エンジンルーム内のパーツ

エンジンルーム内のパーツ名称と役割を一覧で解説 メンテナンスに役立つ基礎知識

バッテリー上がりやウォッシャー液切れなど、よくある車のトラブルはエンジンルームのパーツが原因であることが多いです。各パーツの役割と点検ポイントを覚えておくと、異変に早く気づいてトラブルを防ぎやすくなります。

エンジンルーム内のパーツ名称と役割を一覧で解説

ランドクルーザープラドのエンジンルーム

ボンネット内部のエンジンルームには、バッテリーやラジエーター、ヒューズボックスなど多くのパーツが詰まっています。それぞれが連携して車を動かしていますが、名前や役割を知っておくと、トラブルが起きたときに冷静に対処できます。

ウォッシャー液の補充口など日常的にオーナーが触る箇所もあるため、自分の車の説明書と照らし合わせながら確認しておくとメンテナンスがスムーズになります。ここではランドクルーザープラドのエンジンルームを参考に、各パーツの名称と役割を順番に解説します。

鉛バッテリー

ランドクルーザープラドの鉛バッテリー

鉛バッテリーはヘッドライト・スモールライト・カーナビ・オーディオ・エンジンの始動などに使う電力を蓄えるパーツです。内部のバッテリー液が減っていたら補充が必要です。また、バッテリー上がりは冬に起きやすいため、秋のうちに点検しておくと安心です。交換目安はおよそ3〜5年で、劣化に気づかず放置するとエンジンがかからなくなるリスクがあります。

バッテリーターミナル

ランドクルーザープラドのバッテリーターミナル

バッテリーターミナルは、バッテリーのプラス端子・マイナス端子をつかんでケーブルを接続するクリップ状の部品です。バッテリー液などで腐食すると電気抵抗が増して性能が低下するため、白い粉状の腐食が見られたら交換のサインです。

銅線(ケーブル配線)

ランドクルーザープラドのケーブル配線

バッテリーターミナルには太い銅線が接続されており、オルタネーター(発電機)やスターターモーターにつながっています。プラス配線は発電機へ、マイナス配線はボディやエンジンに接続されていて、発電した電気を充電したり、不足時に各電装品へ供給する役割を担っています。

ボディアース線

ランドクルーザープラドのボディアース線

黒い線がエンジンルームの金属部分にボルトで共締めされていますが、これがボディアース線(マイナス配線)です。車の電装品はすべてバッテリーのプラスとマイナスにつながっていますが、マイナス側はボディ全体に流れているため、ナビやオーディオなどの電装品はボディの金属部分にアース線をつなぐだけで動作します。バッテリーまで配線を引き回す必要がない、合理的な仕組みです。

ラジエーター(ラジエーターコア)

ランドクルーザープラドのラジエーターコア

ラジエーターは冷却水(クーラント)を冷やすための装置で、フロントバンパー内側に設置されています。走行風やファンの風を受け、蛇腹状のフィンの熱伝導によって高温になったクーラントを冷やします。冷やされたクーラントはラジエーターホースを通り、ウォーターポンプによってエンジン内のウォータージャケットへ再び送られます。

ラジエーターホース

ランドクルーザープラドのラジエーターホース

ラジエーターホースはクーラントの通り道となる太くて黒いゴムホースで、エンジンとラジエーター間をつないでいます。劣化するとひび割れや亀裂からクーラントが漏れ出し、冷却不足によるオーバーヒートの原因になります。駐車後に色のついた液体(ピンク・緑・青など)が地面に溜まっていたら、クーラント漏れのサインとして早めに点検しましょう。

ラジエーターキャップ

ラジエーターキャップは冷却水が沸騰しないよう内部を加圧するキャップで、加圧弁とも呼ばれます。このキャップで圧力を高めることでクーラントの沸点が上昇し、100℃以上になっても冷却効果を維持できます。走行直後など冷却水の温度が上がっているときに開けるとクーラントが噴き出して危険なため、エンジンが十分冷えてから開けるようにしてください。

冷却水リザーバータンク(ラジエータータンク)

ランドクルーザープラドのラジエーターリザーバータンク

冷却水リザーバータンクはクーラントを蓄えておくタンクで、青・赤・緑などのクーラントが溜まった半透明の容器です。高温で膨張したクーラントを一時的に受け入れ、温度が下がってラジエーター内のクーラントが不足したときに補充する役割を持っています。タンクにはMINとMAXの目盛りがあり、液面がこの範囲内であれば正常です。MIN以下またはMAX以上になっているときはディーラーや整備工場に相談しましょう。

ブレーキフルードリザーバータンク(ブレーキオイルリザーバータンク)

ランドクルーザープラドのブレーキフルードリザーバータンク

ブレーキフルードリザーバータンクは、油圧ブレーキを作動させるフルード(ブレーキオイル)を蓄えるタンクです。MAXとMINの目盛りがあり、液面がその間であれば正常です。このタンクはマスターシリンダーと繋がっており、そこからブレーキホースを経由して4輪のブレーキキャリパーへとつながっています。フルードが減り続ける場合は、ブレーキパッドの摩耗か配管からの漏れが考えられるため、早めに点検が必要です。

ウォッシャー液補給口(ウォッシャータンク)

ランドクルーザープラドのウォッシャー液補充口

ウォッシャー液補充口は、ウィンドウォッシャー液を補充するための場所です。ウィンドウォッシャー作動のマークがキャップに記されており、青色や黒色のキャップが多いです。継ぎ足しするだけなのでオーナーが自分で行いやすい作業の一つです。

補充の際は必ず自動車用のウィンドウォッシャー液を使用してください。水道水だけを入れると、冬場に凍結したり、夏場に配管やバルブ内にコケや雑菌が繁殖する可能性があります。また、原液タイプは希釈濃度を季節に合わせて調整することで凍結防止効果が高まります。

ウォッシャー液ゲージ

ウォッシャー液ゲージは、補充口のキャップや注ぎ口に取りつけられた細長い棒で、タンク内のウォッシャー液の残量を確認するためのものです。タンクが見えない位置に収納されていても、ゲージを引き上げて先端の濡れている箇所を確認することで残量がわかります。先端付近まで乾いていたら補充のタイミングです。

ヒューズボックス

ランドクルーザープラドのヒューズボックス

ヒューズボックスは各電装品のヒューズを格納している場所で、カバーの表面や裏側にどの位置にどの部分のヒューズが収まっているかが一覧表として記載されています。ホーンが鳴らない・ブレーキランプが点かない・ワイパーが動かないなど特定の電装品だけが動作しなくなった場合は、該当箇所のヒューズが切れていないか確認してみましょう。交換する際は必ず同じアンペア数のヒューズを使用することが重要です。アンペア数が異なるものを入れると電装品の損傷や発火につながる恐れがあります。

アドブルー補充口

ランドクルーザープラドのアドブルー補充口

アドブルー補充口は青い細い筒状の見た目で、尿素SCRシステムを搭載するディーゼルエンジン車に必要な高品位尿素水(アドブルー)を補充するための箇所です。アドブルーは走行距離に応じて消費されるため定期的な補充が必要で、残量が少なくなるとメーターに警告が表示されます。補充はDIYでも可能ですが、余ったアドブルーは高温・直射日光を避けて保管する必要があるため、ディーラーや整備工場に依頼するほうが手軽です。

燃料フィルター(フューエルフィルター)

ランドクルーザープラドの燃料フィルター

燃料フィルターは燃料(ガソリン・軽油)に混入したゴミや異物を取り除くフィルターで、インジェクターやポンプの故障リスクを下げる役割を持っています。オイルフィルターと同様に定期交換が必要な消耗品で、交換時期は車種・燃料の種類によって異なるため車の説明書やディーラーで確認しましょう。燃料ラインを扱う作業のため、不安を感じる場合はディーラーや整備工場への依頼を推奨します。

エアクリーナーボックス(エアフィルター・エレメント)

ランドクルーザープラドのエアクリーナーボックス

エアクリーナーボックス内のエアフィルター(エレメント)

エアクリーナーボックスはエアフィルター(エレメント)を格納しているボックスです。エンジンへ送る空気からゴミやチリなどの異物を取り除く役割を担っており、フィルターは使用を続けるうちに目詰まりしてきます。汚れたまま使い続けると吸気効率が低下してエンジンの出力や燃費に悪影響を及ぼすため、定期的な交換が必要です。

エアクリーナーダクト

エアクリーナーダクトは、吸気口から取り込んだ外気をエアクリーナーボックスへ送る通路です。このダクトを通ることで安定した量の空気がエアクリーナーボックスへ届き、フィルターで浄化されたうえでエンジンへと送られます。

インテークパイプ(サクションパイプ)

ランドクルーザープラドのサクションパイプはエアクリーナーから右側に出ている太い配管のこと

インテークパイプ(サクションパイプ)は、エアクリーナーを通って浄化された空気をスロットルボディへ送る配管です。純正品のまま使用することがほとんどですが、吸気効率を上げたいチューニング時に社外品へ交換されることがあります。

スロットルボディ・スロットルバルブ

ランドクルーザープラドのスロットルボディはサクションパイプの先にある金属パーツ

スロットルボディはエンジンへ送る空気量を調整するスロットルバルブを格納したパーツで、シルバーの金属製であることが多いです。スロットルバルブはアクセル開度に応じて開閉し、アクセル全開時には水平になって全量の空気を通します。スロットルボディ内部は使用するうちにカーボンが堆積するため、定期的な清掃を行うとアイドリングの安定につながります。

インテークマニホールド(インマニ)

インテークマニホールドはスロットルボディとエンジンの間にあるパーツで、各シリンダーへ空気(または混合気)を均等に分配する役割を持っています。かつては金属製が主流でしたが、軽量化とコスト面の優位性から、近年では樹脂製のインマニを採用する車種が増えています。ガソリンエンジン車ではインマニ内にインジェクターを配置してガソリンを噴射し、混合気をシリンダーへ送る方式(ポート噴射)をとるものもあります。

エンジンオイルフィラーキャップ

ランドクルーザープラドのエンジンオイルフィラーキャップ

エンジンオイルフィラーキャップはエンジンオイルの注ぎ口を塞いでいるキャップで、エンジンカバー付近に取りつけられています。オイル交換時にはこのキャップを開けてオイルを注入します。なお、エンジンが熱い状態で開けると内圧でオイルが飛び出す可能性があるため、エンジン停止後少し時間を置いてから作業しましょう。

エンジンオイルレベルゲージ

ランドクルーザープラドのエンジンオイルレベルゲージ

エンジンオイルレベルゲージを引き抜くと薄い金属板があらわれる

エンジンオイルレベルゲージはエンジンオイルの量を確認するための黄色い丸い取っ手がついた棒状のパーツです。引き抜いて先端をウエスで拭い、再度差し込んで引き抜くと先端に付着したオイルの位置で液面がわかります。正確な量を確認するために、エンジンを止めてから数分後(オイルが落ち着いた状態)に確認するのがポイントです。液面が下限(L)より少ない場合はオイルを補充し、上限(H)を超えている場合はドレンから抜いて調整してください。

ホーン

ランドクルーザープラドのホーン。2つ見えるため高音と低音のダブルホーンになっている

フロントグリルの隙間から見えるホーンはクラクションの音を出すスピーカーです。1つ搭載の車種と、高音・低音の2つを備えたダブルホーン仕様の車種があります。純正品のまま使われることが多いですが、社外品に交換してサウンドをカスタマイズすることもできます。ホーンが鳴らなくなった場合はヒューズ切れのほか、ホーン本体の故障や配線トラブルが考えられます。

オルタネーター(発電機)

オルタネーターはエンジンの回転力を使って電気を発生させる発電機で、ヘッドライト・ホーン・エアコン・各種電子制御など、走行中に車が消費するほぼすべての電力をまかなっています。発電した電気はバッテリーに蓄えられ、不足時に各電装品へ供給されます。オルタネーターが故障すると走行中にバッテリーが消耗し、最終的にはエンジンが止まる可能性があります。

プーリー・Vベルト

エンジンカバーの下に見えるのがプーリーとVベルト

太いホースの奥に見えるのがプーリーにかかっているVベルト

プーリーはエンジンやオルタネーターなどに取りつけられた円盤状の部品で、Vベルトと組み合わせてエンジンの動力を他のパーツへ伝達します。Vベルトが切れると、つながっているオルタネーターやウォーターポンプなどが動作しなくなり、走行不能に陥ることもあります。走行中にキュルキュルという異音がしたらVベルトの劣化・緩みのサインのため、早めに点検を受けましょう。交換時期は車種によって異なるため、説明書で確認してください。

ボンネットダンパー(ボンネットロッド)

ランドクルーザープラドのボンネットダンパー

ボンネットダンパーまたはボンネットロッドは、ボンネットを開けた際に支えてくれる支柱です。ダンパー式は自動的にボンネットを押し上げて保持しますが、ロッド式はホルダーから外して専用の穴に差し込む手動タイプです。ロッド式の場合、しっかり差し込まれていないとボンネットが突然落ちて挟み込まれる危険があるため、作業前に確実に固定されているか必ず確認してください。

エアコンガスの配管

ランドクルーザープラドのエアコンガス配管。指を差しているのが低圧側のLキャップがついている。

車のエアコンには冷媒ガスが使われています。150プラドにはHFC-134aが使用されています。エアコンガスは徐々に減っていくため定期的な補充が必要です。エンジンルーム内の配管には「H(高圧側)」と「L(低圧側)」のキャップがあり、補充には低圧側(Lキャップ)を使います。なお、近年販売される新型車ではHFC-134aよりも地球温暖化係数の低い新冷媒「HFO-1234yf」への切り替えが進んでいます。車種によって使用する冷媒が異なるため、補充前に必ず確認してください。DIYでの補充も可能ですが、ディーラーや整備工場に依頼するほうが確実です。

パワーステアリングフルードリザーバータンク

ランドクルーザープラドのパワーステアリングフルード

パワーステアリングフルードリザーバータンクは、油圧式または電動油圧式パワーステアリングを搭載した車に装備されているタンクで、ステアリング操作を補助するオイルを蓄えています。タンクにはMINとMAXの目盛りがあり、その範囲内であれば正常です。液面がMINを下回っている場合は、配管などからの漏れが疑われるため点検が必要です。なお、電動式(EPS)のパワーステアリングにはこのタンクが存在しないため、車種によっては装備されていない場合もあります。

エンジンルーム内のパーツを把握しておくとトラブル時に役立つ

エンジンルーム内の各パーツは、1つでも不具合が起きると車の動作に影響します。バッテリーが上がればエンジンが始動できず、ヒューズが切れれば該当の電装品が動かなくなります。ウォッシャー液の補充口の場所を知っておくだけでも、日常のメンテナンスがスムーズになります。

パーツの名称と役割を覚えておくと、ディーラーや整備士に状況を正確に伝えられるほか、「異音がする」「液体が漏れている」といったトラブル時に原因を絞り込みやすくなります。すべての作業をDIYで行う必要はありませんが、エンジンルームの基礎知識を持っておくことは、安全なカーライフにつながります。不安を感じる作業はディーラーや整備工場の専門家に依頼するのが確実です。