ベンツ Bクラスのモデルチェンジ

ベンツBクラス生産終了へ 後継なしで22年の歴史に幕、日本は554万円から販売中

メルセデス・ベンツBクラスの最新情報をまとめました。3代目W247を最後に生産終了へ向かい、後継モデルの計画はありません。日本では2026年7月時点でも554万円から購入でき、2025年12月にはUrban Starsが追加。歴代の歩みと現在地を整理します。

メルセデス・ベンツBクラスは3代目で生産終了へ 後継はなく、日本では販売が続く

Aクラスをベースに、ミニバンのようなゆとりある車内空間と積載能力を備えるメルセデス・ベンツBクラス。2019年に3代目(W247)へフルモデルチェンジしたこのモデルが、ブランドのコンパクトクラス再編にともなって幕を下ろそうとしています。ドイツ・ラシュタット工場でのBクラス生産はすでに終了し、ハンガリーでの生産も2026年中に終える見込みで、直接の後継モデルは計画されていません。一方、日本では2026年7月時点でまだ新車として注文でき、価格は554万円から609万円。2025年12月には装備を充実させた「Urban Stars」も追加されました。ここでは、2023年のマイナーチェンジ以降に何が起きたのかを新しい順に整理します。なお生産終了の正確な期日はメーカーから公表されておらず、以下の見通しは当編集部の見立てを含みます。

ラシュタット工場での生産はすでに終了 ハンガリー工場も2026年中に幕を下ろす見込み

Bクラスの生産拠点はドイツのラシュタット工場とハンガリーのケチケメート工場でしたが、このうちラシュタットでのBクラス生産はすでに終了しています。残るハンガリー分も2026年中に停止する見込みで、22年・3世代にわたったBクラスの歴史はここで区切りを迎えることになります。後継モデルの計画はなく、Bクラスが担ってきた「背が高くて積める実用性」というポジションは、SUVのGLAやGLBが引き継ぐ形です。

ただし、これは即座に買えなくなるという話ではありません。日本では2026年7月時点でも正規販売店を通じて新車の注文が可能で、メーカー希望小売価格は554万円から609万円。ガソリンのB 180とディーゼルのB 200 d、そしてそれぞれのUrban Stars仕様という構成が続いています。今後は在庫状況しだいでグレードが順次整理されていく流れが濃厚で、最終仕様を狙うなら早めに動くほうが選択肢は広いでしょう。

興味深いのは、姉妹車のAクラスとで明暗が分かれたことです。当初は両車とも2025年で廃止という計画でしたが、Aクラスは欧州での需要が底堅かったため2028年まで延長され、生産はハンガリーへ移されました。同じMFA2プラットフォームを使いながら、ハッチバックのAクラスは生き残り、背の高いBクラスは退く。欧州でコンパクトMPVというジャンルそのものが縮んでいることが、そのまま結果に表れた格好です。

日本で2025年12月10日に「Urban Stars」を追加 AMGライン標準化で575万円から

メルセデス・ベンツ日本は2025年12月10日、Bクラスに新ラインアップとして「B 180 Urban Stars」と「B 200 d Urban Stars」を追加し、同日から発売しました。価格はB 180 Urban Starsが575万円、B 200 d Urban Starsが609万円で、納車は2025年12月以降です。

最大の変更点は、従来は人気の有償オプションだった「AMGラインパッケージ」を標準装備としたことです。これによりフロントフェイスとホイールがAMGライン仕様となり、インテリアにもAMGラインが加わります。シートは手入れがしやすく本革に近い質感の合成皮革「レザーARTICO/MICROCUT」、さらに本革巻スポーツステアリング(ナッパレザー)とスポーツシートも標準です。

加えて、現行Bクラスとしては初採用となる「ナイトパッケージ」を装着。フロントグリル中央のスリーポインテッドスター周縁と前後バンパー下部がハイグロスブラック仕上げとなり、サイドミラーカバーやウィンドウフレームもブラックで統一されました。機能面ではマルチビームLEDヘッドライトとアダプティブハイビームアシスト・プラスなども備わります。Urban Starsは2025年6月にAクラス・GLA・CLA(クーペ/シューティングブレーク)へ、8月にGLBへ導入されたシリーズで、Bクラスへの展開は最後のグループでした。モデル末期に装備を盛って価値を高める、いわば締めくくりの一手といえます。

2025年7月に「Bクラスは2026年で生産終了」が確定 Aクラスだけが2028年まで延命

Aクラスとbクラスを2025年で廃止するという方針は、もともと2022年に独経済紙が報じたものでした。この計画が具体的に修正されたのが2025年7月です。生産担当役員が、Aクラスについては需要が堅調なため2028年まで生産を続けると表明する一方、Bクラスは予定どおり2026年に生産を終えることをあらためて示しました。

判断の根拠は販売実績です。2025年1〜5月の欧州販売はAクラスが2万7772台だったのに対し、Bクラスは5997台にとどまりました。メルセデス・ベンツはコンパクトクラスを7モデルから4モデル(CLA、CLAシューティングブレーク、GLA、GLB)へ絞り込む計画を進めており、この4本にBクラスの居場所はありません。ラシュタット工場をMMAプラットフォーム車の生産に振り向けるため、Aクラスの最終組み立てをハンガリーのケチケメートへ移す判断もあわせて示されています。

2025年6月4日にCLAの生産開始 MMAプラットフォームへの世代交代がBクラス終了の背景

Bクラスが退く直接の理由は、後を継ぐ新世代コンパクトの立ち上がりにあります。2025年6月4日、ラシュタット工場でMMAプラットフォームを採用した新型CLA(C174)の生産が始まりました。同工場はMMA車のリード工場という位置づけで、ディーゼル、ガソリン、48Vマイルドハイブリッド、プラグインハイブリッド、電気自動車を同一ラインで組み立てられる柔軟性を持ちます。

この新型CLAは、800V系による最大320kWの急速充電、自社開発のMB.OS、Googleマップを用いたナビゲーションなど、Bクラスが載るMFA2世代とは設計思想からして別物です。同じ工場でA・B・GLA・EQAと並行生産しながら、旧世代のコンパクトを順に終わらせていく。Bクラスの生産終了は、その入れ替えスケジュールの一部として組み込まれたものといえます。

日本仕様は2023年10月20日の年次改良でB 180が48Vマイルドハイブリッドに

2023年10月20日に発売された年次改良モデル(モデル識別コードMP202401)で、ガソリンのB 180に48V電源のマイルドハイブリッド「BSG(ベルト駆動スタータージェネレーター)」が搭載されました。本国では以前から設定されていた仕様で、2023年2月のマイナーチェンジ時点では日本に導入されず前期型のパワートレインを引き継いでいたため、ここでようやく足並みがそろったことになります。

BSGは発進時のモーターアシストとエンジン再始動の滑らかさに効くタイプで、ディーゼルのB 200 dとは違う静かさと滑らかさをガソリンモデルにもたらしました。この記事が2018年時点で「48Vマイルドハイブリッドの追加設定も考えられる」と書いていた話は、日本市場では約5年遅れでこの形に落ち着いたわけです。

2023年2月27日にマイナーチェンジ MBUX ARナビ標準化で537万円スタート

メルセデス・ベンツ日本は2023年2月27日、AクラスおよびAクラス セダンとともにBクラスのマイナーチェンジモデルを発表し、同日発売しました。3代目としては初のマイナーチェンジです。

エクステリアはヘッドライトのデザインが変わり、AMGラインを選ぶとマットクローム仕上げの小さなスリーポインテッドスターを散りばめたシングルルーバータイプの「スターパターンフロントグリル」が付きます。標準仕様はブラック仕上げです。リアはディフューザーの意匠が変更され、LEDリアコンビネーションライトが2ピース構造となり、リアウィンドウ両端にはスポイラーが追加されました。アルミホイールはブラックペイントの5ツインスポーク、ボディカラーには新色のローズゴールドが加わっています。

インテリアではステアリングホイールが最新世代へ更新され、リムに静電容量式センサーを備えたパッドの採用により、トルクがかからなくてもドライバーが握っていることを認識できるようになりました。センターコンソールのタッチパッドは廃止され、助手席前のインテリアトリムも刷新されています。装備面ではMBUX ARナビゲーション、アダプティブハイビームアシスト、アドバンストサウンドシステムが標準装備となりました。価格はB 180が537万円、B 200 dが573万円。従来の491万円からと比べると大幅な引き上げで、装備の充実と為替・原材料コストの上昇が重なった結果です。

PHVの「B 250 e」は日本に導入されないまま役目を終える

この記事が2019年に紹介したプラグインハイブリッドのB 250 eは、結局のところ日本市場へは導入されませんでした。欧州でも2022年のラインナップ整理でカタログから外れ、同時に欧州仕様のB 180ガソリン、B 180 d/B 220 dディーゼルも姿を消しています。この整理でBクラスの選べる仕様は26通りから8通りへ絞り込まれ、モデル終盤へ向けた縮小が始まっていました。

結果として、日本のBクラスは3代目を通じてB 180とB 200 dの2本柱のまま推移しました。電動化の恩恵という点では、2023年10月に加わったB 180のBSGが唯一の答えということになります。フランクフルトモーターショー2019で華々しく登場したB 250 eは、日本の読者にとっては最後まで「カタログの外の存在」でした。

ライバルだったBMW 2シリーズ グランツアラーは2023年2月に日本販売を終了

この記事が最大のライバルと位置づけていたBMW 2シリーズ グランツアラーは、2023年2月をもって日本での販売を終了し、後継モデルも設定されませんでした。5人乗りの2シリーズ アクティブツアラーが2022年6月にフルモデルチェンジして現行型(U06)へ移行した一方、3列シートのグランツアラーは新型が開発されないまま生産を終えています。

したがって現在のBクラスの比較対象は、2シリーズ アクティブツアラーということになります。もっとも、そのアクティブツアラーもBMWのラインナップ整理の対象と目されており、欧州プレミアムブランドのコンパクトMPVというジャンル自体が終わりに向かっているのが実情です。Bクラスの生産終了は、単独モデルの事情というより市場そのものの縮小を映したものと見るのが自然でしょう。

3代目Bクラスのモデルチェンジ内容を徹底チェック

Aクラスをベースとして、ミニバンのようなゆとりある車内空間と積載能力を備えるメルセデス・ベンツBクラス。2019年にフルモデルチェンジし3代目へと移行した新型Bクラスは、2018年12月に欧州市場で先行販売され、2019年6月6日には日本市場にも投入されました。

インフォテインメントシステム「MBUX」を標準装備化するほか、大型ルーフスポイラー等のエアロパーツを装備するなど、スポーツツアラーとしての魅力も備えた3代目Bクラスのモデルチェンジ内容を振り返ります。

2018年12月にメルセデス・ベンツ「Bクラス」が7年振りにフルモデルチェンジ

世界で愛されるコンパクトタイプのファミリーカーであるメルセデス・ベンツの「Bクラス」は、7年振りのフルモデルチェンジで3代目へと移行しました。
メルセデス・ベンツは2018年10月2日に行った「パリモーターショー2018」のプレイベントでBクラスの新型モデルを披露しています。

Aクラスをベースとして、ミニバンのようなゆとりある車内空間と積載能力を向上させたコンパクトカーであるBクラスは2005年に誕生しました。
先代にあたる2代目は、2011年8月に開催された「フランクフルトモーターショー2011」で発表されて、同年の11月に発売されています。

7年振りのフルモデルチェンジで誕生した3代目Bクラスは、2018年12月に欧州市場で先行販売されました。大型ルーフスポイラー等のエアロパーツを装備するなどスポーツツアラーとしての魅力も引き上げた3代目「Bクラス」について、当時の内容を詳しく見ていきます。

メルセデス・ベンツBクラス初のPHVモデル「B250e」がフランクフルトモーターショー2019に登場

B250eはフランクフルトモーターショー2019で初登場

メルセデス・ベンツの新型BクラスをベースとしたPHVモデル「B250e」は、2019年9月10日から開幕したフランクフルトモーターショー2019で初公開されました。
パワートレインは直噴1.3Lの直列4気筒ガソリンターボとモーターを組み合わせ、システム最高出力218hp、最大トルク45.9kgmを達成。0~100km/h加速6.8秒、最高速は235km/hに達します。バッテリーには蓄電容量15.6kWhのリチウムイオンを採用し、直流充電では約25分で8割の充電が可能です。

メルセデス・ベンツB250eのリアスタイル

B250eの回生ブレーキは、「D AUTO」「D+」「D」「D-」「D–」の5段階に切り替えが可能。ステアリングホイールの奥にあるパドルスイッチで操作できます。
走行モードは「コンフォート」「ECO」「スポーツ」から好みの走り味をセレクト可能です。ただし前述のとおり、このB250eが日本市場に導入されることはありませんでした。

メルセデス・ベンツ「Bクラス」が7年ぶりにフルモデルチェンジ 日本は2019年6月6日に受注開始

7年ぶりにフルモデルチェンジをした3代目「Bクラス」は「B 180」と「B 200 d」の2タイプ

メルセデス・ベンツ日本は7年ぶりにフルモデルチェンジをしたマルチパーパスコンパクト新型「Bクラス」の受注を2019年6月6日より開始しました。新型「Bクラス」は「Aクラス」をベースにしているため、搭載エンジンや運転支援機能は「Aクラス」と同様になります。

新しくなった「Bクラス」はこれまでも持ち味であった広い室内空間と、秀でたユーティリティの点をさらに強化し、スポーティで高級感のあるエクステリアと、質感が高く、若々しい印象を与えるインテリアデザインになっています。

3代目「Bクラス」のエクステリアは、「Sensual Purity」という、近年のメルセデス・ベンツの思想に基づき、大幅にラインやエッジを取り除いた輪郭になっています。ヘッドライトラインを上下方向に細く配置し、フロントエンドは低く、Aピラーとウインドスクリーンへボンネットから流れるようにつながり、スポーティさをアピールしています。

メルセデス・ベンツ3代目「Bクラス」の安定感のあるリアエクステリア

リアエンドもワイドでどっしりとした印象です。リアコンビネーションランプは2分割の細長いタイプとなっています。

インテリアはダッシュボード上部にワイドスクリーンディスプレイを配置し、横方向へのワイドさが強調され、開放感を受けます。助手席前部の一部とダッシュボードの中央がへこんでいるデザインになっていることで、室内がより広く感じられます。

3代目Bクラスには対話型インフォテインメントシステム「MBUX」を搭載

5つの円筒のエアアウトレットはスポーティなデザインになっており、全64色設定のアンビエントライトは前モデルの5倍にもなっています。
「Aクラス」にも搭載されている、対話型インフォテインメントシステム「MBUX」も採用されています。

フロント・リアともにゆとりある室内空間。ラゲッジスペースも広く最大で1,540Lにまで拡充できる

居住性については、フロントシートの室内幅が1,456mm、フロントヘッドルームを1,052mmと、前モデルよりも拡大されています。リアシートは4:2:4分割可倒式になっており、過ごしやすい室内空間を実現させています。

3代目BクラスはSクラスに匹敵する安全性能を誇る

安全面では「アクティブエマージェンシーストップアシスト」が搭載されていて、ドライバーが気を失うなど、運転が不可能になった場合、車線を維持しながら徐々に減速、停止してくれるシステムです。「アクティブレーンチェンジングアシスト」ではウインカーを点滅させると、入りたい車線に他の車がいないことを確認し、自動で車線に入ることができ、車線変更が苦手な人には便利な機能です。
また、ステアリングアシストの他に、高速道路上で渋滞などで停止した際、30秒以内であれば自動発進するため、渋滞でのイライラや疲れを軽減してくれます。

これらの運転支援機能は当初、「レーダーセーフティパッケージ」としてオプション設定でしたが、2020年9月17日の一部改良で標準装備化されました。

メルセデス・ベンツ3代目「Bクラス」主要諸元(2019年6月時点)
モデル B 180 B 200 d
エンジン 1.4L直列4気筒ターボエンジン 2.0L直列4気筒ディーゼルターボ
トランスミッション 7速DCT 8速DCT
最高出力 136ps 150ps
最大トルク 200Nm 320Nm
販売価格 3,840,000円 4,220,000円

発売当初の納車時期は「B 180」が7月ころ、「B 200 d」については10月以降で、消費税10%を適用した販売価格でした。なお表記上は1.4Lとされるガソリンエンジンの実排気量は1,331ccです。

日本仕様Bクラスの価格推移(消費税込み)
時期 B 180系 B 200 d系
2019年6月(3代目発売) 384万円 422万円
2023年2月(マイナーチェンジ) 537万円 573万円
2025年12月(Urban Stars追加) 575万円 609万円

2026年7月時点の日本での価格帯は554万円から609万円です。3代目の登場から7年で、実質的に価格は1.5倍近くまで上がったことになります。

3代目「Bクラス」の欧州先行販売は2018年12月から 日本市場への投入は2019年6月

フルモデルチェンジで誕生した3代目「Bクラス」の欧州での受注開始は2018年12月3日で、納車は2019年2月から始まりました。

3代目「Bクラス」の日本発売は、当初2019年秋と見られていましたが、実際にはそれより早い2019年6月6日に受注が始まっています。Cセグメントに属する同車は、ミニバンとコンパクトカーの双方の魅力を併せ持ち、積載性と機敏性に富んでいます。

3代目Bクラスは、Aクラスと共有の新プラットフォーム「MFA2」を採用

3代目Bクラスは、Aクラスと共有の最新世代のプラットフォームである「MFA2」を採用しました。
プラットフォームを共有する姉妹車のAクラス(W177)と比較すると、Bクラスは全高を120mmほど高く設定するなどして室内空間を拡張し、差別化を図っています。

3代目Bクラスのエクステリアは先代よりもスポーティでワイルド

3代目Bクラスのメッシュパターングリルは先代モデルより迫力がある

3代目Bクラスのフロントグリルは、ディテールにもこだわるメッシュパターンを採用し、ワイルドで迫力のあるダブルフラットバーを設置して先代モデルよりもダイナミックさをアップしました。
AMGのスポーティーテイストも感じられるLEDヘッドライトは、デザイン的魅力だけではなくて、デイタイムランニングライトシステムをセットして機能性も追求しています。

ベンツのエンブレムにマッチする5スポークホイール

3代目Bクラスは16インチ~19インチのアルミホイールをラインナップしました。採用されたホイールのデザインは、センターキャップにも描かれるベンツのエンブレムとの相性のよい5スポークフォルムです。

見た目だけではなく空気抵抗も抑えられた3代目Bクラスのリアスポイラー

バックビューで存在感を発揮するパーツは空力特性が優れた大型ルーフスポイラーです。その他のエアロパーツも装備する3代目BクラスのCd値(空気抵抗係数)は、先代モデルの0.25から0.24に改善されました。

Cd値が改善されれば、燃費が低減できるだけではなくて、風切り音は抑制されてコンフォート特性も向上する事が出来ます。

新プラットフォームMFA2を採用する事で、ロングホイールベース化を実現した3代目Bクラスは、室内幅を先代モデルよりも33mm拡大させて1,456mmとし、ワンサイズ上の車に匹敵するような「ゆとり空間」を完成させています。

3代目Bクラスは音声認識アシスタント機能を備えるMBUXを搭載

2つの高精細ワイドディスプレイを1枚のガラスカバーで融合

3代目Bクラスは10.25インチの2つの高精細ワイドディスプレイを一枚のガラスカバーで融合させています。同ディスプレイは、ドライバーの好みに合わせて表示パターンを変化させるなどの機能性を与えてデジタルコックピットの完成度を高めました。

スマホ感覚で操作できるディスプレイ

高精細ワイドディスプレイは、スワイプ・タップなどの動作に対応しているためスマホ感覚で操作できます。3代目Bクラスが搭載する先進のインフォテインメントシステム「MBUX(メルセデスベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)」は、AI(人工知能)を導入させる事で音声認識アシスタント機能を実現させました。
音声認識アシスタント機能は日本仕様の場合「ハイ、メルセデス」と呼びかければ起動して、ユーザーの求めに応じた様々なサービスを受ける事が可能になります(欧州仕様は「ヘイ、メルセデス」)。なお2023年2月のマイナーチェンジでは、このMBUXがSクラスなどと同等の最新世代へアップデートされ、センターコンソールのタッチパッドが廃止されました。

スイッチが備わるステアリングホイール

3代目Bクラスのステアリングホイールに備わるステアリングスイッチを利用すれば、運転時に必要となるアクションを行えるだけでなくて、各メディアも操作する事が可能です。
通風孔は外縁をシルバーフレームで囲って室内空間の高級感を高めます。3代目Bクラスが採用する空調システムは、マイクで音をひろっても気にならないほどの静粛性を実現しています。

3代目Bクラスのドアトリムは自然な木目調パーツと金属の組み合わせ

ドアトリムは、癒し効果のある木目調パーツと光沢感が魅力的な金属パーツによってラグジュアリーさを向上させています。

オフホワイトを基調とした内装。日本仕様では設定が限られた

インテリアでは、清涼でクリーンなイメージを与えるオフホワイトを基調とするシートカラーが目立ちます。

スイッチ類が集中するセンターコンソール

運転席と助手席の間に設置されるセンターコンソールボックスには、各種操作スイッチが設置されています。上部蓋は開閉式で内部は小物を格納するのに便利です。

リアシートは大人5人が寛げる広さなのでファミリー使いにもぴったり

リアシートには開閉式のアームレストが備わり、欧州仕様ではマッサージ・シートヒーター等の機能も選択できました。
3代目Bクラスはリアシートに乗車する人のためのコンセントを備えて、移動あるいは停車しながらの充電・給電を行う事を可能としています。なお日本仕様では2020年6月以降、後席アームレストとそれに内蔵されるカップホルダーが廃止されました。

最大容量705Lのラゲッジルーム

積載性能も魅力とする3代目Bクラスのラゲッジルームの通常時の最大容量は705Lです。
ラゲッジルームは、リアシートを前に倒せばロングサイズの荷物も室内に積載する事ができて、最大容量は1,540Lにまで拡がります。

3代目「Bクラス」は先進運転支援システムADASをBクラスとして初採用

3代目メルセデス・ベンツ「Bクラス」は、アクティブ緊急停止アシストやアクティブ・レーンアシスト等がパッケージングされる先進の運転支援システム「ADAS」を、Bクラスとして初めて採用しました。

最先端のカメラシステムやアップデートされたソフトウェアなどを取り込み、特定の状況下において部分的自動運転を可能とするADASの採用によって、安全性は大きく引き上げられています

マッピングデータとナビゲーションデータを用いて、最大で500m先の交通量や路面状況を予測してスピード調整を行う「アクティブ・ディスタンス・アシスト・ディストロニック」も採用されました。

これらの装備により、メルセデス・ベンツのフラッグシップセダンであるSクラスと比較しても見劣りしない安全性が確保されています。日本仕様では前述のとおり2020年9月17日の一部改良でレーダーセーフティパッケージが標準装備となり、2023年2月のマイナーチェンジではアダプティブハイビームアシストも標準化されました。

3代目Bクラスはディーゼルとガソリンの2本立て 48Vマイルドハイブリッドは2023年に日本上陸

日本市場で販売されていた2代目Bクラスは、1.6L DOHC 直列4気筒ターボエンジンを搭載しJC08モードで17.3km/Lの燃費を実現していました。

3代目「Bクラス」では、1.4L(1,331cc)直列4気筒ガソリンターボエンジンに7速DCTを、2リッターディーゼルターボエンジンに新開発の8速DCTを組み合わせたパワートレインが日本にも導入されました。

2リッターディーゼルターボエンジンは、欧州の環境基準「Euro 6」に適合する低燃費・排ガス性能を備えています。

その他に検討されていた電動化については、航続距離50km級のPHEV「B250e」は日本には導入されず、48Vマイルドハイブリッド(BSG)が2023年10月20日の年次改良でB 180に搭載される形で実現しました。

3代目「Bクラス」のライバルはBMW 2シリーズ アクティブツアラーへ 価格は当時の予想を大きく上回った

3代目「Bクラス」が登場した当時、最大のライバルはBMW「2シリーズ グランツアラー」でした。先代同士の価格を比較すると、2シリーズ グランツアラーの方が40万円ほど上回っていました。

登場当時の価格比較(先代同士)
価格
Bクラス 3,710,000円~
2シリーズ グランツアラー 4,100,000円~

ただしその2シリーズ グランツアラーは2023年2月に日本での販売を終了し、後継も設定されませんでした。現在Bクラスと比べられるのは、2022年6月にフルモデルチェンジした5人乗りの2シリーズ アクティブツアラー(U06)です。

また、当時この記事は「BMW 2シリーズ グランツアラーの販売価格410万円は大きく超えない」と予想していました。実際の3代目Bクラスは日本発売時が384万円からで、この時点では予想どおりでしたが、その後2023年2月のマイナーチェンジで537万円、2025年12月のUrban Stars追加で575万円と大きく上昇しています。予想が外れた主因は、装備の充実というより、円安と原材料・輸送コストの高騰という当時は織り込みようがなかった外部要因です。輸入コンパクトの価格帯そのものが、この数年で1クラス分ずれ上がったと考えるほうが実態に近いでしょう。

トールワゴンのメルセデス・ベンツ・Bクラスのモデルチェンジ遍歴

メルセデス・ベンツ・Bクラスはドイツのメルセデス・ベンツグループがメルセデス・ベンツブランドで販売しているCセグメントのトールワゴンです。前輪駆動車で、ミニバンとコンパクトカーの間に位置するモデルです。

メルセデス・ベンツ・Bクラス 初代 T245/W245(2005年~2011年)

2005年3月、初代メルセデス・ベンツ・Bクラスはジュネーブモーターショーで発表され、ヨーロッパでは春に、カナダでは秋に販売開始されました。
2006年1月、日本での販売を開始。グレードは「B200ターボ」「B200」「B170」のラインナップです。室内は上級クラスのEクラス並みになっています。
2008年8月20日に一部改良で「アダプティブブレーキライト」を採用。
2009年8月24日、「B200ターボ」を廃止。「B170」を「B180」に名称を変更。

メルセデス・ベンツ・Bクラス 2代目 W246(2011年~2018年/日本は2012年~2019年)

2011年8月25日発表。新開発のMFAプラットフォームを採用してモデルチェンジを実施し、同年11月にヨーロッパで販売を開始。日本仕様車は2012年4月25日から販売を開始しました。「B 180 BlueEFFICIENCY」と「B 180 BlueEFFICIENCY Sports」の2グレードが用意されました。「B 180 BlueEFFICIENCY Sports」には「Night Package」が設定され、専用のエクステリアやインテリアが与えられます。
2013年2月26日、ハイパフォーマンスモデルの「B 250 BlueEFFICIENCY」が追加グレードとして設定されました。7月10日には250台限定の特別仕様車「B180 Northern lights black LIMITED」を発売。

2014年1月23日、300台限定の特別仕様車「B180 MONOLABEL」を発売。
2015年1月9日、マイナーチェンジを発表(発売は2月初旬)。外観をスポーティにし、2.0Lの「B250」は「B250 Sports 4MATIC」となり、Bクラスとしては初めての4WDになりました。特別仕様車「Edition Red」も発売され、「B180 Sports Edition Red」は限定150台、「B250 4MATIC Sports Edition Red」は50台限定です。

2017年7月26日、一部改良でグレードを「B180」のみのモノグレードとし、「B180 Sports」と「B250 4MATIC Sports」を廃止しました。装備の充実化にともない、従来型より34万円値上げされています。

メルセデス・ベンツ・Bクラス 3代目 W247(2019年~)

2018年10月2日、パリモーターショーで発表。欧州では2018年12月3日に受注が始まり、2019年2月から納車が開始されました。
2019年6月6日、日本でフルモデルチェンジ版の受注を開始。ボディサイズを拡大し、ガソリンターボモデルの「B180」(384万円)と、ディーゼルターボモデルの「B200d」(422万円)が導入されました。
2019年11月、Apple CarPlayとAndroid AutoがMercedes me Storeでの権利購入により日本仕様でも利用可能になりました。
2020年6月、ボディカラーの「ジュピターレッド」と後席アームレストが廃止。
2020年9月17日、一部改良で「レーダーセーフティパッケージ」を標準装備化。
2021年9月3日、一部仕様変更で全モデルにアンビエントライトとナビゲーション機能を標準装備。
2023年2月27日、マイナーチェンジを実施。スポーティなスタイリングとなり、MBUX ARナビゲーション、アダプティブハイビームアシスト、アドバンストサウンドシステムを標準装備。価格は537万円〜573万円。
2023年10月20日、年次改良(MP202401)でガソリンの「B180」に48VマイルドハイブリッドのBSGを搭載。
2025年12月10日、新ラインアップ「B 180 Urban Stars」(575万円)と「B 200 d Urban Stars」(609万円)を追加。AMGラインパッケージとナイトパッケージを標準装備化しました。
2026年、ドイツ・ラシュタット工場でのBクラス生産が終了しました。

メルセデス・ベンツ・Bクラスのモデルチェンジ遍歴
メルセデス・ベンツ・Bクラスのモデル 販売年表
初代 T245/W245 2005年~2011年(日本は2006年~2012年)
2代目 W246 2011年~2018年(日本は2012年~2019年)
3代目 W247 2019年~(2026年に生産終了予定・後継なし)

Bクラスが残したもの ファミリーカーとしての完成度と、コンパクトMPVという時代の終わり

2018年12月に欧州市場で先行販売され、日本市場では2019年6月に投入された3代目Bクラスは、先進の運転支援システムADASを搭載し、音声認識アシスタント機能を備えるMBUXを装備するなどして、同車に求められるファミリーカーとしての魅力を引き上げました。2023年のマイナーチェンジと2023年秋の48Vマイルドハイブリッド化、そして2025年末のUrban Stars追加まで、モデル末期まで手が入れられ続けたことも、この車の評価の高さを物語っています。

それでも、Bクラスは3代目を最後にその歴史を終えようとしています。背が高く積めて運転しやすいという価値は変わらないのに、市場の関心が同じ機能を持つSUVへ移り、欧州でのコンパクトMPVの需要そのものが細ってしまいました。ライバルだったBMW 2シリーズ グランツアラーが先に姿を消したことも含め、これはBクラス個別の敗北というより、ジャンルごと役目を終えたと見るべきでしょう。日本ではまだ新車を選べる状態が続いていますが、その時間は長くはありません。