プリウスα GRスポーツは2021年3月末に生産終了 一代限りで幕を閉じる
プリウスαは、3代目プリウスをベースに5人乗りステーションワゴンと7人乗り3列シートを揃えたハイブリッド専用モデルで、2011年5月の発売以来、燃費と積載性を両立するファミリーカーとして支持を集めました。そのプリウスαに2017年12月1日、スポーツコンバージョンシリーズとして設定されたのが「GRスポーツ」です。
ただし現在、プリウスαもGRスポーツも新車では手に入りません。トヨタは2020年12月1日に生産終了を予告し、プリウスαは2021年3月末をもって生産を終了。フルモデルチェンジを受けることなく、一代限りで役目を終えました。直接の後継車は設定されておらず、販売現場ではカローラツーリングのハイブリッドなどが代替として案内されたと伝えられています。GRスポーツも最後までカタログに残り続けた上で、車種そのものの終了とともに姿を消しました。
プリウスαは国内で約50万台が販売され、最盛期の2013年には年間10万台超を記録した人気車でした。しかしベースの3代目プリウスが2015年に世代交代した後もプラットフォームは据え置かれ、C-HRやRAV4といったSUVの台頭もあって販売は縮小。2020年5月からトヨタが全販売店で全車種を扱う体制へ移行したことで姉妹車・重複車種を整理する流れが強まり、その中での決着となりました。結果として、7人乗りのハイブリッドワゴンという独自の枠は、現在のトヨタのラインナップから消えたままです。
2020年12月1日に生産終了を予告 5車種同時の車種整理
トヨタは2020年12月1日、公式サイトでプリウスαを含む5車種の生産終了を告知しました。対象はポルテ/スペイド(2020年12月上旬)と、プレミオ/アリオン/プリウスα(2021年3月末)です。生産終了を事前にウェブサイトで告知するのは異例の対応で、車種整理の方針が明確に示された格好となりました。予告どおりプリウスαは2021年3月末で生産を終え、以降は流通在庫での販売に切り替わっています。
2020年9月に一部改良 燃費表記はWLTCモードへ
生産終了の前年、2020年9月にプリウスαは一部改良を受けています。この改良を機に、カタログ燃費の表記が従来のJC08モードからWLTCモードへ移行し、WLTCモードで20.7km/Lという数値が公表されました(改良前のJC08モード値は26.2km/L)。GRスポーツ(S ツーリングセレクション・GRスポーツ)はこの最終仕様まで設定が続いています。
2019年10月に消費税率引き上げに伴う価格改定
2019年10月の消費税率10%への引き上げに合わせ、プリウスαも全グレードで税込価格が改定されました。本記事に掲載している価格は2017年12月の発売当時(消費税8%込)のものであり、末期の税込価格はこれより上がっている点にご注意ください。
プリウスα GRスポーツが2017年12月1日に登場
ここからは、GRスポーツが登場した当時の内容を振り返ります。
2017年12月1日、プリウスαにスポーツ・コンバージョンシリーズ「プリウスα GRスポーツ」が追加されました。前年まで設定されていた「S ツーリングセレクション・G’s」の実質的な後継にあたるグレードです。
プリウスαは2列シート5人乗りのステーションワゴンタイプと、3列シート7人乗りのミニバンタイプを揃えたファミリーカーでした。
そのスポーツグレードである「プリウスα GRスポーツ」の特徴を紹介します。
プリウスαのスポーツ仕様車の名称を「GRシリーズ」に変更
トヨタは2017年9月19日、それまで「G Sports(G’s)」として展開してきたスポーツコンバージョン車を「GR」シリーズへ一新すると発表しました。GRシリーズは次の3階層で構成され、プリウスαはもっとも身近な「GR SPORT」に位置づけられています。
| グレード名 | 位置づけ |
|---|---|
| GRMN | 最上位。台数限定で販売されるコンプリートカー |
| GR | 走りの中核。ボディやシャシーまで踏み込んだチューニングを施す |
| GRスポーツ(GR SPORT) | 入門グレード。内外装と足回りを中心に仕立てる。プリウスαはここに該当 |
GRスポーツへのコンバージョンは、パワートレインの強化を行わず、エクステリアやインテリア、足回りをスポーティーな仕立てへと変えるのが特徴です。この考え方はプリウスαに限らず、当時のGRシリーズ全体に共通していました。トヨタはプリウスαのほかにも、ヴィッツ、プリウスPHV、ハリアー、マークXなど複数の車種にGRシリーズを展開しています。
プリウスα GRスポーツは低くワイドなエクステリアが特徴


プリウスα GRスポーツのエクステリアは、前身であるG’sの流儀をそのまま受け継ぎ、ボディ剛性の強化と専用チューニングサスペンションの採用に加え、全高をベース車より15mm低く抑えていました。
フロントグリルはワイドに見せる造形とされ、ホイールやマフラーの色調も専用の仕立てです。

エンブレムはG’sからGRへ変更され、書体も改められました。

プリウスα GRスポーツのボディカラーはエアロボディにマッチした全6色
プリウスα GRスポーツには、オプション設定のホワイトパールクリスタルシャインを含めて全6色が用意され、専用エアロに映える色が選び抜かれていました(価格はいずれも2017年当時のもの)。
ホワイトパールクリスタルシャイン(33,000円高)
シルバーメタリック
グレーメタリック
アティチュードブラックマイカ
ダークレッドマイカメタリック
ダークブルーマイカ
専用装備でスポーティーさを高めたプリウスα GRスポーツのインテリア

プリウスα GRスポーツでは、GRロゴ付き専用タコメーターの追加、専用加飾を施したインストルメントパネル、専用アルミペダルの採用などによって、スポーツ仕様車としての手応えを高めていました。
インテリアカラーはブラックを基調としつつ、センターレジスターやセンタークラスターにメタリック調の差し色を入れ、素っ気なさを感じさせない仕立てです。

シートは、前身のG’sで好評だったスエード調表皮と合成皮革を組み合わせた専用スポーツシートのデザインを踏襲し、クッション性とホールド性を両立させています。
ステアリング、シフトノブ、タコメーター、スタートスイッチ、アルミペダルはいずれも専用品で、スイッチ類にも専用加飾が施されるという凝った内容でした。
プリウスα GRスポーツでは「パワートレイン」の変更はない
プリウスα GRスポーツは、ベースとなるS ツーリングセレクションに対してパワートレインの改良を行っていません。GRスポーツへのコンバージョンは、モデルチェンジとは性格が異なり、エクステリア・インテリア・足回りを中心にスポーツモデルへ仕立て直すものだからです。
そのため、プリウスα GRスポーツの諸元はS ツーリングセレクションとほとんど変わりませんでした。下表は登場時(2017年12月)の数値で、燃費は当時のJC08モード値です。前述のとおり2020年9月の一部改良以降はWLTCモード20.7km/Lへ表記が改められています。
| 全長 | 4,665mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,775mm |
| 全高 | 1,560mm |
| 室内長 | 1,910mm |
| 室内幅 | 1,520mm |
| 室内高 | 1,220mm |
| ホイールベース | 2,780mm |
| 車両重量 | 1,480kg |
| 最低地上高 | 130mm |
| 最小回転半径 | 5.9m |
| エンジン型式 | 2ZR-FXE |
| エンジン種類 | 水冷直列4気筒DOHC |
| モーター型式 | 5JM |
| モーター種類 | 交流同期電動機 |
| 総排気量 | 1.797L |
| 使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
| 最高出力 | 73KW(99PS)/5,200rpm |
| 最大トルク | 142Nm(14.5kgm)/4,000rpm |
| 乗車定員 | 5名/7名 |
| JC08モード燃費 | 26.2km/L |
| ボディカラー | 6色 |
プリウスα GRスポーツの主要装備
・フロント・リア専用バンパー
・専用ラジエーターグリル
・専用チューニングサスペンション
・専用アルミホイール
・ブレース追加
・専用フロントスポーティシート
・GRロゴ付き専用タコメーター
・小径ステアリングホイール
・専用シフトノブ
・専用スタートスイッチ
・その他内装加飾
プリウスα GRスポーツの発売時の販売価格は3,413,300円~
GRスポーツへのコンバージョンは足回りと内外装の作り込みが中心のため、価格の上昇幅も限定的でした。発売当時の価格は5人乗りが3,413,300円、7人乗りが3,622,300円で、ベースとなるS ツーリングセレクションとの差は約34万円です。専用エアロ、専用サスペンション、ブレース追加、専用内装をひとまとめにした内容としては、割高感の少ない設定だったと言えます。
| グレード | 5人乗り | 7人乗り |
|---|---|---|
| S | 2,758,800円~ | 2,968,900円~ |
| S Lセレクション | 2,612,500円~ | – |
| 特別仕様車 S tune BLACK 2 | 2,834,700円~ | 3,044,800円~ |
| S ツーリングセレクション | 3,073,400円~ | 3,282,400円~ |
| G | 3,110,800円~ | 3,319,800円~ |
| G ツーリングセレクション | 3,319,800円~ | 3,529,900円~ |
| S ツーリングセレクション・GR SPORT | 3,413,300円~ | 3,622,300円~ |
トヨタのコンプリートカー プリウスα GRスポーツの画像13枚
プリウスα GRスポーツ
プリウスα GRスポーツ
プリウスα GRスポーツ
プリウスα GRスポーツ
プリウスα GRスポーツ
プリウスα GRスポーツ
プリウスα GRスポーツ
プリウスα GRスポーツ
プリウスα GRスポーツ
プリウスα GRスポーツ
プリウスα GRスポーツ
プリウスα GRスポーツ
プリウスα GRスポーツ
プリウスα GRスポーツが残したもの

プリウスαは、プリウス譲りの燃費と、ワゴン/3列シートという実用性を両立させたモデルでした。そこへスポーティーな味付けを加えたGRスポーツは、「家族のためのクルマだけれど、走りにも少し欲を出したい」という層に応える一台だったと言えます。
とはいえ、その答えが数の上で報われることはありませんでした。プリウスαは2021年3月末で生産を終え、GRスポーツも一代限りで消滅。後継車は今も設定されていません。ハイブリッドの3列ワゴンという枠自体が国内から消えたため、中古車市場ではGRスポーツを含むプリウスαが実用車として今も一定の支持を保っています。派手さはなくとも、燃費・積載性・スポーティーさを一台にまとめたパッケージは、いま振り返ってもなかなか代わりの見つからない存在です。





























