湾岸ミッドナイトの車~首都高最速を争ったスポーツカーは名車揃い!
『湾岸ミッドナイト』に登場した車、「悪魔のZ」の異名で知られるフェアレディZをはじめ、島達也のポルシェ911通称「ブラックバード」、「Rのヴィーナス」と呼ばれる秋川レイナのR32GT-Rなど、登場人物たちの愛車とその特徴を解説。
1990~2008年まで連載が続いた楠みちはる作『湾岸ミッドナイト』。
続編・派生作品として『湾岸ミッドナイト C1ランナー』『銀灰のスピードスター』『首都高SPL銀灰のSPEEDSTER』が存在し、ゲーム作品が多数制作されているのも特徴です。
記事では、漫画『湾岸ミッドナイト』に登場した車種を中心に、関連性の深い続編である『湾岸ミッドナイト C1ランナー』の劇中車も一部紹介します。
悪魔のZやブラックバードなど『湾岸ミッドナイト』の劇中車を画像つき解説
『湾岸ミッドナイト』でもっとも重要なクルマ「悪魔のZ」をはじめ、首都高での公道バトルに魅せられた登場人物たちの愛車を紹介します。
フェアレディZ S30
「悪魔のZ」を思わせるブルーの初代フェアレディZ
輸出モデル240Z 海外でも高い人気を誇っている
『湾岸ミッドナイト』の裏主人公ともいえる「悪魔のZ」。ベースはダットサン・フェアレディの後継として誕生した初代Z(1969~1978年)。現在は世界的に人気のクラシックカーとなっており、状態の良いものは1000万円を超える価格で取引される例も。
ポルシェ911ターボ 930型
930ターボ 日本での販売開始は1976年~
ブラックバード島達也の愛車。1975年に販売が開始されたターボポルシェ。最高出力260 PS/5,500 rpm。日本仕様は245PSで販売された。作者・楠みちはるの別作品『あいつとララバイ』の「水曜日のシンデレラ」その子の愛車としても登場。
ポルシェ911ターボ3.6 964型
911ターボ3.6(964型) 赤いブレーキキャリパーがおしゃれ
島達也の愛車を思わせる黒い911ターボ3.6(964型)
湾岸の帝王・ブラックバード島の愛車。ターボ3.6(3600ccの意味)は1993年発売されており、日本への正規輸入は約60台の希少車。M64/50型エンジンにより、最高出力は360PS/5,500rpm、最大トルク520Nm。レッドのブレーキキャリパーを装備。
スカイラインGT-R BNR32
R32スカイラインGT-R 秋川零奈の愛車と同じクリスタルホワイト
専用設計の2.6リッター直6DOHCツインターボ「RB26DETT」型搭載。16年ぶりのGT-Rであり、ATTESA E-TSなどの最新デバイスを搭載。秋川レイナの愛車として有名だが、妊娠中の妻がいながらスピードの世界に戻った平本洸一が選んだ車としても印象深い1台。
フェラーリ・テスタロッサ
フェラーリ・テスタロッサ(1984~1992年)バブルの日本でも高い人気を誇った
カメラマン・イシダヨシアキの愛車。180度V型12気筒エンジン搭載のスポーツカー。イシダは600馬力までチューンしていたが、ノーマルでも公称390PS/6,300rpm(欧州モデル)、最高速度290~300km/hを誇る。日本で人気の高いフェラーリ車の1つ。
フェアレディZ Z31
フェアレディZ(輸出モデル300ZX)
ロングノーズ・ショートデッキは維持されるも、フロントマスクが大きく変更された1983~1989年生産3代目Z。後に直6モデルが追加ラインアップされるも、販売時は全グレードV6ターボ。悪魔のZに出会う前のアキオは2by2、原田は2シーターが愛車。
フェアレディZ Z32
Z32 獲物に飛び掛かる動物をイメージした「ワイド&ロー」のエクステリア
1989~2000年生産4代目Z。ツインターボモデルはスカイラインGT-Rなどともに300PSで発売しようしたが、運輸省の指導により280PS/6,400rpm(輸出モデルは予定通り300PS)。日本の馬力規制はこのZ32に合わせた結果と言われている。
スカイラインGT-R BCNR33
R33型スカイラインGT-R V-Spec
1995~1998年生産。ホイールベースを延長し、ボディを大型化したことで批判を受けやすいR33。同時代の車マンガ『頭文字D』では登場人物がR33を「日産の失敗作」と酷評するが、『湾岸ミッドナイト』では黒木隆之が直進安定性の高さを絶賛している。
スカイラインGT-R BNR34
ヒルクライム中のR34スカイラインGT-R
R34スカイラインGT-R 象徴ともいえる4連の丸型テールランプ
1999~2002年生産、最後のスカイラインGT-R、最後の直列6気筒エンジン搭載モデル。海外人気も非常に高く、2024年にアメリカの「25年ルール(製造後25年経過した車は輸入や公道走行が可能になる)」が適応される影響もあり、価格高騰中。
GT-R R35
日産GT-R 2010年に追加された上級モデルEGOIST
GT-R専用のPMプラットフォーム採用しており、前53-54:後46-47と加速や減速時の動力性能も考えて前後重量配分を最適化。3.8LのV型6気筒VR38DETT型を搭載、販売当初は480馬力、イヤーモデル制で改良を続けており、2017年モデルは570馬力。C1ランナー劇中車。
スープラ JZA80
映画『ワイルドスピード』の影響もあり海外でも人気の高い80スープラ
ケイこと相沢圭一郎の愛車は、1993~2002年生産トヨタ・スープラJAZ80型。ターボ仕様は280PS/ 5,600rpm。搭載されている2JZエンジンは1000馬力の高出力にも耐えうる名機であり、チューニングカーのベースとしても人気。
セリカXX 2800GT MA61
リトラクタブルヘッドライトにシャープなボディがかっこいいセリカXX
セリカXX MA61型
1981~1986年に日本ではセリカXX、北米ではスープラの車名で販売されていたスポーティーカー。「幻の最高速ランナー」相沢洸一の愛車は2.8L直列6気筒エンジン搭載2800GT。空力特性も高く、最高速度は約200Km/h。
サバンナRX-7 FC3S
RX-7 FC3S(1990年モデル)
「ロータリーターボ」の文字が刻まれたRX-7 GT-Xのエンジンルーム
1985~1992年生産、2代目RX-7。インタークーラー付きツインスクロールターボチャージャー搭載の13B型ロータリーエンジン。ポルシェ944と比較されるほどの高い運動性能で、RX-7の人気を不動のものにした。『湾岸』では城島洸一のエピソードが印象的。
RX-7 FD3S
RX-7 FD3S 『頭文字D』では主役級の扱いで高い人気を誇った名車
1991~2003年販売、3代目RX-7(通称FD)。初代SA、2代目FCと違い、曲線美を感じさせるスタイリング。「コンパクト」というロータリーエンジンの特徴を生かして理想的な前後重量配分を追求。マツダ100周年記念の歴代車種人気投票では2位にランクイン。
セルシオ UCF10
セルシオ UCF10 画像はコイルサスペンション装備のA仕様
「がっちゃん」こと佐々木元の愛車として登場する1989~1994年販売の初代セルシオ。現在では当たり前になったキーを回すと文字が光る自発光式メーターを初めて採用した国産車。A・B・Cの3種類の基本グレードで、サスペンションがそれぞれ異なる。
ランサーエボリーションV CP9A
ランサーエボリーションV 全長4350×全幅1770×全高1415mmでエボ初の3ナンバー
ランサーエボリーションVのリヤ
神谷英次の愛車は1998年発売、第二世代のランエボV。キャッチコピーは「V次元の、瞬発力」。全幅1,770mmとワイドボディで3ナンバーとなり、タイヤも225/45ZR17へ拡大。グループAへの参戦を継続し、初のマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得。
ランサーエボリューションVI CP9A
高次元の進化を遂げたランサーエボリューションVI
スピード感あふれるランサーエボリューションVI のリヤ
英次の弟・神谷マキの愛車は1999年発売エボVI。WRCラリーレギュレーションの変更を受けて、空力パーツの改善と冷却効率の向上を図っている。フォグランプの小型化、ナンバープレートの左配置など、エクステリアの変更点も多い。
インテグラタイプR DC2
インテグラタイプR(1995~2001)
「Rキラー」の異名で呼ばれていた友也の愛車は初代インテR(DC2型は3ドアクーペ)。「手が届くタイプR」として大ヒット。搭載エンジンB18C Spec-Rは最高出力147kW(200PS)/8,000rpmと標準より20PS出力が向上。
S2000 AP2
AP2型S2000(2005~2009年)
岸田ユウジ搭乗車種。ホンダ29年ぶりのFRスポーツカー。オープンカーとは思えないほど高い剛性を誇る「ハイXボーンフレーム構造」に、50:50の前後重量バランス。AP2型はAP1型よりエンジンの最高回転数を抑えているが、その分トルクがあり扱いやすい。
スープラ JZA70
1986~1993年生産 通称「70(ナナマル)スープラ」
悪魔のZの元オーナー・朝倉晶夫が乗っていたクルマ。セリカXXから国内で初めて「スープラ」を名乗り、スポーツカーとしてのイメージを強めた。販売当初のカタログにはトヨタ2000GTを意識した「TOYOTA 3000GTスープラ」とある。プラットフォームはソアラと共通。
湾岸ミッドナイトには車好きなら胸に響く名言が溢れている!
湾岸MIDNIGHTの登場人物たちは、車を単なる機械ではなく、大切な相棒として考えています。
そんな文字通りの「愛車」を持ちながら、首都高を走り続ける人間もいれば、降りていく人間もいる。1度は降りたのに、舞い戻ってきてしまう人間もいる。
そうした人間の割り切れなさや人間模様が『湾岸ミッドナイト』の大きな魅力です。
また「地獄のチューナー」と呼ばれた北見淳やアキオに惚れ込んでいる高木優一など、車への情熱を持ち続けたまま年齢を重ねた大人たちの姿も非常に印象的です。仕事や人生への含蓄ある言葉に溢れているので、時々読み返してみるのもオススメです。