キャデラックXT4は一代限りで2025年に生産終了、後継は電動「オプティック」へ(日本でも販売終了)
キャデラック初のコンパクトSUVとして2018年に登場したXT4は、フルモデルチェンジを受けることなく一代限りで2025年1月に米国生産を終了しました。生産拠点だったGMフェアファックス工場(カンザス州)が次世代シボレー・ボルトEVの生産へ転換したためで、XT4の精神的な後継は、キャデラックの電動コンパクトSUV「オプティック(OPTIQ)」となります。
日本でも、2024年12月に発売されたフェイスリフト版を最後に販売を終了することがアナウンス済みで、現在は在庫・中古が中心です。まずは記事公開後(2018年の発表以降)に起きた動きを、新しい順に整理します。
XT4は2025年1月に生産終了、一代限りで幕——後継は電動コンパクトSUV「オプティック」
XT4は2019年モデルとしてデビューし、2024年モデルで大きめのフェイスリフト(33インチディスプレイの採用など)を受けましたが、その改良からわずか2年ほどで、2025年1月に生産を終了しました。世代交代のない“一代限り”での退場です。最後に組み立てられた個体はすでに売却され、キャデラックはこのクラスに純ガソリンの直接後継を用意していません。
代わりに用意されたのが、2024年5月に発表された電動コンパクトSUV「オプティック(OPTIQ)」です。フル充電での航続は約480km(メーカー推定)とされ、XT4とほぼ同じサイズ帯を電動で受け持ちます。キャデラックはリリック(LYRIQ)、オプティック、ヴィスティック(VISTIQ)とEVを一気に拡充しており、その流れの中でXT4が役目を終えた形です。なお、3列SUVのXT6も2025年内に生産終了となる一方、ガソリンのXT5は次世代へ継続し、フラッグシップのエスカレードも健在です。
日本でも2024年12月のフェイスリフト版が最終モデルに——販売終了
日本市場では、GMジャパンが2024年12月3日にフェイスリフト版XT4を発売しました。メーカー希望小売価格は790万円で、デリバリー開始は2025年初旬。前後の外装デザインを刷新し、ドライバー用とセンター用を一体化した33インチのLEDディスプレイ、AKG製オーディオ(14スピーカー)などを備えます。パワートレインは2.0L直4ガソリンターボ(230PS/350Nm)と9速ATの組み合わせで、駆動は4WDのみ、ハンドルは左のみ、グレードは「スポーツ」の1本に整理されました。
ただし、このフェイスリフト版は米国の生産終了に伴い、日本でも最終モデルとしてのアナウンスとなりました。世界的に人気のコンパクトSUVでありながら、キャデラックのEVシフトの中で、XT4は日本でも役目を終えつつあります。
XT4が発表!プレミアムブランド初のコンパクトSUVが登場(2018年)
ここからは、本記事のもともとの主題であるXT4のデビュー時(2018年)の内容を紹介します。キャデラックはアメリカのビッグ3に数えられるゼネラルモーターズ(GM)の高級車ブランドで、フルサイズSUVのエスカレードや大統領専用車のプレジデンシャル・リムジンなどを手がけてきました。
大柄なイメージのキャデラックですが、2018年3月27日のニューヨークモーターショーでコンパクトSUVのXT4を世界初公開しました。世界的なコンパクトSUV人気を受けての参入として、当時大きな注目を集めた一台です。以下、そのエクステリアやインテリア、スペックを振り返ります。
一目でキャデラックとわかる押し出しの強い顔つき——XT4のエクステリア
XT4はニューヨークモーターショー2018でワールドプレミア
キャデラックにはフルサイズSUVのエスカレード、ミドルサイズのXT5がありますが、XT4もそれらに負けない「キャデラックらしい顔つき」を備えています。
ブラックのメッシュグリルがXT4の特徴
ヘッドライトの形状はXT5に似ていますが、大きな違いはフロントグリル。XT5が直線的なグリルなのに対し、XT4はブラックメッシュを採用して躍動的な表情としています。
L字型ヘッドライトやランニングブレード、リヤコンビランプは全グレードでフルLEDを採用し、堂々とした佇まいが印象的です。
リヤガラスを傾斜させたクーペスタイルでシャープな印象に
標準18インチ、オプションで20インチのアルミホイールを選択できる
リヤは傾斜をつけたクーペスタイル。ホイールは18インチを標準とし、20インチをオプション設定します。
キャデラックの中ではコンパクトSUVという位置づけですが、日本の感覚では十分に大柄です。発表時のボディサイズは全長4,599mm・全幅1,881mm・全高1,627mm(日本導入仕様は全長4,605mm・全幅1,875mm・全高1,625mm)で、特に全幅はランドクルーザープラド(全幅1,885mm)に迫ります。狭い路地では取り回しに気を配りたいサイズです。
ブラックで統一された質感高いインテリア
ブラックで統一された内装。プレミアムブランドらしい雰囲気
スマートフォン感覚で操作できる8インチモニターを採用(発表時)
インパネには8インチの高解像度モニターを設置し、キャデラックが新設計した3本スポークの本革ステアリングを装備。フロント・リヤシートともに厚みがあり、ホールド感の高い作りでした。
1,004mmの足元スペースを確保
後席の足元は1,004mmを確保し、大人が乗ってもゆったりくつろげます。
フラットになるラゲッジルーム
後席を倒した際の最大積載量は1,385Lと、このクラスでは大きめ。使い勝手と質感を両立したインテリアでした。
※なお2024年のフェイスリフトでは、この8インチモニターに代えて33インチのLEDディスプレイが採用されています。
パワートレインは新開発2.0Lターボ——PHEVは登場しなかった
新開発の2.0Lターボエンジン
XT4のパワートレインは、新開発の2.0L直4DOHCターボ。発表時のスペックは最高出力177kW(237hp)/5,000rpm、最大トルク350Nm(35.7kgm)/1,500〜4,000rpmで、低回転からトルクを発生するツインスクロールターボを採用します(後の日本仕様・フェイスリフト版は230PS表記)。
全グレードで9速ATを組み合わせ、力強さと滑らかさを両立していました。
発表当時は「XT4はPHEVで登場するのでは」という噂もありました。しかし結局PHEV版は設定されず、XT4は生涯を通じて2.0Lガソリンターボのみ。電動化はこのクラスでは後継の電動SUV「オプティック」が担う流れとなりました。
XT4のスペックとライバル——レクサスNXやボルボXC40と比較(2018年発表時)
XT4のライバルはレクサスNXやボルボXC40
XT4のライバルは、レクサスNXや2018年欧州カー・オブ・ザ・イヤーのボルボXC40などとされていました。以下は発表当時のスペック比較で、レクサスNXは先代(NX300)、XC40も当時のモデルである点にご注意ください。
| XT4 | NX(先代) | XC40 | |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | AWD | AWD | AWD |
| 全長 | 4,599mm | 4,640mm | 4,425mm |
| 全幅 | 1,881mm | 1,845mm | 1,875mm |
| 全高 | 1,627mm | 1,645mm | 1,660mm |
| ホイールベース | 2,779mm | 2,660mm | 2,700mm |
| 車両重量 | 1,660kg | 1,570kg | 1,690kg |
| 燃費 | 9.6km/L | 12.4km/L | 12.4km/L |
| 乗車定員 | 5名 | 5名 | 5名 |
| 価格 | 3,780,000円〜(発表時の予想) | 4,660,000円〜 | 4,590,000円〜 |
※XT4の予想価格は発表当時のもので、実際の日本導入時の価格は570万円〜でした(後述)。
「日本販売は未定」だったXT4は2021年に導入され、570万円で発売
発表当時、日本導入は未定で「2019年以降ではないか」と見られていました。実際には、XT4は2021年1月15日の東京オートサロン2021で国内初披露され、翌16日に発売。価格は570万円からで、グレードは「プレミアム」「スポーツ」「プラチナム」の3種類、全車左ハンドルのみの設定でした。これによりエスカレード、XT6、XT5、XT4というキャデラックのSUVラインアップが揃いました。
2022年10月には特別限定車「ラテ エディション」を設定。その後、2024年12月のフェイスリフト版(790万円)を最後に、日本でも販売を終える流れとなりました(詳細は冒頭を参照)。
キャデラック初のコンパクトSUV、XT4のモデルチェンジ遍歴
XT4は、GMの高級ブランド・キャデラックにとって初のコンパクトSUVでした。一目でキャデラックとわかるフロントマスクが特徴です。
キャデラックXT4 初代/2018年~2025年
2018年3月、ニューヨークモーターショーでワールドプレミア。日本へは2021年1月に導入(2021年1月16日発売、570万円〜)。
2022年10月、特別限定車「ラテ エディション」を発売。
2024年12月、日本でフェイスリフト版を発売(790万円)。33インチLEDディスプレイやAKG製オーディオを採用し、グレードは「スポーツ」に集約。
2025年1月、米フェアファックス工場での生産を終了(一代限り)。工場は次世代シボレー・ボルトEVへ転換。後継は電動コンパクトSUV「オプティック」で、日本でもフェイスリフト版をもって販売を終了。
| キャデラックXT4のモデル | 販売年表 |
|---|---|
| 初代 | 2018年~2025年(一代限り) |
コンパクトSUVの雄となったXT4は、EVシフトの中で一代限りの歴史を終えた

キャデラックがコンパクトSUV市場へ投入したXT4は、当時としては後発ながら、ブランドのベストセラー級へと成長し、日本にも2021年から導入されました。プレミアムSUVを主力とするジャガーやポルシェ、ミニ、そしてBMWやアウディといったドイツ勢がこのクラスを固める中で、キャデラックらしい押し出しの強さで存在感を示した一台です。
しかし、GM・キャデラックの急速なEVシフトの中で、XT4は世代交代を迎えることなく2025年1月に生産を終了。バトンは電動コンパクトSUV「オプティック」へと渡りました。純ガソリンのコンパクト・キャデラックとしては、XT4が最初で最後の一台になったといえます。

















