化する可能性がある。
燃費を意識した運転方法 夏はエアコンを切り窓を開ける、冬は曇り時のみA/C使用など、コンプレッサーの使用を最小限にする。

タイヤの空気圧は適正に入れる

タイヤの空気圧が低下したまま走行すると、走行性能が悪化し、前進により大きな力が必要になり燃費も悪化します。これは空気が抜けた自転車が進みにくいのと同じです。

タイヤの空気圧を適正に保つことでタイヤ本来の性能を発揮でき、燃費が良くなる傾向があります。少なくとも月に1回は、運転席付近に記載された適正空気圧に合わせて充填することをおすすめします。わからない場合はガソリンスタンドのスタッフに依頼すると対応してもらえます。

項目 内容
空気圧低下の影響 タイヤの空気圧が低いと走行性能が落ち、前進により大きな力が必要となり燃費が悪化する。
適正空気圧の効果 タイヤを適正空気圧に保つと本来の性能を発揮でき、燃費向上につながる。
管理の目安 月に1回程度、運転席付近に記載された適正空気圧に合わせて充填。わからない場合はガソリンスタンドで対応可能。

燃費の計算方法が分かると自分の車が好きになる

車とメーター類

自分の車の実燃費を給油ごとに計算すると、「どのように運転すれば燃費が上がるか」など、愛車に気を遣う運転をするようになります。

前回の燃費より数値が上がると嬉しく感じますし、実燃費を把握していると給油ランプが点灯しても焦らず運転できます。また、タイヤの空気圧を意識するなどメンテナンスにも自然に気が向き、タイヤの寿命も延びるなど多くのメリットがあります。

燃費を計算する方法は、「満タン給油から次の給油までの走行距離」を「給油したガソリンの量」で割るだけで算出できる、とても簡単な方法です。ぜひ、燃費を計算して愛車とのコミュニケーションを楽しんでください。