タントの維持費

タントの維持費~新型モデルのグレード「X」と「Xターボ」は年間いくら?

タントの年間維持費(自動車税・車検代・自賠責保険料などが内訳)を計算。2019年7月9日にフルモデルチェンジが実施されて誕生した新型モデル維持費の概算額は、自然吸気エンジンを搭載するグレード「X」が約32.7万円・過給機を搭載する「Xターボ」が約33.6万円。

タントの維持費~新型モデルのグレード「X」と「Xターボ」は年間いくら?

新型タントの年間維持費をグレード「X」と「Xターボ」をモデルケースに計算

2019年7月9日にフルモデルチェンジが実施され誕生した新型タントの年間維持費を求めます。同車は、次世代スマートアシストを搭載・新たなプラットフォームや新開発のCVTを導入して、安全性や走行性能を進化させたダイハツの軽自動車です。

モデルケースとして年間維持費の概算値を計算したのは、グレード「X」と「Xターボ」です。異なるタイプのエンジンを搭載する両グレードの維持費はどの程度開きがあるのかについての比較も行います。

フルモデルチェンジが実施されて誕生した新型タントの特徴とグレード別の車両価格一覧表

新型タントは、ダイハツが新世代のクルマ造りの設計思想として掲げる「DNGA (Daihatsu New Global Architecture)」のコンセプトに基づいて開発された新たなプラットフォームや、改良型エンジンを搭載させるなどして走行性能を引き上げます。

同車は、前後左右に搭載させるカメラによって運転席からは確認しにくい周辺情報を表示させるパノラマモニターをメーカーオプションで追加設定可能とするなどして、全方位の安全性を向上させています。

新型タント グレード「X」「Xターボ」の主要諸元
グレード X Xターボ
全長 3,395mm
全幅 1,475mm
全高 1,755mm(1,775mm)
ホイールベース 2,460mm
最小回転半径 4.4m
燃費(WLTCモード) 21.2km/L(20.2km/L) 20.0km/L(18.8km/L)
燃料 無鉛レギュラーガソリン
乗車定員 4名
車両重量 900kg(950kg) 910kg(960kg)
エンジン KF型 水冷直列3気筒
12バルブDOHC横置
KF型 水冷直列3気筒
12バルブDOHCインタークーラーターボ横置
総排気量 658cc
タイヤサイズ 155/65R14

():4WD

維持費を求めるに際して選択したグレード「X」と「Xターボ」は、共に運転席ロングスライドシート(シートバックレバー付)・助手席ロングスライド・TFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ等を標準装備させて、車内での快適性を引き上げます。

連続式可変バルブタイミング機構やマルチスパーク等の先端技術を導入したKF型の改良エンジンを新開発のD-CVTに組み合わせることで、グレード「X」では21.2km/L・「Xターボ」では20.0km/Lもの低燃費を実現させます。

新プラットフォームを導入する効果によって、大幅な軽量化を達成した新型タントの車両価格帯は122万円~168万円で、ツートンカラーをラインナップさせるなど内外装の魅力をアップさせるタントカスタムの車両価格帯は155万円~187万円です。

新型タントのグレード別 車両価格一覧表
グレード 駆動方式 車両価格
L(スマートアシスト非装着車) 2WD 1,220,400円~
4WD 1,344,600円~
L 2WD 1,306,800円~
4WD 1,431,000円~
X 2WD 1,463,400円~
4WD 1,587,600円~
Xターボ 2WD 1,560,600円~
4WD 1,684,800円~
新型タントカスタム グレード別 車両価格一覧表
グレード 駆動方式 車両価格
カスタムL 2WD 1,549,800円~
4WD 1,674,000円~
カスタムX 2WD 1,668,600円~
4WD 1,792,800円~
カスタムRS 2WD 1,749,600円~
4WD 1,873,800円~

新型タントの年間維持費(概算値)~グレード「X」は約32.7万円・「Xターボ」は約33.6万円

新型タントの年間維持費(概算値)

年間走行距離を任意に1万kmと設定して求めた燃料代、法律によって支払い額が定められている自動車税等を内訳とする新型タントの年間維持費を概算。自然吸気エンジンを搭載するグレード「X」は326,825円・ターボエンジンを搭載するグレード「Xターボ」は336,203円の結果となりました。

両グレードの概算値を比較すると、過給システムを導入して燃料代や諸経費が若干上回る「Xターボ」の方が、年間維持費は1万ほど上回っている事を確認できます。

新型タント グレード「X」「Xターボ」の年間維持費(概算値)の比較表
グレード X Xターボ
自動車税 10,800円 10,800円
燃料代 65,372円 69,250円
駐車場代 120,000円 120,000円
車検代 26,403円(34,140円) 26,403円(34,140円)
任意保険料 79,500円 79,500円
諸経費 24,750円 30,250円
合計金額 326,825円(334,562円) 336,203円(343,940円)

():継続審査時

新型「タント」を自家用として利用する場合の自動車税は10,800円

自動車税は、軽自動車であれば用途区分と新規登録を行った日付を分類事項として、普通車であれば搭載するエンジンの総排気量が増えるにつれて税額を一定額加算していく体系を構築しています。

2019年7月9日に誕生した新型タントには新税率が適用されるため、同車を所有していれば5月末までに支払わなければならない自動車税は10,800円となります。

用途区分 総排気量 税額
自家用乗用軽自動車 660cc以下(2015年4月1日以降) 10,800円
660cc以下(2015年3月31日以前) 7,200円
営業用乗用軽自動車 660cc以下(2015年4月1日以降) 6,900円
660cc以下(2015年3月31日以前) 5,500円

※グリーン化特例が適用される車両には、新車登録の翌年度にかかる自動車税に対して税の軽減措置が受けられます。
※年度の途中に新規登録をした場合には、新規登録をした翌月から翌年3月までの月割分を支払います。

年間走行距離を1万kmと設定して求めた新型タントの燃料代はグレード「X」が約6.5万円・「Xターボ」が約6.9万円

新型タントにかかる年間燃料代は、日々の運転習慣だけではなくて天候や経済状況などの外的な要因によっても変化しますが、「年間走行距離」「燃費」「燃料価格」といった3項目の数値が求まれば概算可能です。

年間走行距離の目安

通勤・通学(往復30km×120日×=3,600km)
週1度のお買い物(往復30km×52週=1,560km)
月1度のレジャー(往復400km×12回=4,800km)
・3,600km+1,560km+4,800km=9,960km

モデルケースとして上記のように4代目タントを通勤や買い物などで利用しているオーナーを想定します。年間走行距離は、計算のしやすさも意識して、9,960kmの端数を切り上げて10,000kmへと再設定した数値を用います。

年間走行距離(10,000km)を各グレードのカタログ燃費(21.2km/L、20.0km/L)で割って求めた年間燃料消費量に、ガソリン価格を乗じれば新型タントの1年間にかかる燃料代の概算値は算出されます。

新型タント「X」「Xターボ」の1年間にかかる燃料代(概算値)の算出法

年間燃料消費量
「X」: 10,000km ÷ 21.2km/L = 472L
「Xターボ」「400R」: 10,000km ÷ 20.0km/L = 500L

1年間にかかる燃料代
「X」: 472L × 138.5(円/L)= 65,372円
「Xターボ」:500L × 138.5(円/L)= 69,250円

※新型タントは実燃費に近いと言われているWLTCモードを採用しているため、カタログ燃費の値をそのまま採用

※ガソリン価格は2018年9月~2019年8月までにおいての全国平均価格である1Lあたり138.5円で設定

上記のようにガソリン価格は1Lあたり138.5円、年間走行距離は10,000kmと任意に数値を設定して、4代目タント の1年間にかかる燃料代を概算した結果、自然吸気エンジンを搭載するグレード「X」は65,372円・ターボエンジンを搭載する「Xターボ」は69,250円となりました。

年間駐車場代12万円の内訳

駐車場代はタントの年間維持費を概算するにあたっては、最も誤差が膨らみやすい項目です。居住地などに駐車スペースを用意しているオーナーであれば無料、月極駐車場を借りている方同士を比較しても大都市と地方とでは、地価の影響を強く受けてしまうため月換算でも数万円の開きが生じてしまいます。

モデルケースとしての分かり易さも意識して月極駐車場代は全国相場の1万円で借りているオーナーを想定。その値を適用すれば1年間にかかる駐車場代は12万円と計算できます。

4代目タントの購入計画を具体化させる為に、実費に近い金額を確認したいという方には、駐車場賃貸借契約書などに記載されている月極料金を用いて再計算する事をお勧めします。

全国主要都市の月極駐車場の相場

  • 東京(23区)の相場:30,000円
  • 大阪市の相場:25,000円
  • 横浜市の相場:17,000円
  • 名古屋市の相場:11,000円
  • 福岡市の相場:11,000円
  • 札幌市の相場:10,000円
  • 全国の平均相場:10,000円

タントの車検代~年換算では初回時が約2.6万円・継続審査時が約3.4万円

車検代の内訳は、自賠責保険・重量税・印紙代といった支払い額が法律によって定められている法定費用と、ディーラーや整備工場などの作業を依頼する場所によって請求額に変化が生じる代行手数料・整備費用です。

タントの法定費用
車検の有効期間 3年 2年
自賠責保険 35,610円 25,580円
重量税 7,500円 6,600円
印紙代 1,100円 1,100円
合計 44,210円 33,280円

上記のように計算した軽自動車であるタントの法定費用の合計額に、変動費である代行手数料や整備費用を加算すれば車検代の概算値は求まります。

変動費である代行手数料・整備費用は、故障の有無や作業の依頼場所などの違いによっても変化してしまいますが、今回はタントの内部パーツに大きな故障を伴わないケースを想定して、一律3.5万円として計算を行いました。

車検の有効期間 3年 2年
法定費用 44,210円 33,280円
代行手数料・整備費用 35,000円 35,000円
合計 79,210円 68,280円
年換算 26,403円 34,140円

代行手数料・整備費用は3.5万円と任意に数値を設定して演算を実行すれば、タントの初回車検費用は79,210円・継続車検費用は68,280円となります。年換算で考えるとそれら金額は26,403円(79,210円÷3)と34,140円(68,280円÷2)の値へと変化します。

4代目タントを新車で購入した場合の重量税 ~ 初回分は7,500円・継続審査時は6,600円

車検代の内訳である重量税は、軽自動車であれば車の重さに関わらず車検の有効期間分に準じた一律額を、普通車であれば重量が500kg増えるにつれて一定額を加算する体系を構築しています。

軽自動車に属するタントを新車で購入した場合(自家用として)、初回分の重量税は7,500円で、2年周期でやってくる継続審査時の重量税は6,600円となります。

期間 重量税
3年自家用(新車購入時) 7,500円
2年自家用(継続審査) 6,600円

※車を登録してから、13年、18年が経過すると、重量税が加算されます。
※エコカー減免制度が適用される車であれば、税額が免除、及び一定割合減免されます。
※重量税は車検証の有効期間分を一括して支払います。

タントを新車で購入した場合の自賠責保険料 ~ 初回時は35,610円・継続審査時は25,580円

自賠責保険は人身事故の被害者を救済するという観点から、法律によって公道を走る全ての車両に対する加入義務が強制的に定められています。

タントを新車で購入した場合、初回時の自賠責保険の加入期間は37ヵ月が適用となる為、支払い額は35,610円となります。

2年周期のタイミングでやってくる継続審査時には、当該車両の車検申請が行政機関に認可されるまでの間に保険の未加入期間のタイムラグを発生させない為に、保険期間は1ヶ月分余裕を持たせた25ヶ月加入とさせる措置を取るため、支払い額は25,580円となります。

軽自動車の自賠責保険料
車種 保険期間
37ヵ月 36ヵ月 25ヵ月 24ヵ月 13ヵ月 12ヵ月 1ヵ月
軽自動車 35,610円 34,820円 25,580円 25,070円 15,960円 15,130円 5,540円

※新車を購入した場合は、自賠責保険は37ヶ月加入となります。
※車検を通すには自賠責保険に加入する必要があります
※沖縄・離島は除く

タントの車検を指定工場に依頼した場合にかかる印紙代は1,100円

「自動車検査登録印紙(印紙代)」には、車検の適合性を公的機関に認定してもらう際にかかる手数料等が含まれます。

指定工場 1,100円(一律)
認定工場 軽自動車:1,400円
5ナンバー:1,700円
3ナンバー:1,800円

印紙代は、独自に保安基準適合証を交付できて自社で完結できる認可を受けている指定工場に依頼した場合には、軽自動車あるいは普通車に関係なく一律で1,100円です。ここではタントの車検を指定工場に依頼するケースを想定しているため、印紙代は1,100円として考えます。

車両保険はつける・対人賠償は無制限とするなどの条件設定の下で見積もった新型タントの任意保険料は年間約8万円

任意保険には自賠責保険ではカバーしきれない人身事故や、補償対象外とする物損事故等が起きてしまった場合に備えて、ほとんどのドライバーが加入しています。アクサ損害保険会社などの各社が運用する任意保険は、加入者が属する等級・年齢構成・車両の型式別料率クラスなどの諸条件を勘案して保険料を算出しています。

  • 年齢26歳以上
  • 年間走行距離11,000km以下
  • 対人賠償は無制限
  • 対物賠償は無制限
  • 10等級
  • ゴールド免許保有

新型タントの車両価格は全グレードが200万円以下と、20代でも新車で購入できる層が数多いと推定されるため、加入者の年齢構成は26歳以上と条件設定を行いました。

ゴールド免許保有・車両保険は付けるなどの諸条件も加えてシミュレーションした結果、グレード「X」と「Xターボ」の任意保険料は79,500円であると見積もる事が出来ました。

タントの任意保険料の見積り額

  • 「X」「Xターボ」 : 79,500 円(34,500円)

※()内の数値は、車両保険なしの金額
※実費に近い保険額を把握したいという方はご自身の条件設定に合わせて再計算する事をお薦めします。

新品タイヤの購入費とエンジンオイル・エレメント交換代を内訳とする諸経費はグレード「X」が約2.5万円・「Xターボ」が約3.0万円

新品タイヤ(夏用・冬用)の購入費用とエンジンオイル・エレメント交換代を内訳として求めた諸経費の合算値は、グレード「X」が24,750円・「Xターボ」が30,250円となりました。

必要時に応じてバッテリー交換やエアコンフィルターの交換等を行う際には、それら作業にかかる費用も加算すれば、概算値の精度は向上します。

新型タント のグレード別 諸経費の概算値
グレード X Xターボ
タイヤ購入費用(年換算) 16,750円 16,750円
オイル・エレメント交換代 8,000円 13,500円
合計 24,750円 30,250円
タイヤ(夏用・冬用)を4年周期で購入したとすれば1年間の積立金は約1.7万円と概算

新型タントでワンランク上の快適走行を楽しむためには、摩擦等の影響によって表面が削られていく消耗品であるタイヤを定期的に新品へと交換する必要があります。

新プラットフォームの基で開発された新型タントは、車両重量が軽減化されるなど装着しているタイヤのロングライフ化が期待できるため、新品タイヤを購入する周期は4年と設定して、1年間の積立金を求めていきます。

4代目タントの新品タイヤ購入費67,000円の内訳

夏タイヤ:ブリヂストン「ECOPIA EX20C TYPE H」の4本セットの安値相場は31,000円

冬タイヤ:ヨコハマ「iceGUARD6」の4本セットの安値相場は36,000円

合計額:67,000円

※夏・冬タイヤはともに4本セットを安値相場で購入した場合を想定

維持費のモデルケースとして選択したグレード「X」と「Xターボ」が採用するタイヤサイズは155/65R14です。

上記のように夏タイヤは、ブリヂストンのハイト系軽自動車専用の低燃費タイヤ「ECOPIA EX20C TYPE H」を、冬タイヤは氷上・雪上性能が4年間も持続するヨコハマの「iceGUARD6」を安値相場(4本セット)で購入した場合を想定します。両タイヤを安値相場で購入した場合の合計額は67,000円です。

その額を適用すれば、タイヤ購入費に充てるべき1年間の積立金は16,750円(67000円÷4)であると考えられます。

グレード X Xターボ
タイヤサイズ 155/65R14
タイヤ購入費 67,000円
年換算 16,750円
タントのエンジンオイル・エレメント交換費用~グレード「Xターボ」は年間で13,500円・「X」は8,000円程度かかると見積もられる

新型タントが搭載するKF型の改良エンジンの状態を良好に保つためには、定期的にエンジンオイルとエレメントを交換する必要があります。

一般的にはターボチャージャーを搭載しているエンジンの方がオイルの交換周期は早いため、グレード「Xターボ」のエンジンオイルの交換は年に2回実施するもとして考えます。一方の自然吸気エンジンを搭載するグレード「X」の場合には年に1回実施するものとして計算を行います。

エンジンオイルに混じったスラッジなどの不純物をろ過するパーツであるエレメントの交換は両グレード共に年に1回行うものとして演算を実行します。

4代目タントのオイル・エレメント交換費用「13,500円」と「8,000円」の内訳

「Xターボ」
オイル交換(年2回):5,000×2=10,000円
エレメント交換(年1回):2,000円
作業工賃:1,500円
合計金額:13,500円

「X」
オイル交換(年1回):5,000円
エレメント交換(年1回):2,000円
作業工賃:1,000円
合計金額:8,000円

※オイル・エレメント交換費用はディーラーやスタンドなどの依頼場所によっても異なりますが、平均的な金額である5,000円と2,000円と設定

※工賃は1作業あたり500円で計算

クラストップレベルの安全性や静粛性を実現させた新型「タント」のグレードを選ぶ際には維持費も考慮

タント

軽スーパーハイトワゴンという新市場を開拓する、両側パワースライドドアを採用するなどして、子育て世代を中心に幅広い世代から支持されてきタントが2019年7月9日にフルモデルチェンジを実施しました。

新型タントは、ダイハツが新世代のクルマ造りのスローガンとして掲げる「DNGA」の基で開発される第1のラインアップとして、新たなプラットフォームや次世代型スマートアシストを導入しました。

クラストップレベルの安全性や静粛性、快適性などを実現させた新型タントのグレード選びは、維持費も考慮して、ワンランク上の走りや乗り心地を体感しましょう。