アルピーヌA110が2026年6月に生産終了 後継はEVの3代目へ
2017年に復活したアルピーヌA110(2代目)は、2026年6月をもってフランス・ディエップ工場での生産を終了しました。2026年7月1日、通算28,701台目となる最後の1台がラインオフし、9年にわたる生産に幕を下ろしています。
誤解のないよう先に書いておくと、A110が終わるのは売れなかったからではありません。2024年末時点で累計2万3000台以上を販売し、アルピーヌ自身も「販売曲線は発売以来一貫して上昇を続けた」と振り返っています。理由は規制です。欧州のGSR2(一般安全規則)における少量生産車向けの免除措置が終了し、現行の設計のままでは対応が難しくなったことが決定打となりました。
日本での受注も2026年3月31日で締め切られ、新車として買う道はすでに閉じています。ここでは最終章の動きを整理し、そのうえで復活当時のA110を振り返ります。
2026年7月1日に最終車両がラインオフ 通算28,701台目は創立70周年記念仕様
アルピーヌは2025年2月26日、A110を2026年に生産終了すると正式に発表しました。以降は最終生産枠の消化に向けて動き、2025年10月24日には愛好家に向けた声明を出し、標準のA110は残り1,750台、ハードコア仕様のA110 R 70は残り50台のみと生産枠を明示しています。
そして2026年7月1日、ディエップ工場で最後のA110が完成しました。通算28,701台目にあたるこの個体は、アルピーヌ創立70周年を記念する仕様に仕立てられています。ディエップ工場では1963年から1977年まで生産された初代を含め、A110の名を持つクルマが累計3万5000台以上つくられてきました。
当初、アルピーヌが2代目A110に設定した販売目標は控えめなものでした。それを大きく上回る実績を残しながら、規制対応の壁で退場せざるを得なかったという事実は、軽量スポーツカーというジャンルが置かれた現在地を象徴しています。「売れているのに終わる」という結末は、A110の価値がむしろ再評価されるきっかけになると当編集部では見ています。
後継の3代目A110はEVで登場へ 新開発プラットフォームAPPを採用
A110の物語はここで途切れるわけではありません。アルピーヌは3代目A110を開発中で、2026年内の発表が見込まれています。生産はディエップ工場で継続され、2027年からラインに並ぶ計画です。
3代目は新開発のアルピーヌ・パフォーマンス・プラットフォーム(APP)を土台とし、まず電動パワートレインを搭載して登場します。特徴的なのはバッテリーの搭載方法で、EVでよくある床下一体型ではなく、シャシーの前後に小型バッテリーを2基配置するレイアウトを採用しました。これにより全高を低く抑え、A110の生命線である重量配分と低重心を守るという狙いです。ボディタイプは伝統どおり2シータークーペで、寸法は現行より全長・全幅ともわずかに拡大するものの、プロポーションは維持されるとされています。
2026年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでは、2代目のボディをまとったテストカーが走行を披露しました。アルピーヌ側は「EVのA110はガソリン車より軽くなる」とも語っており、軽さを最優先するというブランドの原則は貫かれる見通しです。
なお、APPは将来的に内燃機関も搭載できる設計とされており、ガソリンモデルが再登場する可能性も残されています。ただしこれは公式に決定した事項ではなく、現時点では観測にとどまります。
アルピーヌはすでにEVハッチバックのA290、EVクロスオーバーのA390を投入しており、3代目A110はその流れの中核に位置づけられます。問題は、モーター駆動でA110の身上である「軽さと対話性」をどこまで再現できるかです。ここが再現できなければ、名前だけを受け継いだ別物になりかねません。3代目の評価は、その一点にかかっていると考えます。
日本オリジナルの最終限定車「A110 BLEU ALPINE EDITION」を計70台限定で発表
アルピーヌ・ジャポンは2025年11月27日、日本オリジナルの最終限定車「A110 BLEU ALPINE EDITION」を発表し、同時に受注を開始しました。あわせて、日本国内でのA110の受注を2026年3月31日で終了することも告知しています(日本向けの生産枠に達した時点で、それより早く受注終了となる条件付きです)。
BLEU ALPINE EDITIONは、アルピーヌの象徴であるボディカラー「ブルーアルピーヌM」をまとった仕様で、内訳はA110が30台、A110 GTSが30台、A110 R70が10台の合計70台。アルピーヌ創立70周年にちなんだ台数構成です。
現行A110にとって、これが文字どおり最後の限定車となりました。とりわけベースモデルのA110は、日本では2025年4月の「アニバーサリー」(25台限定)以降は限定車扱いだったため、素のA110を新車で手にする最後の機会でもありました。
最終カタログモデル「A110 GTS」と「A110 R70」を2025年4月18日に発売
2025年2月26日の生産終了アナウンスと同時に、アルピーヌは最後のラインナップとなる新グレード「A110 GTS」と、特別仕様の「A110 R70」を世界初公開しました。日本での発売は2025年4月18日です。
A110 R70は、アルピーヌ誕生70周年を記念する世界限定770台のモデルで、ハードコア仕様のA110 Rをベースとしています。カーボンパック(フロントボンネット、ルーフ、サイドスカート、リアフード、リアディフューザー)を備え、ブレーキにはブレンボ製を採用。R用エアロキットを装着した場合の全長は4,255mmとなります。
日本市場ではもともとA110 Sが販売の中心だったこともあり、最終形はA110 GTSとA110 R70の2機種というカタログ構成に整理されました。本国では素のA110もカタログモデルとして残されましたが、日本では前述のとおり25台限定の「A110 アニバーサリー」という形で用意され、これは早々に完売しています。
究極の限定モデル「A110 R Ultime」は110台限定で登場
A110の最終期を語るうえで外せないのが、110台限定の「A110 R Ultime」です。英国での価格は27万6000ポンド(約5,380万円)という、A110としては破格の設定でした。
それでもパリ・モーターショーでの発表から2か月で95%が売れたと伝えられており、A110というクルマが最後にどれほど熱を帯びていたかを示す数字と言えます。エアロパーツを徹底的に盛り込んだ「究極」の名にふさわしい一台で、A110 Rを頂点とするハードコア路線の到達点となりました。
アルピーヌ A110が復活 2018年に日本でも発売
第1回世界ラリー選手権を制したアルピーヌA110が復活しました。1977年に生産を終えてから長い年月を経て、フランスが生んだ名車は2017年に欧州各国で先行販売され、翌2018年に日本でも販売が始まりました。
アルピーヌ A110
アルピーヌ A110
アルピーヌ A110
アルピーヌ A110
アルピーヌ A110
2017年3月のジュネーブモーターショーで市販型がワールドプレミアされ、同年6月にイングランドのグッドウッドで開催されたモータースポーツイベントに登場したことで、世界的な注目を集めました。
アルピーヌブランド復活第1弾となったA110のエクステリアやインテリア、搭載エンジンの魅力について解説します。
アルピーヌ A110リネージGT2021が世界限定300台で発売
エレガントなペールゴールドのエクステリアが特徴のアルピーヌ限定車A110リネージGT2021
アルピーヌの限定モデルA110リネージの2021年モデルが、世界限定300台で2021年6月10日に発売されました。
通常のA110リネージをベースとしながら、上位モデルのA110 Sと同じ292psを発揮するハイパフォーマンス仕様です。
アンバーのインテリアと、ボディカラーのアルジャンメルキュールマット、新意匠のGRANDPRIXホイールとゴールドキャリパーで上品な高級感を演出しました。
販売価格は9,710,000円。2021年6月10日から7月18日までを申込期間とし、上限の300台に達した時点で受付終了という方式です。
アルピーヌの限定車「A110 リネージ GT」と「A110 カラーエディション 2020」が公開
アルピーヌは2020年3月3日、フランスでA110の限定モデル「A110リネージ GT」と「A110 カラーエディション 2020」を公開。同時に、ボディカラーやホイール、ブレーキキャリパーを自由に組み合わせられるパーソナライゼーションプログラム「アトリエ アルピーヌ」を発表しました。
A110リネージ GTのエクステリア
A110リネージ GTのインテリア
A110リネージ GTは世界400台限定で、日本には2020年春以降に導入されました。A110リネージをベースに、よりエレガントで品のある内外装としています。
A110 カラーエディション 2020のエクステリア
A110 カラーエディション 2020のインテリア
A110 カラーエディション 2020は2020年夏ごろに導入。ベースはA110 Sで、鮮烈な「ジョン トゥルヌソル(イエロー)」のボディカラーが与えられました。
なお、ここで導入された「アトリエ アルピーヌ」は最後までA110の魅力を支え続けた仕組みで、日本での受注は2026年3月をもって終了しています。
日本未導入だった「アルピーヌA110S」が東京モーターショー2019に参考出展
アルピーヌA110Sのエクステリア
2019年9月24日、アルピーヌ・ジャポンは東京モーターショー2019で当時日本未導入だった「アルピーヌA110S」を参考出展すると発表しました。
ル・マン24時間レースの会場でデビューしたA110Sは、標準のA110を上回るパワーを備えたハイパフォーマンスモデル。シャシーにはブレンボ製ブレーキキャリパーやミシュラン・パイロットスポーツ4など、専用のセットアップが組まれています。
アルピーヌA110Sのインテリア
A110Sのインテリアはブラックを基調としたスポーティーで質感の高い仕立てで、オレンジのアクセントが目を引きます。
日本市場への投入は2020年前半と見込まれ、実際にA110Sは日本にも導入されました。以降、日本ではこのA110Sが販売の中心となり、最終期のカタログモデルがGTSとR70の2本立てになる伏線ともなっています。
アルピーヌA110の特別仕様車「ブルーアビス」の発売が開始
限定30台「アルピーヌ A110 ブルー アビス」は深い青が美しい
2018年に復活した新型アルピーヌA110に、深海をイメージしたダークブルーの特別仕様車「ブルー アビス」が登場しました。
限定車「アルピーヌ A110 ノワール」とともに紹介したモデルですが、当時は発売日が未定で価格にも変更があったため、あらためて整理します。
アルピーヌ・ジャポンによると、「A110 ブルー アビス」の購入申し込みは2019年9月5日11時からオフィシャルWebサイトでスタート。9月17日からは正規販売店でも直接申し込みが可能になりました。
価格は9月30日までの新車登録で829万円、10月1日以降は消費税10%の適用により844万400円。ノワールと同じく30台限定です。
アルピーヌ「A110S」がル・マンで世界初公開 ハイパフォーマンスモデルとしてよりアグレッシブに
アルピーヌA110がハイパフォーマンスモデル「A110S」となって世界初公開
たびたび目撃されていたA110の開発車両は「A110 GT4」ではないかと予想されていましたが、2019年6月13日、ハイパフォーマンスモデル「A110S」としてル・マンでワールドプレミアされました。
アルピーヌのハイパフォーマンスモデル「A110S」のフラッグエンブレム
Cピラーには、一部にオレンジのアクセントを入れたカーボンファイバー製のフラッグエンブレムを配置。エンブレムにまでカーボンを使うところに、アルピーヌの軽量化へのこだわりが表れています。オレンジは、活気に満ちたドライビング体験を象徴する色です。
アルピーヌA110Sの18インチ「GT Race」専用アルミホイール
足元にはミシュラン製パイロットスポーツ4と、A110S専用の18インチ「GT Race」アルミホイールを装着し、ブレンボ製ブレーキシステムを採用。オプションで「Fuchs」の鍛造アルミホイールも選べます。
アルピーヌA110Sにはオプションでカーボンルーフも用意された
オプションのカーボンルーフを装着すると、1.9kgの軽量化が可能です。
アルピーヌA110Sのインテリアはブラックにオレンジがアクセント
インテリアはブラックにオレンジのコントラストステッチが入り、印象的なアクセントとなっています。
Dinamica仕上げのルーフライニング、サンバイザー、ドアパネルを備え、シートはSabelt製でDinamicaの表皮。オプションでカーボンファイバー製のSabeltシートも選択できます。
ステアリングホイールはDinamicaとレザー仕上げで、上部にはオレンジのアクセント。ペダルとフットレストはアルミ製です。
| パワートレイン | 1.8L直列4気筒ガソリンターボエンジン |
|---|---|
| 最高出力 | 292ps |
| 最大トルク | 400Nm |
| トランスミッション | 7速デュアルクラッチ(ゲトラグ製) |
| 0-100km/h加速 | 4.4秒 |
| 販売価格 | 66,500ユーロ(発表当時のレートで約8,120,000円) |
欧州での予約は発表と同時に始まり、納車は2019年内にスタートしました。
アルピーヌA110に2つの限定車「A110 ノワール」と「A110 ブルー アビス」が登場 各30台限定
アルピーヌA110限定車「A110 ノワール」はブラックカラーがテーマ
2019年6月6日、アルピーヌ・ジャポンはブラックの「A110 ノワール」と、深海をイメージした「A110 ブルー アビス」の2つの限定車を発表し、同時にノワールの予約受付を開始しました。受付期間は2019年6月16日までです。
「A110 ノワール」の予約受付は6月16日まで
「A110 ブルー アビス」の予約受付は8月下旬から。それぞれ各30台限定で、価格は8,290,000円。申し込みが限定数を上回る場合は抽選となりました。
「A110 ノワール」のインテリアは落ち着いたブラックで統一
「A110 ノワール」はボディカラーが「ノワール プロフォンメタリック」のブラックで、内装もブラックを基調とし、ブラックレザーのSabelt製専用スポーツシートを装備します。
「A110 ブルー アビス」は深海をイメージした深いブルー
「A110 ブルー アビス」専用のアロイホイールが目を引く
「A110 ブルー アビス」は「ブルー アビスメタリック」を採用し、落ち着いた深いブルーが特徴。大口径18インチのブラック「SERAC」ホイールを専用装備としました。
「A110 ブルー アビス」のインテリアはブラウンを基調にブルーのアクセント
主要諸元は両モデルとも「アルピーヌ A110 リネージ」と共通です。
| 全長 | 4,205mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,800mm |
| 全高 | 1,250mm |
| ホイールベース | 2,420mm |
| エンジン | ターボチャージャー付筒内直接噴射 直列4気筒DOHC16バルブ |
| 最高出力 | 252ps |
| 最大トルク | 320Nm |
| 駆動方式 | 後輪駆動(MR) |
| トランスミッション | 電子制御7速AT |
予約受付は両モデルともアルピーヌ・ジャポン公式サイトの限定車専用ページで行われ、店頭での受付はありませんでした。ノワールの抽選日は6月20日、当選・落選の通知は6月21日以降です。
アルピーヌ「A110」の開発車両がニュルを走行 「A110 GT4」なのか
日本で復活したばかりのA110に、過激なエクステリアの開発車両がニュルブルクリンクに登場しました。オレンジのカモフラージュが目を引く個体で、リヤハッチに「GT4」のステッカーが貼られていたことから、開発中の「A110 GT4」ではないかと考えられていました。
カーボンファイバー製のフードで通気性を高めていることや、小ぶりなフロントスプリッターが見て取れます。
ボディはかなりローダウンされており、オーリンズ製ショックアブソーバーで調整可能とみられます。乗員スペースを守るロールケージ、ブレンボ製ブレーキシステムの採用も予想されました。
パワートレインは、レーシングエキゾーストとハイフローエアフィルターを備えたエンジンをリヤミッドシップに搭載する構成と考えられます。
| パワートレイン | 1.8L直列4気筒ターボチャージャーエンジン |
|---|---|
| 最高出力 | 300ps以上 |
| 最大トルク | 350Nm以上 |
| トランスミッション | 6速シーケンシャル |
その後、この開発車両が市販モデルとして「A110 GT4」の名で登場することはありませんでした。一方でA110はモータースポーツ向けに展開され、ラリー競技用の「A110 RGT」などが実戦投入されています。ロードカー側で頂点に立ったのは、A110 SからA110 R、そして110台限定のA110 R Ultimeへと連なるハードコア路線でした。
フランスの老舗自動車メーカー・アルピーヌが復活
アルピーヌは1955年創業のフランスの自動車会社で、ルノー車をベースにモーターレース用の車両を製作していました。ル・マン24時間レースやモンテカルロラリーなどに参戦し、数々の成績を残してその名を轟かせています。そのアルピーヌは1973年にルノーの子会社となりました。
アルピーヌを代表する2シータースポーツカーA110は、1963年に販売を開始し1977年7月をもって生産を終了。その後、1995年にA610の生産を終えてからアルピーヌは長らく休止状態にありました。
世界中から寄せられるブランド復活を望む声に応え、2016年2月にはコンセプトカー「アルピーヌ・ヴィジョン」が公開されます。そして2017年3月のジュネーブモーターショーで、その市販版となる新型A110がワールドプレミアされました。
生産は、長年アルピーヌ車の製造を担ってきたフランス国内のディエップ工場が担当。この工場は2026年の生産終了後も、3代目A110の生産拠点として使われます。
アルピーヌA110のエクステリア

A110のエクステリアは、アルピーヌ車の代名詞とも言える流れるようなボディラインに、空気抵抗を抑える現代的なボディ構造を巧みに融合させています。ボディには剛性が高く軽量なアルミが用いられました。
風洞実験を重ねて実現した理想的なフラットフロアを採用し、リヤバンパー下部のディフューザーと組み合わせることで、スポーツカーとしての走行安定性を高めています。

フロントの4灯LEDライトとボンネットの曲率は、初代A110から受け継がれたデザインです。

リヤはアルファベットのXをモチーフとしたテールランプと、ダイナミックターンインジケーターで現代的にまとめられています。

ドイツのオットー・フックスから供給される18インチ鍛造アルミホイールが、A110の佇まいをさらに引き締めます。
アルピーヌA110のインテリア

A110はドライブモードとして「ノーマル」「スポーツ」「トラック」の3タイプを用意します。室内にはフランスらしいデザイン力が息づき、ブラッシュド加工のアルミニウム製ペダルが強い存在感を放ちます。

専用チューンのフォーカル製オーディオシステムが、車内の音楽体験を引き上げます。

インテリアにも青・白・赤とフランス国旗を想起させる配色がさりげなく取り入れられています。

キルト調レザーが両サイドを彩るスポーツシートは、クッション性とフィット感に優れます。
アルピーヌA110のボディサイズ

アルピーヌA110のボディサイズは以下のとおりです。
| 全長 | 4,178mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,798mm |
| 全高 | 1,252mm |
| ホイールベース | 2,419mm |
| 車両重量 | 1,080kg |
車両重量は1,080kg。軽自動車とさほど変わらない軽さで、軽量ボディという初代からの美点をしっかり受け継いでいます。この徹底した軽さこそがA110の本質であり、後継の3代目EVでも「ガソリン車より軽く」を掲げる根拠になっています。
前後の重量配分は44:56。重心を車体中央寄りに置くミッドシップ構造を、燃料タンクをフロントアクスルの後方に、エンジンをリヤアクスルの前に配置することで実現しました。
A110に搭載されるエンジンはルノーのスポーツ部門がチューン

A110が積むのは、日産とルノーが連携して開発した直列4気筒1.8Lターボエンジンです。これをルノーのモータースポーツ部門であるルノー・スポールとアルピーヌがチューンし、最高出力185kW(252ps)、最大トルク320Nm、0-100km/h加速4.5秒を実現しました。
トランスミッションは7速デュアルクラッチ。サスペンションは前後ともダブルウィッシュボーンで、ステアリングとの協調により優れた乗り味を生み出しています。
アルピーヌ A110 PREMIERE EDITIONは限定販売で3色展開 販売価格は790~841万円

A110のPREMIERE EDITIONは、アルピーヌ創業年にちなんだ1,955台の限定モデルで、ボディカラーは「アルピーヌ・ブルー」「ノワール・プロフォン」「ブラン・ソレイル」の3色展開でした。
PREMIERE EDITIONはマットブラックダイヤモンド加工の18インチ専用アルミホイールとスポーツマフラーを装備。インテリアにはアルミニウムペダルやスポーツシートを採用しています。予約開始からわずか5日間で受付終了となりました。
その後のカタログモデルはA110ピュアとA110リネージの2グレードで、販売価格は7,900,000円から8,410,000円です。
| グレード | ボディカラー | ハンドル位置 | 販売価格 |
|---|---|---|---|
| A110 ピュア | ブラングラシエ | 右 | 7,900,000円~ |
| ブランイリゼM | 右 | 8,110,000円~ | |
| ブルーアルピーヌM | 右/左 | 8,110,000円~ | |
| A110 リネージ | グリトネールM | 右 | 8,290,000円~ |
| グリトネールM | 右 | 8,290,000円~ | |
| ブルーアルピーヌM | 左 | 8,410,000円~ |
40年の時を経て復活したアルピーヌA110のモデルチェンジ遍歴
アルピーヌA110はフランスの自動車会社アルピーヌが販売したスポーツカーで、2017年から2026年まで生産されたモデルは、ルノーがアルピーヌブランドで手がけたライトウェイトスポーツです。1963年から1977年まで販売された初代の生産終了から40年の時を経て復活し、9年間にわたって走り続けました。
アルピーヌA110 初代 /1963年~1977年
1963年、アルピーヌA110がデビューしました。「ベルリネッタ」「カブリオレ」「GT4」のラインナップです。販売後、数多くのエンジンを追加し、1977年7月に一旦生産を終了します。
| アルピーヌA110のエンジン・モデル | 販売年 |
|---|---|
| 1,180cc | 1964年 |
| 1100ゴルディーニ/OHV・クロスフローエンジン搭載 | 1965年 |
| 1300ゴルディーニ・エンジン搭載 | 1966年 |
| 1500/1300S/G/V70/V100 | 1967年 |
| 600S/V85 | 1968年 |
| 1600S グループ4 | 1971年 |
| 1800VA/1600VD/1800VBGR4 | 1973年 |
アルピーヌA110 2代目 DFM5P系/2017年~2026年
2017年3月、初代の生産終了から40年の時を経て、ジュネーブモーターショーで新型アルピーヌA110をワールドプレミア。欧州では2017年後半に市場導入されました。
2018年6月、日本市場で先行販売として左ハンドルの「プリミエールエディション」を限定50台で発売。9月にはカタログモデルが発表され、「ピュア」「リネージ」の2本立てとなります。
2019年6月、特別仕様車「ノワール」と30台限定の「ブルーアビス」を発表(ブルーアビスは9月発売)。11月には高性能モデル「A110S」の導入を発表しました。
2020年6月、世界限定400台・日本割り当て30台の特別仕様車「リネージGT」の申し込みを開始。台数制限のない「A110 カラーエディション2020」の導入も発表されています。
2021年6月、世界限定300台の「リネージGT 2021」を7月までの期間限定で発売。9月には「A110S」の特別仕様車「BI TON LIMITEE」を24台限定で受付開始。
2022年1月、日本にマイナーチェンジモデルの導入を発表し、2月から受付を開始。グレードは「A110」「A110S」「A110GT」の3本立てとなり、同時に30台限定の「A110 S アセンション」を導入。7月には創始者ジャン・レデレの生誕100周年を記念した日本国内10台限定の「ジャン・レデレ」を発売。12月には高性能モデル「A110 R」の受付を開始し、フェルナンド・アロンソの優勝回数にちなむ世界限定32台の「A110 R フェルナンド・アロンソ」の注文受付もスタートしました。
2023年4月、価格を50万円引き上げた「A110 R」の受付を開始。5月には初代A110のサンレモ・ラリー優勝およびマニュファクチャラーズチャンピオン獲得から50周年を記念する「サンレモ73」を12台限定で受付開始しました。
2024年、110台限定の「A110 R Ultime」を発表。英国価格27万6000ポンド(約5,380万円)という高額設定ながら、発表から2か月で95%が売れたと伝えられています。
2025年2月26日、アルピーヌはA110を2026年に生産終了すると発表。同時に最終ラインナップとなる新グレード「A110 GTS」と、70周年記念の世界限定770台「A110 R70」を世界初公開しました。日本での発売は2025年4月18日で、あわせて25台限定の「A110 アニバーサリー」も設定されています。
2025年10月24日、残る生産枠を標準A110が1,750台、A110 R 70が50台と公表。
2025年11月27日、アルピーヌ・ジャポンが日本オリジナルの最終限定車「A110 BLEU ALPINE EDITION」(A110 30台、GTS 30台、R70 10台の計70台)を発表するとともに、国内受注を2026年3月31日で終了すると告知しました。
2026年6月、ディエップ工場での生産を終了。7月1日、通算28,701台目となる最後の1台がラインオフしました。後継となる3代目A110はEVとして2026年内に発表される見込みで、生産は2027年から同じディエップ工場で始まる予定です。
| アルピーヌA110のモデル | 販売年表 |
|---|---|
| 初代 | 1963年~1977年 |
| 2代目 DFM5P系 | 2017年~2026年 |
| 3代目(EV) | 2026年内発表予定 |
アルピーヌA110の日本での発売は2018年 その後のラインナップ拡大

A110は欧州諸国で2017年末までに販売が行われ、2018年にイギリスと日本で販売が始まりました。
ルノー・ジャポンは、日本でのアルピーヌ車の輸入販売事業を拡大するため、2017年10月に新たなビジネスユニット「アルピーヌ・ジャポン」の設立を発表しています。
アルピーヌ・ジャポンの設立以降、A110以外の車種もラインナップに加わりました。EVハッチバックのA290、EVクロスオーバーのA390と、ブランドは電動化を軸に拡大しています。皮肉なことに、その電動化の波がA110の内燃機関モデルを退場させる引き金にもなりました。
復活当時、ポルシェやフェラーリといったライバルに比べれば知名度で見劣りしたアルピーヌですが、A110は9年間で3万台近くを送り出し、軽量スポーツカーの評価軸を書き換えるところまで到達しました。コストパフォーマンスに優れた1台という当初の評価は、いまや「規制がなければ売れ続けていたはずの名車」という評価に置き換わっています。次に問われるのは、3代目がその魂を電気で受け継げるかどうかです。

























