ルノー カジャー特別仕様車

ルノー カジャーは2022年7月に生産終了 累計68万台 後継オーストラルの日本導入は未発表

カジャーの後継オーストラルは日本で買えるのか。2022年3月の欧州発表から2025年の大幅改良まで整理し、ルノー・ジャポンが導入を発表していない理由と、Cセグ枠を担うアルカナ(459万円〜)との関係を解説します。

ルノー カジャーは2022年7月に生産終了 累計68万台 後継オーストラルの日本導入は未発表

ルノー・カジャーは2022年7月に生産終了 後継は新型SUV「オーストラル」へ

結論から言えば、カジャーはすでに現行モデルではありません。欧州でのバトンは「オーストラル」に渡り、パワートレインもフルハイブリッド中心へと様変わりしました。日本市場にはオーストラルの導入計画が公式には示されておらず、カジャーが担っていた枠は事実上クーペSUV「アルカナ」が引き継いでいます。

生産終了は2022年7月 累計68万5261台でその歴史を閉じる

カジャーの生産は2022年7月中旬をもって終了しました。スペインのパレンシア工場と中国・武漢工場での累計生産台数は685,261台に達しています。欧州での販売ピークは2016年(約13万台)と2017年(約11万台)で、その後はディーゼル離れと電動化の波を受けて数字を落としていきました。ルノーがハイブリッド戦略へ舵を切るなかで、非電動のパワートレインしか持たないカジャーは役目を終えた、というのが実態です。

中国では2016年から東風ルノーの武漢工場で生産されましたが、2020年にルノーが同社との乗用車合弁から手を引いたことで現地生産も終了。オーストラリア市場でも2019年の導入から2年ほどで撤退しており、終盤は欧州専用車に近い立ち位置となっていました。

後継オーストラルは2022年3月発表 システム出力200psのE-TECHフルハイブリッドを核に

後継モデルの車名は2021年12月6日に「AUSTRAL(オーストラル)」と予告され、2022年3月8日に正式発表、欧州では同年秋から販売が始まりました。ラテン語で「南の」を意味する車名を持つこのSUVは、ルノーの新しいロザンジュ(ひし形)エンブレムを初めて纏ったモデルでもあります。

ボディサイズは全長4,510mm×全幅1,825mm×全高1,618mm、ホイールベース2,667mm。カジャー(全長4,450mm)よりひと回り伸びました。プラットフォームは同じCMF-C/D系ながら最新の「CMF-CD3」へ更新され、日産の3代目キャシュカイと基本を共有します。

パワートレインは全車が電動化されました。中心となるのは1.2L直列3気筒ターボ(130ps/205Nm)+モーター2基+1.7kWhバッテリーで構成されるE-TECHフルハイブリッドで、システム総合出力は200ps、0-100km/h加速は8.4秒を公称します。ほかに48Vマイルドハイブリッド(1.2L・130ps)と12Vマイルドハイブリッド(1.3L・140ps/160ps)が用意されました。上級グレードには後輪操舵「4CONTROL advanced」が組み合わされ、逆位相の最大舵角5度によって最小回転半径10.1mという小回りを実現しています。アルピーヌのエッセンスを注いだ「エスプリ アルピーヌ」が新設されたのも、この世代からのトピックです。

2025年には早くもビッグマイナーチェンジを実施

オーストラルは2025年4月に大幅改良モデルが発表され、同年6月末から欧州で導入されました。フラッグシップSUV「ラファール」と親和性の高い新しいフロントマスク、遮音性の引き上げ、乗り心地の改善が柱です。エンジンは整理され、1.3L直4ターボ+マイルドハイブリッド(160ps)と1.2L E-TECHフルハイブリッド(200ps)の2本立てとなりました。生産は引き続きパレンシア工場が担当しています。発売から3年足らずでここまで手を入れたことは、オーストラルがルノーにとって数量的にも重要な柱へ育っていることの裏返しだと見ています。

「カジャー後継の日本導入」の噂はどうなったのか

オーストラルの登場当時から「カジャーが日本で売られていたのだから、後継も来るのではないか」という期待がささやかれ、2024年の改良新型の話題が出た際にも同様の見方が出ていました。しかし2026年7月現在、ルノー・ジャポンからオーストラルの日本導入は発表されていません。現在の日本のラインナップはルーテシア、キャプチャー、アルカナ、カングーの4本柱で、カジャーが空けたCセグメントSUVの席は、2022年5月に上陸したクーペSUV「アルカナ」が埋めた格好です。

今後の導入可能性については、低いと見ています(公式未発表のため、あくまで観測です)。根拠は3点あります。第一に、カジャー自身が日本で1年半・累計256台という結果に終わっており、同クラスの実績が乏しいこと。第二に、アルカナがフルハイブリッドE-TECHを積んで459万円前後という価格帯を押さえており、オーストラルを追加すると社内で車格と価格が完全に重なること。第三に、ルノー・ジャポンは近年、車種を絞って各モデルを磨く方針を続けており、2025年から2026年にかけてもキャプチャー、カングー、ルーテシア、アルカナの改良を順に投入し、2026年7月1日には原材料費・物流費高騰を理由とした一律10万円の値上げに踏み切っています。数を売れる保証のないCセグメントSUVを新たに1車種増やす動機は、現状では見つけにくいというのが率直なところです。

カジャーの歩みを年表で整理

時期 区分 内容
2015年3月 デビュー ジュネーブショーで初代カジャーを世界初公開。4月から欧州発売
2016年 生産拡大 中国・武漢工場(東風ルノー)で現地生産を開始
2017年8月31日 限定車(日本) 100台限定の先行限定車「カジャー BOSE」を344万円で発売
2018年4月 カタログモデル(日本) 通常モデル「インテンス」を347万円で追加(4月5日発表/12日発売)
2018年10月 マイナーチェンジ(欧州) パリショーで改良型を公開。1.3L TCeなど新エンジン群を採用
2019年春 販売終了(日本) ルノー・ジャポンの公式ラインナップから消滅。累計256台
2020年 生産終了(中国) ルノーの東風との乗用車合弁撤退にともない現地生産を終了
2022年3月 後継発表 後継モデル「オーストラル」を欧州で発表
2022年7月 生産終了 パレンシア工場での生産を終了。累計685,261台

欧州では2018年にマイナーチェンジ 1.3L TCeへ刷新されたが日本には届かず

カジャーは2018年10月のパリモーターショーで改良型を公開し、翌2019年から本格的に切り替わりました。外観はグリルが拡幅されてフォグランプまわりが再造形され、上級仕様にはフルLEDが与えられています。内装では7インチのタッチスクリーンが面一(つらいち)で埋め込まれ、空調はデジタル表示を内蔵したダイヤル式に変更。本稿の後半で紹介する初期型のインパネと見比べると、質感の底上げがはっきり分かる部分です。

最大の変更点はエンジンです。日本仕様が積んでいた1.2L(H5F型)に代わり、ダイムラーと共同開発した1.3L直列4気筒ターボ「TCe」が投入され、140ps仕様と160ps仕様の2本立てとなりました。ディーゼルも1.5L Blue dCi 115と1.7L Blue dCi 150(4WD設定あり)へ刷新されています。もっとも、この改良型が日本へ導入されることはありませんでした。日本で売られたカジャーは、最後まで1.2L・131psの前期型のみだったことになります。

日本では2018年4月にカタログモデル「インテンス」が登場するも、2019年に販売終了

100台限定のカジャー BOSEが完売したことを受け、ルノー・ジャポンは2018年4月5日に通常モデルを発表し、同月12日に発売しました。グレードは「INTENS(インテンス)」の1本のみで、価格は347万円。限定車から3万円のアップです。

装備の中身は入れ替えが行われました。ボディカラーは限定車の「ブラン ナクレ」1色から、「ルージュ フラム」「ブルー コスモス」「グリ チタニウム」を加えた4色展開に拡大。シートはファブリックとレザー調のコンビからシートヒーター付きのレザーへ格上げされました。その一方で、限定車の目玉だったBOSEサウンドシステムと大型パノラミックルーフは省略されています。つまり本稿の後半で紹介する「BOSEとパノラマルーフが標準」という構成は、結果的に100台限定車だけの特権でした。当時「本格導入時にはオプション扱いになるのでは」と書きましたが、実際にはオプションですらなく、選ぶことができなくなったというのが答えです。

しかし販売は伸びませんでした。2019年3月29日にルノー・ジャポンの公式サイトからカジャーのページが消え、以降は在庫販売のみに。日本での累計販売台数は2019年3月末時点で256台にとどまりました。エクストレイル/キャシュカイと素性を共有する堅実な実用SUVで、走りも作りも真っ当だっただけに、逆に「これという飛び道具がなかった」ことが日本では響いた格好です。輸入車のCセグメントSUVという最も競争の厳しい土俵で、キャラクターの立ったルノー車が並ぶ自社ラインナップの中に埋もれてしまった、と見るのが妥当でしょう。

ルノーのミドルクラスSUVカジャーは100台限定の先行販売で日本上陸した(2017年8月)

ここからは、2017年当時に日本上陸を飾った特別限定車「カジャー BOSE」がどのような一台だったのかを振り返ります。ルノーがミドルクラスSUVとして送り込んだカジャーは、2017年8月31日、100台限定・344万円で先行発売されました。

カジャーは同社のコンパクトSUVキャプチャーの上位に位置づけられ、ボディサイズもCセグメントに属します。
日本車で言えばトヨタのハリアー、輸入車で言えばフォルクスワーゲンのティグアンがライバルに相当しました。
メガーヌIIIの販売終了で空いていたCセグメントを埋める狙いもあり、通常グレードの導入に先駆けて限定車が投入された、という経緯です。

カジャーのエクステリアはキャプチャーにも似たハイセンスなデザイン

キャプチャーのエクステリアキャプチャーのエクステリア

カジャーのエクステリアカジャーのエクステリア(2017年当時の日本仕様)

カジャーは、当時のキャプチャーとよく似た顔つきを持っていました。
違いの1つとして、カジャーのヘッドライトに組み込まれたLEDデイタイムランプは外周を囲むように配置されていますが、キャプチャーは上下に分割されています。
フォグランプまわりの処理にも差異が見て取れました。

サイドに回ると、下部の樹脂パーツに与えられた加飾はカジャーもキャプチャーも共通。リヤのテールランプもキャプチャーと同じ流儀のデザインでまとめられています。

19インチの大径アルミホイールが迫力のあるスタイリングを演出

カジャーの19インチアルミホイール

特別仕様車のカジャー BOSEには、19インチの切削アルミホイールが標準装備されました。SUVらしい力強さとフランス車らしいエレガンスを両立させる大径ホイールが、エクステリアを華やかに彩ります。

カジャーのインテリアはスポーティ仕様で気分を盛り上げる

カジャーのインパネ

ブラックを基調にシルバーのラインを走らせた内装はスポーティな印象で、ステアリングから手を離さずに主要な操作を完結できる利便性も備えていました。

カジャーのメーター

コクピットのセンターパネルにはTFTフルカラー液晶を搭載。その日の気分に合わせて、レッド、ブルー、ブラウン、グリーンの4色から表示色を選べました。

カジャーのシート

シートは限定車のカジャー BOSE専用に仕立てられた、ファブリックとレザー調素材のコンビシートです。
なお、後に追加された通常モデル「インテンス」では、この専用コンビシートに代わってシートヒーター付きのレザーシートが与えられました。

マルチメディアシステム R-Link 2を搭載

カジャーの7インチタッチスクリーン

インパネ中央に据えられた7インチのタッチスクリーンからは、車両システムの情報やマルチメディア機能、電話などへワンタッチでアクセスできます。

カジャーのマルチメディア機能

AndroidとiPhoneの双方に対応したミラーリング機能(スマートフォンの画面をスクリーンに映し出す機能)を備えるため、手持ちのスマートフォンに入れた動画や音楽を車内で楽しめました
タッチスクリーンから直接操作することも可能です。

6人までのパーソナライズ設定(言語やオーディオ、エアコンの好みを個別に記憶)にも対応し、ドライバーが替わっても以前の設定を呼び出せます。

日常使いでもレジャーでも活躍する多彩なシートアレンジ

カジャーの6:4分割シートアレンジ

カジャーはレジャーでも普段の買い物でも扱いやすいシートアレンジを備えていました。後席を6:4分割で倒せるため、後席に人を乗せたままスキー板やゴルフバッグといった長尺物を積むことができます。

カジャーのフルフラットモード

後席をすべて倒せばフルフラットモードとなり、527Lのラゲッジルームをさらに広く使えます。レジャーの荷物運びや、食材をまとめ買いした帰り道でも頼りになる部分でした。

カジャーのイージーフォールディング機能

シートアレンジは、ラゲッジルームの左右とリアシートの肩口に設けられたレバーによるイージーフォールディングで操作します。
リアシートの操作をラゲッジ側から完結できるのは、荷物を抱えたままの積み込みで効く実用的な機能です。

1.2L直噴ターボエンジンで最高出力131PS・最大トルク205Nmを発生

カジャーのパワートレイン

日本仕様が積んだのは、最高出力131PS、最大トルク205Nmを発生するH5F型1.2Lダウンサイジングターボです。低回転域から力強く加速するよう電子制御され、組み合わされるトランスミッションは湿式多板クラッチを備えた7速EDC、駆動方式はFFのみでした。
繰り返しになりますが、欧州でこの1.2Lは2018年の改良で1.3L TCeへ置き換えられており、日本にはその新エンジンが導入されないまま販売が終わっています

小排気量でボディが大きいことから出足や加速を不安視する向きもありましたが、レスポンスは素直で、街乗りから高速巡航まで不足を感じさせない仕上がりでした。
ヒルスタートアシスト(坂道発進時の後退を防ぐ機能)も備わり、急な坂道でも落ち着いて発進できます。

カジャーはルノーの運転支援システムADASを搭載

ADASとは、2台のカメラと12個のセンサー、前方のミリ波レーダーで周囲を監視するルノーの安全支援システムです。2017年当時としては、輸入Cセグメントとして十分に競争力のある内容でした。

カジャーの車線逸脱警報

時速70km/h以上の走行時に車線逸脱をブザーで知らせるLDW(車線逸脱警報)。

カジャーの後側方車両検知警報

時速30km/h〜140km/hで作動し、死角から接近する車両に注意を促すBSW(後側方車両検知警報)。

カジャーのオートビーム機能

対向車と先行車を検知してハイビームとロービームを自動で切り替えるオートビーム機能。

カジャーのエマージェンシーブレーキサポート

時速30km/h〜140km/hでの走行中、前方車両との衝突の可能性がある場合に自動緊急ブレーキを作動させて被害を軽減するエマージェンシーブレーキサポート。

カジャーのイージーパーキングアシスト

縦列駐車やバック駐車の際、ステアリング操作をクルマ側が受け持つイージーパーキングアシスト。

とりわけイージーパーキングアシストは駐車スペースの探索まで自動で行うため、駐車が苦手な人には心強い装備でした。
ドライバーは表示に従ってアクセルとブレーキを調整するだけで駐車が完了します

限定車カジャー BOSEは合計9つのユニットで迫力のサウンドを再生

カジャーのサラウンドシステム

先行販売された特別仕様車のカジャー BOSEには、車両専用に設計されたBOSE製サラウンドシステムが奢られていました。構成は次のとおりです。

  • ハイミッドレンジスピーカー 1つ
  • ネオジム ツイーター 2つ
  • ワイドレンジスピーカー(フロント) 2つ
  • ワイドレンジスピーカー(リア) 2つ
  • ベース(低音)帯域用スピーカーユニット 1つ
  • デジタルアンプ 1つ

合計9ユニットで構成される音響システムは、運転席・助手席・後席のいずれでもコンサートホールのような広がりを味わわせてくれます。
上位車種でもオプション扱いになりがちなBOSEの音響システムを標準装備した点は、この限定車最大の価値でした。前述のとおり、後の通常モデル「インテンス」ではこの装備が姿を消しており、いま中古車を探す際にBOSE付きを狙うなら、この100台の中から選ぶしかありません。

大型パノラマルーフやBOSEロゴ入り加飾を追加

カジャーのパノラマルーフ

カジャー BOSEには1,000×860mmのサンシェード付き大型パノラマルーフが標準装備されていました。オプション設定になることの多い装備だけに、限定車ならではの厚遇と言えます。

BOSEのメッキグリル

BOSEのキッキングプレート

BOSEのメタルバッジ

ドア内側のスピーカーグリル、ドア下のキッキングプレート、フロントフェンダーのバッジには、それぞれBOSEのロゴ入りメタルパーツが与えられました。
所有欲を満たす小物が随所に散りばめられていたわけです。

カジャーのスペックをライバル「ハリアー」「ティグアン」と比較(2017年当時)

カジャーのライバルだったハリアー当時のライバル、3代目トヨタ・ハリアー(2.0Lターボ)

カジャーのライバルだったティグアン当時のライバル、2代目フォルクスワーゲン・ティグアン

以下は、日本上陸当時(2017年)のカジャーを、同時期のトヨタ・ハリアー(3代目)とフォルクスワーゲン・ティグアン(2代目)と並べた比較です。いずれも当時の値であり、現行世代の数値ではない点にご注意ください。

カジャー(2017年日本仕様) ティグアン(2代目) ハリアーターボ(3代目)
全長 4,450mm 4,500mm 4,725mm
全幅 1,835mm 1,840mm 1,835mm
全高 1,610mm 1,675mm 1,690mm
車両重量 1,420kg 1,540kg 1,700kg
総排気量 1,197cc 1,394cc 1,998cc
使用燃料 無鉛プレミアム 無鉛プレミアム 無鉛プレミアム
乗車定員 5名 5名 5名

ちなみに、この2台のライバルはその後どちらも世代交代を果たしています。ハリアーは2020年6月に4代目へフルモデルチェンジし、2.0Lターボは姿を消して2.0Lガソリンと2.5Lハイブリッド(後にPHEVも追加)へ再編。ティグアンは2024年11月に3代目が日本発売となり、全長4,545mm、1.5L eTSI(48Vマイルドハイブリッド/150ps)と2.0L TDI(193ps)という布陣で、価格は487万1000円からとなりました。カジャーが去ってからの数年で、このクラスの主戦場は完全に電動化と500万円級の価格帯へ移った、というのが率直な実感です。

限定車カジャー BOSEは、いま振り返ると希少な一台になった

ルノーカジャー

100台限定で登場したカジャー BOSEは、高性能な音響システム、大型パノラマルーフ、19インチアルミホイールをすべて標準装備した、コストパフォーマンスの高い一台でした。当時は「本格導入されればこれらはオプションになるかもしれない」と書きましたが、蓋を開ければ通常モデルではBOSEもパノラマルーフも設定されず、この100台だけの装備として終わっています。

そしてカジャーそのものも、日本では2019年春に、欧州では2022年7月に幕を下ろしました。いま新車で買うことはできず、選択肢は中古車のみです。日本での累計販売は256台。突出した個性はなかったかもしれませんが、シートの出来やしなやかな乗り味は紛れもなくルノーのそれで、街で見かける機会がほとんどないという意味では、皮肉にも「希少なフランス車」になりました。後継のオーストラルが日本に上陸する見込みが立たない以上、この味を求めるなら、程度の良い一台を丁寧に探すのが現実的な答えになりそうです。