タイヤの交換時期・寿命

タイヤの交換時期について・タイヤの寿命を見分ける2つのポイント

タイヤの適切な交換時期や寿命のチェック方法を紹介。タイヤが寿命を迎えているかどうかを見分けるにはスリップサインの有無、製造からの経過年数などをチェック。溝が十分に残っていてもヒビ割れなどもチェックする必要があり劣化しているとタイヤがバーストする危険性もある。

タイヤの交換時期はいつ?スリップサイン・製造年月が見極めのポイント

タイヤの交換時期は、一体いつ頃行うのがベストなのでしょうか。タイヤの寿命は、乗り方や日頃のメンテナンス方法によって変わってきます。タイヤの新品交換には費用がかかりますが、ドライバーはタイヤに命を預けているため、最もお金をかけておきたい重要な部分でもあります。

製造から5年も10年も経過した古いタイヤを履いて走行していると、新品タイヤに比べて制動距離(止まるまでの距離)に違いが出るため、新品のタイヤと同じタイミングでブレーキをかけたとしても、事故になる・ならないの差が生まれます。

そこで、タイヤが寿命かどうかを見分けるためのポイントや、タイヤの交換時期を延ばすためのメンテナンス方法をご紹介します。

スリップサインが見え始めたら交換

スリップサインは整備不良(車検も通らない)にあたる1.6mm以下のタイヤの溝を示す

タイヤの溝の残りを知らせるサインがスリップサインです。タイヤにスリップサインが出ている場合、溝の深さが法律で定められた1.6mm以下になっていることを示しています。タイヤの溝が1.6mm以下の状態で走行すると整備不良と判断されますし、車検も通りませんので、すぐに交換が必要です。

タイヤは溝がなくなるほど滑りやすく、止まりにくくなるので、スリップサインが見えかけている(残り溝4mm、一般的に5分山)時にはあと1~2シーズン、スリップサインが見えている(残り溝1.6mm)時は速やかにタイヤを新品に交換するほうが安全に走行することができます。

「タイヤの新品交換には費用がかかるのでどうしたらいいか」とお悩みの場合、国内メーカーだけでなく、海外メーカーの輸入タイヤ(アジアンタイヤ)を選ぶという選択肢もあります。溝が減って滑りやすくなっている国産タイヤよりも、新品の輸入タイヤの方が安全に走行できる場合が多いです。

13インチや14インチの輸入タイヤは1本1,500円から販売されているものもあり、4本セットでも1万円以下の予算で購入できることもあります。

タイヤの製造年から5年以上経っていたら要点検・10年以上は要交換

楕円の中にある下4ケタの数字がタイヤの製造年と製造週

タイヤのサイドウォール(側面)を見ると、楕円に囲まれた部分に数字が刻印されているのが見えます。その数字の下4桁はタイヤの「製造週・製造年」を表しており、例えば「2814」であれば「2014年の第28週目」に製造されたタイヤと読み取ることができます。

自分が装着しているタイヤに刻印されている4桁の数字のうち、下2桁が製造から5年以上が経過している場合は、ゴムが劣化している可能性が高いため要点検です。下2桁が製造から10年以上経過している場合は、安全のために要交換となります。

10年以上履いていても溝が残っていて走れるように思えても、ゴムの劣化により、見えない部分でひび割れが入っていたりなど、滑る・止まりにくい以外にも破裂(バースト)する危険性があります。製造から5年以上同じタイヤを履いている場合は、カー用品店などで点検してもらうほうが安心です。

タイヤの寿命を延ばすには?メンテナンスや運転の仕方でタイヤを長く使用

タイヤの交換時期はスリップサインが見え始めた時や、製造から5年以上経っている時が多いですが、運転の仕方によっては2年ほどでスリップサインが見えるほどすり減ってしまうこともあります。

どのようにすればタイヤの減りを抑え、寿命を延ばすことができるのでしょうか。その方法をご紹介します。

定期的にチェックしてタイヤの適正空気圧を保つ

定期的に空気圧をチェックして適性値に保っていればタイヤ寿命は延びる

車両の運転席側ドアの内側などにステッカーで貼られている適正空気圧は、その車両の純正タイヤサイズで快適に長持ちするように設定された空気圧を示しています。

例えば、適正空気圧よりも空気が入りすぎている時は、トレッド面(接地面)の真ん中が膨らんでいる状態になるため、タイヤ接地面の真ん中が減りやすくなります。逆に、適正空気圧よりも少ない場合は、両端に負担がかかり、タイヤの両端が減りやすくなります。

適正空気圧から外れた状態のタイヤの減り方

  • 適正値より高い空気圧で走行:タイヤの真ん中が減りやすい
  • 適正値より低い空気圧で走行:タイヤの両端が減りやすい

純正タイヤサイズを履くのがタイヤに負担がかからない走行が可能

純正サイズからインチアップした際には、車両が想定しているよりもタイヤへの負担が大きくなるため、バランスが崩れて偏摩耗(タイヤの一部が偏って摩耗すること)が起こりやすくなります。また、足周りのパーツを変えた時にアライメント調整を同時に行わないと、タイヤの取り付け角度が車両に対してズレていることが多いため、タイヤが片減りしやすくなります。

偏摩耗や片減りとは、タイヤの外側または内側のみが極端に減った状態で、車両重量の重いミニバンなどに起こりやすい現象です。

タイヤの外側の偏摩耗(外減り)は見えやすいので気がつきやすいですが、内側の偏摩耗(内減り)は気がつきにくく、溝が減り続けたまま乗り続けるとバーストする危険性もあるため注意が必要です。

タイヤに負担がかかる急発進・急加速・急停止をなるべく行わない

急発進や急加速・急ブレーキを行うと、タイヤの一部分だけに大きな負担がかかり、部分的に摩耗する原因となります。危険を回避するために行う急な動作は仕方がありませんが、特に何もない時に急発進や急加速を行う、急ブレーキで赤信号で止まるなどを行わないことで、タイヤを均等に使い切ることができます。

夏と冬にタイヤ履き替える時はローテーションを行う

タイヤ交換の時期に行うことでタイヤの寿命を延ばすことができるのがタイヤローテーション、つまり前後のタイヤを入れ替える方法です。FF車(前輪駆動)の場合では、操舵と駆動で摩耗しやすい前輪を後輪へ、進むだけで摩耗しにくい後輪を前輪につけることで、タイヤ4輪の摩耗具合を均一化する方法です。

前輪に使っていたタイヤを次のシーズン以降も前輪に使っていると、後輪に使っていたタイヤよりも摩耗が進み、寿命が早く来てしまいます。後輪に使っていたタイヤは少ししか減っていないのに、前輪に合わせて新品交換することになってしまいますが、ローテーションして摩耗具合を均一にすることで、4輪すべて同じくらい減った状態で新品交換することができ、無駄がありません。

タイヤは消耗品で車の安全に直結する大事な部分

タイヤはガソリンなどと同様に使ったら減る消耗品であり、タイヤの状態によって滑る・止まれるといった安全性が大きく変わってきます。そのため、製造から5年以上前に製造されたタイヤなど古いものは新品に交換したほうが安心です。

13インチや14インチなどのアジアンタイヤは1本1,500円ほどで購入できるものもあるため、工賃を含めても1万円以内になることが多く、5年以上経過した国産タイヤよりも新品のアジアンタイヤのほうが安全に走行できると考えられます。

新品タイヤの交換代を惜しんで溝が減ったタイヤで走行し、滑ったり想定した場所で止まることができずに危険な思いをするよりも、安ければ1万円以内で4輪全て新品にできるので、早めにタイヤを新品に交換することをおすすめします。