Gクラスは2024年にW465型へ進化 EV「G 580」も加わり現在も進化中
メルセデス・ベンツのGクラスは、約39年ぶりのフルモデルチェンジで2018年1月にW463A型が登場し、日本でも同年6月6日に受注が始まりました。それから6年を経た2024年、GクラスはW465型へと大幅改良(ビッグマイナーチェンジ)され、日本でも2024年7月26日に発売。さらに同年10月には、4基のモーターを積むEV「G 580 with EQ Technology」も日本へ導入されています。
唯一無二の無骨なエクステリアと、オフロード専用モード「Gモード」というキャラクターはそのままに、Gクラスは電動化とデジタル化を取り込みながら現役を続けています。ここでは最新の動きから順に、W465型への進化、EVモデル、そして開発が進む小型「リトルG」までを整理し、後半ではW463A型登場時のエクステリア・インテリア・エンジン・価格をあらためて振り返ります。
小型の「リトルG(g-Class)」は2027年に登場へ EVとハイブリッドの両建てに
Gクラスをダウンサイジングした小型モデル、いわゆる「リトルG」は、2023年にオラ・ケレニウスCEOが存在を示唆して以来、長く続報が待たれてきました。その後の展開を追うと、計画は着実に前進しています。
メルセデス・ベンツは2026年2月の戦略アップデートで、この小型Gを2027年に投入すると明らかにしました。当初はEV専用として構想されていましたが、EVの需要鈍化や各国の規制変更を受け、電気自動車とハイブリッドの両方を用意する方針へ転換したとされています。ボディサイズは全長4,400mm程度、専用のラダーフレーム系アーキテクチャを採用し、「本物のG」としての性格を保つと伝えられています。米国での想定価格は7万ドル前後という見方が出ており、実現すれば現行Gクラス(米国でG 550が15万ドル超)の半分以下という、まったく新しい入口になります。
生産地についても動きがありました。伝統的なマグナ・シュタイヤー(オーストリア・グラーツ)ではなく、ハンガリーのケチケメート工場が有力とささやかれています。同工場は10億ユーロを投じた拡張が2026年7月13日に正式に完了し、欧州最大のメルセデス・ベンツ工場となりました。ここで小型Gが公開されるという観測もありましたが、本稿の時点でメルセデス・ベンツからリトルGの正式発表は確認できていません。公開は近いと見られますが、車名・スペック・価格はいずれも未確定です。
なお、この記事がかつて触れた「ランクルミニ」の噂は、すでに答えが出ています。トヨタは2025年10月にランドクルーザー“FJ”を世界初公開し、日本では2026年5月14日に発売(VXグレード、450万100円、2.7L直4ガソリン+6速AT、パートタイム4WD、ラダーフレーム)。本格オフローダーのダウンサイジングという流れは、噂ではなく現実の潮流になったと言えます。GクラスとランクルFJでは価格帯が3〜4倍違いますが、「小さくても本物」という価値観が市場に受け入れられることは、リトルGにとっても強い追い風でしょう。
Gクラス カブリオレの復活が決定 AMG G 63ベースとの見方も
メルセデス・ベンツは2025年9月、Gクラスにカブリオレを追加することをティザー画像とともに公表しました。続く2025年12月には、迷彩を纏った開発車両の公式画像を公開。オーストリアでの走行テストを開始し、その後スウェーデンでの寒冷地テストへ進むことも明かされています。
公開された画像から判断すると、ソフトトップはダッシュボード上方から後方へ開く構造で、ボディは後席後方で断ち切られる形。2018年に発表されたG 650 ランドレーとは異なる仕立てです。パワートレインについては、AMG G 63をベースに4.0L V8ツインターボを積むという見方が出ていますが、メルセデス・ベンツは正式に認めていません。発売時期についても「追って詳細を発表する」とするにとどまっており、確定情報を待つ段階です。
Gクラス初のEV「G 580 with EQ Technology」が2024年10月に日本発売 価格は2,635万円
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Concept EQG -
Concept EQG -
Concept EQG -
Concept EQG -
Concept EQG
ジャパンモビリティショー2023で公開された「Concept EQG」は、コンセプトのまま終わりませんでした。2024年4月24日、メルセデス・ベンツはロサンゼルスと北京で市販版を発表。車名は「G 580 with EQ Technology」となり、EQを名乗らず「Gクラスの一員」として位置づけられています。
日本では2024年10月23日に「G 580 with EQ Technology Edition 1」が発表され、同日から受注を開始、配車は同年11月からとなりました。価格は2,635万円です。
最大の特徴は、各輪に1基ずつ、計4基のモーターを独立制御する駆動系。システム出力432kW、最大トルク1,164N・mを発生し、116kWhのバッテリーを積んでWLTCモードで530kmを走ります。その場で車体を回転させる「G-TURN」、旋回半径を切り詰める「G-STEERING」、オフロード用クルーズコントロールといった、電動化だからこそ実現した機能を備え、渡河水深は内燃機関モデルの700mmを上回る850mmに達します。車両重量は3,120kgとヘビー級ですが、ラダーフレームとリジッドリアアクスルというGクラスの骨格は維持されました。
販売面では、この価格帯のEVとしては世界的に健闘しているとメルセデス・ベンツ自身が説明しています。とはいえEV市場全体の減速もあり、Gクラスの主力はあくまで内燃機関モデルという構図に変わりはない、というのが率直な見立てです。
GクラスがW465型へ大幅改良 日本発売は2024年7月26日でISGによる電動化とMBUXを採用
2024年、Gクラスは型式をW463AからW465へ改めるビッグマイナーチェンジを受けました。日本での発売は2024年7月26日です。
変更の柱は3つあります。第一に、全モデルにISG(インテグレーテッド スターター ジェネレーター)を組み合わせたマイルドハイブリッド化。第二に、対話型インフォテインメント「MBUX」の採用によるデジタル化。第三に、ルーフリップや前後バンパーの最適化、ラジエーターグリルのルーバーを3本から4本へ変更するといった空力と静粛性の改善です。ワイヤレスチャージング、キーレスゴー、MBUX ARナビゲーション、トランスペアレントボンネットなど装備面も一新されました。
日本仕様はまず「G 450 d ローンチエディション」と「メルセデスAMG G 63 ローンチエディション」の2グレードで導入。W465型では、かつてのG 550が積んでいた4.0L V8に代わり、3.0L直6ディーゼルターボ+ISGのG 450 dが基幹モデルとなりました。ボディサイズは全長4,680〜4,690mm、全幅1,985mm、全高1,980〜1,985mm、ホイールベース2,890mm、車両重量2,560〜2,570kgです。
つまり「Gクラスにディーゼルは導入されないのでは」という当時の懸念は完全に外れ、いまや日本のGクラスの中心はディーゼルです。一方で「2019年にV6ハイブリッドが搭載される」という見立ては実現せず、電動化は直6+ISGという別の形で到来しました。
Gクラスにゴールドアクセントを各所に施す限定モデルのグランドエディションを2024年2月に発表
メルセデス・ベンツは2024年2月28日、マットペイントのブラックとゴールドアクセントが目を引く特別仕様車「AMG G 63 Grand Edition(AMG G 63 グランドエディション)」を発表しました。
艶のないマグノナイトブラックをボディカラーに採用し、ウインカーなどもブラックスモーク仕様とすることで、エクステリアに配したゴールドアクセントが際立ちます。
Gクラス グランドエディションの販売価格は32,000,000円で、日本全国235台の限定販売でした。
内訳は左ハンドルが95台、右ハンドルが140台、納車は2024年3月以降とされています。W463A型として最後の大型限定車にあたり、この直後にW465型へバトンが渡されました。いま振り返ると、旧型の集大成という位置づけの一台です。
特別仕様車「メルセデスAMG G 63 マグノヒーローエディション」がマットカラーを含む新色追加で2022年7月28日登場
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AMG G 63 グリーンヘルマグノ -
AMG G 63 マグノコッパーオレンジ -
AMG G 63 マグノオパリスホワイト -
メルセデスAMG G 63 マグノヒーローエディションのインテリア
メルセデス・ベンツは2022年7月28日、マットカラーの新外装色とブラックのアクセントをまとった特別仕様車「Mercedes-AMG G 63 Magno Hero Edition」を発表しました。
新色はグリーンヘルマグノ、マグノコッパーオレンジ、マグノオパリスホワイトの3色で、マグノオパリスホワイトには右ハンドル仕様が用意されました。
マットブラックペイントの22インチアルミホイールも装備し、タフな印象に仕上げられています。
価格は2,860万円からで、全国のメルセデス・ベンツ正規販売店で予約注文を受け付けました。
メルセデス・ベンツが「メルセデスAMG G 63 STRONGER THAN TIME Edition」を250台限定で発売
メルセデス・ベンツは2020年3月24日、メルセデスAMG G 63の限定モデル「STRONGER THAN TIME Edition(ストロンガーザンタイムエディション)」を発売しました。パワートレインはベースモデルと同じ4.0L V8直噴ツインターボ「M177」(最高出力585PS/430kW、最大トルク850N・m)です。
250台限定で、ボディカラーは「ダイヤモンドホワイト(150台)」と「マグノナイトブラック(100台)」の2種類。エクステリアにはシルバーシャドウのアクセントカラーを散りばめ、足元には22インチの大径アルミホイールを装着します。
ブラックやチタニウムグレーのナッパレザーでラグジュアリーに仕立てられた車内。フロントシートにはシートベンチレーターやシートヒーター、リラクゼーション機能を備えます。
標準仕様ではオプションとなる「AMGエクスクルーシブパッケージ」、カーボントリムを配した「AMGカーボンインテリアトリム」も特別装備。
さらに走行距離無制限で保証される「メルセデス・ケア」が新車購入から3年間適用され、期間中は3回まで無料で使えるカーシェアサービス「シェアカー・プラス」も用意されました。
| ステアリング | 左 | |
|---|---|---|
| ボディカラー | ダイヤモンドホワイト | マグノナイトブラック (+180,000円) |
| 販売台数 | 150台 | 100台 |
| 価格 | 24,500,000円 | |
メルセデスAMG G 63シガレットエディションがマイアミ国際ボートショー2020に出展
メルセデス・ベンツは、アメリカで開催されたマイアミ国際ボートショー2020で「Mercedes-AMG G 63 Cigarette Edition」を世界初公開しました。
これは、シガレットレーシングがメルセデスAMGとコラボしたパワーボート「チーム59 Tirranna AMGエディション」をモチーフとした一台です。
パワートレインは最高出力585hp/6,000rpm、最大トルク86.7kgm/2,500〜3,500rpmを発揮する4.0L V8ガソリンツインターボに、AMGスピードシフトTCT 9Gを組み合わせ。駆動方式は4MATIC、0-100km/h加速4.5秒、最高速220km/hに到達します。オフロード専用モード「Gモード」も備えます。
ブラックメタリックのボディに、ゴールドで描かれたAMGダイヤモンドパターンが特徴。足元には22インチ鍛造ホイールを装着し、こちらにもゴールドのアクセントを取り入れています。
そのほか、精悍なダーククロームのラジエーターグリルやAMGナイトパッケージ、マットブラックのサイドエントリーボード、バンパーガード、グロスブラックの車両ロゴを採用します。
インテリアはダークブルーとマキアートベージュのコンビカラー。ナッパレザーによるラグジュアリーな仕立てです。ステアリングにはカーボンファイバーやダークカーボンナッパを用い、スイッチはタッチセンサー式となります。
フルデジタルコックピットは1枚のガラスカバーで12.3インチのディスプレイ2つを統合し、多彩な情報をわかりやすく表示。「クラシック」「スポーツ」「プログレッシブ」などデザインのカスタマイズも可能です。
メルセデス・ベンツが「Gクラス」に40周年特別記念モデル「Stronger Than Time Edition」を発表
メルセデス・ベンツは、1979年にデビューしたGクラスが誕生40周年を迎えるにあたり、40周年特別記念モデル「Stronger Than Time Edition」を発表しました。
Stronger Than Time Editionは「G 400 d」「G 500」「AMG G 63」をベースに設定された特別グレードで、G 400 dとG 500にはAMGラインエクステリアパッケージと「Stronger Than Time」バッジが標準装備されました。
足元には大口径20インチのブラックペイントAMGアルミホイールを履き、ランニングボードやスペアホイールカバーも装備します。
特別感を高めるのが、ドアサイドシルに施された「Mercedes-Benz G」のステンレスプレートと、ドアを開けた際に足元へ浮かび上がる「Stronger Than Time」のカーテシーランプです。ドアの開閉が誇らしくなる仕立てと言えます。
そのほかの標準装備として、LEDヘッドライト、ドライビングアシスタンスパッケージ、Burmesterサラウンドサウンドシステム、サンルーフが与えられます。
インテリアデザインは3種類が用意され、いずれもレザーステアリングと、インストルメントパネル周囲のナッパレザーを採用しています。
Gクラス「Stronger Than Time Edition」のインテリアラインナップ
- ゴールドステッチ入りオープンポア ブラッシュドアッシュウッドトリム&ブラックナッパレザー
- 淡褐色ウッドトリム&マキアートベージュとヨットブルーのレザー
- ピアノブラックラッカー入りマキアートベージュ&ラウンジレッド
「AMG G 63」ベースのStronger Than Time Editionには、さらに専用の装備が与えられます。
「AMG G 63」ベースの特別仕様車の標準装備
- ダーククロームグリル
- ランニングボード(マットクローム仕上げ)
- エキゾーストパイプ(マットクローム仕上げ)
- ミラーキャップ
- フロント・リヤバンパーの一部
- スキッドプレート
- スペアホイールカバー
- ツインスポークデザインのオールテレーンタイヤ
- 22インチAMGホイール(マットブラック仕上げ)
AMG G 63ベースのインテリアは、カーボンファイバートリムを用い、ブラックとチタニウムグレーパールのツートンカラーのナッパレザーで仕立てられています。
オフロード向けのアダプティブダンパーにより、急斜面も難なく登坂。AMGトレイルパッケージをオプション設定することも可能です。
荒れた路面でも難なく走り抜け、深さのある川を渡ることもできます。走行性能とパワーのレベルが違うことを実感させられる一台です。
ベンツGクラスのディーゼルモデル「G 350 d」が2019年4月4日に日本発売
W463A型のGクラスにディーゼルモデルが追加されました。最高出力210kW(286PS)/3,400-4,600rpm、最大トルク600N・m(61.2kgfm)/1,200-3,200rpmを発揮する、Sクラスにも搭載される最上級クリーンディーゼルエンジンを積みます。
販売価格は11,700,000円で、納車は2019年7月から開始されました。日本上陸から1年というタイミングでのディーゼル追加は販売のテコ入れとして機能し、その後2021年5月19日には上位のG 400 dが追加設定されています。そして2024年のW465型では、G 450 dがラインアップの基幹へと昇格しました。日本市場でディーゼルが主役になるという読みは、結果的に正しかったことになります。
W463A型のGクラスはキープコンセプトながらボディサイズを拡大
2018年に登場したGクラスのエクステリアは、従来型のW463とほぼ変わらない、本格オフローダーらしい四角いボディをまとっています。
ヘッドライトには丸いLEDが備わり、デイライトの役割も果たします。メインライトはプロジェクター式のLEDで、明るく見やすい灯火となりました。
サイドビューはオフローダーらしい頑丈なイメージで、乗降のためのサイドステップも装着。フェンダーアーチとタイヤの隙間が大きく取られ、高低差の大きいガレ場でも無理なく走破できます。
リアビューには、メルセデス・ベンツのロゴが入ったスペアタイヤケースが備わり、リヤコンビネーションランプはバンパー上に配置されています。
また、フロントサスペンションがリジッドアクスル式から独立懸架へ変更され、ストロークを大きく確保。オフロードだけでなくオンロードでの乗り心地も向上しました。
エクステリアの大きな変化はボディサイズの拡大です。
デザインは39年間フルモデルチェンジされなかったことが証明するとおり「完成」されていましたが、このモデルチェンジでは全長を242mm、全幅を71mm、ホイールベースを40mm拡大しています。
そのぶん室内が広くなり、実用性が高まりました。
サイズ拡大にもかかわらず、フェンダーやボンネット、ドアなどに超高張力スチールやアルミニウムを用いることで約170kgの軽量化を達成。燃費性能やハンドリングにも効く、歓迎すべき進化です。
| W463A型(2018年) | 従来型W463 | |
|---|---|---|
| 全長 | 4,817mm | 4,575mm |
| 全幅 | 1,931mm | 1,860mm |
| 全高 | 1,969mm | 1,970mm |
| ホイールベース | 2,890mm | 2,850mm |
| 車両重量 | 約2,390kg | 2,560kg |
| 最低地上高 | 241mm | 235mm |
| ラゲッジスペース | 667~1,941L | 480~2,250L |
| ディパーチャーアングル | 30度 | 29度 |
| アプローチアングル | 31度 | 30度 |
| ランプブレークオーバーアングル | 26度 | 25度 |
| 渡河水深 | 700mm | 600mm |
※上表は2018年登場のW463A型と、その従来型を比較した数値です。2024年のW465型では日本仕様で全長4,680〜4,690mm、全幅1,985mm、全高1,980〜1,985mmとなり、EVのG 580は全長4,730mm・全高1,990mm・車両重量3,120kg・渡河水深850mmです。
Gクラスはフルモデルチェンジで新設計のラダーフレームを採用したことで走りが進化
本格オフローダーであるGクラスは、2018年のフルモデルチェンジで3.4mm厚のスチール鋼板を「ロの字型」に組んだ新設計のラダーフレームを採用しました。
MAG溶接で仕上げられたラダーフレームは、強度や剛性はもちろん、乗員の安全性も確保しています。
AMGと共同開発したサスペンションはこのラダーフレームへ直接取り付けられ、目に見えない部分の進化をダイレクトに感じ取れます。この骨格は、4モーターと116kWhの大容量バッテリーを積むEVのG 580でも、専用に強化されたうえで受け継がれました。電動化してもラダーフレームを捨てなかったことこそ、Gクラスの本質だと言えるでしょう。
GクラスのインテリアはSクラス譲りの12.3インチディスプレイを2枚採用
2018年のモデルチェンジでインテリアの目玉となったのが、インパネに配されるインフォテインメントディスプレイです。12.3インチの高精細ディスプレイが横に2枚並ぶ未来的なコクピットへと進化しました。
これはSクラスにも搭載されたシステムで、スピードメーターやタコメーター、ナビゲーション、車両情報を表示します。
センターコンソールには、最新のエアコンルーバー、電子制御式デフロックスイッチ、アナログ時計などが配置されます。なお2024年のW465型では、このシステムが対話型のMBUXへ刷新されました。
ブラック基調のほか、アイボリーやブラウンを基調としたインテリアも選択でき、いずれも落ち着いた雰囲気を醸し出します。
2018年に日本で発売されたGクラスは2つのパワートレインを用意
2018年6月6日の受注開始時点で日本へ導入されたGクラスのパワートレインは、気筒休止システムを備えるM176型4.0L V8ツインターボと、メルセデスAMGが独自開発したM177型4.0L V8ツインターボの2種類でした。
G 550に積まれるのがM176で最高出力421PS。パフォーマンスモデルのメルセデスAMG G 63には最高出力585PSのM177を搭載します。
当時、欧州で販売されていた直6ディーゼルのG 400 dは日本未導入で、導入の有無も不透明でした。その後の答えははっきりしています。2019年4月にG 350 d、2021年5月にG 400 dが導入され、2024年のW465型ではG 450 dが基幹モデルへ。逆に2019年に予告されていたV6ハイブリッドは登場せず、電動化は直6+ISGとEVのG 580という形で結実しました。
| G550 | AMG G63 | G400d(当時の日本未導入モデル) | |
|---|---|---|---|
| 型式 | M176 | M177 | – |
| 種類 | DOHC V型8気筒 ツインターボ | 直列6気筒 | |
| 排気量 | 3.982L | 2.9L | |
| 最高出力 | 421PS | 585PS | 340PS |
| 最大トルク | 610Nm | 850Nm | 700Nm |
路面状況や使う環境によりGクラスを最適化するダイナミックセレクトに「Gモード」を追加
センターコンソールの電子制御式ディファレンシャルロックのスイッチは従来どおり残され、センターデフ・フロントデフ・リヤデフの3つを操作できます。
これに加え、エンジンやトランスミッション、サスペンション、ステアリングの挙動、運転支援システムを最適化する「ダイナミックセレクト」を搭載。
路面状況や使い方に応じて簡単にチューニングでき、安全に楽しく運転できます。
2018年のフルモデルチェンジでは、このダイナミックセレクトに「Gモード」が追加されました。
従来の「コンフォート」「スポーツ」「エコ」「インディビジュアル」に加わったGモードは、オフロードに最適化されているのが特徴。渡河水深が100mm伸び、オフロード色を強めたGクラスにふさわしい走行モードです。
Gモードではダンパーやステアリング、アクセルのセッティングが不整地向けとなり、悪路走破性をさらに高められます。EVのG 580では、この思想がG-TURNやG-STEERINGといった電動ならではの機能へと発展しました。
2018年に登場したGクラスは15,620,000円~
W463A型Gクラスは欧州で2018年6月に受注が始まり、日本でも2018年6月6日に受注を開始しました。当時の価格はアメリカで130,532ドルから。
日本ではガソリンのG 550とメルセデスAMG G 63の2モデルが導入され、従来型も一時的に併売されていました。当時の価格は次のとおりです。
| W463A型 | 従来型 | |
|---|---|---|
| G550 | 15,620,000円~ | 15,930,000円~ |
| メルセデスAMG G63 | 20,350,000円~ | 20,760,000円~ |
| G350d | – | 10,800,000円~ |
| メルセデスAMG G65 | – | 35,640,000円~ |
その後の価格上昇は劇的です。W465型となった現在の日本仕様は、G 450 d/メルセデスAMG G 63/G 580 with EQ Technologyという構成で、価格はおよそ2,100万円台から3,000万円超。2018年に1,562万円だった入口は、8年で500万円以上引き上げられた計算になります。原材料費や為替の影響に加え、Gクラスがブランド内で「値上げしても売れるアイコン」へと位置づけを変えたことも大きいと見ています。
「ゲレンデヴァーゲン」の頭文字をとったベンツ・Gクラスのモデルチェンジ遍歴
メルセデス・ベンツGクラスは、ドイツのメルセデス・ベンツが展開する高級SUVです。軍用車両のゲレンデヴァーゲンを市販向けにアレンジしたのがGクラスの原点にあたります。軍用モデルもラインアップされていますが、ここでは割愛します。
ベンツ・Gクラス W460型/1979年~1990年
軍用車両として企画されたゲレンデヴァーゲンは、フランス市場では「プジョー・P4」として生産されていました。ドイツでは1981年からGクラスの販売が始まっています。
日本では1983年に「300GD」のショート、ステーションワゴン、キャンバストップが少数輸入制度を利用して導入されました。
1985年に「300GD」が輸入され、1987年1月には「230GE」が導入されます。
1988年モデルでは、右ハンドルで4ATの廉価版「230GEアンファング」と最上級グレードの「230GEロング」が追加設定されました。
1990年、「230GEプレディカート ショート/ロング」の4ATが輸入。左ハンドル、右ハンドルの双方が用意されました。
1991年にはマイナーチェンジを実施。ヘッドライト周辺をボディ同色化し、フェンダーアーチモールを標準装備。大型化されたバンパーにフォグランプが埋め込まれ、アルミホイールも新設定されました。
ベンツ・Gクラス W463型/1990年~2018年
1989年にフルモデルチェンジが発表され、フルタイム4WD化。オーバーフェンダーとサイドステップが装備されました。1995年からの3年間は「G36 AMG」が販売され、日本への輸入は90台程度でした。
2006年、メルセデス・ベンツの最上級クロスオーバーとして「GLクラス」が登場しましたが、Gクラスと入れ替わるモデルではなかったため生産は継続。2011年5月の「BA3ファイナルエディション」を最後に、ショートボディの生産が終了しました。
世界限定446台の「500GE」が発売され、日本への割り当ては50台。正規輸入で、AMGがボアアップした「500GE-6.0」も数台導入されています。
ベンツ・Gクラス W463A型/2018年~2024年
2018年6月、日本仕様が発表され「G 550」「メルセデスAMG G 63」が用意されました。
2019年4月には、ディーゼルの「G 350 d」と、5月までの期間限定の特別仕様車「Mercedes-AMG G 63 Edition Matt Black」を発表。
2020年3月、特別仕様車「Mercedes-AMG G 63 STRONGER THAN TIME Edition」を、ダイヤモンドホワイト150台、マグノナイトブラック100台の計250台限定で発売。7月には特別仕様車「manufaktur Edition」を発売しました。
2021年5月、新モデルとして「G 400 d」を追加。
2022年3月、イギリスのスケートボード&ストリートウェアブランド「PALACE SKATEBOARDS」とのコラボによる特別仕様車「AMG G 63 PALACE Edition」を世界限定1台で発表。購入権はオークションにかけられ、売上金の一部がローレウス・スポーツ・フォー・グッド財団へ寄付されました。7月にはAMG創業55周年記念の「AMG G 63 Edition 55」と「AMG G 63 Magno Hero Edition」が発売されています。
2024年2月、限定車「メルセデスAMG G 63 グランドエディション」を発表。左ハンドル95台、右ハンドル140台の計235台限定で、専用の22インチAMGアルミホイールや専用デカールを装着しました。これがW463A型の締めくくりとなります。
ベンツ・Gクラス W465型/2024年~
2024年、フェイスリフトを機に型式がW465へ改められました。ISGによるパワートレインの電動化、細部の最適化による空力・静粛性の向上、MBUX(NTG7.0)によるデジタル化が柱です。ワイヤレスチャージングやキーレスゴー、ステアリングアシスト、MBUX ARナビゲーション、トランスペアレントボンネットなども採用されました。
日本では2024年7月26日に発売され、当初は「G 450 d ローンチエディション」「メルセデスAMG G 63 ローンチエディション」の2グレードを設定。
2024年4月24日には、EVの「G 580 with EQ Technology」が世界初公開され、日本では2024年10月23日に「Edition 1」(2,635万円)が発表、11月から配車が開始されました。
さらに2025年9月にはGクラス カブリオレの追加が予告され、2027年には小型の「リトルG」が加わる予定です。Gクラスは1車種から、複数のモデルを擁するサブブランドへと拡大しつつあります。
| 日本でのGクラス | 販売年 |
|---|---|
| 300GE/300GEロング | 1991年 |
| 500GEロング | 1993年 |
| G36AMGロング/G36AMG | 1995年 |
| G320カブリオ | 1997年 |
| G500/G500ロング/G500クラシック/G500カブリオ/G55AMGロング | 1998年 |
| 特別仕様車G550ロングエディションセレクト | 2011年 |
| 特別仕様車G550ロング“mastermind Limited”/G63AMGロング/G65AMGロング | 2012年 |
| 特別仕様車G500ナイトエディション G350BlueTEC |
2013年 |
| G63AMG 6×6 35周年特別仕様車 |
2014年 |
| 特別仕様車G350 BlueTEC Edition ZEBRA/特別仕様車G500 エメラルドブラックリミテッド | 2015年 |
| 特別仕様車G500 4×4 2/特別仕様車Mercedes-AMG G 63 Edition 463/Mercedes-AMG G 65 Edition 463 | 2016年 |
| 特別仕様車Mercedes-AMG G 63 50th Anniversary Edition/特別仕様車G 350 d designo manufaktur Edition/Mercedes-AMG G 63 Exclusive Edition | 2017年 |
| 特別仕様車G 350 d Heritage Edition/G 550 designo Magno Edition | 2018年 |
| G 350 d/Mercedes-AMG G 63 Edition Matt Black | 2019年 |
| Mercedes-AMG G 63 STRONGER THAN TIME Edition/manufaktur Edition | 2020年 |
| G 400 d | 2021年 |
| Mercedes-AMG G 63 Edition 55/Mercedes-AMG G 63 Magno Hero Edition | 2022年 |
| Mercedes-AMG G 63 Grand Edition/W465型(G 450 d/AMG G 63)/G 580 with EQ Technology Edition 1 | 2024年 |
| ベンツ・Gクラスのモデル | 販売年表 |
|---|---|
| W460型 | 1979年~1990年 |
| W463型 | 1990年~2018年 |
| W463A型 | 2018年~2024年 |
| W465型 | 2024年~ |
Gクラスはコンセプトを変えずに拡大するサブブランドへ
メルセデス・ベンツのGクラスは1979年に誕生し、約39年ぶりのフルモデルチェンジでW463A型となり、2024年にはW465型へ進化しました。四角いエクステリアを守り続けるキープコンセプトは、根強いファンの支持があってこそ成立しています。累計生産は60万台を超え、ここ数年は販売も好調に推移しています。
ラダーフレームによる高い悪路走破性は健在で、雪深い地域でも安心して走れ、ウィンタースポーツやアウトドアにも似合う一台であることは変わりません。変わったのは、その裾野です。W465型では全車がISGによるマイルドハイブリッドとなり、4モーターのEV「G 580 with EQ Technology」が加わりました。さらにカブリオレの復活が予告され、2027年には小型の「リトルG」が控えます。
Gクラスはもはや1車種ではなく、拡大するサブブランドです。それでも、ラダーフレームとGモード、そしてあの四角いシルエットが受け継がれる限り、Gクラスの本質は揺らがないでしょう。次に注目すべきは、正式発表が近いと見られるリトルGがどこまで「本物」であり続けるか、という一点です。