ダイハツ・テリオスは2026年も現役 3代目のままインドネシアで販売中
ダイハツのテリオスは、2017年11月23日にインドネシアで3代目が発表され、2018年1月から販売が始まりました。あれから8年半が経ちましたが、テリオスは今もこの3代目が現役で、フルモデルチェンジの発表はありません。2023年6月にマイナーチェンジを受け、その後もカスタマイズモデルの提案を続けながら、インドネシア市場の主力として走り続けています。
現行テリオスはボディサイズが全長4,455mm×全幅1,695mm×全高1,705mm、ホイールベース2,685mm。最低地上高は220mmを確保し、1.5L直列4気筒「2NR-VE」(104PS/13.9kgm)に5速MTまたは4速ATを組み合わせるFR(後輪駆動)です。4WDの設定はありません。3列シート7人乗りという構成も変わっておらず、インドネシアではシグラ、グランマックスに次いで3番目に売れているダイハツ車という位置づけです。トヨタの販売網では、引き続き「ラッシュ」として売られています。
一方、日本市場への「ビーゴ」としての復活は、現時点まで実現していません。ここではまず最新の動きを整理し、そのうえで3代目登場時の内容と歴代の歩みを振り返ります。
カスタムモデル「テリオス ドレスアップ アルトスタイル」を2025年11月のGJAWで公開
ダイハツのインドネシア法人は、2025年11月28日から開催された「GAIKINDO Jakarta Auto Week(GJAW)2025」に、テリオスのカスタムモデル「テリオス ドレスアップ アルトスタイル」を出展しました。
量産を前提とした市販モデルではなく、タフさと多用途性というテリオス本来の持ち味を来場者に印象づけるための提案です。5ナンバーサイズに収まる全長4,455mmのボディ、3列7人乗り、そしてFRレイアウトという構成は、日本のSUVにはほとんど存在しない組み合わせであり、公開後にはSNS上でも「このサイズこそ日本に必要」といった反応が集まりました。
デビューから8年が経ってもなおカスタム提案が続いているのは、テリオスがインドネシアで確固たる需要を掴んでいる証拠でしょう。裏を返せば、フルモデルチェンジを急ぐ必要がないほど商品として完成し、価格競争力を保てているとも言えます。新興国向けSUVとしては十分な成果です。
GIIAS2024でカスタマイズモデル「テリオス グラファイト」を初公開
2024年7月18日から28日にかけて開催された「ガイキンド・インドネシア国際オートショー(GIIAS)2024」では、テリオスをベースとするカスタマイズモデル「テリオス グラファイト」が初公開されました。
最上位グレードの「Rカスタム」をベースに、グレーメタリックとブラックを基調としたコーディネートを施し、アウトドアシーンを強く意識した仕立てとしたモデルです。
テリオスは2018年のGIIASでも「テリオス カスタム」を出展しており、モーターショーごとにカスタム提案を重ねるのが定番のパターンになっています。実用一辺倒ではなく、遊びの文脈を積み上げていく手法は、ダイハツがこのクルマを長く売り続けるための工夫と見ることができます。
ダイハツ認証不正問題でインドネシア生産も一時停止 2023年12月に出荷再開
2023年12月に発覚したダイハツの認証試験不正問題は、テリオスを生産するインドネシアのアストラ・ダイハツ・モーター(ADM)にも波及しました。
ADMは2023年12月に出荷を停止しましたが、同月22日にはインドネシア国内向けの出荷を再開しています。日本では国内4工場の稼働が長期間止まり、2024年1月26日にはADMが製造するグランマックストラックとそのOEM(トヨタ・タウンエース、マツダ・ボンゴ)の3車種が型式指定を取り消されるなど、影響は深刻でした。
テリオスとラッシュは日本国内で販売されていないため、日本のユーザーへの直接的な影響はありませんでしたが、この一件がダイハツの新興国戦略と商品計画に大きなブレーキをかけたことは間違いなく、テリオスの次期型が見えてこない一因になっていると当編集部では見ています。
3代目テリオスが2023年6月8日にマイナーチェンジ
ダイハツのインドネシア法人は2023年6月8日、3代目テリオスのマイナーチェンジを発表しました。
アップデートされたのはエクステリア、インテリア、安全装備の3項目です。フロントまわりの意匠を中心に手を入れ、内装の質感と装備を引き上げました。この改良に合わせてボディサイズもわずかに変化し、全長は4,435mmから4,455mmへ拡大しています。
パワートレインは2NR-VE型1.5L直列4気筒(104PS/13.9kgm)と5速MT/4速ATという組み合わせが継続され、FRレイアウトも変わっていません。現地価格はおよそ222万円からという水準です。
新興国向けSUVとしては、ハイブリッド化や電動化に踏み込まず、機械としての素性と価格を守り抜いた改良と言えます。
日本での「新型ビーゴ」復活は実現せず ロッキーが受け皿に

3代目テリオスの登場時、当編集部は「日本にビーゴとして戻ってくるのではないか」と期待を寄せていました。結論から言えば、これは実現しませんでした。3代目テリオスもトヨタ・ラッシュも、日本では一度も販売されていません。
復活しなかった理由は、大きく3つあると考えます。第一に、テリオスがインドネシアの道路事情と価格帯に最適化されたクルマであり、日本の衝突安全基準や排出ガス規制、装備水準に合わせ込むには相応の追加投資が必要になること。第二に、ダイハツは2019年に日本で「ロッキー」を発売し、コンパクトSUVの受け皿をすでに用意していたこと。ロッキーはFF系のDNGAプラットフォームを使う現代的な設計で、5人乗りではあるものの、日本の市場ニーズにはこちらの方が合致します。第三に、2023年12月の認証不正問題によって、ダイハツが新規車種の投入どころではない状況に置かれたことです。
もっとも、5ナンバーサイズで3列シート、しかもFRという構成は、いまの日本市場ではほとんど絶滅しています。仮に導入されれば一定の支持を集めた可能性は高く、その意味では惜しい一台だったと言えるでしょう。
ダイハツのテリオスがモデルチェンジ 7人乗りSUVに進化
ダイハツのテリオスは、2017年11月23日にインドネシアでフルモデルチェンジを発表しました。日本では1997年からテリオス、2006年からビーゴとして販売されたモデルで、トヨタへはラッシュとしてOEM供給されていました。
インドネシアでは2代目テリオス(ビーゴ)の時点でロングボディ化され、3代目では3列シートを備えた7人乗り仕様となっています。コンパクトな7人乗りSUVのエクステリアやインテリア、搭載エンジン、そして日本でのビーゴ復活の可能性について、発表当時の内容を振り返ります。
テリオスのエクステリアはメッキグリルを採用した押し出しの強いスタイル

新しくなったテリオスは、メッキグリルを前面に押し出した迫力のあるデザインで、ヘッドライトは東京モーターショーでジャパンプレミアされた「DN MULTI SIX」に通じる雰囲気を持っています。

サイドビューは、フロントドアハンドルからテールランプへと次第に上がっていくデザインで躍動感があります。フロントからリヤまでつながる黒い樹脂バンパーはまさにSUVらしい装備で、フェンダーとタイヤの隙間もかなり大きく取られています。実際、最低地上高は220mmを確保しており、見た目だけの演出ではありません。

リヤビューは、エンブレムから広がるリヤガーニッシュとつながるテールレンズのデザインで、バックドア側にバックランプ、ボディ側にウインカーが配置されています。
テリオスのインテリア

テリオスのインテリアは7人乗りで、「2:2:3」と「2:3:2」のアレンジが可能なシートレイアウトを採用しています。
テリオスの搭載エンジンは1.5Lのガソリンエンジン

テリオスに搭載されるのは「2NR-VE」と呼ばれる1.5Lのガソリンエンジンです。
| 型式 | 2NR-VE |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒 |
| 排気量 | 1,496cc |
| 最高出力 | 104PS/6,000rpm |
| 最大トルク | 136Nm(13.9kgm)/4,200rpm |
日本で2NR-VEを搭載する車種はありませんが、トヨタの7人乗り小型MPV「アバンザ」にも積まれているエンジンです。トランスミッションは5速マニュアルと4速オートマチックが用意されます。
駆動方式はFRで、4WDの設定はありません。雪の降らないインドネシアでは、モーグル路やがれき路を走る場面を除けば4輪駆動の必要性が低いという判断でしょう。初代から受け継ぐFRレイアウトは、整備性の良さと悪路での強さという実利に裏打ちされたものです。
ボディサイズは発表時点で全長4,435mm、全幅1,695mm、全高1,705mm。日本基準では5ナンバーに収まるサイズ感で、ビーゴの全長をロング化したイメージです。なお2023年6月のマイナーチェンジ後は全長が4,455mmへと伸びています。
| 全長 | 4,435mm(2017年発表時/2023年改良後は4,455mm) |
|---|---|
| 全幅 | 1,695mm |
| 全高 | 1,705mm |
| ホイールベース | 2,685mm |
3代目テリオスは2017年11月23日に発表され、2018年1月から販売が始まりました。
ギリシア語の「願いを叶える」を意味するテリオスのモデルチェンジ遍歴
テリオスはダイハツが販売するコンパクトSUVで、日本で「テリオス」として販売されたのは初代のみ。2代目以降、国内では「ビーゴ」のネーミングで販売されました。
テリオス初代 J100/102/122G型(1997年~2006年)
1997年4月、「Virgin 4WD」をキャッチフレーズに掲げ、初代テリオスがデビューしました。
1998年8月、マレーシアで「クンバラ」の名で販売を開始。9月には最初のマイナーチェンジを実施。
1999年4月、新たに「エアロカスタムⅡ」を追加。
2000年5月、2度目のマイナーチェンジを実施し、エンジンの変更や駆動方式へのFR追加を実施。ターボエンジンを搭載する「ターボ エアロダウン カスタム」を追加しました。
2006年1月、日本向けの販売を終了し、「ビーゴ」にバトンタッチします。
テリオス 2代目 J200/F700型(2006年~2018年)
2006年1月にモデルチェンジを実施し、日本向けは「ビーゴ」、トヨタへのOEMは「ラッシュ」となりました。海外向けには7人乗り仕様のロングボディも用意されています。
日本ではビーゴ/ラッシュともに2016年に販売を終了し、以降ダイハツの普通車SUVは国内ラインナップから姿を消しました。
テリオス 3代目 F800/F850型(2017年~)
2017年11月23日、3代目テリオスをインドネシアで発表。2018年1月3日から販売を開始しました。トヨタへは「ラッシュ」としてOEM供給され、フィリピンやアラブ首長国連邦、南アフリカなどへも展開されています。
2018年8月、GIIAS2018で特別仕様車「テリオス カスタム」を初出展。
2023年6月8日、マイナーチェンジを実施。エクステリア、インテリア、安全装備が更新され、全長は4,455mmとなりました。
2023年12月、ダイハツの認証不正問題を受けてインドネシアのADMも出荷を一時停止。同月22日にインドネシア国内向けの出荷を再開しています。
2024年7月、GIIAS2024でカスタマイズモデル「テリオス グラファイト」を初公開。
2025年11月、GJAW2025でカスタムモデル「テリオス ドレスアップ アルトスタイル」を出展しました。
2026年7月時点で、3代目テリオスは現役です。フルモデルチェンジや生産終了に関する公式発表はありません。
| テリオスのモデル | 販売年表 |
|---|---|
| 初代 J100/102/122G型 | 1997年~2006年 |
| 2代目 J200/F700型 | 2006年~2018年 |
| 3代目 F800/F850型 | 2017年発表(2018年発売)~現在 |
テリオスは日本で新型ビーゴとして販売されるのか?

テリオスは1997年に登場し、2006年にビーゴへとフルモデルチェンジ、2016年に日本での販売を終えた普通車のSUVです。インドネシアではテリオスの名前で販売が続き、3代目となった現在も好調な売れ行きを維持しています。
3列シート7人乗りという仕様は、当時の日本ではトヨタのランドクルーザー、日産のエクストレイル、マツダのCX-8、三菱のパジェロなど、SUVのフラッグシップやファミリーSUVに限られた構成でした。その後、CX-8は2023年12月下旬に生産を終えて後継のCX-80へバトンタッチし、パジェロも国内ラインナップから姿を消しています。3列シートSUVという枠組み自体は残ったものの、価格帯はむしろ上昇し、エクストレイルの3列仕様でも400万円を超える水準です。
いずれも3ナンバーの大きなボディである以上、5ナンバーサイズで3列シートという需要は、いまなお日本で満たされていません。その意味で、テリオスは日本に導入されていれば独自のポジションを築けた可能性がある一台でした。
ただし、ダイハツが日本で普通車SUVを再展開する動きは見えず、この空席が近いうちにテリオスによって埋まる見込みは、現時点では低いと言わざるを得ません。















