ガス欠の対処法

ガス欠で車のエンジンがかからない時に助かる6つの対処法

ガス欠で車のエンジンがかからない時にどうすればよいのかの対処法。JAFを利用する、加入している任意保険のロードサービスを利用する、近くのスタンドまで押すなどの方法を、一般道と高速道路に分けて紹介。燃料ランプが点滅する・車が加速しにくくなるなどの事前に起こる前兆現象も取り上げ。

ガス欠で車のエンジンがかからない時に助かる6つの対処法

車がガス欠になったらどうする? 自分と車を守る対処法

車がガス欠になる理由は「代車なので、ガソリンを入れるのが勿体ない気がして…」「給料日(明日)には入れようと思っていたのに…」「給油ランプが点滅していてもまだまだ大丈夫だと思っていた…」など。

車に燃料を給油すべきだったのに、タイミングを見計らってしまって、車の燃料であるガソリンや軽油が切れてしまってガス欠になってしまう理由は様々です。自分には落ち度がない燃料メーターの故障というケースも考えられます。

ガス欠になってしまったら、あのタイミングでガソリンを入れておけば良かった、と後悔する気持ちが湧き起こってくるかもしれませんが、深呼吸をして冷静になりましょう。
今回紹介する自分や同乗者、車を守るため、事故を防ぐために役立つ、対処法を覚えておくと安心です。

ガス欠のときは後続車に迷惑にならない安全な場所に車を止める

ガス欠で路肩に止めた車完全に車が動かなくなる前に安全な場所に移動させよう

ガス欠をした時の最優先事項は、後続車に迷惑のかからない場所へ車を移動させることです。燃料メーターが少なくなっていて、車が加速しなくなったり、いつもよりもエンジンの調子が悪くなったりしている場合には、ガス欠を疑って、完全に車が動かなくなる前に、近くにある駐車場か、路肩などの安全な場所まで移動させましょう。

車の異常を知らせるランプが点滅したら、たとえ原因がガス欠ではなくとも、2次被害を避けるために車を安全な場所に移動する事が求められます。

車が全く動かなくなったら、ドアを開けて、ハンドル操作もして、車を移動させます。動かす際にはAT車、MT車に限らず、ギアをN(ニュートラル)に入れて開けたドアとAピラー(運転席の近くにある柱)を抑えながら押していくのがコツです。

車の総重量が軽い軽自動車やコンパクトカーであれば、一人で移動することも可能かもしれませんが、もしそういった小さいサイズの車であっても、一人で動かすのに危険を感じたら、周囲の人に勇気を持ってお願いすることも大切です。

特に、上り坂や下り坂を移動させる時には注意が必要ですので、同乗者がいなくとも一人では行わず、協力者の助けを借りて、慎重に目的の場所まで移動させましょう。

車が一般道でガス欠になった時に慌てないための対処法

一般道でガス欠になった場合は家族や友人などに助けを求める他、JAFなど民間のロードサービスを利用しましょう。どのような方法・手順があるのか紹介します。

家族や友人、職場の同僚に助けを求める

ガス欠が起こった場所に、家族や友人、あるいは職場の同僚といった身近な誰かが助けにこられる状況であれば、緊急事態なのでお願いしましょう。

ガソリン携行缶ガソリン携行缶があればガソリンを持ってきてもらうことが可能

車で助けにきてくれるのなら、フルサービスのガソリンスタンドへ寄ってもらい、ガソリン携行缶にとりあえず走れるだけの燃料をもってきてもらえれば安心です。なお、セルフスタンドでのガソリン携行缶への給油は、法律で禁止されています。

至近距離にスタンドがあれば車を押す

ガソリンスタンドガソリンスタンドが近くにあったら車を押して移動することも可能

不幸中の幸いで、ガス欠で車が動かなくなってしまった場所のすぐ近くにガソリンスタンドがあれば、ひと踏ん張りです。車をN(ニュートラル)にして、ドアを開けて、事前に屈伸運動などのストレッチを行ってから、車をスタンドまで移動させていきましょう。

もしも、そばを歩いていた通行人が、手を差し伸べてくれたら、「ありがとう」という言葉とともに、ワンドリンクサービスをするのもいいでしょう。

スタンドの店員に電話をかけてガソリンを持ってきてもらう

車を移動するには距離があると判断したら、停車している場所の周辺にあるスタンドに連絡をして、ガソリンを現地まで持ってきてもらう事は可能なのかを問い合わせましょう。

同乗者か自分がスタンドまで向かう

最寄りのスタンドの場所が走っていける距離にあれば、同乗者か自分の体力と走りに自信にある人がスタンドまで向かいましょう。

スタンドで事情を説明すると、ガソリン携行缶を貸してくれます。携行缶のガソリンを車に補充した後は、車でお世話になったスタンドまで行って、缶を返却するとともに、お礼としてガソリンを満タンにするなどお店の売上に貢献をしましょう。

任意保険のロードサービスにお願い

車の任意保険を販売している各企業は、最近はロードサービスを充実させています。契約している保険会社の番号をスマホに登録している方は、電話の窓口に連絡をして、事情を説明してみる事をお勧めします。

すると、保険会社の担当者が現場まで駆けつけてくれます。回数は保険会社毎に制限されていますが、無料でサービス(ガソリン代は実費となるケースもある)を受けられます。

#8139でJAFにお願い

車が故障した時にすぐに思いつく選択肢の一つはJAFです。JAFの会員の方であれば、経験豊富なプロのスタッフによるサービスを無料で受けられます。

JAFの会員ではなくとも、有料となりますが、#8139と番号を入力すれば、JAFのスタッフが素早く現場まで駆けつけてくれます。

JAFは、「ガス欠」を以下の6つの段階に区分けしています。

  • 昼間の一般道路
  • 夜間の一般道路
  • 昼間の高速道路のパーキングエリア(サービスエリア)内
  • 夜間の高速道路のパーキングエリア内
  • 昼間の高速道路のパーキングエリア外
  • 夜間の高速道路のパーキングエリア外

※会員でない方は、ガス欠をしている場所や時間帯によって、請求される料金は異なってきます。

高速道路でガス欠をしてしまった場合の対処法

高速道路を走行中高速道路を走行中にガス欠になったら落ち着いて行動しよう

高速道路を走行中に車の異常を感じたら、非常駐車帯にまずは車を停車させます。夜間時には特に、後続車との追突を避けるため、ハザードランプを点滅させたり、発炎筒を点火させたりするなどの対応も必要です。

また、高速道路の各所に設置されている非常電話あるいは、#9910で高速道路を管轄している団体や、警察に110番通報をして、2次的被害をくい止めるために、応援要請を依頼する事も大切です。

高速道路での、燃料補充は、加入している保険会社のロードサービスにお願いするか、JAFにお願いする事をお勧めします。次のスタンドまで、燃料を求めに行く行為は非常に危険です。高速道路での、ガス欠などのトラブルは、場慣れしているプロに任せた方が安心です。

ご存じではない方も多いかもしれませんが、道路交通法には高速自動車国道等運転者遵守事項違反という罰則規定があります。もしも、ガス欠等の理由が車の事前点検を怠ったことが原因であると判断されれば、反則切符をきられる可能性もあります。

ガス欠で給油ランプが点滅した時の燃費を抑える運転法

警告灯パネルに給油ランプが表示されたらガソリンスタンドへ!

車の燃料が一定量以下になると給油ランプが点滅します。ランプが、点滅してからもある程度の距離は走行可能であるため、燃料の補充を先延ばしする方もいるでしょう。

ランプが点滅するタイミングは車種によって異なりますが、一般的にはミニバンタイプであれば、タンク内の残存量が10L以下、コンパクトカーであれば7L以下、軽自動車であれば5L以下となる点滅すると言われています。

ランプが点滅してからの走行可能距離は、残っている燃料の量×燃費(km/L)になります。例えば、軽自動車であれば、5Lの燃料が残っていて、燃費が30Km/Lであれば、走行可能距離は150Kmです。

ランプが点滅している時には、特に役に立つ燃費を抑える運転テクニックを紹介します。

  • 発進する時は、ゆっくりとアクセルを踏む
  • 一定の速度で車を運転する
  • 当日の気温にもよるが、車のエアコンをきる

紹介したテクニックは、あくまでも燃料の消費を抑えるテクニックです。高速道路を運転する際、スタンドが周りにはない過疎地などを運転する際には、事前にスタンドで燃料を補充する事をお勧めします。

ガス欠後の注意点・金属携行缶を使うときの注意点

ガソリン携行缶ガソリンを運ぶのは専用のガソリン携行缶を使用すること

ガソリンは揮発性が高いため、取り扱う際には、ポリタンクなどではなく金属製の携行缶を利用することが法律で定められています。独立行政法人消防研究所は、ガソリンを持ち運ぶ際などの注意(注1)を呼び掛けています。

ガス欠で携帯缶給油する際の手順

  1. 携行缶のノズルをセットする
  2. 給油口を開けて、キャップを取り外す
  3. ノズルを給油口にあて、携行缶に角度をつけてガソリンをゆっくりと補充する
  4. 給油をし終わったら、キャップを閉めて、給油口を塞ぐ

※周りに火気がいない事を確認してから行う
※風通しがよい場所で行う
※軍手ではなく、素手あるいは皮の手袋を使って行う

スターターを回してガソリンを循環

ガス欠が起こってしまうと、ガソリンをエンジンに送る燃料ポンプ、エンジン内部の噴射装置であるインジェクター等の燃料の通り道の全てが空になります。そういった燃料の通り道が、順次満たされるまでは、給油を行ってもすぐにエンジンはかかりません。

通り道にもガソリンが十分に回るまでには、スターターを普段よりも多く回す必要があります。

「ガス欠になったら水をいれれば走れる」説は本当?

「ガス欠になったときには、水を入れれば走れる」という対処法が一部で流布しているようです。
結論からいうと、まったくのでデマではないが、絶対にオススメできない方法です。

まず、燃料タンクに水を入れるのは、当然ですが車が水でも走れるからでも、残ったガソリンと水が混ざり合って薄いガソリンになるからありません。
水を入れるのは、燃料タンクにわずかに残っているガソリンを吸い出し口まで底上げするためです。水と油は分離するので、水を入れると、ガソリンのみが上にきて、エンジンに供給されるという理屈です。

ただし、非常にリスクの高い方法であり、エンジンそのものが故障して、高額な修理が必要になる可能性もあります。大人しくスタンドまで歩くか、JAFなどのロードサービスを利用するのが賢明です。

ガス欠にならないためには、給油ランプが点滅したら燃料補給

ガス欠どうする

給油ランプが点滅しても、まだまだ走れると思って、燃料補給を先延ばしてしまう気の緩みが、ガス欠を招いてしまう最大の原因かもしれません。

ガス欠になってしまうと、節約しようと思っていたお金以上の負担がのしかかってしまいます。また、後続車や同乗者、助けて下さった方にも沢山の迷惑をかけてしまいます。

ガス欠にならないためには、給油ランプが点滅し始めたら、まだ大丈夫だとは思わないで、スタンドを見つけたらすぐに給油しましょう。また、給油のタイミングを普段から理解しておくことで走行距離に合わせ給油ランプがつく前に給油する習慣をつけるのも解決策になります。