タイヤの空気圧チェック

タイヤ空気圧チェックは月イチが目安!セルフのやり方をチェック

タイヤ空気圧のチェックを怠っていると燃費が悪化する、走行性能が悪くなる、タイヤの寿命が早く来るなどデメリットが生じる。逆に空気圧を高めにすると乗り心地がふわふわする、ブレーキの効きが悪くなるなどのデメリットも生じるので適正に合わせる方法を紹介。

タイヤ空気圧チェックは月イチが目安!セルフのやり方をチェック

タイヤの空気圧をチェックする方法・頻度・目安

タイヤの空気圧が不適切であると、燃費の悪化、タイヤの偏摩耗による寿命の短縮、走行中のバースト(破裂)といった重大なトラブルに繋がる可能性があります。

一方で、タイヤの空気圧を適正に保つことで、燃費性能の維持・向上、安定した走行性能の確保、タイヤの寿命を延ばすことなど、多くのメリットが得られます。

ここでは、タイヤの空気圧をチェックする方法や頻度、適正空気圧を維持することの重要性について詳しくご紹介します。

タイヤの空気圧をチェックする方法

タイヤに空気を入れる男性

タイヤの空気圧チェックは、主にエアゲージ付きの空気入れ(エアタンクなど)を使用して行います。ガソリンスタンドやカー用品店では、セルフサービスで使える空気入れを無料で貸し出しているところが多く、ご自身でチェックすることが可能です。不安な場合は、店舗のスタッフに依頼してチェックしてもらうこともできます。

ご自身の車両に指定されているタイヤの適正空気圧(車両指定空気圧)は、一般的に運転席側のドアを開けたところにある開口部の付近に貼られたシールに記載されています。前輪と後輪で数値が異なる場合があるため、記載されている数値通りに空気圧を合わせるようにしてください。

空気圧の測定と調整は、タイヤが冷えている状態(走行前の状態)で行うのが原則です。長く走行してタイヤが温まっていると、タイヤ内部の空気の体積が膨張し、空気圧が高めに測定されてしまいます。

まず、タイヤのエアバルブキャップを外します。次に、空気入れのホースの先端をバルブに垂直にしっかりと差し込みます。「シュッ」と一瞬音が鳴り、エアゲージが数値を正確に示していれば成功です。

もし、「シュー」と断続的に空気の漏れる音が鳴り続けていたり、ゲージが「0」のまま数値を指さない場合は、正確に測定できていないため、ホースを差し込み直してください。

次に、ゲージが示している数値を確認しながら、トリガーを引いて空気を入れていきます。入れ過ぎた場合は、調整ボタンを押して空気を抜きながら調整します。ゲージが車両指定空気圧の数値を示したら調整完了です。これを前後4本分(スペアタイヤを含む場合は5本分)すべて行ってください。

※エアタンクや空気入れの機種によって、空気を入れる・抜く方法が異なりますので、使い方が分からない時はスタッフに確認してください。

タイヤの空気圧をチェックする頻度

空気圧をチェックする男性

タイヤの空気は自然に少しずつ抜けていくため、空気圧は段々と車両指定空気圧から低くなっていきます。燃費性能や走行性能の悪化を防ぐためにも、最低でも月に1回程度の点検が推奨されています。

タイヤの空気圧をチェックする主なタイミング

  • 最低でも月に1回程度
  • 夏・冬タイヤへ履き替えた時
  • カー用品店に行った時
  • ガソリンスタンドで給油した時

特に、夏タイヤから冬タイヤへ、または冬タイヤから夏タイヤへといった履き替え(タイヤ交換)を行った際には、必ず空気圧をチェックするようにしてください。長期間倉庫などに保管されていたタイヤは、自然に空気が抜けていることがほとんどです。

タイヤの履き替え後は、空気圧が車両指定空気圧より低くなっている可能性が高いので、まずは空気圧の調整を行うことが大切です。

また、月に1回程度は利用するガソリンスタンドで給油するついでに、空気圧の点検を行うと習慣化しやすいです。カー用品店やガソリンスタンドには、空気入れが設置されていることが多いので、それを使ってセルフで調整できます。

タイヤの空気圧が適正より低いデメリット

空気が抜けているタイヤ

タイヤの空気圧が車両指定空気圧より低いと、燃費の低下、異常発熱によるタイヤの損傷やバーストの危険性の増加、運動性能の低下など、様々なデメリットが生じます。

適正な空気圧が入ったタイヤは、トレッド面(路面と接する面)全体を使って均等に接地していますが、空気圧が低いとタイヤの両端(両肩)ばかりが路面に接するようになり、その部分の溝が先に減る「両肩摩耗(偏摩耗の一種)」が起こりやすくなります。これにより、タイヤの寿命が短くなります。

また、空気圧が低いとタイヤの変形が大きくなるため、転がり抵抗が増加します。これにより、同じ速度を維持するためにより多くの力が必要となり、燃料消費が早くなるため、燃費が悪化する原因にもなります。

さらに、タイヤが大きくたわむことで、内部に熱がこもりやすくなります。特に高速走行時など、異常な発熱はタイヤの内部構造を破壊し、走行中に突然バーストするリスクを高めるため、空気圧不足は最も危険な状態と言えます。

タイヤの空気圧が適正より高いデメリット

空気圧が適正のタイヤ

タイヤの空気圧を車両指定空気圧より高く設定すると、転がり抵抗が減るため燃費がわずかに向上する可能性はありますが、タイヤ中央が偏摩耗して寿命が短くなる、ブレーキ性能や安定性が低下する、乗り心地が悪化するといったデメリットが生じます。

空気圧が高すぎると、タイヤのトレッド面は中央が膨らんだ山なりの形状で路面に接地します。その結果、タイヤの中央部分だけが路面に強く接し、そこだけが異常に早く減る「センター摩耗(偏摩耗の一種)」が起きて、タイヤの寿命が短くなりやすくなります。

また、路面との接地面積が適正空気圧の場合に比べて狭くなるため、グリップ力が低下し、特に雨天時などでブレーキの効きが悪くなったり、車両の安定性が損なわれたりする可能性があります。

他にも、タイヤの柔軟性が失われるため、路面からの衝撃を吸収しにくくなります。これにより、段差やマンホールを乗り越える際にゴツゴツとした不快な衝撃を拾いやすくなり、乗り心地が悪化したと感じる原因になります。

テンパータイヤ(応急用スペアタイヤ)の空気圧と装着方法

緊急用のタイヤ

テンパータイヤは、パンクなどの緊急時に一時的に使用するための応急用スペアタイヤです。近年はパンク修理キットの搭載が進み、テンパータイヤを搭載していない車も増えていますが、もしもの時のために適正空気圧や使用方法を確認しておくことが重要です。

テンパータイヤ側面記載の空気圧

テンパータイヤのホイール側面のシールの注意書き

テンパータイヤの適正空気圧は、タイヤのサイドウォール(側面にメーカー名などが書かれている部分)やホイール側面のシールに、高圧の数値で明記されています。その数値に合わせて空気を入れる必要があります。多くのテンパータイヤの空気圧は、420kPa(キロパスカル)程度に指定されています。トランクの下などで長期間メンテナンスされずに収納されていると、空気圧が低くなっていることがありますので、数年に一度はテンパータイヤの空気圧も忘れずにチェックするのがおすすめです。

また、テンパータイヤは、一時的な走行を目的としており、装着位置が定められている場合があります。例えば、FF車(前輪駆動)で前輪がパンクした場合は、一旦テンパータイヤを後輪に装着し、外した正常な後輪をパンクした前輪の位置に取り付けて走行するのが一般的な手順です。これは、駆動輪である前輪にテンパータイヤを装着すると、走行安定性が極端に低下するためです。

ただし、車種やテンパータイヤの取り扱い方法は異なるため、必ず車両の取扱説明書を確認してから装着するようにしてください。

タイヤの空気圧は安全と燃費に直結する重要なメンテナンスです

タイヤの空気圧不足は、燃費の悪化だけでなく、重大な事故につながる可能性のあるバーストの危険性も高めます。特に高速道路を走行する機会がある場合は、遠出する前のメンテナンスとして、ガソリンを満タンにする際などに空気圧も一緒に点検してもらうと安心です。

タイヤの空気圧を日頃から車両指定空気圧に保っておくことで、偏摩耗が起こりにくくタイヤが長持ちする、燃費の悪化を防ぐなど、多くのメリットがあります。タイヤの空気は自然に抜けていくので、最低でも月に1回はチェックしておくとよいでしょう。

タイヤ空気圧チェックと調整の手順

1.タイヤが冷えている状態で、エアバルブのキャップを外します。
2.空気入れのホースをバルブに垂直にしっかりと差し込みます。
3.エアゲージの数値を見ながら、空気を入れたり抜いたりして車両指定空気圧に調整します。
4.調整が終わったら、エアバルブのキャップをしっかりとつけて完了です。