映画『TAXi』の車はプジョー406だけじゃない!シリーズ劇中車20車種
映画『TAXi』の車といえば、主人公が乗るプジョー406がもっとも有名ですが、敵役の車として登場するメルセデス・ベンツやBMWなどの美しい高級車も見どころの1つ。また、実は警察車両などのちょい役も含めて、日本車も多数登場しています。
『TAXi』シリーズは、フランス映画界の名匠リュック・ベッソンが製作したカー・アクション・ムービー。2018年には新作『TAXi ダイヤモンド・ミッション』も公開(日本公開は2019年1月)されています。
『TAXi』1から、5の『TAXi ダイヤモンド・ミッション』まで、ハリウッドでのリメイク版『TAXI NY』も含めて、劇中車を紹介します!
『TAXi』(1998年)に登場した車
後に20年にわたる大ヒットシリーズとなる『TAXi』の記念すべき1作目。
スピード狂のタクシー運転手ダニエル(サミー・ナセリ)と、運転下手でドジな刑事エミリオン(フレデリック・ディーファンタル)がコンビを組み、犯罪捜査を行うという設定は以後のシリーズすべてに共通しています。
二人のコミカルなやり取り、疾走感のあるカーチェイスシーンこそが映画『TAXi』の原点であり、全シリーズの根幹といえるでしょう。
プジョー 406
「猫足」と呼ばれるしなやかな足回りに定評のあるプジョー。406は実際にフランスではタクシー採用が多い中型車。エレガントな外観だが、劇中ではボタン一つでエアロもりもりのレーシングカー仕様になる魔改造!
メルセデス・ベンツ 500E
強盗団メルセデスの車。W124のスポーティモデルであり、開発にはポルシェが関わるなど、高いパフォーマンスを発揮した名車。日本での人気が特に高く、正規輸入・並行輸入あわせて3分の1が存在したと言われる。
ダラーラ F396
TAXiラストシーンに登場したF3への出場車両。ダラーラは現在はF3で圧倒的なシェアを誇っているイタリアのコンストラクター。劇中車は1996年製造車で、フィアットのエンジンを搭載。
『TAXi2』(2000年)に登場した車
2000年に公開された『TAXi2』は、日本の防衛庁長官がマルセイユ警察を視察に訪れるという設定で、敵役の車は三菱のランサーエボリューションVIと、日本の観客からすると特に印象深い作品です。
おかしな日本文化のオンパレードで、ツッコミどころは満載ですが、ジベール署長の「コンニションアー」や車のエンジンをかける際の合言葉が「ニンジャー」なのには思わず笑ってしまいます。
三菱 ランサーエボリューションVI
TAXi2でヤクザの若頭方のが搭乗したのは黒のエボVI(1999年発売)。空気抵抗の削減、冷却性能の向上を目的に、ナンバープレートを左側に移動させた。劇中では「千葉」ナンバーを装着。初の特別仕様車トミー・マネキンも人気。
メルセデス・ベンツ・Eクラス(W124)
メルセデス・ベンツ初代Eクラス(1985~1995年)。「最善か無か」という高い理想のもと製造されたモデルであり、中古車の人気も高いが、近年は程度の良い個体が減少中。TAXi1(500Eモデル)と2に続けて登場。
プジョー 605
TAXi2でマルセイユ警察が作った特別送迎車コブラ(「ニンジャ」と叫ぶとエンジンが始動)のベース車。長年、後輪駆動を貫いてきたプジョーだが、605はシトロエン・XMがベースの前輪駆動。1989~99年製造。
プジョー 306MAXI
WRCに参戦していたラリーカー。90年代のWRCで構想されたF2キットカーの名車であり、FFでありながら、当時主流だった4WDターボとターマック(舗装路)では互角の勝負を繰り広げるなど、フランスを熱狂させた1台。
AMX-30
1965~1974年頃まで量産された戦車。第二次世界大戦をきっかけに、自国での戦車開発が途絶えていたフランスだが、AMX-30はドイツとの共同開発に成功。タミヤのプラモデルには「ナポレオン」の愛称がつく。
『TAXi3』(2002年)に登場した車
雪上でのカーアクションを取り入れた3作目。
ライバル車であるスバル・インプレッサWRCと三菱ランサーエボリューション、どちらも劇中車として登場しています。
冒頭では、シルベスター・スタローンがダニエルのタクシーに乗って空港へ急ぐ客としてカメオ出演しています。こうしたスターのカメオ出演は、後のシリーズでも時折見られるようになりました。
スバル インプレッサWRC(GDB)
TAXi3でスノーラリーをしていた車。ワイスピICE BREAKなど「雪上カーアクション」となるとスバル車が投入される確率高し。フランスでは高速道路の取り締まり車両にも採用されたが、劇中ではランエボ7がその役を担っていた。
三菱 ランサーエボリューションⅦ
2001年販売。ランエボ第3世代だが、第二世代より価格が安いという異例の事態。TAXi3でフランス高速道路警備隊パトカーとして登場するも(実際イギリスでも採用されていた)、ダニエルのプジョー406に逃走される。
『TAXi4』(2007)年に登場した車
スピード狂のタクシー運転手ダニエル(サミー・ナセリ)と間抜けな刑事エミリアン(フレデリック・ディーファンタル)のコンビとしてはラストとなった4作目。
特筆すべきは、ダニエルの愛車だったタクシーのプジョー406がモデルチェンジしたため、劇中車を新型プジョー407に変更した点です。
なお、『TAXi3』のシルベスター・スタローンに続き、フランス代表のサッカー選手ジブリル・シセがカメオ出演しています。
プジョー 407
406のフルモデルチェンジにより、TAXi4以降はダニエルの愛車も407へ!切れ長のヘッドランプとシャープさを増したフォルムで猫っぽいエクステリアに。2004~2011年販売。セダン、SW、クーペの3タイプが存在。
『TAXi ダイヤモンド・ミッション』(2018年)に登場した車
『TAXi4』から10年以上の時を経て、日本では2019年1月に公開された最新作『TAXi ダイヤモンド・ミッション』。劇中でも『TAXi4』から10年の歳月が流れたという設定で、主人公とその相棒も変更になりました。
『ダイヤモンド・ミッション』では、主人公はスピード狂の問題児警官マロ、相棒は前作の主人公だったダニエルの甥で、間抜けなタクシー運転手マクルーです。
劇中車として、かつてダニエルが運転していた「プジョー407」が登場しますが、それ以外にもフェラーリ458イタリアやランボルギーニ アヴェンタドールなど、現代のスーパーカーが登場するのも特徴の1つでしょう。
フェラーリ 458イタリア
2009~15年製造のミッドシップ。最高速度325km/h、0-100km加速3.35秒、空力性能に優れた軽量ボディとスペックは申し分ないが、運転にはコツが必要。エンジンは車名の由来にもなった4.5LのV8。日本発売価格は2,830万円~。
ランボルギーニ アヴェンタドール
2011~18年までのフラグシップモデル。新設計のV12エンジンを搭載し、公称最高速度は350km/h。日本販売価格は約4100万円、セミATのみでMTは存在しない。中東ドバイでパトカーとして採用された。
メルセデス・ベンツ Sクラス(W222)
メルセデス・ベンツのフラグシップモデル。現行型W222型の価格は1,138万円~。2016年にはセダン、クーペ、リムジンにプラスして、ラグジュアリー4シーターのカブリオレがW111以来44年ぶりに復活した。
ルノー メガーヌ 3代目
3代目は2008~2017年販売。ハッチバック、ワゴン、クーペカブリオレがラインアップするCセグメント車。スポーティモデルのR.S.の人気が日本では高く、中古価格も安定。「初めてのフランス車」として購入する人も多い。
ルノー カングー
1997年~2007年まで製造された小型MPVカングー1は、使い勝手の良い商用車兼レジャー向けの車として欧州を中心に人気を博す。2007年発売のカングー2はボディが大型化。日本でも販売台数が右肩上がりのヒットカーとなった。
リメイク版『TAXI NY』(2004年)に登場した車
ハリウッド版リメイクにあたる『TAXi NY』。
舞台はマルセイユではなくニューヨーク、改造タクシーはフォード・クラウンビクトリアに設定されました。
主人公のタクシードライバーはベル(クイーン・ラティファ)という女性運転手で、相棒になる間抜けな警官は男性ですが、敵役の強盗団は美女集団と、オリジナル版とは性別が変更されています。
フォード クラウンビクトリア(2代目)
リメイクの NY版でのタクシーはクラウンビクトリア(もちろん改造車)。1990年代後半から2000年代のNYイエローキャブの大定番。しかし、実は撮影に使っていた車両はビクトリア風に改造したマスタングである。
BMW 760Li(第4世代)
オリジナル版TAXiでは赤のメルセデス・ベンツ500Eだったが、NY版ではBMW7シリーズに変更。トップグレード760Liは6.0Lの新型V12エンジンを搭載。この車をベースに世界初の量産水素燃料車ハイドロジェン7も誕生。
BMW M3 コンバーチブル(E46)
ツーリングカーレース出場を目指して開発されたM3。劇中車は2000~2006年に発売された3代目E46型で、コンバーチブルは日本未発売。M3最後のNA直6エンジン搭載車であり、スムーズな吹け上がりが魅力。
大宇 ラノス
大宇自動車(韓国GM)が生産していた小型乗用車。2002年に生産を中止した後は、ロシアなどでノックダウン生産され、ウクライナでは2014年頃までベストセラーカーだった。TAXi NYの刑事ウォッシュバーンの母親の車として登場。
TAXiは車好き必見のおすすめ映画!
爽快で迫力あるカーチェイスと、捜査中とは思えないドタバタコメディが魅力の『TAXi』シリーズ。荒唐無稽なカーアクションは、後の映画にも大きな影響を与えています。
『TAXi』シリーズは、上映時間がおおよそ100分以内というのも嬉しいポイントの1つ。
肩肘張らずにリラックスしながら鑑賞できるので、笑いたいとき、気楽に見返すのにオススメの映画です。マルセイユの街を疾走するプジョー406&407タクシーの姿から元気をもらいましょう!