BMW X7はフラッグシップSAV 2018年10月17日に発表され現在もG07型が継続
BMWのSUVラインナップである「X」シリーズから、それまで最上位だったX5のさらに上に立つ「X7」が、2018年10月17日に発表されました。一般公開の場となったのは同年11月のロサンゼルスモーターショーです。
3列シートのクロスオーバーSUVで、ボディサイズは全長5メートル超。3列目に座る乗員にも余裕のある空間が与えられています。当時はV型12気筒6.0Lの搭載までささやかれましたが、実際にV12が載ることはありませんでした。ここではBMW X7のエクステリアや搭載エンジン、発売日や価格帯を、その後の展開まで含めて紹介します。
2026年もG07型を継続販売 価格は1,456万円から 予想されたV12は結局搭載されず
X7は初代にあたるG07型が2026年7月現在も継続販売されています。フルモデルチェンジは行われておらず、2022年11月の一部改良(LCI)で得た「BMWラグジュアリー・フェイス」のまま、頂点に君臨し続けているという状況です。
日本仕様のラインナップは「xDrive 40d エクセレンス」「xDrive 40d Mスポーツ」「M60i xDrive」の3グレード。すべて右ハンドルのみで、全車に48Vマイルド・ハイブリッド・システムを搭載します。2025年4月にはメーカー希望小売価格が改定され、現在の価格帯はおよそ1,456万円〜1,842万円となりました。発表当時の「1,000万円以上からスタート」という見立てを、大きく上回る水準まで来ています。
そして、当時最も話題を集めたV型12気筒の搭載説は実現しませんでした。ロールスロイス カリナンと共用するのでは、という観測でしたが、X7の頂点は4.4L V8ツインパワーターボを積むM60i xDrive(530PS/750Nm)にとどまっています。それでも0-100km/h加速は4秒台前半、車両重量2,610kgを軽々と押し出す実力です。V12がなくとも不足を感じる人はいないでしょう。
2025年5月に日本専用限定車「X7 BLACK-α(ブラックアルファ)」を発売
近年のトピックとして外せないのが、日本市場だけのために仕立てられた限定車です。2025年5月、漆黒に染め上げた「X7 BLACK-α(ブラックアルファ)」が登場しました。
設定は2種類。「xDrive 40d ブラック-α」が90台、「M60i xDrive ブラック-α」がわずか9台という台数で、合計99台という日本らしい数字にまとめられています。
ボディカラーには、光沢を排したマット仕上げのBMW Individual Special Paint「フローズン・ブラック・メタリック」を採用。そこにクリスタルが印象的なツイン・サーキュラー&ダブル・ライト、暗闇で光るアイコニック・グロー・ブラック・キドニー・グリル、約1万5,000個の星の輝きを模したパノラマ・スカイルーフを組み合わせました。色を吸い込む黒と、そこに散る光のコントラスト。日本の名匠とのプロジェクトから生まれた「X7 錦ラウンジ」と並び、BMWが日本市場をどう見ているかがよく分かる一台です。
BMW X7が2022年11月15日の一部改良で一部道路ハンズオフシステムを追加
BMWのフラッグシップSAVであるX7は、2022年11月15日に一部改良を実施しました。
象徴的なキドニーグリルを大型化する新しいラグジュアリー・フェイスの採用で、存在感が一段と増しています。注目は、BMWの日本国内モデルとして初めて搭載された、一部道路で手放し運転が可能なハンズオフシステムでした。
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BMW X7 -
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BMW X7
この改良で全車に48Vマイルド・ハイブリッド・システムを採用。ディーゼルのxDrive 40dは3.0L直6ツインパワー・ターボで最高出力340PS、最大トルク700Nmへと引き上げられました。
インテリアでは拡張現実(AR)技術を用いたナビゲーションや、事前登録した場所へ自動で駐車するパーキング・アシスタント・プロフェッショナルを標準装備。
ドライバー側へ湾曲したカーブド・ディスプレイは12.3インチのメーターパネルと14.9インチのコントロールディスプレイで構成され、最新の「BMW OS8」を搭載します。
運転席周りを広く見せるため、トランスミッションのシフトレバーも廃されました。
2022年の一部改良直後の価格は、X7 xDrive40d エクセレンスが13,390,000円、X7 xDrive40d Mスポーツが13,860,000円、最上位のX7 M60i xDriveが16,980,000円。その後の価格改定を経て、現在はいずれも大きく上振れしています。
BMW X7のオンライン販売限定車Edition in Frozen Black Metallicを発売
2021年には、漆黒のエクステリアが特徴的な限定車「Edition in Frozen Black Metallic(エディション イン フローズンブラックメタリック)」がオンライン限定40台で販売されました。
ホイールやブレーキキャリパーまで含めてブラックで統一し、インテリアもブラック基調でまとめたモデルです。
BMWオンライン限定販売という売り方自体も話題になりました。
販売価格は14,660,000円で、2021年10月28日の午前11時から受付開始。この成功が、のちの「BLACK-α」へ繋がっていったと見ています。
BMW X7ベースの高性能モデル「XB7」は621馬力で市販化された
かつて、アルピナがX7をベースとするハイパフォーマンスモデル「XB7」を開発中との情報があり、厚いカモフラージュをまとった開発車両も目撃されていました。パワートレインは最高出力600ps、最大トルク800Nmの4.4L V型8気筒ツインターボだろう、というのが当時の予想です。
この予想は、ほぼ的中しました。ALPINA XB7は実際に市販化され、4.4L V8ツインターボで621馬力を発生。X7 M60iを大きく上回る、事実上のX7最強仕様として君臨しています。2025年2月には内外装を特別に仕立てる「MANUFAKTUR」プログラムも設定されました。
スポーティなステアリングホイールや上質なレザーが与えられるという読みも当たっており、アルピナらしい仕立ての良さと圧倒的な速さが同居する一台に仕上がっています。
BMWが全車右ハンドル仕様で3列シートの最上級SAV新型「X7」を発売
BMWは2019年6月24日、最上級ラグジュアリーSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)のX7を日本で発売しました。3列シート仕様で、6人乗りと7人乗りの2タイプを用意。全グレードが右ハンドルで、納車は同年8月以降でした。
ボディサイズは全長5,165mm、全幅2,000mm、全高1,835mm、ホイールベース3,105mm(現在は全長5,170mm)。狭くなりがちな3列目でも、ゆったり過ごせる室内空間が確保されています。
導入時のパワートレインは、3.0L直列6気筒ディーゼルの「xDrive35d」が最高出力265PS・最大トルク620Nm、4.4L V8ツインパワー・ターボの「M50i」が最高出力530PS・最大トルク750Nm、という2本立てでした。トランスミッションはグレードにより8速ATまたは8速スポーツAT。なおディーゼルは2022年の改良でxDrive40dへ移行し、340PS/700Nmへ強化されています。
足まわりでは、各ホイールのセンサーが路面状況を感知し、車高を必要に応じて40mm上下に自動調整する「四輪アダプティブ・エア・サスペンション」を搭載。進行方向の路面をカメラで読み取り、エアサスペンションだけでなくダンパー調整やロール回避まで最適化する「エグゼクティブ・ドライブ・プロ」も採用され、最上級SAVにふさわしい乗り味を実現します。
先進運転支援では、高速道路の渋滞時に負担を軽減する「ハンズ・オフ機能付渋滞運転支援システム」、35km/h以下での走行時に直近50mの軌跡を記憶し、狭い道で来た道を自動で後退できる「リバース・アシスト」、BMW初搭載の「トラフィック・サイン・アシスト」などを搭載。
「OK, BMW」の呼びかけで起動する「BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタント」も採用され、音声だけで車両操作や情報アクセスが行えます。
インテリアは、スタンダードモデル以外の全グレードでシート表皮に「BMW Individualメリノ・レザー」を標準装備。セカンドシートは6人乗り仕様がキャプテンシート、7人乗り仕様がベンチシートとなります。透明度の高いクリスタルをシフトセレクターやスタート・ストップボタンに用いるなど、高級感が随所に宿る一台です。
BMW X7のエクステリアは大型化したキドニーグリルが特徴
X7のエクステリアは、BMWの象徴である2分割のキドニーグリルが従来モデルより大型化している点にまず目がいきます。ボディサイズはX5よりひと回り大きく、3列目に大人が座っても窮屈さを感じさせません。
サイドから見ると、スポークの多い大型ホイールが目を引きます。X5が18〜20インチを履くのに対し、X7は20〜22インチだろうと予想されていましたが、現在は21インチのYスポーク・スタイリングなどが用意され、おおむね読みどおりの落ち着き方をしました。
別角度から見ると、ルーフレールの装着も確認できます。サイドからリヤバンパーまで走るメッキパーツは高級感があり、ドアハンドルもパネルへ一体化しているように見えます。
リアビューは、ボディ幅いっぱいに広がるテールランプが印象的で、ダーク加飾が施されます。サイドと呼応する加飾により、全体の一体感が高められています。
プラットフォームは、後輪駆動ベースの「CLARプラットフォーム」を採用。カーボンファイバー強化樹脂を用いた軽量構造です。
BMW X7の搭載エンジンは予想と異なりディーゼルとV8の2本立てに落ち着いた
登場前に搭載が見込まれていたのは、「3.0L直列6気筒ターボ」「3.0L直列6気筒ディーゼル」「4.4L V型8気筒ツインターボ」というガソリン・ディーゼル3種類に加え、「2.0L直列4気筒ツインターボ+モーター」のプラグインハイブリッドでした。
このうち日本導入が予想されたのは、直6ガソリン、V8ツインターボ、2.0Lハイブリッドの3種類。結果として、日本仕様に用意されたのは3.0L直6ディーゼルと4.4L V8ツインターボの2本立てで、直6ガソリンもPHEVも導入されていません。予想は半分だけ当たった、というところでしょう。以下は当時想定されていた各ユニットの諸元です。
| 種類 | 直列6気筒ターボ |
|---|---|
| 排気量 | 3.0L |
| 最高出力 | 325PS/5,500rpm |
| 最大トルク | 450Nm/1,380-5,000rpm |
| 種類 | V型8気筒ツインターボ |
|---|---|
| 排気量 | 4.4L |
| 最高出力 | 462PS/5,500rpm |
| 最大トルク | 650Nm/2,000-4,500rpm |
| 種類 | 直列4気筒ツインターボ |
|---|---|
| 排気量 | 2.0L |
| エンジン最高出力 | 245PS/5,000-6,500rpm |
| エンジン最大トルク | 350Nm/1,250-4,800rpm |
| モーター最高出力 | 113PS/3,170rpm |
| モーター最大トルク | 250Nm |
実際に市販されたM60i xDriveのV8は、上表の予想を超える530PS/750Nm。WLTCモード燃費は8.2km/L、車両重量は2,610kgです。ハイグレードにロールスロイス カリナンと同系のV12(544PS)が載るという噂は、ついに実現しませんでした。ダウンサイジングと電動化が進む時代を考えれば、当然の結末だったのかもしれません。
BMW X7の日本発売は2019年6月 価格は当初1,000万円超と予想されたが現在は1,456万円から
BMWのラグジュアリーSAVであるX7は、2018年10月17日に発表され、日本発売は2019年6月24日でした。当時、X5が896万円からだったことを踏まえ「少なくとも1,000万円以上からスタート」と予想されていましたが、これは当たっています。
ただし現在は様相が異なります。度重なる価格改定を経て、2026年時点の価格帯は約1,456万円〜1,842万円。当時の予想レンジ(1,000万〜1,300万円)を、大きく飛び越えました。以下は当時の予想価格です。
| 直列6気筒エンジン搭載モデル | 1,000万 |
|---|---|
| V型8気筒エンジン搭載モデル | 1,100万 |
| ハイブリッドエンジン搭載モデル | 1,300万 |
ライバル車として挙げられたのは「メルセデス・ベンツ GLS」と「キャデラック エスカレード」でした。この構図は現在も変わっておらず、両車とも世代交代を果たしてX7と鎬を削っています。以下は当時のライバル諸元です。
| モデル | 350d |
|---|---|
| 全長 | 5,130mm |
| 全幅 | 1,935mm |
| 全高 | 1,850mm |
| ホイールベース | 3,075mm |
| エンジン | V型6気筒ディーゼルターボ |
| 最高出力 | 258PS/3,400rpm |
| 最大トルク | 620Nm/1,600-2,400rpm |
| 価格 | 10,700,000円 |
| モデル | プレミアム |
|---|---|
| 全長 | 5,195mm |
| 全幅 | 2,065mm |
| 全高 | 1,910mm |
| ホイールベース | 2,950mm |
| エンジン | V型8気筒OHV |
| 排気量 | 6,153cc |
| 最高出力 | 426PS/5,600rpm |
| 最大トルク | 623Nm/4,100rpm |
| 価格 | 11,666,667円 |
フルサイズSUVのBMW・X7のモデルチェンジ遍歴
X7はドイツのBMWが販売するフルサイズSUVで、同社最大のSUVにあたります。縦長に大型化したキドニーグリルが特徴です。
BMW・X7 G07/2019年~
2018年10月17日、ワールドプレミア。同年11月のロサンゼルスモーターショーで一般公開されました。
2019年6月24日、日本発売。ディーゼルの「xDrive35d」とガソリンの「M50i」を導入。
2020年、アルピナがX7をベースとする「XB7」を発表(4.4L V8ツインターボ、621馬力)。
2021年10月28日、オンライン限定40台の「Edition in Frozen Black Metallic」を発売。
2022年11月15日、一部改良を実施。BMWラグジュアリー・フェイスの採用、全車への48Vマイルド・ハイブリッド搭載、ハンズオフ機能付渋滞運転支援システムの導入、パドルシフトの全車標準化を行い、ディーゼルは「xDrive 40d」(340PS/700Nm)へ移行しました。
2025年4月、メーカー希望小売価格を改定。
2025年5月、日本専用限定車「xDrive 40d ブラック-α」(90台)、「M60i xDrive ブラック-α」(9台)を発売。
2026年7月現在、フルモデルチェンジは行われていません。
| BMW・X7のモデル | 販売年表 |
|---|---|
| G07(2022年に一部改良) | 2019年~ |
BMW X7はラグジュアリーなSUVファミリーカーとして定着した
Xシリーズの頂点に立つX7は、3列シートで最大7人乗り。X5よりひと回り大きなボディにより、3列目に大人が座っても窮屈な思いをせずに済みます。2018年10月に発表され、2019年6月に日本上陸を果たしてから7年、いまも同じG07型が第一線に立ち続けています。
搭載エンジンはベースが3.0L直6ディーゼル(340PS/700Nm)、上位が4.4L V8ツインパワー・ターボ(530PS/750Nm)。登場前に噂されたV12やプラグインハイブリッドは、日本仕様には設定されませんでした。その代わり、アルピナが仕立てた621馬力のXB7が、実質的な最強仕様として存在感を放っています。
ライバルはメルセデス・ベンツ GLSとキャデラック エスカレード。いずれもSUVクラスのフラッグシップに君臨する顔ぶれで、この激戦区でX7が確たる地位を築いたのは間違いありません。価格は1,456万円からと決して手が届きやすくはありませんが、フルサイズSUVという領域で「走るBMW」を望むなら、選択肢は驚くほど限られます。