あおり運転対策に!ドライブレコーダーの選び方
あおり運転によるトラブルが増加するなか、ドライブレコーダー(ドラレコ)の需要が急速に高まっています。テレビやインターネットで、あおり運転による事故やトラブルの映像が流れる機会が増えたことにより、事故防止や万が一の際の証拠記録としてドライブレコーダーが注目されているからです。
ドライブレコーダーは、主に車内のフロントやリヤに取り付けるカメラとレコーダーが一体、または分離した機器で、走行中の映像を記録します。多くの機種には、停車中でも車に衝撃を感知すると録画を開始する駐車監視機能が搭載されています。ドライブレコーダーの価格帯は幅広く、現在では10,000円前後から高性能な機種が選べます。
かつては泣き寝入りすることもあったあおり運転によるトラブルも、ドライブレコーダーの映像を証拠とすることで状況を正確に把握し、問題解決につなげることが可能です。トラブルを未然に防ぎ、万が一の事故では映像が確かな証拠となるドライブレコーダーの選び方を紹介します。
初めてのドライブレコーダー(ドラレコ)の選び方で重要な4つのポイント

ドライブレコーダーは、あおり運転などにより事故に巻き込まれた時の証拠を記録するためのものです。そのため、選ぶ際のポイントとして、相手の状況を鮮明に記録できる画質や明るさ、そして画角が非常に大切になります。具体的なドライブレコーダーの選び方を紹介します。
1:鮮明に映る解像度のフルHD(フルハイビジョン)以上を選ぶ
事故が起きてしまっても、肝心のドライブレコーダーの映像が不鮮明では証拠としての意味が薄れてしまいます。現在のドライブレコーダーの主流は、1920×1080のフルHD(フルハイビジョン)解像度です。これより高解像度な、3840×2160の4Kに対応した商品も販売されています。
解像度は高ければ高いほど鮮明に映りますが、解像度が高くなると価格が高くなり、録画データの容量も大きくなります。そのため、SDカード(録画媒体)を圧迫し、記録できる時間が短くなることがあります。
景色を撮影して楽しむ車載カメラとして高性能を求めるのも良いですが、事故時の証拠を記録するドライブレコーダーとして使うのであれば、ナンバープレートなどの細部も識別しやすい1920×1080のフルHD(フルハイビジョン)以上を選択することをおすすめします。
2:レンズの明るさを示すF値は夜間運転の頻度に応じてF2.0より低いものを選ぶ
一眼レフカメラなどでF値として表現される明るさを示す値は、ドライブレコーダーにもほとんどの商品で表示されています。この数字が低ければ低いほどレンズが明るく、暗い場所でも鮮明な画質で記録できますが、価格は高価になる傾向があります。
夜間にドライブする機会が多い方はF値の低い商品を選ぶべきですが、平均的な使い方をする方はF2.0前後のものであれば十分な性能を発揮します。
3:滑らかな映像表現するフレームレートはLED信号機に対応したものを選ぶ
フレームレートとは、映像が1秒間に何枚の画像(コマ)で構成されているかを示す値(fps:Frames Per Second)です。性能が高くなるとコマ数が増え、滑らかな映像となります。フレームレートが高くなると値段も高くなり、フレームレートを切り替えられるドライブレコーダーもあります。
一般的なドライブレコーダーのフレームレートは30fps(毎秒30コマ撮影)を選択して間違いありません。
ただし、注意が必要なのがLED信号機への対応です。LED信号機は、東日本(50Hz)と西日本(60Hz)で点滅の周波数が異なります。ドライブレコーダーのフレームレートと信号機の点滅周期が同期してしまうと、録画映像では信号機が消えて見えたり、色が違って見えたりすることがあります。
最近のドライブレコーダーの多くは対策されていますが、50Hzや60Hzの整数倍ではないフレームレート(例:27.5fps)や、60fpsなど周波数が高いフレームレートを採用しているモデルを選ぶと、信号が消える現象を回避できます。
4:視野を広く撮影するための水平画角108°以上あるものを選ぶ
ドライブレコーダーで最も重要な要素の一つが画角(がかく)です。レコーダーの死角で起きた事故はどうしようもないため、できるだけ画角の広いものが理想ですが、広すぎる画角(超広角)は映像が歪んだり、解像度が相対的に低くなったりすることがあります。
画角には水平画角(横の範囲)、垂直画角(縦の範囲)、対角画角(斜めの範囲)がありますが、事故状況を正確に記録するために重要になるのは水平画角です。水平画角108°以上のドライブレコーダーを選ぶと、安心感のある広範囲を記録できます。
最近では、後方からのあおり運転対策として、広範囲を録画できるフロントとリヤの2カメラモデルを選ぶ方が多くなっています。
予算が合えばぜひ欲しいドライブレコーダー(ドラレコ)にあると便利な機能

ドライブレコーダーには、基本となる画質や明るさの他に、ドライブをより安全・快適にする特別な機能を持つものがあります。事故防止の基本性能はそのままに、防犯対策になる駐車時録画機能や運転支援機能など、プラスで欲しいおすすめ機能を紹介します。
常時録画機能は事故にならないトラブルも記録できるので安心
ドライブレコーダーには、車に衝撃があると録画するイベント録画タイプと、エンジンONからOFFまで常に録画し続ける常時録画タイプの2タイプが主流です。どちらかを選べる場合は、常時録画できるタイプを選択しましょう。
衝撃を感知し録画するタイプは、軽い接触や事故に至らないあおり運転などを記録できない場合があります。保険という意味でも常時録画は安心感があります。あおられた相手が車に接触しないまま車から降りてきた場合も、常時録画であればその様子を記録できます。デメリットは録画データ量が大きくなるため、大容量のSDカードが必要になることです。
駐車時録画機能は当て逃げや車上荒らしを記録するのに便利
駐車時録画機能(駐車監視機能)は、タイマー式のものや、車に衝撃または動体を感知すると録画するものがあります。LEDが点滅するものもあり、駐車場内での当て逃げや車上荒らしなどの防犯対策に役立ちます。
最近ではドライブレコーダーの標準機能として搭載されることも多く、普及が進んでいます。この機能を使うには、常時電源コードやオプションの外部バッテリーが必要になる場合があります。
音声録音機能はドライバー同士のトラブルも記録
ドライブレコーダーの多くは映像だけでなく、車内の音声を録音する機能も持っています。映像だけでは判断が難しい場合も多々あります。
そんな時に便利なのが音声録音機能です。ドライバー同士のトラブルなど、映像にプラスして音声が入ることで、状況を把握するための決定的な証拠となります。防犯対策以外でも、旅行中の会話を外の映像と一緒に記録したい時に大活躍する機能です。
GPS測位機能があれば、いつ・どこで起きた事故かを証拠として残せる
GPS測位機能を使うと、録画している映像に車の正確な位置情報、日時、そして速度情報を記録できます。動画以外の情報が大幅に増えることで、事故が起きた時の十分な証拠となります。
専用ビューアーソフトで地図上に走行ルートを表示できるため、レジャーの記録にも使えます。思い出を残す目的でGPS測位機能付きのドライブレコーダーを装備する方もいます。
Wi-Fi機能があれば動画確認の手間を減らせる
Wi-Fi機能は、スマートフォンやタブレットとドライブレコーダーを無線接続するための機能です。無線接続できるので配線の必要もなく、簡単に動画の情報を見られます。
一番のメリットは、スマートフォンやタブレット上で撮影した動画を確認・再生したり、不要な動画を削除したりできるため、ドライブレコーダーの記憶媒体(SDカードなど)を抜き差しする手間が無いことです。
手動撮影機能があれば危険な時にいつでも録画
ドライブレコーダーは常時録画か衝撃を感知して録画する2タイプが主流ですが、衝撃を感知するタイプのドライブレコーダーを使用している方は、手動で録画を開始できる機能があると便利です。録画スイッチを押すと録画が始まり、停止も手動で行います。
急な事故以外の場面で活躍し、車載カメラとして景色を撮影する場合や、事故に至らないトラブルを目撃した場合なども記録できて便利です。
WDR/HDR機能は自動でコントラスト調整して暗がりでも鮮明に記録してくれる
夜間のドライブやトンネルを通過する際、どうしても周囲が暗くなったり、明暗差が激しくなったりして動画が見難くなることがあります。そんな時に便利なのがWDR(ワイドダイナミックレンジ)やHDR(ハイダイナミックレンジ)機能です。
この機能は、明るい部分と暗い部分を自動で合成・調整し、コントラストを最適化して動画を見やすくする機能です。特に夜間やトンネルの出入り口など、明暗差が激しい環境での白とびや黒つぶれを防ぎます。カメラの明るさ基準であるF値も重要ですが、WDR/HDR機能があるかないかでも見やすさが大きく変化しますので、ドライブレコーダーを選ぶ時はこれらの機能の有無を確認しましょう。
ドライブレコーダーは「一体型」「分離型」「ミラー型」の3タイプから選択

ドライブレコーダーには、主に一体型、分離型、ミラー型の3つの種類があります。それぞれ大きさや機能、設置の仕方に違いがあるので、ご自身の車やニーズに合った適切なタイプを選びましょう。
カメラと本体が一つになった一体型のドライブレコーダー
現在の主流となっているのが、カメラと記録媒体、本体が一体となったタイプです。シガーソケットを電源とするものも多く、配線が比較的簡単です。幅広い価格帯がラインナップされていて、手軽に導入できるのがメリットです。高性能なハイエンドモデルを選ぶと、車載カメラとしても使えるなど多機能です。
カメラと本体を分けた省スペースの分離型ドライブレコーダー
カメラと本体(録画部や液晶)を分離したタイプのドライブレコーダーです。カメラ部分がコンパクトなので、運転中の視界の邪魔になりにくく、省スペースで収まります。分離しているため配線難易度が高いこと、一体型と比較すると価格が高いことがデメリットです。
車内ミラーに組み込まれた違和感のなさが魅力のミラー型ドライブレコーダー
純正のルームミラーに被せるタイプ、または交換するタイプのドライブレコーダーです。ミラー部にカメラが埋め込まれている、または別体カメラの映像をミラー全面に表示するため、室内の雰囲気を壊すことがありません。ミラー内部に表示領域を持つため、スタイリッシュです。後方視界をデジタル表示するため、荷物などで視界が遮られることもありません。価格が高いことがデメリットですが、おすすめしたいドライブレコーダーです。
ドライブレコーダーのおすすめをCOBBYがセレクト!大手3社の人気商品は要チェック

ドライブレコーダーの市場では、長年にわたりコムテック、ユピテル、JVCケンウッドの大手3社が大きなシェアを占めています(※データは古いものですが、現在も主要ブランドです)。特にコムテックは高画質で機能も充実しつつ、コストパフォーマンスに優れたモデルを多く展開しています。ドライブレコーダーのブランド選びに迷ったら、まずは大手3社をチェックしてみるのがおすすめです。
Wi-Fiでスマホと連携させて使いやすいおしゃれなドライブレコーダー
JVCケンウッド GC-DR20
ブルーやブラウンなどの選べるカラーが嬉しいおすすめドライブレコーダー
| 録画画素数 | 211万画素 |
|---|---|
| 解像度 | 1920×1080 |
| 画角 | 水平114°/垂直60°/対角145° |
| フレームレート | 27fps |
| サイズ | W630mm×H510mm×D280mm |
| 重量 | 61g |
| 価格(値段) | 18,100円~(2025年調べ) |
ドライブレコーダーにしては珍しくカラーが選べるおしゃれなデザインで、女性にも人気が高い商品です。目立つカラーの方が車外からも「ドラレコを装着している」とわかりやすいため、トラブル抑止力になるという考え方もあります。
軽自動車などにも違和感なくマッチするコンパクトサイズで、Wi-Fi(無線LAN)付きです。撮影映像をその場でスマホに転送できるため、事故後も手元のスマホ映像を見ながら落ち着いて状況説明ができます。日常のドライブなどの様子を家族や友人に送ったり、SNSにアップすることも可能です。
ナンバープレートもしっかり映す多機能ドライブレコーダー
コムテック ZDR-012

| 録画画素数 | 200万画素 |
|---|---|
| 解像度 | 1920×1080(フルハイビジョン) |
| 画角 | 水平109°/垂直57°/対角135° |
| フレームレート | 30fps |
| サイズ | 幅58mmx高さ57mmx奥行き27mm |
| 重量 | 79g |
2.3インチフルカラーTFT液晶を搭載したコムテックのドライブレコーダーです。常時録画機能、手動録画機能、衝撃録画機能に加え、トンネルの出入り口などで役立つWDR機能も搭載しています。200万画素のフルHD高解像度を持ち、ナンバープレートの数字もくっきり映し出します。
GPS機能付き低価格なドライブレコーダー
ユピテル DRY-ST3000P

| 録画画素数 | 200万画素 |
|---|---|
| 解像度 | 1920×1080(フルハイビジョン) |
| 画角 | 水平109°/垂直56°/対角130° |
| フレームレート | 60fps |
| サイズ | 幅60mmx高さ45mmx奥行き28mm |
| 重量 | 74g |
2.0インチフルカラーTFT液晶を搭載したユピテルのドライブレコーダーです。フレームレート60fpsを採用しているため、西日本(60Hz)のLED信号機が消えにくいのが特徴です。また、動画に位置情報や日時、速度情報など様々な情報を追加するGPS機能を搭載しています。常時録画機能、音声録音機能、WDR機能なども備えています。オプションのマルチバッテリーや電源ユニットを追加することで、駐車時録画機能も追加できます。
夜間でも鮮明な映像を記録するナイトモード付き最新ドラレコ
JVCケンウッド DRV-650/DRV-W650

| 録画画素数 | 207万画素 |
|---|---|
| 解像度 | 1920×1080 |
| 画角 | 水平117°/垂直60°/対角142° |
| フレームレート | 55fps |
| サイズ | W90.2mm×H49.1mm×D37.2mm |
| 重量 | 104g |
このモデルは、暗闇に強い「STARVIS™」センサーを採用しており、多くのドラレコの弱点だった夜道やトンネル内の映像もしっかり記録できます。「HDR」機能により、トンネルの出入り口や夜の繁華街など、明暗差が激しい環境でも白とびやつぶれを起こしにくいです。そのため、時間帯を問わず様々な環境で運転する機会が多い人に特におすすめです。1秒間に55フレーム(55fps)のフルHD録画により、滑らかで鮮明な映像を記録できる高性能ドラレコです。
コンパクトサイズだけど高性能で明暗差にも強いドライブレコーダー
JVCケンウッド Everio(エブリオ)「GC-DK3」

| 録画画素数 | 207万画素 |
|---|---|
| 解像度 | 1920×1080 |
| 画角 | 水平100°/垂直52°/対角111° |
| フレームレート | 27.5fps |
| サイズ | 幅61mm 高さ54mm 奥行き32mm |
| 重量 | 57g |
トンネルの出入り口や逆光の明暗差のストレスがない、クリアで見やすい映像を記録できるドライブレコーダーです。HDR搭載で明暗差に強く、フレームレート27.5fpsでLED信号機にも対応しています。Gセンサーによる走行時自動記録、イベント記録、駐車録画にも対応しており、衝撃と動体感知をするため、思わぬアクシデントの際に役立つ1台です。コンパクトサイズでダークブラウンのカラーはどんな車内インテリアにもマッチします。
運転支援機能つきのおすすめドライブレコーダー
ケンウッド DRV-610

| 録画画素数 | 340万画素 |
|---|---|
| 解像度 | 1920×1080(フルハイビジョン) |
| 画角 | 水平121°/垂直59°/対角141° |
| フレームレート | 60fps、180fps、300fps |
| サイズ | 幅91mmx高さ49mmx奥行き37mm |
| 重量 | 104g |
340万画素、解像度2304×1296を持つハイスペックなドライブレコーダーです。カメラを使った前方衝突警告、車線逸脱警告、発進遅れ警告を搭載した運転支援機能も搭載しています。
バッテリーを内蔵しているため、本体のみで最大15分の駐車時録画機能に対応します。録画した映像を上書きしないように、2つのSDカードでバックアップ録画することも可能となっています。
あおり運転が問題視される中で急増するドライブレコーダー需要

様々なメディアで運転中のトラブルを目にする機会が多くなったのは、ドライブレコーダーが広く普及してきたためです。
ドライブレコーダーの国内販売台数は年々増加しており、車のトラブルを防止し、万が一の際の証拠を記録するためのドライブレコーダー需要はこれからも伸び続けるでしょう。





















