エンジンに警告灯が表示される原因を解説!
車の運転中、メーターパネル上に普段は見慣れないマークが点滅していることがあり、これが初めての経験なら、焦る気持ちが膨らんでしまいます。
何となく、車の内部系統に問題が生じているのではないかと察することは出来ますが、その原因や対処法を知らないと不安は募っていくばかりです。
今回はそんな不安を和らげるため、エンジン警告灯が点滅する原因と事故を未然に防げる対処法や、運転中に点滅していたら注意すべきその他のエンジン警告灯についても取り上げます。
エンジン警告灯は点滅・点灯する事で車のエンジン系統の異常を知らせる
車のメーターパネルには、スピードメーターやエンジンの回転数を教えてくれるタコメーターといった、常に表示され状態を確認できるものもあれば、車の内部パーツに問題が起きた時にだけ点滅するマークがあります。
オレンジ色でヘリコプターのようなシルエットをしているエンジン警告灯は、車のエンジン系統やトランスミッション内で問題が生じている状態のときに点滅します。
これはエンジンの内部パーツに設置されているセンサーから異常な値がエンジン制御システムに送られると、点滅する仕組みを採用しているからです。
エンジン警告灯は自動車メーカー、製造車種によって表示される場所は異なりますが、日本の自動車や海外の多くの自動車メーカーでは、共通のアイコンを採用しています。
エンジン警告灯が点滅する主な原因は「配線の不具合」等のトラブル
エンジン警告灯はエンジンチェックランプとも言われ、エンジン系統やその他の関連する機構が問題なく作動しているか、現在の状態を制御システムによりチェックし、問題が起きていればランプを点滅させます。
エンジン警告灯の制御システムには、エンジン等に取り付けられている各センサーから常時、状態を確認するためのデータが送られます。
もしも、データに異常があれば「配線の不具合」「内部パーツの故障」等のトラブルが疑われます。
エンジン系統やその他の関連機構のトラブルを確認するために設置されているセンサーを紹介します。
排ガスの酸素濃度を検知する「酸素センサー」
酸素センサーは、排気ガス中に含まれる酸素濃度を検知するセンサーです。排気ガスの成分分析を行って、酸素濃度を測定することで理想的な空燃比でエンジンを作動する事が可能となり、燃費の維持にもつながっていきます。
酸素センサーが故障していても、走行するには問題はありませんが、燃費は悪くなってしまいます。車検を通す際には、警告灯が点灯していれば通せないため、問題が生じていれば時期をみて交換する必要があります。
「エアフローセンサー」は空気の吸入量を計測
エアフローセンサーは、エンジン内に取り入れられる空気の吸入量を計測する目的で設置します。エンジンはガソリンを燃焼させる機関です。ガソリンを効率的かつ安全に燃焼させるためにはクリーンな空気を流入させる必要があります。
エアフローセンサーのデータに異常が見られる場合には、通気口が詰まってる場合や、センサー自体の寿命や断線などが理由として考えられます。
車の電力供給の状況を知らせる「バッテリーセンサー」
バッテリーセンサーは、エンジン等へ電力を供給する装置であるバッテリーの作動状態を確認するセンサーです。バッテリー交換を行ったときなど、端子等の接続に不具合があれば、バッテリーセンサーは異常を探知します。
「イグニッションセンサー」はエンジンの着火をチェック
イグニッションセンサーは、エンジンへの着火が問題なく行われているのかチェックする目的で設置されます。
イグニッションコイルや点火プラグ、タイミングベルト等のエンジンを起動するために必要となるパーツに不具合が生じていればセンサーが反応します。
「カム角度・クランク角度センサー」はシャフトの角度を計測
「カム角度・クランク角度センサー」は、エンジンのピストン運動を回転運動と連動して変換するカムシャフトやクランクシャフトの角度を測定するセンサーです。カムやクランクは高速で動いているため、定位置から移動してしまう事もあります。
カムやクランクの角度の変化は燃費に与える影響は大きく、角度のズレが大きくなってしまうとエンジンにもダメージが加わるため、異常があればセンサーが反応します。
トランスミッションの異常を検知する「アクセルポジションセンサー」
エンジン警告灯は、エンジン系統だけではなくてトランスミッションの異常も知らせてくれます。
アクセルポジションセンサーは、アクセルの踏み込み量に対して十分な加速が行われているか確認します。
アクセルの踏み込み量に対して、加速が十分でなければトランスミッション内で配線トラブル等の何らかの異常が疑われます。
注意が必要な警告灯の色は「赤色」と「オレンジ色」の2種類
普段見られないアイコンが点滅していたら、その色に注目しましょう!注意が必要となる色は「赤色」と「オレンジ色」の2種類です。
警告灯の色 | 赤色 | オレンジ色 |
---|---|---|
種類 | ・充電警告灯 ・ブレーキ警告灯 ・油圧警告灯 |
・エンジン警告灯 ・ABS警告灯 ・パワーユニット警告灯 |
対処法 | ・車を安全な場所に停めて 最寄りのディーラーや JAFなどに連絡をする |
・車の運転を続けることは可能だが 最寄りのディーラー等に状態を 確認してもらう必要がある |
エンジン警告灯が点滅していたらその原因を特定
エンジン警告灯が点滅していても車を運転することは可能です。しかし、点滅している原因を特定せずに乗り続けていけば、事故が発生するリスクが高まります。
エンジン警告灯が知らせるエンジン系統の異常の原因を特定するために、ディーラーや整備工場に連絡して、内部パーツに問題が生じていれば交換や修理等を行ってもらうと、事故のリスクは大幅に低減します。
エンジン警告灯が点滅していても運転は冷静に原因の特定は素早く行おう!
普段の運転では見慣れないマークであるエンジン警告灯が点滅していると不安な気持ちになりますが、そのまま運転していると事故を招きやすくなってしまいます。オレンジ色の警告灯は、そのまま運転を続けられる色なので、冷静さを失わず運転しましょう。
エンジン警告灯が教えてくれる、車のトラブルの原因を特定せずに車に乗り続ければ、事故のリスクが高まります。原因を特定する素早い行動によって、事故は未然に防ぐことができます。
今回は、エンジン警告灯をピックアップしましたが、車の異常を知らせるマークは他にもあります。
運転中に赤やオレンジ色の注意が必要となる警告灯のマークが表示されたら、マークの色に応じた対処を行うことで車の安全性が確保されます。