タイヤ交換の方法と手順|安全に付け替えるための8ステップ
スタッドレスタイヤへの履き替えや夏タイヤへの戻しを、ご自身で行われる方も多いのではないでしょうか。ディーラーやカー用品店に依頼することも可能ですが、シーズン時は混雑で待ち時間が長くなりがちです。また年2回の交換費用も積み重なります。
自分で作業できれば時間も費用も節約できます。ただし手順を誤ると脱輪などの重大事故につながるため、正しい知識が不可欠です。本記事では、タイヤ交換に必要な工具・手順・安全上の注意点をわかりやすく解説します。作業に不安がある場合は無理せず専門業者に依頼してください。
タイヤ交換に必要な工具・備品

作業前に必要な工具をすべて揃えておきましょう。素手での作業は怪我のリスクがあるため、軍手は必ず着用してください。工具一式は1万〜2万円程度で揃えられます。
タイヤ交換に必要な主な工具・備品
- 軍手
- 交換するタイヤ4本
- ホイールに合うナット(16個または20個など)
- フロアジャッキ(油圧式ガレージジャッキ)
- クロスレンチまたはトルクレンチ
- 輪止め(車止め)
- マイナスドライバー(ホイールキャップを外す場合)
ホイールに合うナットを必ず確認する

タイヤ4本の準備はもちろんですが、見落としがちなのがホイールの座面形状に合ったナットを用意することです。ナットの座面形状には主に「テーパー座」「平面座」「球面座」の3種類があり、ホイールの種類によって対応形状が異なります。
主なメーカー純正ホイールに対応するナット形状
- 球面座:主にホンダ車
- 平面座:主にトヨタ車・レクサス車
- テーパー座(60度):日産、スバル、スズキ、三菱、マツダ、ダイハツなど(社外ホイールの多くもテーパー座)
形状が不明な場合は、取扱説明書を確認するかカー用品店の店員に相談してください。誤った形状のナットを使用すると走行中の脱輪などの重大事故につながる危険性があります。
フロアジャッキは油圧式が便利
車載のパンタグラフジャッキでも作業は可能ですが、力が必要で安定性にも注意が必要です。5,000円前後から購入できる油圧式のフロアジャッキ(ガレージジャッキ)を使うと、少ない力でスムーズに持ち上げられて安心です。
クロスレンチ・トルクレンチを使い分ける

車載のL型レンチは口が厚く、アルミホイールに使うと傷や塗装剥がれの原因になることがあります。アルミホイール対応の薄口クロスレンチ(1,000円前後〜)があると便利です。17mm・19mm・21mmなど複数サイズに対応したものを選びましょう。
また、ナットの締めすぎ(オーバートルク)はハブボルトの損傷・破断につながります。適正トルクで均一に締め付けられるトルクレンチ(4,000円前後〜)があるとより安全です。
マイナスドライバーはホイールキャップ取り外しに使う
スチールホイールにはめ込まれているホイールキャップは、手だけでは外れないことがあります。マイナスドライバーで少しずつこじると外しやすくなります。
ステップ1:平坦な場所に駐車して輪止めをかける
タイヤ交換は自宅駐車場などのアスファルトで覆われている平坦で安全な場所で行います
作業場所は車の周りをひと回りできる十分なスペースがある、平坦で安全な場所を確保しましょう。作業中は車の横にしゃがむため、公道・商業施設の駐車場・洗車場などの利用者の迷惑になる場所は避けてください。
作業場所選びのポイント
- 車の往来がない安全な場所(自宅駐車場など)を選ぶ
- 車の周囲をひと回りできる十分なスペースを確保する
- 砂利道・土の上ではジャッキが安定しないため作業しない
- 坂道・傾斜のある場所では絶対に作業しない
駐車後は、交換するタイヤの対角にあるタイヤ(例:右前を交換するなら左後ろ)に輪止めをセットすると車の動き出しを防げてより安全です。
ステップ2:サイドブレーキをかけてナットを少しだけ緩める
安全な状態を確認したら、レンチを反時計回りに回してホイールナットを緩めていきます
シフトをP(パーキング)に入れてサイドブレーキをかけ、メーターのランプ点灯を確認してからエンジンを切ります。サイドブレーキは手動・フットペダル・電動の3タイプがあるため、わからない場合は取扱説明書で確認してください。
手で引くタイプ
足で踏むタイプ
電動タイプ
エンジンを切ったら、レンチで全てのナットを反時計回りに「少しだけ」緩めます。完全に外すのではなく、手でクルクル回せるくらいまで緩めるのが目安です。緩める順番は、4穴なら対角線(上下左右)、5穴なら星型を描くように対角順に進めるとホイールが歪みません。
サイドブレーキがかかっている状態(メーター点灯)
ステップ3:ジャッキをかけて車を持ち上げる
ジャッキアップポイントにフロアジャッキの先端部をかけて準備が整ったら、油圧をかけて車を持ち上げていきます
フロアジャッキは必ず指定のジャッキアップポイントにかけてください。ポイントはサイドを下からのぞき込むと矢印または切り込みで示されており、取扱説明書にも記載されています。指定外の場所にかけるとボディ損傷やオイル漏れの原因になります。

持ち上げる高さはタイヤが地面から約5cm離れる程度が目安です。作業中は車の下に手・足・身体を絶対に入れないでください。万一ジャッキが外れると車の下敷きになり、重大な事故につながります。
ステップ4:ナットを全て外してタイヤを付け替える
ホイールナットを全て外したら交換用のタイヤへと付け替えます
車を持ち上げたら全てのナットを外し、古いタイヤを取り外します。新しいタイヤをボルトに奥まではめ込みます。タイヤが地面に触れてしまう場合はまだ奥まで入っていないサインなので、さらに少し持ち上げてから装着してください。
ジャッキを使用している際には蹴飛ばしたりしないように位置を再度確認して慎重に取り扱います
ジャッキを蹴とばしたりぶつけたりしないよう十分注意してください。また、回転方向が指定されているタイヤはサイドウォールの矢印を確認してから装着しましょう。方向を誤ると排水性能が著しく低下します。
ステップ5:ナットを正しく装着して仮締めする
ホイールナットを付けたら、対角線上の順番に均等な力をかけて仮締めしていきます
タイヤをはめたらまず手でナットを回せるところまで締め、その後クロスレンチで対角線順(4穴は十字順、5穴は星型順)に均等に仮締めします。1本を一気に強く締めてしまうとホイールが歪むため、必ず少しずつ均等に締めてください。
クロスレンチで締める場合は固くなったところで腕だけの力で「ギュッ」と締めるのが目安です。トルクレンチを使う場合の適正トルクは軽自動車で80〜100N·m、普通車で100〜120N·mが一般的です。正確な数値は必ず取扱説明書で確認してください。
体重を乗せて強く締めすぎるのはNG。オーバートルクによってハブボルトが損傷・破断するリスクがあります。
ステップ6:ゆっくり車を下ろしてナットを増し締めする
油圧を落として車を地面に下ろしたら、ナットを増し締めしてタイヤ交換作業は完了です
リリースバルブをゆっくりと少しずつ開けて車を下ろします。一気に開けると車が落下するので危険です。車が下りる際にタイヤの下に足を入れないよう注意してください。
完全に下ろしてフロアジャッキと輪止めを外したら、地面にタイヤが接地した状態で対角線順に増し締めします。ジャッキアップ中の仮締めだけで終わらせず、この増し締めが重要なステップです。
ステップ7・8:残り全てのタイヤを交換し、空気圧チェック・試運転を行う

同じ手順で4本全てのタイヤを交換したら、必ず空気圧を確認して適正値に調整してください。数ヶ月保管していたタイヤは自然に空気が抜けていることが多く、空気圧不足のまま走行すると燃費悪化・偏摩耗・バースト等のリスクがあります。適正空気圧はドア開口部のステッカーまたは取扱説明書に記載されています。
空気圧調整後は、広い場所でUターンやハンドルをフルロックするなどの試運転を行い、異音・ハンドルのブレ・振動がないかを確認してください。少しでも異常を感じたらすぐに走行を中止し、専門業者に点検を依頼してください。
タイヤ交換の手順まとめ(8ステップ)
- 平坦な場所に駐車して輪止めをかける
- サイドブレーキをかけてナットを少しだけ緩める
- ジャッキアップポイントにジャッキをかけて持ち上げる
- ナットを全て外してタイヤを付け替える
- ナットを対角線順に仮締めする
- ゆっくり車を下ろしてナットを増し締めする
- 4本全て交換して空気圧を適正値に調整する
- 試運転して異音・ブレがないか確認する
タイヤ交換は慣れれば1時間もかからず作業できます
ディーラーやカー用品店・ガソリンスタンドへのタイヤ交換依頼は、工賃が1本あたり数百円〜数千円かかり、年2回の交換では費用が積み重なります。工具を揃える初期費用はかかりますが、おおよそ3年程度で元が取れる計算です。自分のタイミングで作業できるため、繁忙期の長い待ち時間も発生しません。
慣れれば4本のタイヤ交換を1時間以内に終えることができます。安全手順を守ったうえで作業することで、費用と時間の両方を節約できます。雪国への転勤・引越し後にも役立つ実用的なスキルとして、ぜひ習得しておきましょう。


























