マツダの歴代車種

マツダの歴代車種70種を画像つき解説!車好きを熱狂させた名車が多数

マツダの歴代車種を画像付きで解説。海外のSUV好きにも人気の現行車種をはじめ戦後の経済復興を支えた商用車や小型トラックなどのはたらくクルマ、ロータリーエンジン搭載のスポーツカーなどマツダの名車を紹介。RX-7、カペラ、ルーチェ、ファミリアなど復活してほしい車ばかり!

1930年~1950年代のマツダ車種一覧

自動車メーカーであるマツダの前身は1920年創業の東洋コルク工業株式会社。広島県に本社を構え、名前の通りコルクを生産する会社でした(1927年に東洋工業株式会社、1984年にマツダ株式会社に名称変更)。

英語表記を「MAZDA」としたのは、海外での発音の問題にプラスして、「叡智のある神」であるゾロアスター教の最高神アフラ・マズダー(Ahura Mazdā)に由来しています。

1930年代に三菱商事と三輪トラックの販売契約を締結し、その後20年あまりにわたりトラックなどの商用車を中心に製造。戦後の日本の経済発展を支えてきた会社の1つです。

マツダ号DA型(1931)

社長の名前「マツダ」を冠するマツダ号DA型は戦前戦後の日本経済を支えた

マツダがはじめて製造した3輪トラック。当時の社名は東洋工業で「天使号」など他の名前の候補もでたが社長の松田重次郎の名前にちなんで「マツダ」の名前が与えられた記念車。クラス最大の積載量を誇り、戦前~戦後まで日本の経済発展を支える。

車種名 マツダ号DA型(1931)
概要 マツダが初めて製造した3輪トラック
名称の由来 社長・松田重次郎の名前にちなみ「マツダ」と命名
性能 クラス最大の積載量を誇る
歴史的意義 戦前から戦後まで日本の経済発展を支えた重要な車両

T1500/T2000(1957)

1500ccの水冷4気筒エンジンを搭載したT1500

戦後のオート三輪として活躍したT1500とT2000。1500と2000は排気量の違いで、外観はウィンカーが微妙に異なる。初期マツダ(東洋工業)は小型三輪の分野で有名で、1970年代まで人気の高い商用車だった。最高時速100km/hと国内三輪トラック最速!

車種名 T1500/T2000(1957)
概要 戦後のオート三輪で活躍した商用車
エンジン T1500は1500cc水冷4気筒エンジン搭載
違い 排気量の違いにより外観のウィンカー形状が微妙に異なる
特徴 最高速度100km/hで国内三輪トラック最速
人気 1970年代まで高い人気を誇った

D1100/D1500/ロンパー(1958~1965)

排気量1.5Lのマツダ・D1500。

マツダのオート三輪「Tシリーズ」をベースにした小型四輪トラック。1958年販売当初はロンパーの名前。空冷2気筒の小型エンジンを採用、座席下に配置することで3人乗りを実現。1959年に水冷直列4気筒OHVエンジンに変更し、排気量にちなみD1100とD1500に名称変更。

車種名 D1100/D1500/ロンパー(1958~1965)
概要 オート三輪「Tシリーズ」をベースにした小型四輪トラック
初期名称 1958年販売当初は「ロンパー」という名前で展開
エンジン(初期) 空冷2気筒の小型エンジンを座席下に配置し3人乗りを実現
エンジン(1959年~) 水冷直列4気筒OHVエンジンに変更し、排気量によりD1100とD1500に名称変更

K360(1959~1969)

ツートーンカラーが可愛いオート三輪K360

マツダ(東洋工業)のオート三輪だが、商用車とは思えないおしゃれデザイン。愛称はけさぶろう。ダイハツ・ミゼットの競合車で、K360は静寂性がPRポイント。ミャンマーでは1990年まで生産されていたので、今も現役で働いているケサブロウに出会えることも。

車種名 K360(1959~1969)
特徴 商用車とは思えないおしゃれなデザインのオート三輪
愛称 けさぶろう
競合車 ダイハツ・ミゼット
PRポイント 静寂性の高さ
生産期間・地域 ミャンマーで1990年まで生産され、現地で今も稼働することがある

T600(1959~1971)

T600は「ケサブロウ」の愛称で人気だったK360の兄貴分にあたる。

K360(愛称ケサブロウ)の排気量を上げて、荷台を長くしたデザインの小型三輪トラックT600。20馬力500kgの積載量とK360よりパワーのある実用車。小回りが利くため、汲み取り便所のバキュームカーとしても活躍していた。

1960年代~1970年代のマツダ車種一覧

1960年代、日本のモータリゼーションの夜明けとともに、マツダは初の量産型乗用車であるR360クーペを販売します。それ以降は美しいデザインの車を多く製造し、世界で初めてロータリーエンジンの量産車の開発にも成功。

ファミリア、コスモスポーツ、ルーチェ、サバンナ、サバンナRX-7など、この時期に産み出した名車は数知れず。マツダは日本の自動車メーカーとしての地位を確立していきます。

車種名 T600(1959~1971)
概要 K360(愛称ケサブロウ)の排気量アップ版で、荷台を延長した小型三輪トラック
性能 20馬力、500kgの積載量を持ち、K360よりパワフル
特徴 小回りが利き、バキュームカーなど多用途に活躍
愛称 ケサブロウの兄貴分

R360クーペ(1960~1969)

R360クーペ KRBB型

マツダ初の乗用車(軽自動車)R360クーペ。一応4人乗りだが、後部座席に乗れるのは子供だけ。マグネシウム合金などを使用して軽量化にこだわり、380kgというもっとも軽量な国産車となった。スバル360の人気を脅かすほどではなかったが、デザインは高評価。

車種名 R360クーペ(1960~1969)
概要 マツダ初の乗用軽自動車。4人乗りだが後部座席は子供向け
軽量化 マグネシウム合金を使用し、車重380kgで国産車中最軽量
評価 スバル360には及ばなかったがデザインは高評価

B360(1961~1968)

「ビーバン」と呼ばれたマツダのライトバンB360前期型

B360トラック後期型

B360は、けさぶろうの愛称で親しまれたオート三輪K360とともに、マツダを代表する商用車となった四輪の軽自動車。トラックとライトバンが存在し、ライトバンは「Bバン」と言われていた。K360とともに、ミャンマーでは1990年代まで現地生産されている。

車種名 B360(1961~1968)
概要 マツダを代表する四輪軽自動車の商用車。トラックとライトバンが存在
愛称 ライトバンは「Bバン」と呼ばれた
関連車種 オート三輪K360(けさぶろう)とともに人気
生産状況 ミャンマーで1990年代まで現地生産されていた

キャロル600(1962~1964)

キャロル600 NRA型

4ドアセダンの軽自動車キャロルの排気量を360ccから600ccに拡大した小型乗用車。内外装は高級路線であるものの、後部座席の狭さは改善されておらず、ファミリカーとしては不向き。2年ほどで生産は中止。マツダに100万台目の生産車として記録されている。

車種名 キャロル600(1962~1964)
概要 キャロルの排気量を360ccから600ccに拡大した小型乗用車
内外装 高級路線を目指したデザイン
後部座席 狭さは改善されず、ファミリー向けには不向き
生産期間 約2年間で生産中止
記録 マツダの100万台目生産車として記録されている

ファミリア(1963~2004)

ファミリアバン800 エステート

ファミリアセダン デラックス

ファミリアロータリークーペ M10A

イタリア語で「家族」を意味するファミリア。マツダが小型乗用車の分野に本格的に進出するきっかけとなった1台。市場調査から商用車のバンタイプの販売が優先され、ワゴンやセダンは翌1964年デビュー。モダンで洗練されたヨーロッパデザインが人気を博した。

車種名 ファミリア(1963~2004)
名称由来 イタリア語で「家族」を意味する
概要 マツダの小型乗用車市場への本格進出モデル
販売優先 市場調査により商用バンタイプが先に販売開始
ワゴン・セダンデビュー 1964年に登場、洗練されたヨーロッパデザインが人気

プロシード(1965~2009)

プロシード 初代 ニュージーランド仕様車

プロシードは海外ではマツダ「Bシリーズ」として絶大な支持を受けていたピックアップトラック。5代44年の歴史があるが、ほとんどが輸出仕様であり日本で販売されたのは3代目2000年まで(販売中止期間あり)。数が非常に少ないレア車。

車種名 プロシード(1965~2009)
概要 海外ではマツダ「Bシリーズ」として知られるピックアップトラック
歴史 5代にわたる44年間の生産歴を持つ
国内販売 主に輸出仕様で、日本での販売は3代目(2000年まで)に限られる
希少性 日本での流通台数は非常に少なくレアな車種

ルーチェ(1966)

初代ルーチェのエクステリアはイタリア人デザイナーが担当し、マツダ社内で修正を加えた。

2代目ルーチェはアメリカ風デザインが好評だったが、第一次石油危機のため販売は下降する。

キャロル、ファミリアの販売に成功を踏まえてマツダが生み出した高級車。イタリア人デザイナーによる流麗なAラインスタイルが美しい。1500ccにSOHCエンジンを搭載し、最高時速150km/h。前列3人掛けを実現しているのは当時としても珍しい。

車種名 ルーチェ(1966)
概要 キャロル、ファミリアの成功を受けて開発されたマツダの高級車
デザイン イタリア人デザイナーが担当し、マツダ社内で修正を加えた流麗なAラインスタイル
エンジン 1500cc SOHCエンジン搭載
性能 最高時速150km/h
特徴 当時として珍しい前列3人掛けを実現
2代目モデル アメリカ風デザインが好評だったが、第一次石油危機で販売は下降

コスモスポーツ(1967~1972)

世界ではじめて市販車のロータリーエンジンを搭載車となった初代コスモスポーツ 写真は後期型

コスモスポーツL10B型 1971年式 エンジンは2ローター1000ccで128馬力を発揮 最高速は200kmに達した

後ろ姿は車というより宇宙船(コスモシップ)

世界初ロータリーエンジン搭載の量産車。異次元の走りで自動車業界に衝撃を与えた名車中の名車。販売価格142万円、現在換算約800万円、生産台数は1,176台。ロータリーの耐久性を不安視する声もあったが、1968年のニュルの84時間耐久レースで見事完走。

車種名 コスモスポーツ(1967~1972)
特徴 世界初の市販ロータリーエンジン搭載量産車
エンジン性能 2ローター1000ccエンジンで128馬力を発揮
最高速度 最高時速200km
販売価格 142万円(当時)、現在換算約800万円
生産台数 1,176台
耐久性 1968年ニュルブルクリンク84時間耐久レース完走で証明
デザイン 後部は宇宙船のような独特のスタイル(コスモシップ)

ポーター(1968~1989)

ボンネット型トラックのポーター(1973年改良型)

ポーターキャブは軽自動車規格の変更に伴いマイナーチェンジされた。写真は550ccの1985年の改良型。

軽商用車としてボンネットトラックとバンタイプのポーター(1968~1976)、キャブオーバー型トラックのポーターキャブ(1969~1989)が存在。名前こそ共通しているが、ポーターキャブはシャシもエンジンも新設計であり、20年間フルモデルチェンジがなかった。

車種名 ポーター(1968~1989)
車種タイプ 軽商用車のボンネットトラック・バンタイプ(1968~1976)およびキャブオーバートラック(1969~1989)
ポーターキャブの特徴 軽自動車規格変更に対応した新設計シャシ・エンジンを採用。20年間フルモデルチェンジなし
改良 1985年に550ccのマイナーチェンジを実施
外観 ボンネット型トラックは1973年に改良、キャブオーバー型は特徴的なデザイン

ルーチェ ロータリークーペ(1969~1972)

ルーチェロータリークーペM13P型

ロータリーエンジン搭載車としてモーターショーで「RX87」の名前で登場。1969年に販売を開始。マツダ初、世界唯一の前輪駆動のロータリー市販車である。高級クーペであったルーチェの名前を冠しているが、大部分が新設計。総生産台数は976台の希少車。

車種名 ルーチェ ロータリークーペ(1969~1972)
概要 マツダ初のロータリーエンジン搭載前輪駆動市販車。モーターショーでは「RX87」として登場
特徴 高級クーペ「ルーチェ」の名を冠すが、ほぼ新設計のモデル
生産台数 976台の希少車
発売開始年 1969年

カペラ(1970~2002)

「風のカペラ」の愛称で知られる初代カペラ(セダン)

セダン、クーペ、ハードトップ、ワゴンなどのボディタイプが存在するマツダのグローバルカー。初代は専用開発したロータリーエンジン搭載の初AT車も追加された。MT車は400m加速で15.7秒と当時として並みはずれた加速とパワーを誇り「風のカペラ」と呼ばれた。

車種名 カペラ(1970~2002)
概要 セダン、クーペ、ハードトップ、ワゴンなど多彩なボディタイプを展開するグローバルカー
特徴 初代は専用開発のロータリーエンジン搭載車で、初のAT車も追加された
性能 MT車は400m加速で15.7秒の高い加速性能を持ち、「風のカペラ」と称された
生産期間 1970年から2002年まで

サバンナ(1971~1978)

サバンナ セダンタイプ 前期型

登場時はセダンとクーペ、後にワゴンタイプがラインナップされるロータリー搭載車。グランドファミリアと姉妹車にあたり、サバンナRX-7の前身。12A型エンジン搭載車(初勝利の50連勝阻止時は国内仕様の10A型)は当時無敗だったGT-Rをレースで制し、76年には国内レースで100勝を挙げた。

車種名 サバンナ(1971~1978)
概要 セダン、クーペ、後にワゴンを追加したロータリーエンジン搭載車
関連車種 グランドファミリアの姉妹車、サバンナRX-7の前身
エンジン 12A型(国内仕様は10A型もあり)ロータリーエンジン搭載
レース実績 当時無敗のGT-Rを制し、1976年に国内レースで100勝を達成
生産期間 1971年から1978年まで

グランドファミリア(1971~1978)

グランドファミリア クーぺタイプ前期型

グランドファミリア セダンタイプ後期型

2代目ファミリアの上級車種の位置づけで『ファミリカーの王様』というキャッチコピーで販売。サバンナとはボディが共通の姉妹車だが、グランドファミリアはロータリーエンジンではなく、レシプロエンジン専用車であるのが特徴。

車種名 グランドファミリア(1971~1978)
概要 2代目ファミリアの上級車種で「ファミリカーの王様」と呼ばれた
関連車種 サバンナとボディ共通の姉妹車
エンジン ロータリーエンジンではなくレシプロエンジン専用車
生産期間 1971年~1978年

コスモ(1975~1996)

1975年に発売されたコスモAP。

1977年に追加されたリアのみ屋根が開くランドーレットのコスモL。

コスモスポーツ販売終了から3年をかけて排ガス対策を施したスペシャルティーカー。2代目はコスモAPとコスモLがラインナップし、Lは後部座席のみルーフが開くランドレーが特徴。海外ではロータリーエンジン搭載車はRX-5として販売。

車種名 コスモ(1975~1996)
概要 コスモスポーツ終了後3年をかけ排ガス対策したスペシャルティーカー
モデル コスモAPとコスモLの2モデルを展開
特徴 コスモLは後部座席のみルーフが開くランドーレット仕様
海外名 ロータリー搭載車はRX-5として販売
生産期間 1975年~1996年

ロードペーサー(1975~1979)

ロードペーサー RA13S型

トヨタのセンチュリーや日産のプレジデントに対抗できる最高級車を作りたかったマツダがオーストラリアのホールデンからボディとシャシを調達し、ロータリーエンジンを積んだ珍車。気概は買うけど、アンバランスな出来で、値段に釣り合わず。最終的な販売台数は799台。

車種名 ロードペーサー(1975~1979)
概要 マツダが最高級車を目指しオーストラリアのホールデン製ボディとシャシを使用、ロータリーエンジン搭載の珍車
特徴 トヨタセンチュリーや日産プレジデントへの対抗を意図するも、アンバランスな出来で価格と性能が釣り合わず
販売台数 799台
生産期間 1975年~1979年

RX-7/サバンナRX-7/アンフィニRX-7(1978~2002)

初代SA22C型と2代目FCは「サバンナRX-7」の名前で販売、3代目FD(1991~)は「アンフィニRX-7」として発売。

初代「サバンナRX-7」SA22C型

サバンナRX-7二代目FC3S型前期

販売店「アンフィニ」の名前がついたアンフィニRX-7(FD3S)。1997年のアンフィニ統合で「マツダRX-7」に。

初代SA、二代目FC、三代目FDすべて名車として知られ、漫画や映画での登場も多い。美しいピュアスポーツカーとして世界中の車好きを虜にし、復活を熱望するファン多数。燃費は恐ろしく悪く、オーナーにはこまめなオイル交換が義務付けられる。

車種名 RX-7 / サバンナRX-7 / アンフィニRX-7(1978~2002)
型式・名称 初代SA22C、2代目FC(サバンナRX-7)、3代目FD(アンフィニRX-7)
特徴 美しいピュアスポーツカーで世界的に人気。漫画や映画にも多く登場し、復活を望むファンが多い。
エンジン ロータリーエンジン搭載
燃費 非常に悪く、オイル交換の頻度が重要
販売店名 3代目は「アンフィニ」ブランドで販売、1997年以降「マツダRX-7」に統合
生産期間 1978年~2002年