新車と中古車が安く買えるお得な購入時期
車は高額な買い物なので、少しでも安く購入したいと思うのが心情です。車の雑誌やインターネット上には「安く買える月は〇月!」といった情報がありますが、それは本当なのでしょうか。
今回は車を安く買える可能性がある月とその理由を新車と中古車に分けて紹介、できるだけ値引きを引き出す交渉方法なども解説し、車の購入を検討している方必見のお得な情報を紹介します。
値引き月があるという噂は本当?お得に新車を購入できる時期はディーラーによって違いがある
- 3月はディーラーの決算時期なので値引き額が拡大される
- 7月と12月のボーナス商戦は値引き額が大盤振る舞いになる
- 9月の自動車メーカー中間決算時期は新車購入が安くなる
- 6月や8月は閑散期のため逆に大幅値引きのチャンスになる
「新車購入には大きな値引きが期待できる月がある」という噂がありますが、これらの情報は半信半疑にとらえた方が良いでしょう。
特定の自動車メーカーと特約を結んだ販売店であるディーラーには、トヨタなどの自動車メーカーから目標販売台数と販売奨励金が与えられます。月〇台売ったら1台あたり〇円の販売奨励金がでる、という内容で新車販売におけるディーラーの儲けの多くを占める部分がこの販売奨励金となっています。
目標の台数が下回ると来期からの販売奨励金が減額されることもあるため、目標台数を売るためにディーラーは値引きを拡大して販売します。
目標販売台数は月によって違い目標販売台数を調整
目標販売台数は月により違うため、自動車が多く売れる月には目標台数も多くなり、売れない月には目標台数も少なくなります。例えばボーナス時期の7月には販売目標も高くなるため、販売台数を増やす必要があります。
しかし「7月はボーナス時期のため大幅値引きのチャンス」という噂だけで、普段の値引きと同じ金額でも車が売れるのが現実となっています。
また、どの月でも平均して売れる人気ディーラーでは新車登録の時期をスライドすることで目標販売台数を調整することもあります。販売台数を調整しているディーラーでは一般的に値引きが大きくなる月と言われる3月や7月でも必要以上の値引きをすることはありません。
項目 | 内容 |
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目標販売台数の特徴 | 月によって異なり、自動車の売れ行きに応じて調整される |
売れやすい月の例 | ボーナス時期の7月は販売目標が高くなる |
値引きの現実 | 「7月は大幅値引きのチャンス」という噂があるが、実際は普段と同じ値引き額で売れる |
販売台数調整方法 | 人気ディーラーは新車登録時期をずらして目標台数を調整する場合がある |
値引き傾向 | 3月や7月の繁忙期でも必要以上の値引きは行われないことが多い |
どこのディーラーでも誰でもお得に購入できる可能性がある月は3月か!?
安く新車購入できる可能性があるのは、最も多くのディーラーが決算月にしている3月です。目標販売台数を達成できていないディーラーは決算セールとして宣伝に力を入れることもあり、大きな値引きを期待できます。
しかし前述の通り、登録車両を調整し目標数を上回っている場合は過度な値引きを期待できません。それでもディーラーにとって利幅が高いボディコーティングやオプション装備などは最大限値引きしてくれる可能性が高いです。
項目 | 内容 |
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お得に購入できる可能性のある月 | 多くのディーラーが決算月とする3月 |
3月の特徴 | 目標販売台数未達のディーラーは決算セールを強化し、大きな値引きが期待できる |
登録車両調整の影響 | 目標数を上回っている場合は過度な値引きは期待できない |
値引きされやすい項目 | ディーラーに利幅が高いボディコーティングやオプション装備は最大限値引きされる可能性が高い |
ディーラーによりお得に新車購入できる時期は違う
「目標販売数がその月に達成できているか」により新車の値引き額が変わってきます。「閑散期のほうがじっくり交渉できるので値引きを拡大しやすい」と考える方もいる通り、交渉の仕方や個々のディーラーの販売状況により「安く新車を購入できる時期」には違いがあります。
車は高い買い物です。できる限りディーラーに通い、1番お得に購入できる時期を直接聞くのも良い方法です。
項目 | 内容 |
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値引き額に影響する要因 | その月の目標販売数の達成状況によって変わる |
時期の違い | 閑散期はじっくり交渉しやすく値引きを拡大できる可能性がある |
購入時期の個別差 | 交渉方法やディーラーの販売状況によって安く買える時期が異なる |
おすすめの方法 | 複数のディーラーに通い、最もお得に購入できる時期を直接確認すること |
中古車が安くなる次期は4月から6月がねらい目!中古車情報をチェック!
新車と違い中古車の場合は、お得に購入できる月は明確です。
それは車が最も売れる3月に車を買い替えた方の下取り車が流通する、4月から6月の時期です。中古車が市場に多く出回る時期なので、販売業者は1台でも多く売りたいため薄利多売の戦略を取ります。
中古車は基本的に値引きしないですが、この時期は同じ地域に競合する車両が出回ることがあるため、いつくかの販売店を見てきたことを伝えると値引き交渉が可能になることもあります。
ただし需要も増えているためお気に入りの車が次の日に売れていた、ということもあるので注意が必要です。
また中古車はインターネットを利用して自分で好みの車両を見つけることができます。販売店によりお取り寄せしてくれたり、中古車オークションの代行をやっている場合もあるので確認してみましょう。
項目 | 内容 |
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中古車が安くなる時期 | 4月から6月。3月の新車販売後の下取り車が多く流通するため |
販売業者の戦略 | 市場に中古車が多く出回るため、薄利多売で販売する傾向がある |
値引き交渉のポイント | 中古車は基本的に値引きしないが、競合車両が多い時期に複数の販売店を見てきたことを伝えると交渉可能な場合がある |
注意点 | 需要も増えているため、気に入った車がすぐに売れてしまう可能性がある |
車両の探し方 | インターネットで自分で探せる。販売店のお取り寄せや中古車オークション代行サービスも利用可能 |
値引き交渉の重要性 | 新車購入時は必ず交渉すべき。苦手でもポイントを押さえれば最大限の値引きを引き出せる |
限界の値引き額を引き出して車を少しでも安く購入する方法
できるだけ安く新車を購入したい時、必ず交渉しましょう。交渉が苦手な場合でもこれから紹介することを頭に入れておくと最大限の値引きを引き出すことが可能になります。
ライバル他車と競合させて値引きを引き出して見積もりを出してもらう
よくあるのが目当ての車種と、ライバル車種を競合させることです。
例えばホンダのヴェゼルが欲しい場合、トヨタのC-HRや日産のエクストレイルも購入候補としていることを交渉材料とします。先にライバル車種の見積もりを取っておき、最後に目当ての車種を取り扱っているディーラーで交渉しましょう。
2番目に人気の車種を狙って購入を検討して見積もりを依頼
車種にこだわりがない方は2番目に人気の車種を狙うことで大きな値引きを期待できます。
他車と競合させる方法に近いのですが、例えば2016年新車販売台数上半期1位のトヨタのプリウスよりも2位のノートの方が値引き額は大きいです。
新車販売台数2位より1位の方が見栄えが良く車の価値を上げられるため、どうしても1位を取りたいという心理が働きます。そのためメーカーから特定の車種へ販売奨励金が上乗せされることがあります。1番人気の車種にあと少しで逆転できる、2番手に付ける車を狙いましょう。
あえて不人気のカラーやグレードを選んで値引きを引き出す
人気車種にも不人気のカラーやグレードがある場合は、そちらを選ぶことで満足な値引き額を引き出すことができます。新車注文を見込んでメーカーが製造していた車が該当する時は、納期も大幅に短くすることが可能です。また、目標台数を達成するためにディーラーで購入して登録しただけの新古車を提案されることもあり、新車と同程度の車を安く乗ることができる可能性もあります。
下取り車がある場合は新車を値引くのではなく下取り額を上げてもらう
新車購入の際に下取り車がある場合、購入する車の値引きをお願いするよりも下取り車の買取価格を上げてもらうほうが交渉しやすい場合があります。
ディーラーによっては下取り価格を明記しない場合があるので、見積書にしっかり記載してもらい交渉しましょう。
納車を急がない場合はディーラーの販売したい月に納車でかまわないことを伝える
納車を急がないことを条件に値引きを引き出す方法です。
ディーラーには月により目標販売台数があり、達成できない月には自社で車を購入することもあります。そのため「登録は販売店さんの都合で良いので」と付け加えると値引き幅が増えることがあります。
モデルチェンジ発表後の現行車を購入するタイミングを狙う
ライバル車が存在しない車はモデルチェンジ発表後の現行車両を購入する約束で、値引き交渉が可能です。例えばアルファードやランドクルーザーなど、人気が有りライバルがほぼいない車種は値引きを期待できません。しかし車両値引きはできなくてもオプションで大きな値引きが期待できる時期もあります。それがモデルチェンジ発表後の現行車種の購入です。
モデルチェンジ発表後はその車種の販売台数が落ちます。そのため値引きを一切しないレクサスでさえもオプション品をサービスしてくれた、なんて話も実際にあります。
決定権を自分以外にして出された見積もり金額をすぐに了承しない
最終交渉であと一押しする時に使えるのが、決定権を自分以外にする方法です。
最終交渉が終わり、この金額に対する決定権がないことを伝え、親や妻や友達に電話、または一度持ち帰ります。
営業マンは今日中に契約を取りたいため、時間をおいて「もう一押しあればハンコを押すそうです」と伝えることで更なる値引きやオプション品のサービスを受けられることがあります。
項目 | 内容 |
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ライバル車との競合 | 目当ての車種とライバル車種を競合させ、先にライバル車の見積もりを取り、最後に目当ての車種のディーラーで交渉する |
2番目に人気の車種を狙う | 人気1位の車種より2位の方が値引き額が大きいことがあり、メーカーが販売奨励金を出す場合もあるため狙い目 |
不人気カラーやグレードを選ぶ | 不人気のカラーやグレードは値引き額が大きく、納期も短くなることがある。新古車の提案もある |
下取り車がある場合の交渉 | 新車の値引きより下取り価格を上げてもらう方が交渉しやすい。見積書に下取り価格を明記してもらうことが重要 |
納車時期をディーラーに合わせる | 納車を急がないことを伝え、ディーラーの販売したい月に登録してもらうことで値引き幅が増えることがある |
モデルチェンジ発表後の現行車購入 | モデルチェンジ発表後の現行車両購入を約束して交渉すると、車両値引きは難しくてもオプション値引きが期待できる |
決定権を他者に委ねる | 最終交渉で決定権がないことを伝え、一度持ち帰るか他者に相談すると更なる値引きやサービスを得られる可能性がある |
新車購入でも中古車購入でも商談は最低でも1ヶ月前から始める
車の商談は余裕をもって3ヶ月前から、最低でも1ヶ月前から始めましょう。
車の購入時期に余裕がないような状況では正しい判断ができず、営業の言う通りの不利な契約をしてしまうこともあります。特に多いのが「本日契約を決めてもらうと追加で〇万円値引きできます。」というものです。
これは長期ローンを組んでいる方が言われがちなことで、金利を含めた本体価格を計算させないために行われることがあります。
見積書をしっかり確認し、ローンを組む場合は金利を含めた総支払価格を計算、総額からいくら値引きしてくれるのかを長期で交渉することが大切です。