新古車にもデメリットがあるって本当?購入を検討するなら頭に入れておくべき6つの注意点
これから新しく車を購入しようと考えている方の中には、新古車(登録済み未使用車)を選択肢のひとつとしている方も多いのではないでしょうか。
新古車というと「なんだか新車よりも安くて、中古車よりも状態がよさそう」というイメージが強く、新車と中古車のいいとこ取りのような気がしますが、実際はメリットばかりではありません。新古車が生まれる仕組みにも触れながら、新古車のデメリットや新古車を買う前に知っておきたい注意点について深く掘り下げていきます。
新古車(登録済み未使用車)とはどんな車のことを指すのか
新古車とは、ディーラーあるいは中古車ショップ等によって陸運局への新車登録が行われた状態で、走行距離がほぼゼロに近い車のことを指します。主にディーラーの「試乗車」がそれにあたります。ディーラー系列の中古車販売店や一般の中古車販売店、登録済未使用車専門店などで購入することができます。
なお、「試乗車」と「展示車(デモカー)」は混同されがちですが、届け出てナンバー登録された試乗車は新古車扱い、ナンバーがついていない未登録車の展示車は新車扱いとなります。
新古車といえども「傷」があるケースも!下見は念入りに
走行距離が少ない新古車(登録済み未使用車)でも、ボディに傷がついているケースもあります。新古車といえども購入前の下見は必須です。
屋外保管・屋外展示されていた車両は特に注意。新車に比べて塗装が傷んでいるのは仕方のないことですし、洗車のときに細かい線傷ができている可能性もあります。
新古車が市場に出回る時期はほぼ決まっている!狙い目は決算の翌月
新古車の台数が増える時期は、決算月の翌月となる4月と10月です。各メーカーやディーラーの決算月は3月と9月で、この時期に目標達成のために自社の名義で登録を行ったり、新古車販売店に売り出すようになります。こうした新古車の台数が増える時期を狙って買いに行けば、ボディカラーや性能、装備面などにおいても自分の希望に合うお得な新古車が見つかりやすいでしょう。
「新古車」は正しい呼称ではない!「登録(届出)済未使用車」が正式な呼び方
実は「新古車」という呼称は現在では正式なものではありません。自動車公正取引協議会では、「新車」との差別化を図り誤認を防ぐ目的として、「新古車」「未使用車」といった表示を「登録(届出)済未使用車」と改めるよう、平成26年に「登録(届出)済未使用車」を広告掲載する際の留意点の中で喚起しています。
なお、「登録(届出)済未使用車」を広告掲載する際の留意点では、登録(届出)済未使用車(新古車)について、以下のように示されています。
「登録(届出)済未使用車」とは
初度登録(届出)された車両で、かつ、使用又は運行に供されていない車両(中古車)
新古車のメリットは状態がよく装備が充実した車をお得にスピーディに手に入れられること
新古車は少ししか距離を走っていないため、ほぼ新車に近いというメリットがあります。ディーラーなどで展示車として使用されていた場合、整備面はもちろん、ボディの傷といった中古車購入時にありがちな心配もほぼ無用です。
また、お客さんへのPRのために使用されていた展示車の場合、ベースグレードではなく装備が充実している上級グレードであったり、あるいはオプションが豊富についているモデルが多いのも特徴です。そうした車を新車よりも安く購入できるというのは新古車の大きな魅力でしょう。また、現車があるので新車と比べて納車が早いのも助かります。
これから新古車を買うなら知っておくべき6つのデメリット
先述の通り、新古車にはメリットが多いようにも感じられますが、実際にはいくつかのデメリットがあり購入を考え直す人も少なくありません。新古車の値段と考えようによっては、いっそのこと新車で買うことも選択肢のひとつとして考えてみても良いかもしれません。
1:登録済みの車のため新車より車検までの期間が短くなる
新車と比べた場合の新古車のデメリットといえば車検です。既に届け出済みとなる新古車はどんどん車検までの期間が短くなっていきます。新車では車検まで3年ありますが、登録済未使用車の場合は登録日から数ヶ月は経過しています。車両価格だけを見て即決せず、このことを加味した上で本当にお得かどうかを見極める必要があります。
2:希望する条件に合う車が見つかりにくい
中古車の購入においても同じことが言えますが、「このオプションはいらない」「このグレードがいい」「ボディカラーは黒がいい」など性能やデザインに希望があっても、条件にぴったり合う新古車というのはなかなか見つからないものです。新古車は大きなくくりとしては中古車となりますので、新車と違って製造段階で装備するメーカーオプションは選択できません。
運よく全ての条件を満たす自分好みの新古車が見つかれば儲け物ですが、ただでさえ台数が少ない中から見つけるとなると、予算や装備などに妥協せざるを得ない場合もあるでしょう。できるだけ選択肢を広げるために、4月や10月頃に新古車探しを始めるのがベストです。
3:新古車には定価がないので新車より高い場合がある
新車と違い新古車には定価がないため、値段設定はそのお店次第となります。諸経費などを含めると新車を購入しても変わらない、あるいは新車より値段が高くなる場合があることもデメリットのひとつです。
気になる新古車を見つけた際には、しっかりと新車購入した場合の値引き幅を調べてからの購入をおすすめします。
4:ワンオーナー車ではなくなるためリセールバリューに影響する可能性がある
ワンオーナー車は1人のオーナーに新車購入された後に売られる車のことです。オーナーがメンテナンスに手を掛けていて状態が良かったり、重要書類等が残っていることが多いなどの事情から、同じ中古車でも査定額が上がりやすい傾向にあります。
しかし、登録済未使用車は書類上においてはワンオーナー車ではなく2オーナー車となります。大きな差は出ないのが一般的ですが、新車とは違い売却する際に査定額が若干低く出される可能性が考えられます。
5:軽自動車の新古車の流通は多いが普通車は少なめである
新古車の中で最も台数の多いボディタイプは軽自動車です。普通車の登録は運輸局で行われますが、軽自動車の場合は運輸支局ではなく軽自動車検査協会で行われ、普通車は登録にかかる日数が軽自動車よりもかかります。さらに、軽自動車の方が税金も安く低コストなことから、新古車市場において取り扱われるのは軽自動車が中心となっています。
軽自動車の新古車を探す場合は問題ありませんが、普通車の新古車を探すとなるとなかなか理想とする車が見つからない可能性が高くなります。
6:新古車は台数が少ないため悩んでいるとすぐ売れてしまう
このようにさまざまなデメリットがあることで新古車の購入ではつい慎重になって時間をかけてしまいます。決して安い買い物ではないので無理もありませんが、登録済未使用車は台数が限られており、決算月直後で台数の増える時期でなければアレコレ迷っているうちに売り切れてしまうなんてことも珍しくありません。
特に人気車種や人気のボディカラーの車はすぐに売り切れます。気になる新古車を見つけたら、まずは自分の求める条件に合うかどうか、早めに問い合わせて実車を見に行くことをおすすめします。
新古車はどこで買うのがおすすめ?ディーラーと中古車販売店の特徴
新古車は、ほぼ未使用であるもののの登録済みの「中古車」ですから、中古車取扱店で購入するのが一般的です。ただし、稀に新車ディーラーが試乗車などの新古車を直接販売するケースもあります。新古車はどこで買うのがおすすめか解説します。
ディーラーにも取り扱いはあるが「新車優先」のため新古車の値引きは控えめ
新車を販売しているメーカー系ディーラーが自ら新古車を販売することもあります。
1番よくあるのが試乗車落ちで、その他では納車予定だった車がキャンセルされたなどのケースで「新古車」が発生します。
ただし、メーカー系列の中古車販売店に卸すのが一般的ですので、インターネットなどで情報が開示されることは稀です。懇意にしている営業スタッフがいるなど、人脈がある人が俄然有利な購入方法です。ツテがあるなら、検討してみましょう。
もっとも営業スタッフは新車を売りたいので、新古車の値引きは期待できません。
中古車販売店・新古車専門店での購入が現実的でおすすめ
新古車を購入する場所としては、中古車販売店が一般的で、誰にでもおすすめできます。中古車販売店のなかには新古車専門のお店も存在します。また、新古車の多くが軽自動車であることから、欲しい新古車(未使用者)が軽自動車なら、軽自動車専門店も要チェックです。
価格はもちろん、新車や他の新古車と保証の内容も比較しましょう。新古車は年式が新しいものが多いため、メーカーの新車保証が引き継げる「保証継承」が可能なケースが多いのも嬉しいポイントです。
新古車のデメリットをしっかりと理解して気になる車をお得に購入
「新車よりもお得に買えるから」と安易に新古車を購入してしまうと、後々「なんだかんだ新車を購入してもよかったかも…?」なんて事態になりかねません。
新古車は一般的な中古車と比べて出回る台数が少ないため、台数が増える4月・10月を目途に、視野を広げて探してみるのがおすすめです。その他にも車検までの期間やグレード・装備の充実度、諸経費を含めての新車との比較など、様々なポイントに注意しながら納得のいくお得な新古車を見つけてください。